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ウウダギにはかまうな!と、ウザッ!

引っ越し後、はじめての投稿。

なんやかんやPC設定とか苦労してます。


「ポンピカ!ポンピカ起きて!死んじゃダメゼッタイ!」


また、ウウダギの声で起こされた。


「ん〜?ウウダギ・・・まだ眠い。」

「眠い。寝てた?」


「う〜ん・・・ねてたよ〜。ウウダギが可愛い。こっち来てー」


ウウダギが僕のお腹の上にうつ伏せで乗ってくる。

抱いて、ヨシヨシしながら微睡む。

最高の癒やしだ。


「ポンピカ。今日はなんだか変。」

「ん〜?集落?」


「違うポンピカ。なんか変。何時もより元気」

「元気かぁ〜。そりゃいいねー」


ツルツルの鱗がとても気持ちいい。

ウウダギの鱗だ。

まだ子供の鱗、なんだか柔らかく感じる。

アレだよ、きっと子供のほっぺみたいな感じなのかなぁ〜?


「ポンピカ。今日は忙しい?」

「・・・多分ねー。でも今はウウダギを撫でるので忙しいかなぁ〜?」


「ポンピカ。ソロソロ起きる。皆もう起きてる」

「う〜ん。わかったー。起きよう!」


ウウダギに諭されて、幸せ時間が終了した。

まぁ、いいや。

身体の疲れは完全に取れてる。

心なしか、身体のキレもいい。

何と言っても心が軽い。

ウキウキしてくるほどだ。


「あ〜!さて、どうしようか?ウウダギ」

「何する?」


質問を質問で返された。

そーだなー。取り敢えず族長と話すか。


族長の元に行くと、ギュギュパニと2匹で頭を揃えてなにか悩んでいる。


「どーしたの?2匹揃って?」

「ん?ポンピカ。あんた緊張とかしないのかい?ヴァレヴァレの連中が早ければ今日来るんだろう?」

「そうじゃ。なにか対策をしたほうが良いかギュギュパニと検討しておったのだ。」


「あー。その事なら、大体来る目安は分かってるよ。昨日精霊さんが言ってたからね。来る方向もわかってる。」


「・・・そうか、ラマナイ様が申されたのか・・・」

「ポンピカ。それは何時なんだい?」


「んっと今日の午後だって言ってたよまだ距離があるからってさ、それから北に迂回しているって話」


「北?なぜ東じゃないんだい?」

「ふむ・・・。もしや平原の多い東を避けたのかもしれぬな・・・」


へー。東って平原があるの?

それはじめて聞いたんだけど。


「で?相手の数はいくつだって?」

「そうじゃ。希望を知りたい。武装もじゃ」


「あー、いや〜。僕、眠かったから適当にその話切り上げて寝ちゃったんだよ」


「なんと!この大馬鹿者!一番重要な点であろう?」

「そうだよ!あんた危機感がまるでないじゃないか!そんなので対峙できるのかい?」


「そんな事言ったって、しかたないじゃないか〜。だって、精霊さん、話がシツコイんだもん。さっさと切り上げて眠りたかったんだ。」


「だけどねぇ?集落の危機ってときなんだよ?」

「むむぅ・・・。ラマナイ様もポンピカにかかっては、ただの年寄り扱いじゃな・・・参った。こりゃお手上げじゃ」


「族長!それでいいのかい?」

「仕方なかろう!来るタイミングさえわかれば多少なりとも対処は出来る。」


「2匹共興奮しないでよ。きょうは僕絶好調なんだ。なんでか知らないけどね。」


「・・・ポンピカ。なにか対策は出来るかい?」

「そんなのしても意味ないよ。それより早めに皆集落に集めて、退路だけは確保しておいたほうがいい。万が一僕が負ければそりゃそのまま集落が乗っ取られるからね。」


「そうじゃな。わかった。午後とあれば、今の内に皆を呼びつけておこう。」


「うん。御願いしますね。」


族長に皆の避難指示を出して置いた。

これで族長との話はおしまいでいいだろう。

特に話すこともなさそうだしね。


ってか2匹共、戦い慣れてないね。

今のうちからイライラしてたら逆に相手の術中にハマるよ。


戦ができるギュギュパニらしくもない。

困ったことだね。


さて、集落の中を点検しておこう。

誰が外にでちゃってるか確認しなきゃ。


昨日の内に族長に外出禁止にしてくれって言っとけばよかった。


ウウダギと2匹で集落を見回る。

ほとんどが集落の中に居た。


今外にでてるのは・・・ンダンダとパパムイとシシブブかぁ。


「ギギリカ。パパムイは?」

「ん?なんか朝一番にンダンダとシシブブの所に行ったよ。パパムイがさ?危ないから連れ戻すとか何とか言ってたわよ?」


パパムイはこういう時気が利くね。


だけどギギリカ若干口とんがってるぞ?

スネてるのか?


「パパムイはギギリカ一本だから気にしないでよ。」

「!ちょ!なによ!あたしがそんな事気にすると思ってるの?」


「違うの?」

「違うわよ。なんであたしじゃなくてンダンダつれてったのかって所!」


「あー。そっか。ごめんごめん。なんでンダンダ連れてったのかね?」

「あたしもわからないのよ。なんでだろ?」


「さー?」

「う〜ん。」


僕とギギリカが首をかしげる。

それを見てたウウダギが真似して首をかしげてみた。

マネッコしてる姿が可愛くて、思わず2匹で笑ってしまった。


取り敢えずシシブブはパパムイ達が連れ戻すから安心だ。


う〜ん。

まだ昼には時間が有るなぁ。

・・・何しようか?


「ポンピカ。何する?」

「僕も何しようか悩んでたんだ・・・夜に精霊さんが来たんだけど。その時、精霊さんに教わった事の復習でもしようかな?ウウダギが隣で見てると助かるんだけど」


「わかった。見てる。」

「でもぉ・・・瞑想しなきゃいけないんだけどぉ・・・」


「ダメ!メイソウダメ!」


ウウダギの喉袋が大きく膨れる。

めちゃめちゃ怒ってますね。

可愛いんだけど・・・。

取り敢えずその膨れた所ツンツンしてやろう。


「う〜ん。わかった。瞑想はしない!しないで出来ないか挑戦してみるよ!」

「うん。わかった。」


あれれ、プックルした喉袋がしゅ〜っと空気が抜けたように縮んでしまった。

もう少しツンツンしてたかった。


さて・・・あまり誰かに見られるのは、良くない気がする。

少し離れた場所でやろう。


ケルケオの辺りがいいかな?

そう思ってケルケオの近くまで来るとケルケオが2匹揃ってガァガァと鳴いてくる。


「ケルケオどうした?落ち着かないの?」

「ケルケオ落ち着く。ポンピカ困る。落ち着く」


ウウダギも落ち着けと言ってるぞ。

でもなんだか変な声の出し方だね?

やっぱり野生だと雰囲気というかそういうの分かるのかな?


「ウウダギ。ケルケオは例の攻めてくる連中の影響で、気が立ってるのかもしれない」

「ケルケオは分かる?凄い」


ウウダギがケルケオをじーっと見つめている。

その姿が可愛い。

本当に子供みたい。

まぁ子供なんだけどね。


それにしてもガァガァと交互に鳴いている。

しかも僕に向かって・・・。


まぁいいか。


「さて、ウウダギここで立って目を開けたままちょっと練習をしてみるよ」

「うん。僕はケルケオにご飯あげてる」


「うん。気をつけてね。」

「大丈夫。慣れてる」


ウウダギは慣れてるという。

そりゃそうだ、僕の手が開かない時は代わりにウウダギが世話してるんだからね。

ケルケオもウウダギには警戒を解いているほどだ。

そのうち、騎乗まで一匹で出来るように成るんじゃないか?


そう思いながら、気を練り始める。

精霊さんが言っていた生命力だけどあれの正体が僕には分かってたんだ。

精霊さんには悪いから話を合わせていたけど、

精霊さんの言う生命力とは気の事だ。

間違いない。

僕が生命力を操作できたのも結局、気功をやっていたからだ。

知らないことじゃなかったんだ。


そう考えると必ず瞑想する必要もない。

むしろ集中させるなら套路を行いながら流れを調節したほうが僕には向いている。


きっと、僕の生命力が大きいのも気功のおかげだろう。


そう考えて、じいちゃんが編み出した気功武術練功法を始める。

なんのことはない。

文字面は面倒くさそうだけど、

太極拳の動きに龍珠という気功の練功方法を混ぜたものだ。


龍珠ってのは神話とか物語とかそういうものに出てくる中国の龍。

空想の龍っていうのは必ず珠を持っているんだ。

そしてその珠は気を操る秘宝らしくて、

龍が超常的な力を発揮するには欠かせない物だと言う。


それは、気功の中では、気を練った珠として扱われるんだ。

どうやって珠を作り出すのかについては色々有る。


例えば馬歩と言う太極拳の鍛錬法があるけど。

これをしながら、両手を前に突き出し、本来だったら手綱を握るように拳を固めるのだけど、

そこに両手で包むほどの空間を作る。

そこに気を集中することで、珠をイメージするんだ。


そう、珠っていうのはあくまで、イメージなんだ。

イメージ・・・恐らくこれは精霊さんの言う想いに近いだろう。


更にこの珠を維持したまま、太極拳の動きを取り入れて動くと動きながら練功が詰めるという。

一石二鳥な訓練法になるんだぞとじいちゃんがいってた。


まぁ、普通の武術家はそんな龍珠を使わなくとも套路を行えば練功につながる物なんだけどね。

でも気功を極めるならば、恐らく武術と気功の割合を気功寄りに割り振る事が必要になるんだろう。


僕は武術は少しかじってるし、

精霊さんが出てきちゃったって事は、

気功に力を入れる必要が出てきたんじゃないかと、

踏んだんだ。


まぁ、そんな感じで、呼吸法から意識の変化、龍珠の作成、それでもって、動き。

きっちり、じいちゃんの模範を再現していこう。


す〜。はぁ〜。

す〜。はぁ〜〜。


両手で包んだ、イメージの珠が、

次第に本物の珠でも有るんじゃないかと思うほど、

皮膚感覚に圧迫を与えてくる。


イメージの力が、身体に影響出るほど集中するのは、

効率がすごくいいらしい。

より鮮明に寄り具体的に珠が有るという事を感覚で作り上げていく。


動きはゆっくり、周りの気をスムーズに取り込む。

足の先、手の先、頭の先・・・。


丹田からアツイ物が吹き出ているような感覚。

それが身体を昇っていき、身体の中を駆け巡り、

その流れは、大地と龍珠と僕の身体を駆け巡る。


そういうイメージ。

ドンドン身体を移動させる。

腕を開けば、バレーボールの玉ほどもある珠を片手で、掴むように・・・。

しっかりしたイメージを・・・。


体に流れる気が龍珠と大地を駆け巡る。

そうして、最終的には、僕を取り巻く周囲が龍珠の中へ・・・。

寄り大きく成長する龍珠・・・。

気が満ちていく。

周りの景色が鮮明に、より鮮明に・・・。


ん?あれれ?


「ウウダギ。ちょっといい?」

「ん?どうしたの?」


「ウウダギさぁ?彼処の木の切り株の所に誰か居る?」

「?敵きた?」


「いや、居ない?」

「う〜ん。居ない。」


「ふ〜ん。」

「?」


どうやら、見えているんは僕だけか・・・。

いやそんな気がしたんだ。

だってあそこで、背を向いて日向ぼっこしてるスキク・・・。

あれって、羽飾りがチラ見してるんだけどなぁ・・・。


起きてても見えてきちゃうのは、ちょっといただけないなぁ。


霊感なんか僕には無いんだ。

だからあの精霊さん・・・どっか行ってくれないかな?


・・・まぁ、見なかったことにしよう。

続き続きっと。


再度、気功を続ける。

続けていると、こっちに精霊さんが気づいたらしく。

ニヤニヤしながら近づいてくるんだ。

知らんぷりするしか無い。

面倒くさいことはゴメンだから・・・。


すぅ〜〜〜。はぁ〜〜〜〜〜。

すぅ〜〜。はぁ〜〜〜。


”ほう。コヤツこんな事をしているのか・・・ふむ、面白いやつじゃ。はっはっは”


聞こえてきちゃった・・・。

聞こえてないフリしよう。


すぅ〜。はぁ〜〜。

すぅ〜。はぁ〜〜。


”なるほど、呼吸で生命力を体内に取り込んでいるのか・・・考えたものじゃな?”


うるさいなぁ〜。

精霊さんなんで僕の側に近寄ってきたんだろう?

精霊さんの後ろでウウダギがケルケオをかまっている。

やっぱりウウダギには見えないっぽい。


これじゃ幽霊と変わらないじゃないか。

いや、元の世界では見たこと無いけどさぁ?


透けてるんだよねぇ。


”ほうほう。この動きはなんだろうな?しかし動きながら生命力を取り込むとは器用なやつじゃ。”


色々言ってる。

でも無視。


すぅ〜。はぁ〜。


”ふむぅ。しかしどうしてコヤツは此のような事が出来るのであろうな?不思議じゃ。”


独り言がうるさい。

あれ?もしかして僕が精霊さんのこと見えてるって気づいてないよね?


”おい。ソロソロ他の物を見せてみろ。ずっと同じ動きではつまらん!”


無視!


すぅ〜。はぁ〜。


「ポンピカ。どうしたの?」


ウウダギから声がかかった。

なんで?


「どうした?」

「ポンピカ集中してない。動きが違う。気が散ってる。きっと何か考えてる。どうしたの?」


ウウダギにはバレバレ。

ってか考え事じゃないんだけどなぁ。

目の前で精霊さんがウザイんだよぉ・・・。


”ほうほう。この子供はよう見ておる。将来有望じゃな。うむうむ。掘り出し物ばかりの集落じゃ”


ん?

ちょ・・・ウウダギはダメだからね?

可愛いウウダギを霊感少女みたいな立ち位置にはさせないからね?


”どれどれ、少し試してみるか。”


させません!


「ちょ!精霊さん!ウウダギにてーだすなよ!」


僕がいきなり怒鳴ったのでウウダギがビックリしてしまった。


”・・・なんじゃ。やはり、見えていたか。”


「ウウダギ。ごめんね。ウウダギに怒鳴ったんじゃないんだ。ここに精霊さんが居るんだよ。」

「セイレイサン。なに?」


なんて言えばいいかな?

答えに困る。


”見えておるならさっさと違う動きを見せてみろ!ほれ!早く!”


「ウウダギ。精霊さんはね?とてもウザイ蝿みたいなヤツなんだ。だからウウダギにちょっかいかけようとしたから”コラッ!”って怒ったんだよ。」

「セイレイサン。ウザイ」


”ちょ!お前!ワシを蝿と一緒にするでない!おい!聞いておるのだろ?お前はそういうヤツじゃ!ホレ!”


精霊さんが僕のお腹をツンツンしてくる。

感覚は有る。

けど無視!

関わりたくない!


「ウウダギ。ちょっと精霊さんとお話するけど、頭が可笑しいスキクだと思わないでね?」

「ポンピカは、頭おかしくない。大丈夫。僕は信じてる」


ウウダギの言葉が身にしみる。

いい子だなぁ。


それに引き換え、この精霊さん・・・いやなんていうかジジイだ。

全く・・・子供みたいにちょっかい出してくるんだ。

一応、相当古いスキクなんだからさぁ?ちゃんとしてくれないかなぁ?


「精霊さん。ちょっとこっちで話そう。ウウダギにちょっかい掛けるなよ?」

”ふん。いいじゃろう。なんの話じゃ?”


ウウダギから少し距離を取り、木の切り株に腰を下ろす。

精霊さんも僕の前の地面に腰をおろした。


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