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学校始まる。とウウダギのおねだり

今回は少し短いデス。


翌朝、早く目が覚めた。


と、言うのもウウダギが早々と起こしたからだ。

なんだと思ったら学校は午前中やって、午後は作業すればいいと言う話し。


確かに其のとおりだね。

そう思った僕はすぐにズズナドを叩き起こし、既に早々と起きていた族長も含め、

集落の皆の前で、学校についての話をする。


「皆よ、集まってくれたか。まぁ、言うまでもないのだが、ポンピカが以前から計画を立てていた事だがのう。ガッコウと言う取り組みを開始する予定じゃ。内容はワシでは分からぬのでポンピカから話が有る。聞いてくれ」


族長が皆の前でそんな事を言う。

結局計画のGOサインは出したものほとんど絡んでいない族長では、

僕に丸投げするしかないんだ。

まぁ仕方ないことだけどね。


「えっとね。朝早く皆を集めたのは、皆の頭を良くして行こうっていう取り組みをこれから開始するのだけど、皆協力してくれない?きっと皆の力になるんだ。」


そこまで言うと、ほとんどのスキクは、

「まぁ、ポンピカが言うんだったら仕方ないか」という雰囲気が漂う。

しかし、ヴァレヴァレの連中は全員頭の上にクエッションマークが3つほど立っていそうだ。


「ヴァレヴァレの皆は学校がどんなものかわからないよね?」


其の質問に対してヒュルルが答える。


「あのぉ・・・。ガッコウってのは、俺等も参加しなきゃいけないでしょうか?」


どちらかと言うと、ウチのスキクは、ほとんどが勉強をしてるんだ。

文字はある程度覚えているし、数字は殆ど分かる。

数字は生活に密着している場合が殆どで、

文字は記録を残す必要があるウウダギを始め、

ギギリカやズズナド、それに族長は既にマスターしていた。


内容は日本語だ。

ただ、其の内容はひらがなであり、漢字やカタカナ、

はてはローマ字なんかははウウダギ以外出来ない。


ウウダギは僕の側で色々自動で学んでしまうので、

全てに置いて、僕の次に理解している。


パレンケは下地があったため習得が早く。

数字は”ト”でも使っていたようで、

表記は違うものの、ある程度は互換性を持って考えることが出来ている。

パチャクケチャクはまっさらだったためか吸収が早く覚えるのに苦労はしていない。


べベビドは数字に強かった。

長さを計ったり、重さを確認するのにどんな方法でどうやればいいかなどを、

僕が直接教えるとすぐ出来てしまったんだ。


ただ、文字については必要な部分しか頭に入らなかったようで、

微妙にバランスが悪い。


イイオオは、なかなか優秀であった。

文字についての考察がとても良い。

きっと「先祖の呪術師の記録をつけておこう」って、

僕が言ったのをきっかけにとても文字に興味を示したためだと思う。


シシブブは、文字も数字も卒なくこなすけど、興味が無いようで、すぐに飽きてしまう。

だから進みが悪い。


ンダンダは文字と数字に強かった。

多分、ウウダギには及ばないけど、文字も数字もある程度使える。

なぜかと言えば、どのタイミングでどの植物を植えれば、何時収穫できるか?

などの事を記録に残したり、前倒しで計算したりと独自にやり始めているんだ。

なかなか優秀。


デデンゴについてはパレンケが教育してるので、

多分大丈夫のはずだ。確認は取れてないけどね。


まぁ、何はともあれ、ヴァレヴァレ達だけが、此の場では出遅れている。


「えっとね。この集落では、より賢く成るために皆努力してるんだ。そして、それが将来とても役に立つ道具だと理解してるんだよ。ヴァレヴァレではそういうことはなかったかもしれないけど、出来ないことではないよ。これから皆で学ぶんだ。強制したくないけど、その道具がないと、今後この集落ではとてもやっていけなくなると思う。」

「・・・そうですか・・・でもその道具は必要なんですか?」


必要性は有るよ。

なかったらここまでやってない。

まだ理解が追いついてないのか・・・。


「例えばだけど、ヒュルルは数字は分かるよね?」

「まぁ、わかります」


「幾つまで数えることが出来る?」

「それは、簡単です。俺はヴァレヴァレの中でも特に数字に強いんです。数なら5まで数えることが出来ますよ」


5で凄いの?

・・・パパムイ寄りはいいのかもしれないけど・・・。

まぁ、スキクの文化レベルから見れば5まで数えることが出来るのは充分凄いのかな?

ってか、それで自分の集落の中では強い方と言ってのけることが出来るのかぁ。


まぁいいや。


「そっかぁ・・・。パパムイにお願いがあるんだけど」

「ん?俺?なんで俺を引き合いにだすんだ?」


「パパムイは頭が足りないよね?」

「・・・まぁ、自他ともに認めるほどだからな・・・なんか言われると気分が悪いけどな」


「ごめんごめん。でもパパムイは数字どのくらい言える?」

「ん?100はちゃんと言えるぞ。数えることも出来る。踊りと一緒なら計算も100以上言えるし、数えることが出来るぞ。」


パパムイがそんな事を言う。

それに対して、ヴァレヴァレの連中が揃って「えっ?」っていう顔をする。


「ヒュルル。証明してみせるよ。」

「パパムイ。踊っていいから数を数えてくれないか?」


「おう。踊りが有りなら全然行けるぜ」


そう言うとパパムイが大声で数を数え始める。

60当たりから腕とか足とかを動かしはじめて100を超えると、

更に激しく踊り始める。


その踊りがとてもおどけていて楽しいんだけど、

僕の隣にいたウウダギがウズウズしていく。

終いには、一緒に踊り始めてしまった。


更に其の様子を見ていたパレンケが「ハッ?!」っとか声を出すと、

何処からか皮張りの太鼓を持ってきてポンポン鳴らし始める。


すると、パチャクケチャクが同時にパレンケへと顔を向けて、

「ハッ?!」って何かを思い出したかと思うと、踊りはじめ、更には歌い始めてしまった。


ここまで来ると賑やかで、

いいなぁ。と思うけど、まぁ、騒がしい。


・・・この集落にも歌や踊りの文化が今、爆誕した。


パパムイは数字を叫び、パチャクケチャクも踊り合わせて数え歌を叫ぶ。

パレンケはリズムをしっかり刻むように太鼓をポンポン叩いてるし、

楽しくなっちゃったウウダギと一緒にデデンゴまで真似して踊ってる。


其の様子になんだかベベビドやイイオオまで体を小刻みに揺らしているし、

ギギリカとシシブブは手拍子をしている。


そんな様子を見ているズズナドと族長は、

何やら微笑ましい物でも見ているかのようにニッコリしているしなぁ・・・ジジ臭くないか?


まぁ収拾がつかなくなりそうだったので、

パパムイが300を数えた当たりから僕が中止を呼びかけた。


総スカンを食らったけどね。


騒ぎたいなら夕食の後とかでいいだろ?


まぁ、気を取り直して、

ポカーンと口を開けて今までの惨状を見ていたヴァレヴァレ達へ声を掛ける。


「と、まぁ、そういう訳でさぁ?集落でも頭の足りないパパムイでさえ数は数えることが出来るんだよ。僕が中止を掛けなければずっと数えてたよ」

「・・・これも全部ポンピカが教えたんですか?」


「手ほどきはしたけど、あの踊りとかはパパムイの趣味だよ?」

「オドリですかぁ・・・。俺達もああしなきゃダメですか?」


「踊る必要はないよ・・・流石にね」

「そうですか。それは良かった。でも、ウウダギやデデンゴも?数は数えることが出来るんですよね?」


「うん。言っちゃ悪いけど、ウウダギは別格だからね?僕とウウダギだけは、数が幾つ有っても数えることが出来るよ。ある程度複雑じゃなきゃ計算も出来る。」

「ケイサン?」


「物の数を足したり、引いたりする事で、数を求める方法だよ」

「それも出来るんですか?」


「そりゃね。そういう事を教えてくれる場所を提供するから一緒に取り組んでほしいっていう話だよ?今回の話はね」

「なるほど。わかりました! 参加します」


「そうか。良かった」


何とかヴァレヴァレの連中も参加出来ることに成った。

良かったよかった。


僕のやり取りが一段落したのを見て、族長が「そういう事じゃ」といって此の件は終わった。


終わった直後にズズナドから手始めの青空教室が開催されるのだった。

ちなみに僕とウウダギは教える側を教える側なので、免除だ。


僕とウウダギだけ、時間が空いた。

いや、一匹だけ蚊帳の外のギュギュパニだなぁ・・・。

集まりに参加しないで、自分の守備範囲である採掘場にすぐに行ってしまった。


まぁ、ギュギュパニはそれでいい。

頑張って、集落の材料をドンドン生み出してくれ。


ちなみにギュギュパニはある程度出来るから別に学校に通わなくてもいい。

何故か教養があったりするんだ。

多分昔”ト”でしごかれたんだろう。


さて、空いた時間でウウダギと二匹何するかだけど・・・。

そこで、ふと避難所の方を見ると、

まぁ、例のあのスキクが居るわけだ、手招きまでしている。

正直げんなりする。


でも、相手をしないと拗ねるし、色々とちょっかいを掛けてくるので放置も出来ない。

見つかってしまったのが運の尽きというやつだね。


仕方ないだろう。


「ウウダギ。 ちょっと、精霊さんとお話しなきゃいけないかもしれない」

「セイレイサン? ウザイ」


直球すぎるなぁ。


まぁウウダギ。

当のスキクの前では、いちゃダメよ?


ウウダギと一緒に、し・か・た・な・い。ので、

避難所の丘を目指す。

僕らが近づくにつれて、来い来いがすごく大きくなる精霊さん。

もう既にお猿さんです。


そんなに待ち遠しかったのかね?


近くまで来ると、

「おお!来てくれたのか!さすがじゃ!」

と、とてもご満悦。


この流れだとこないだ教えた事がとても勉強にでも成ったのかもしれない。

何かの成果が有ったんだろう。


「精霊さん。そんなにはしゃいでどうしたんですか?」

”はしゃいで悪いか!昨日は話を聞けなかったではないか!”


そ~言えば、毎日少しずつ的なことを言った気がする。

適当だったんで、気に留めてなかったよ。


「ポンピカ。セイレイサン居る?」

「うん。目の前に居るよ」


「見たい」

「う〜ん・・・」


ウウダギが見たいって言ってる。

どうしようかなぁ?


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