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例の作業と飼育状況


オルギュスとは随分話し込んでいたらしい。

ウウダギが、例の喉ポンポンをしながら2匹におかゆを食べさせている。


「ウウダギ。大丈夫そう?」

「うん。食べてる。大丈夫」


「そうか。じゃぁ、その食べさせるのはオルギュスにまかせて、次のお手伝い御願いしていい?」

「うん。大丈夫。出来る。」


「ウウダギはいい子だねぇ〜」

「うん。僕はいい子。大丈夫」


ウウダギがオルギュスにおかゆのはいったお椀を渡して、「喉をポンポンする。食べる」と言う。

オルギュスは膝を付き、お椀を受け取って、2匹の喉をポンポンし始めた。

仕方が雑なのはやったことがない証拠だ。

多分この方法を知ってるのウウダギだけじゃないか?


ただ、ベネネズは複雑な気持ちっぽい。

でもまずは、体力を取り戻してからだ。


さっきの話しも含めて夜にでも族長に報告しとこう。


「ポンピカ。なにする?」

「ずっと、放置しちゃってたヤツだよ。レンガと石灰。ソロソロやんなきゃね」


「うん。もう乾いてる。使える。」

「僕もそう思うよ。ただ、手が足りないかなぁ・・・」


「なら、さっきの三匹とやればいい。」

「なるほど・・・ウウダギは賢いね」


「ニシシ〜w」


ウウダギはとてもご機嫌。

そのせいか、僕もとても気分が良い。

ご機嫌ってやつだな。


早速、狩りに出かけようとしていた三匹を呼び止めて、

ちょっと手伝って欲しいと言うと快く承諾してくれる。


「ポンピカ。何をやるんですか?」

「んっとね。はじめて見る物だろうからかいつまむと、石を作り出すんだ。」


「石?なぜ?」

「その石はね。水を入れると固まって壁になったり、積み上げれば立派な寝床ができたりするものだよ。」


「・・・?」

「まぁ、僕の指示どおりに動いてくれればいいよ。ただ、火を使うからね。気をつけてね」


「そう言えばですが、なんでこの集落は皆が火を使ったり食べ物を火にかけたりしてるのですか?」

「あー。まぁ、其の方が美味しかったり安全だったりするからだよ。」


「美味しい?・・・確かにこの集落の肉は食べたことがないくらい味がします。それに草があんなに味がするとは知りませんでした。」

「まぁ、その味がするのにはわけが有るんだけどね。まぁいいよ、ゆっくり観察してくれればそのうち皆と同じことが出来る。」


「そういうものでしょうか?」

「そーゆーものだよ。さて、まずは、彼処の丘に置いてある四角い石を取ってきてくれる?三匹で」


「わかりました。あの丘のところのアレですね?」

「うん。あまり乱暴に扱わないでね。まだ、落としたくらいで割れちゃうから」


「わかりました。気をつけます。」


そういって、三匹が揃って丘に行ってしまう。

僕とウウダギは石灰岩を集落の埋立地の辺りに山積みにしてもらっていたので、

それを持ってきては砕いていく。


石灰岩がある程度、砕けたら今度は石炭を集め始める。

石灰岩を砕いた石灰石と同じ量くらいの量が集まる頃には、

三匹が揃って乾いたレンガを持ち運び終わる頃だった。


タイミングを計ってたのかな?

まぁいいや。


「じゃぁ、準備が揃ったみたいだ。ウウダギ前に話した様にレンガの積み込みを三匹に指示してくれる?」

「うん。わかった。」


ウウダギにレンガは任せる。

僕はと言えば、石灰窯の中へ石炭と石灰石を交互に詰め込み始める。

たしか、まんべんなく火を通さないといけないはず、

そうなると下から焼き続けると上の方が生焼けになる。

そうしないために横穴があって、空気を取り入れるように成ってるんだ。

煙突効果で中の火力を上げるためにね。


それでも上の方に火が回らなければいけない。

まんべんなくだ。

そうするには燃料と焼く物が隣り合わせであれば効率が良いだろう。

多分これでいい。


さて、ドンドン並べていこう。

木の棒をはしご代わりにして上から落としていく作戦で中へと詰め込んでいった。


詰め込んでいる間、ウウダギの方の作業が終わる。


「ポンピカ。終わった。」

「ん?わかった。ちょっとこっちが終わってからでいい?」


「うん。待ってる。」

「ポンピカ。手伝いましょうか?」


「いや、大丈夫。結構慎重にやってるから一匹でやるよ」

「わかりました。待ちます」


三匹も素直に待ってくれる。

さっさと、詰め込みを終える。


そして、レンガの積み込みの確認。

ウウダギの完璧主義が功を奏したようだ。

綺麗に積み込まれてる。


あとは、焼くだけだ。


「さて、後は、火を入れるだけだ。コレもやっちゃおうか?」

「うん。早く見たい。」

「これが何かに成るんですよね?さっき言っていた石ですよね?」


ヒュルルはとても興味が湧いているようだ。

イヂジンやセルセルは、ヒュルルに従っているだけで、興味を示していない。


まぁ、それは、好き好きだから構わないだろう。

あの2匹には別の事が向いてるかもしれない。

ただ、これは実験的な意味合いも強い。

今回だけという事であれば、此のまま火を入れちゃおう。


「じゃぁ、ここに火を入れて、下の辺りが真っ赤に成るまで燃やそうか」

「うん。わかった。」


ウウダギと僕で火を起こす。

三匹は起こし方もはじめて見ているようで、不思議そうな顔だ。

ヴァレヴァレでは、火をあまり扱わないようなことを言っていたね。


以前のこの集落と変わらないのかもしれないな。


火を起こし、そこから種となる火をレンガの方はうえから投げ込む。

そして、石灰の方は横の穴と上へと投げ入れた。


様子を見ていると次第に煙が沢山出て、

徐々に煙突部分から火がチラチラと登り始めた。


あとは待つだけ。

本当なら石灰の方は、フイゴでも作って、

絶えず温度を上げていかなきゃいけないだろうけど、

フイゴはないし、何より人力ならぬスキク力で、

長い時間踏ませるわけにはいかない。


これでいい。

取り敢えず出来るかどうかが確認したいんだ。


僕がそんな事を考えていると、何処からとも無く、族長が・・・。

例のアレだ・・・。


「こらぁ!ポンピカ!また、やりおって!」


怒り方が何時もより強めだ。


「族長。前も言ったけど、仕方ないだろ?」

「だが、煙が臭いではないか!」


「大丈夫。すぐ、気持ちよくなるかもしれないだろ?」

「なんじゃその言い方は!ぐぬぬ・・・」


「大丈夫。これは3日から4日位燃え続けるから」

「いや、全然だめだろう。なにが大丈夫なんじゃ?」


「いいじゃん。レンガはどうしても必要だし、石灰は実験的に出来るかの確認だ。どちらも此の場所ではこれが一回限りだよ。」

「・・・一回じゃな?本当じゃな?ポンピカはウソが上手いからのう・・・本当じゃな?」


「ホント。ホント。ウソなんかつかないさっ!」

「・・・あやしいのう・・・じゃが、このレンガというのができれば壁が作れると言っておったな?」


「うん。これでミニョルンの間も水に悩まされなくて済みそう。」

「そうか・・・ミニョルンのためじゃな・・・」


「うん。ただし、レンガはドンドン創らないとダメだから、誰かの手を割いてでも風下の水場の近くで作っていかないとだめかな」

「ふむ・・・風下ならもんだいないか・・・わかった。今回だけじゃぞ?」


「うん。ここで作るのはね」

「うむ。約束じゃ」


「うん。約束ね」


そう言うと、族長が鼻を押さえて、戻っていった。


「・・・ポンピカは、族長とどんな関係なんですか?」

「一応、僕の親ってことだけど?」


「こんな物の作り方とかは、やはり族長から?」

「族長からは、まともに教えとか受けてないよ。族長は族長で忙しいからね。」

「ポンピカは全部自分でつくる。すごい。」


ウウダギの補足がはいった。


「どうやって、こんな事を学んだんですか?」

「そーだねー?元から知ってたんだよ。色々とね。」


「・・・そうなんですか・・・」


納得が出来ませんと言わんばかりの顔つきだけど、

まぁヒュルルは、頭が良さそうだし、なんと言っても皆を率いるリーダー気質っぽい。

あとでちゃんと色々話しておこう。

まるで、パレンケっぽいなぁ。

おつきもパレンケとデジャブだわw。


レンガも石灰もある程度めどが付きそうだ、

それに出来上がるまでは此のまま放置。

さてっと・・・族長と・・・いや、先にシシブブ辺りと話そう。


「皆おつかれさん。もしこれがちゃんと作れるって確認できれば、川辺で沢山のレンガと石灰を創らないとだめなんだ。まぁ将来的には絶対必要なんだけどね。それと、ギュギュパニが採掘を専門でやってるからその手も増やさないとだめなんだ。何とかならないかな?」

「ギュギュパニには、バルバルとベネネズを当てると良いかもしれません。」


「ヒュルルはどうしてそう思うの?」

「先ほどの話しからみて、恐らく説得されたわけですから、対象のオルガクルガ様と同一視しているかもしれません。きっと拒否しないかと思うからです。」


「なるほど、じゃぁ、それで行こう。そうすると、この集落では、皆好きに動いてるじゃん?やっぱり三匹もやりたい事が出来ると思うんだ。それまでは、協力してくれる?」

「俺はかまいません。ただ、後ろの2匹は意見が違うかもしれませんよ?どうだ?」

「まだ好きな事なんて見つける余裕ありません。」

「あたしはイヂジンと一緒ならなんでもするわ。」


「じゃぁ、しばらくレンガと石灰作るのがんばろうか?」

「わかりました。ですがこの土の筒の作り方がわかりません。」


「それについては次の機会にウウダギが教えるよ。僕は他の事やり始めないといけないと思う」

「では、その時よろしくお願いします。」


「うん。じゃぁ、今日はこれで解散ね。あとは好きにしてていいよ」

「あのぉ・・・。肉は?」


「ああ、肉はパパムイが獲りに行ってる。ちゃんと数は揃えるとおもうから大丈夫。それと、サカナ・・・プブが良ければイイオオに言ってくれ。プブはイイオオ担当だから」

「わかりました。では、これで」


「うん。また呼ぶからよろしくー」


こうして、三匹とは別に成った。

もう夕方になってる。


間もなく夜が来るだろう。

でも、シシブブとは話しておこう。


さっきも集落の中を見ても居なかった事から、

恐らくケルケオとアンキロの卵がある場所にいるはず。


アンキロの寝床から走って持ってきた卵だけど、

あれはその際にシシブブの指示ですぐにケルケオのところへと安置してあるんだ。


「ウウダギ。ケルケオ見に行こうか?」

「うん。ケルケオ。」


ウウダギと一緒にケルケオの牧場まで歩く。

すると向かいからイイオオとイイオオに寄りかかりながら歩くシシブブにであった。


「シシブブ?もう歩けるの?」

「まだ、ちょっとね。フラフラするけどね」


「イイオオは最近シシブブと一緒みたいだけど?」

「ん?・・・ああ・・・そうだな・・・」


イイオオがなにか恥ずかしそうにそっぽ向く。


「ところで、ポンピカ達はどうしたの?ケルケオ見に来たの?」

「ああ、それも有るんだけどさ、アンキロの卵はどう?」


「ふふっ。面白いことに成ってるわよ。ケルケオの所に預けて正解だったわ」

「?なんか良い事でも有ったのかな?」


「まぁ、自分の目で見ると良いわ。あたし達はこれから食事に戻るところだし」

「ああ、もうそんな時間か・・・わかった手早く見てから戻るよ」


「ポンピカ。そう言えば例の6匹どうなった?朝、騒いでただろ?」

「ああ、その件も全部解決した。ついでに2匹も説得したよ。」


「・・・どうやったんだ?毎度毎度どうやったかわからないが・・・凄いな」

「なに言ってるのよ。イイオオ。ポンピカよ?よく回る口で凹ましたにきまってるじゃない」


「なるほど。まぁ、ポンピカにかかれば、ヴァレヴァレも形無しだな」

「イイオオが言ってたとおりに成ったじゃない。ヴァレヴァレの集落は終わるって」


「お、おい!そんな事・・・目の前で言うんじゃない。」

「良いじゃない。ポンピカはそんな事で怒ったりしないわよ。ね?」


「イイオオ。誤解があるようだけど、僕はそんなに口は上手くないよwそれに説得したのはオルガクルガだ。あれのヴァンに協力してもらったんだよ。」

「・・・それ、オルガクルガが言いくるめられたって事だろ?かわらねーじゃねーか」


「・・・そぉかなぁ?」

「でも、流石にあのオルガクルガとの戦いの時の言葉・・・あれは流石に皆驚いてたわよ?あたしもね。あんなに上手くウソが言えるなんて、驚いちゃった。」


「そう?相手を油断させるのは、戦いの常套手段でしょ?敵を騙すにはまず味方からなんて言ってるやつも居るんだ。騙すのは、手段でしかないさ」

「そういって、やってのける所が、こえーけどな・・・まぁ、立ち話もなんだ、ケルケオ見たら皆と食事しろよ」


「うん。そうさせてもらうよ。」


そういって、別れ際にシシブブから「あのときは助かったわ。」とお礼を言われた。

悪い気はしなかった。


まぁ、シシブブも辛い思いしたからね。

同時期に尻尾を切られたオルギュスに比べると、

来られた直後に走ったり出来たシシブブは凄いなぁ。


それに、回復も早い。

どうしてだろう?


更にこの集落のスキクよりどうやらヴァレヴァレの方が弱い個体が多そうだ。

きっと食事がまともに摂れていないんだろう。


・・・嫌な予感しかないなぁ・・・。

まぁ、その件は寝る前に族長と話そう。


ウウダギとケルケオの牧場へと着いた時。

とても驚いた。


この間まで、自分の卵はそっちのけで走り回ったり、

餌を求めに首をこちらへ柵越しに出してきたりと結構自由にしていたはずなのに、

今はアンキロの卵、結構デカイのにそれをお腹で温めているんだ。


2匹のケルケオが三個の卵を・・・。

一個だけ、共同で固めてる感じもするけど。

すごいなこれ。


こんな事起きるのか?


「ポンピカ。卵」

「うん。ケルケオはどうして温めてるのかな?」


「ケルケオ優しい?」

「う〜ん。どうかなぁ?」


まぁ、温めてるものを無理やり辞めさせるわけにもいかない。

ってか自分の卵どうしたんだ?

シシブブはケルケオの習性で、ある程度温めたら放置するって言ってたけど、

それにしてもなんでだ?


まぁ、ケルケオに聞いても答えるわけもないか。


「ウウダギ。アンキロの子供が早く産まれるといいね」

「うん!アンキロ嬉しい」


ウウダギがとてもニッコリしてる。

目が輝いて、ウルウルしてる。

いい子だなぁ。

うん。いい子に育ってくれて嬉しい。


ケルケオが僕等に気づいて、ガァと鳴いたけど動こうとはしない。

牧場の中に入って、僕はケルケオ2匹を取り敢えず撫でてやった。


気持ちよさそうに顔をこすりつけてくる。

悪い気はしない。

むしろ懐いてくれてるかもしれない。


僕に撫でられ終わるとウウダギに顔を向ける。

対比ですごく大きさの違いが有る。

噛みつかれたら一溜まりもない。


少しハラハラしてしまうけど、きっとそんなことにはならない。


ケルケオがウウダギの匂いをしきりに嗅いだ後、

納得したようで、僕にやったように頭をこすりつけたり、している。

ウウダギも抵抗なく、撫でている。

撫で方がなんだか優しい。


僕にもそうやって撫でてくれないかな?


もう暗くなるというのにケルケオは気分を害す事無く対応してくれて嬉しかった。

ウウダギもなんだか満足してる。


ソロソロ戻ろう。


「ウウダギ。ソロソロご飯食べよう」

「うん」


「ケルケオ。また来るよ。」

「ケルケオ。またね」


ケルケオは、ガァと鳴いて眠り始めてしまった。


僕とウウダギは、皆が食事をしている場所まで戻る。

少し遅い到着だったけど、食べる分は充分にあるから食べよう。


最近料理を作るのにハマっているギギリカが、

お椀にスープと焼いた肉を詰め込んで出してくれる。

集落の皆は、それをガツガツ食べている最中だった。


「ポンピカ。ケルケオどおだった?シシブブから聞いたけど」

「ああ、凄い事になってたよ。それに僕に随分慣れていたし、ウウダギにも優しかった。」


「そう・・・。なら大丈夫そうね」

「なんか引っかかるね?」


「いや、実はさ。ヴァレヴァレが襲ってきた時、凄い暴れたのよ。あたしとパパムイで柵を直す位凄かったのよ?」

「そうなの?・・・」


「でね、アンキロの卵をシシブブがケルケオの所に持っていけっていったからあたし達で持ってったのよ。そしたら途端に収まったの。不思議よね。」

「ふーん。なんでだろうね?」


「ポンピカにもわからないの?」

「いや、予想くらいは考えられるけど、どうだろうね?それに種の違う卵を温めるとかあまり聞かないからさぁ」


「珍しいの?」

「う〜ん。そうなんだけどね。でも結果、いい方向にいってうれしいよ。」


「そうね。これでアンキロも安らかに居られるかな?」

「そうだね。そうだといいけど、アンキロのヴァンはウウダギとシシブブに分けたからね。」


「・・・なにそのヴァンって」

「ああ、そのうち話すよ。でもホントよかった。ギギリカにもお礼言うよ。ありがとうね。」


「シシブブが居なきゃ、この集落は動物を飼えないものね。頼りなのよ?」

「まぁ、たしかにそうだね。でも一匹で全部は出来ないからさ、他にも手伝えるスキク探さないとね。」


「そうよね。うん。」

「まぁ、問題は山積みだけどね。」


「はははw何時も問題ばっかりやってるんだね。ポンピカらしいわ。じゃぁ、あたしも食べるからまた後でね」

「うん。よそってくれてありがとう。」


ギギリカがパパムイの隣へ移動。

僕とウウダギは、何時も一緒に食事をしている。


「ウウダギ。今日は色々有ったね。」

「うん。」


美味しそうに食事してる。

箸を器用に使い、サカナの切り身を口の中に放り込んで、ゴックン。

まぁ、スキクは基本咀嚼が苦手だからね。


でも僕は元人間だった習慣が抜けない。

鼻が短く成っているのもあってか、咀嚼が出来るんだ。

変に咀嚼すると口の横から溢れるけどね。

まぁ、慣れかな。


食事を終えると皆、自分の寝床に移動・・・と思いきや、例の6匹は寝る場所が地面だ。

木に登る習慣が無いんだそうで、登れないんだ。


だからハンモックも無理。

簡易的にンダンダが取ってきた草を干しているので、

それを敷き詰めた寝床に寝かせている。


屋根は無い。

スキクの寝床に屋根は不要な場合が多い。


雨季以外はほとんど雨が振らない。

それでいてジメジメしているのだから相当だよね。


夜、レンガの窯からは、火が出ていない。

すでに中の燃料は燃えてしまったはず。

熱だけがまだ残っているんだ。

なんだか、少し赤く見える。

冷ますまで触らないようにしよう。


石灰の窯はまだまだ、燃えている。

随分と赤く内部が輝いている。

こっちも消えるまでほっとこう。

煙はどちらも出ていない。

どちらの完成も願うばかりだ。


ハンモックの上で、ウウダギをお腹に乗せて撫でていると、

とても落ち着く。

なんだか意識が広がって、充実しているような気分で仕方ない。

森の夜は独特の静けさがある。

実際には静かじゃないんだ。

だけど落ち着くというか、静かだと思えるほど、雰囲気がいい。


ああ・・・段々眠くなってきたなぁ。

今日は結構いろんな事しななぁ。


明日は何しようかなぁ・・・。

Zzzzz。


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