ベベビド木工と埋め立て現状
なんだろう?
「ソリに着いてるだろ?アレで良くないかな?」
「・・・お前が良いなら良いんだが・・・アレは教えてもらった物から考えても失敗作だ。機能は満たしているが使い勝手が悪いだろう?どうだ?」
「確かにおっしゃる通りだけど・・・アレより良いもの作りたいの?」
「そりゃ。木工に関しては、妥協ができねーからなぁ・・・性分なのかね?」
なるほど、納得してないんだ。
ふむ・・・だけどより良いものを作ろうとする心がけはとても良いと思う。
協力出来る内容なら良いんだけどね。
鉄製の工具が無いと精度は出ないと思うんだけどなぁ。
手に持ってる新石器の道具を駆使してどうにかしたいんだろうけど・・・。
「今どんなことに困ってるか言ってみてよ。僕でわかるなら話すよ?」
「・・・そうか。じゃぁ、お言葉に甘えるとしよう。」
そうしてベベビドが、思いの丈を話し始めた。
その内容っっていうのが、なかなかどうして、まだやらせていない内容ばかりなんだ。
確かに困るだろうと思う。
まずはじめに、木を綺麗な円形に加工したいんだそうだ。
それと、製材の話しをしたことが有るので、製材を行うに中ってどんな工具が有ればいいとか、
更に加工方法について、一生懸命考えているようだ。
「なるほど。つまりクグナで形を整えるのは出来たとしても正確な形に加工する術がわからないってことだよね?」
「そうだ。まさにそうなんだ・・・困ったんだ・・・ポンピカが言うように四角くて真っ直ぐな板というものを作るにしても真っ直ぐと言うのがどうにも想像しているような形に成ってくれないのだ。どこかで歪んでしまう・・・だが、それも仕方がないと思っているのだ。木は生き物だからな。此方の言うことに素直に従ってはくれないようでな」
「四角く整えるのは取り敢えず図面と言う物を使う習慣を付けないとダメだよ。それと測量とそれに従って、正確な手法を模索するしか無いんだけど」
「ズメンってな・・・あれか?ポンピカが良く地面に描く絵のことだろう?」
「そう。そして、長さや角度っていうものについてちゃんと知らないとダメなんだ。」
「そうか・・・。それはどうやったらわかる?」
「長さや単位に付いて、それから測量の方法とその道具の扱い方なら教える事が出来るよ」
「そうか。頼めるか?」
ベベビドはすごいな。
集落じゃ、結構年配の方のはずなのに向上心がベラボウに高い。
良いと思う。
「いいよ。ちょうどウウダギが居るから一緒に聞くといい。ウウダギは数につて、僕の次に出来るからね」
「数かぁ・・・。覚えないとダメなんだってな?たしかパパムイでさえ覚えたって話だな」
「うん。パパムイもちゃんと身につけたよ。」
「そうか・・・。わかった。今から頼む」
行動力がありすぎる。
すごいな。
まぁ、良いけど。
そこから軽く、ベベビドに数についての講習をして、ウウダギに紐を持って越させる。
そして、紐を全て1メートル単位くらいで切り分けて行く。
「ベベビド。単位についてなんだけどさ?」
「ああ・・・さっき言っていた長さの値とか言うのだったか?それの名称の事だな」
「理解が良くて助かるよ。」
「そうか?褒めても何もでないぞ」
「いいんだよ。ベベビドは集落には居なきゃ困る財産だからね。」
「ふん。まぁいい。でその単位とやらは?」
「うん。いまウウダギに切り分けさせたこの紐」
「おう。」
1mの紐をベベビドに手渡す。
「この長さを1メートルと言うことにする。つまりコレが単位っていう事だ」
「メートルか。・・・なるほど・・・」
「そう。メートル。コレが二本繋がった長さを2メートルと言う」
「ふむ・・・確かに二本だからな。2、メートルでいいな」
「1メートルは100cmで出来ている。こっちの短い紐が1cmつまりこの長さが100個つながると1mだと覚えて欲しい」
「なるほど・・・」
「そして、単位が判れば、例えば、僕が1メートルの木の棒が欲しいって言えば、この紐と同じ長さの木の棒があればいい。ということだ」
「ふむふむ」
「何となくわかった?」
「ああ。分かりやすい。なるほど、じゃぁ、済まないがウウダギのその紐を分けて欲しい」
「いいよ。長さの単位はここで決めたルールを守るだけで、全ての基準になる。だからこの紐の長さが残るように工夫して欲しい」
「わかった。」
「それと、円に関してだけど」
「エンってのは丸の事だったな?」
「そう。円っていうのはこうやって描けば正確に描けるよ」
そういって、真っ直ぐな枝を二本用意して余ってる紐を片側で二本を結ぶ。
コンパスだ。
コンパスを使って、その場に綺麗な円を描く。
「おおお!これはすごい!ちゃんと綺麗な丸だ!」
「うん。こうすれば、色々理由はあるけど、さっきの単位の紐と上手く使えば、円の大きさを操作出来るよ」
「確かにな・・・。こりゃ、すごい発見だな!こんな道具があれば、ズメンってのはすぐ描けてしまえるのか?」
「あくまでも道具だよ。コレが有れば、ちゃんとした形の予想が立つし、大きさもルールどおり行うだけで、注文の通りの物がでいるように成るよ」
「それは、すごいな!どれ!俺にも貸してみろ」
そういって、ひたすらいじりはじめた。
ベベビドがコンパスに興味を持ってくれたので、三角定規とかの作り方を教えておいた。
そもそも平な板が作れないで困っていたのだ。
平面、そして直角に付いて、しっかりと話を通しておく。
ゆくゆくは絶対直角、絶対水平が作れれば、きっと工業が栄えるだろう。
一通り、ベベビドがあいじくり回し終わった頃合いで、「もういいか?」と聞くともう一つどうしても解決できない物があるという。
「で?そのどうしても解決できないってのは?」
「ああ、見てわかるとおり、俺の作る木工は全て、木の曲面がそのままなんだ。」
「そりゃね。仕方ないでしょ。加工はまだ道具が揃ってないんだし」
「だけどな?例えばシャリンだ。今は切り出して削る事で何とかしてる。でも、それじゃ強度が足らないのだ。」
「強度が足らないかぁ・・・。じゃぁ、木を曲げれば良くない?」
「・・・?曲げる?曲げると折れるだろ。限界はあるものだ」
「ん?曲がるよ?その木の棒だって、円状に曲げれるからね」
「いやいや、それは無理だ。力を入れるとある程度の所で折れてしまう」
「もしかして、曲げ方知らないとか?」
「曲げ方?」
「火を使えば曲がるよ。ゆっくりだけどね」
「火?燃えてしまうだろ」
「燃えるほど近づけないくていいんだよ。ある程度の距離で曲がる方面を温めるんだ。やってみるといいちゃんと曲がるから」
「・・・そうか・・・そんな手法があったのか」
「他には茹でるとか方法有るよ。こっちのが木の水分が抜けないから楽かな?だけど乾燥させるのに時間かかるからね。積み込むような重なりが出来る物を作るときには向かないよ。重なった部分の乾燥より腐るほうが先に成ってしまうからね」
「なるほど。わかった。少しやってみる。」
そういって、早速火の近くへ細い棒を持っていっては、様子を伺いながら曲げる作業をしている。
しばらく様子を見ていると、感触を掴んだのだろう。
此方に振り向き「できそうだ!ありがとう!」と礼をいわれてしまった。
板が作れるように成ったらそのうち樽でも作ってもらおう。
それまでは土器を完成させて、器やツボ、なんかを量産できればいいんだけどね。
ベベビドと別れて、ウウダギと一緒に採掘現場まで向かう。
途中、イイオオがすでに結構な量の砕石を運んでいるようだった。
すれ違いの時に声かけてきたんだ。
「ポンピカ。コレ終わったら釣りに行く。昨日教わった方法を試してみる。」
「イイオオは魚が好きなの?」
「ああ。プブはとても良い。体に力が沸いてくる。」
どうやらイイオオはお魚が大好きらしい。
毎日魚でも良いくらいなのかもしれない。
そう言えば、魚が取れない時のイイオオは何だか心ここにあらずな感じだったな。
もしかして、漁師的な位置のスキクなのかもしれない。
みんなそれぞれ趣味や趣向が違うけど、凄くバラエティーにとんでいて面白い。
イイオオとの別れ際に「今度、泳ぎを教えるよ」と言っておいた。
立ち止まり、考えていたイイオオだったけど、「わかった」とだけ返してそのまま砕石を集落へと持っていってしまった。
イイオオと別れて、すぐに採掘場所に着く。
ガンガンと言う大きな音が響いている。
どうやらギュギュパニは、アノ体で仕事してるようだ。
ってか大丈夫なのか?
音のする方へと目を向けると、大きな体が石のツルハシをガッツンガッツン石へと振り下ろして、
砕石を作り出していた。
近くへ寄っていき、声を掛ける。
「ギュギュパニ。身体の調子どうなの?無理はだめだよ?」
「ん?ポンピカか、まぁ随分痛みは引いたからな、何とか成るだろう」
何とか成る程度は痛いんだよね?
まだ安静にしてなきゃダメだろ。
「作業途中で悪いけど、傷見せてみて」
「ん?ここでかい?」
「仕方ないでしょ。本来ならまだ動いちゃダメなんだ。傷が開くよ?また縫わないといけないじゃないか」
するとツルハシの動きがピタっと止まる。
「ポンピカ・・・傷が開いたらまた縫うのかい?」
「そりゃそうだよ。縫って穴を繋がないとだめでしょ。血がまた流れるよ」
そこまで言って、ギュギュパニの太ももへと目をやる。
大きな葉っぱで覆われているので傷口は見えない。
でもなんだか、不穏な感じがする。
「・・・もしかして、傷開いてないよね?」
「ひ、開いてないはずだよ?だ、大丈夫さ!」
怪しい。
「悪いけど、傷口が塞がるまで作業はおあずけだよ。ちゃんと治してからじゃないとギュギュパニに何か有ってからじゃ集落の皆に申し訳無い。」
「ぐっ・・・。わかったよ・・・素直に成る。だからもう一度縫うのは勘弁してくれないかい?」
「縫うか縫わないかは傷口見てからだよ。ちゃんと塞がってれば何とか成るし、昨日の今日で塞がるわけないんだからさぁ」
「ぐぐっ・・・。」
ギュギュパニはよほど痛かったのだろう。
縫うと言えば素直に成るようだ。
悪態も付かないで、素直に内股を見せてくれる。
大きな葉っぱを包帯代わりにしているので、それを取ってやる。
すると、血が固まったドロッとした塊が、零れ落ちた。
正直「うわっ!」と声をあげそうに成ったけど、持ってきている水で患部を洗い流して様子を見る。
傷口は開いてなかった。
縫った場所もまだくっついている。
ただ、傷口の部分は随分と黒ずんでいるので、もしかしたらバイ菌でも入っちゃったかな?
いま痛くないけど、そのうち痛みがもどるかもしれないな。
清潔にしてやらなきゃいけない。
どうしたものかな。
でもこの状態でまた採掘作業をしていたら必ず悪化するとおもう。
今は良くても後々響くなら今日はコレで休んでもらうほうがいいな。
患部をもう一度水で洗って、患部に大きな葉っぱをあてがって、縛り直す。
「ギュギュパニ。やっぱりまだ治ってない。今日は申し訳ないけど、ちゃんと休んで欲しい」
「でも、この作業をしないと、集落がまたミニョルンの餌食になるんだろ?」
「大丈夫だよ。日頃ちゃんとやっているギュギュパニのおかげで、随分計画が早く進みそうだよ」
「う〜ん・・・それなら良いんだけどねぇ」
「それに僕らザーザースは随分回復が早いと思う。だから数日中にはまた問題なく動けるように成るから心配しなくていいと思うよ」
「数日?今日だけじゃないのかい?」
「数日だよ。むしろ今日動かなきゃもっと短かったかもしれない。」
「・・・悪かったねぇ・・・仕方ない。ポンピカが治すんだ、従うよ」
「悪いね。もしアレならここに有るいくつかの鉱石とか集落に持っていってもいいかな?」
「なにに使うんだい?」
「まだ見てないけど多分木炭ができてると思う。」
「・・・つまり早速マガを作ろうってことかい?」
「鉄はまだ作らないよ。それに作るときはギュギュパニが側に居ないとねwなに作るか不安なんでしょ?」
「・・・分かってるんだね。いいよ。何を持ってくかいっとくれ」
「急かしちゃったみたいでごめんね。」
「ふん。何時ものことだろう。」
こうしてギュギュパニを集落に連れていくついでに、いくつかの鉱石をより直ぐって袋に詰め込んだ。
取り敢えず融点の低そうな銅から作ろう。
ニッケルや亜鉛、錫、それに鉛なんかもあれば良いんだけど、
その鉱石の特徴がいまいちつかめない。
多分色が緑色をしている銅鉱石にはふくまれていたりするだろうし、
上手くやろう。
集落へ帰る際、パレンケ達3匹と出くわした。
ソリを引いて、砕石を捕りに来ているようだ。
「パレンケ。ごめんね。ギュギュパニの足の容態がまだ良くなってないんだ。だからコレから戻るよ」
「ポンピカ。わかりました。ではまだ残っている石を積んで今日はお終いにしますね」
「うん。手間かけさせてごめんね。」
「いえいえ。あ!そう言えばなのですが、開いた時間にポンピカが作ったと言う革を分けてもらえませんか?」
「なんか作るの?」
「ええ。作ろうかと思いまして」
「いいよ。自由につかって、それと、どんな物作るか前もって言って欲しい。」
「わかりました!ありがとうございます」
パレンケは昔やっていたと言う革細工を始めるらしい。
いいことだ。
だけどパチャクとケチャクはまだなにが得意か聞きそびれていたんだっけな?
「パレンケ。ごめん。もう一つ良いかな」
「はい。なんでしょう?」
「その・・・パチャクケチャクの事なんだけど」
「この二匹が何かしましたか?」
そうパレンケが言うとパチャクケチャクがビクッ!っとなってしまった。
「いや、何もしてないんだ。だけど二匹が好きな事って何かなぁ〜?って思ってね」
「二匹の好きなことですか・・・はて?」
パレンケが二匹の方に目を向ける。
二匹は互いを抱き合いビクビクしてしまっている。
よほど僕が怖いのか・・・。
怖くないと思うけど。
「パチャク、ケチャク。ちゃんと言葉にしないと、この集落ではやっていけないかもしれません。しっかり自分の事は自分で説明したほうがいいですよ?ポンピカは悪いようにはしないですから」
パレンケはそう二匹に言い聞かせてる。
しばらく沈黙の後、二匹はか細い声で、なにかパレンケに説明していた。
パレンケが聞き取って、ようやく僕へと話が伝わる。
「ポンピカ。この二匹は、親が親を放棄したために集落から追い出される形で引き取られたようです。ですので、まともに親から何かを教わっていないと言う話ですよ。どうしましょう」
教わってるか教わっていないかで好き嫌いって決まるものだっけ?
とか、考えてしまったけど、スキクってのは親の好きな事が子供に伝わる仕組みみたいだしね。
そうなるとこの二匹がそれなりに自己主張出来ないとなにが好きで嫌いかがわからない。
こまったなぁ。
「パレンケ。その二匹は今までの作業の中で、何か好きそうだな〜って思えるような行動はあったかい?それとか、なにか特徴的なことって見当たらないかな?」
「そうですねぇ・・・作業は全て言われたことは出来ます。力は並でしょう。狩りは向かないみたいです臆病ですから・・・他にはといえば、この二匹は変わった特技があります。」
パレンケがそんな話をする。
「変わった特技?」
「パチャクは、森の木々や動物の出す音を真似る事が出来るようです。ケチャクは、それを身体で表現したりします。二匹合わさるととても面白いですよ」
・・・なにそれ。
もしかして・・・いや、わからないか。
もし僕が思っている事だとしたら、集落が明るくなる。
今度実際に見てみたいなぁ。
「なるほど。じゃぁ、今度見せてもらえないかな?嫌なら良いんだけど」
「ポンピカ。もしかして、それを作業に取り込むのですか?」
「僕の予想が正しければ、二匹はとても優秀なスキクになれるよ。どんなスキクも真似出来ないね。」
「そんなにですか?・・・わかりました。今日帰ったらポンピカの前でやるように話しておきます」
パレンケはそんな事言ったけど、
目の前ではパチャクケチャクがビクビクしたままだよ?
大丈夫かなぁ。
その場は、それで終わった。
何はともあれ、ギュギュパニを送っていかなきゃいけないわけだしね。
その後、集落へ無事着く。
集落では、皆思い思いに何かやっている。
パパムイ、ギギリカ、ンダンダ、シシブブの姿はないけど、
パパムイは多分狩りに出かけてるし、
シシブブはアンキロの世話、
ンダンダは多分シシブブの所か畑だろう。
ギギリカが何をしてるかはわからない。
でも多分何かしてる。
ベベビドは何かを作ってるし、イイオオは網を持ち出して、コレから釣り?漁にでも出かけるんだろう。
ってか初日からいきなり網使うのかぁ。
なんかすごいなぁ。
族長はズズナドと何やら話し込んでいる。
まぁいいか。
取り敢えず、ギュギュパニを自分の寝床にいかせた。
食事の時が来たら知らせるからって事で、さっさと寝てもらうことにしたのだ。
僕とウウダギの手が開いた。
様な気もしたけどやることは山積み。
久しぶりに集落の埋設工程がどこまで進んでいるのか確認をする。
一望出来る場所へと足を向けると、
ウウダギがパックリと口を開いて驚いていた。
「ウウダギすごいね。」
返事がないけど首を縦に振ってうんうんと言っている。
確かにすごいんだ。もう沈んでいた場所が完全に埋まっており、
砕石と土と砂と泥で、混ざった物が何時も居る場所と同じくらいの高さへと到達しているのだ。
もう少し高さがでてきたら、今度は土壁を作って行こう。
そして土壁の外側を石灰を使った壁を建設して、水の侵入を避けてみよう。
そうすれば降ってくる雨意外、たまらなくなる。
降ってくる雨はどこかへ排水出来る仕組みにしておけば良いかもしれない。
でも周りがミニョルンで水没すると考えれば、排水はできない。
ならば、水面より少し高い位まで、やはり土は持っていかなきゃいけない。
そうするとまたコレまで以上の作業が重なる。
正直あと人手ならぬスキク手が10匹は必要だろう。
どこぞの集落から引っ張るわけにもいかない。
そもそもどこにどんな集落があるかは族長以外知らないわけだしね。
まぁいいや、壁作って、高床式の家を作り始めても良いかもしれないな。
今までの建築は高床式なんだけど、なんていうか、細い木をぶち立てて、
そのままそこに作っているような物だった。
床だって、木を組み合わせた場所に屋根にも使っている大きな葉っぱを引いていただけだしね。
レンガでも作り始めるかなぁ。
そうすれば石材の手間が少なくなりそう。
ギュギュパニが切り出してくる石灰石、石灰岩を生石灰にするには、また大きな炉が必要に成る。
石灰岩を砕いただけでは使えないんだよね。
まぁ、コンクリートを作るのはもう少し先かなぁ。
でも今年中にはめどをつけよう。
そう言えば暦とかも設けていかなきゃダメだね。
農業が出来始めてるんだしね。
日付の認識が通れば、お祭りなんかも毎年行えるだろう。
うん。それが良いかもしれない。
それと時間についてだ。
やはり日時計を作ろう。
そしてそれを元にって事で暦を作ってもいいかな。
色々やらないといけないなぁ。
取り敢えずまずは衣食住の住む場所からだ。
「ウウダギ、ここからもう少ししたらまた新しい事をするよ」
「なにする?」
「まずはこの集落の外側に土で出来た囲いを作るよ。そしてその囲いの外側に石灰を使った壁を将来的には築いていきたい。後は、集落の中の高さがある程度行ったらそこに高床式の家を立てていくけど、それを作るためにレンガを作るつもりだよ。」
「色々新しい。わからないのも有る」
「うんうん。その都度教えてあげるからね」
「うん。わかった」
ウウダギが何時も素直で助かる。
何だかニッコリと微笑んでいるようで嬉しい。