アンキロはワニじゃない。と、シシブブ
アンキロの寝床まで着くとウウダギがビタッと足を止めた。
そして、ワタワタした様子に成る。
手に持っていた草も全部落としてしまった。
「どうしたの?ウウダギ?」
「アレ。ワニ」
「ワニじゃないよ。アンキロだよ」
「アンキロ?ワニじゃない?」
「そうだよ。アンキロはワニよりずっとおとなしい。しかも優しい動物だよ」
「優しい。」
そこまで言うとウウダギは、落とした草を拾い集めて僕の隣まで進み出る。
まだ少し怖い感じに思ってそうだ。
それにしてもさっきウロウロしていたアンキロだったけど、
お気に入りの木の根本を少し掘ったのかな?
なんだか、巣のような作りをして、その中に陣取って寝ているようだ。
僕はアンキロのそばまで寄ると、草を其の場に積み始めた。
ウウダギに手招きして、ここに草を積むようにと指示を出す。
ウウダギは恐る恐る近づいて、アンキロが起きない事を確認すると、
草を積んで、僕の後ろに隠れてしまった。でも顔だけ、アンキロを覗いてる。
アンキロの様子を伺う。
息が少し荒い。
寝てると思ったけど、そうでもなかった。
目だけはこっちを向いてる。
なんだろう?病気なのかな?
でも体力は付けないとダメだよ。
と思い、草を手にとって、アンキロの口元まで持っていくとすぐに食べた。
相変わらずいい音を立てる。
「ウウダギもあげてみるかい?」
「えっ!」
どうやら怖いらしい。
でも、良い機会かもしれない。
意外にアンキロは可愛いぞ?
きっとウウダギも気に居るはずだ。
そう思って、ウウダギに草を渡す。
ウウダギは僕とアンキロを交互にみて、どうしたら良いかわからないと言う感じで、オロオロする。
「ウウダギゆっくり口の辺に持っていってご覧」
こくん。と頷いて、ウウダギがプルプル震えながら、アンキロに近づく。
アンキロはそれを見て、首をもたげた。
その瞬間ウウダギがビクッ!となって手に持った草を落としてしまった。
だけど、アンキロはそんなのお構いなしに、落ちた草をいい音をたてて貪る。
「ウウダギ。もう一回やってご覧。大丈夫だから」
こくん。とまた頷く。
僕から渡された草をまたゆっくりとアンキロの口のそばへと持っていった。
すると、アンキロは少しためらう様子があったが、ゆっくりと顔を近づけて、
ウウダギの手から草を食べ始めた。
それを見た時のウウダギの顔といったらすごい。
いままで険しそうに怖い気持ちを押し殺していたのがウソのように、パァ〜!っと明るくなったんだ。
「どお?ウウダギ。可愛いでしょ?」
「うん!」
もう一回ウウダギに草を渡す。
なにも言わずにアンキロのそばまで行って、草を与え始めた。
随分慣れ始めている。
アンキロもすでにウウダギヘの警戒は指定ない様子だ。
「アンキロは、可愛いだろ?」
「うん。アンキロ!」
ウウダギも気に入ってくれたみたいだ。
僕が進めなくても自分から餌を上げ始めている。
終いには、アンキロの嘴みたいに成っている場所を撫でたりし始めた。
アンキロも別に構わないようだし、此のままでいいかなぁ。
なんか可愛いのがイッパイ居る空間っていいね。
見ているだけで微笑ましい。
この時間がいつまでも続いたらいいなぁと思ってると、
ウウダギがなにかを思い出したように僕を見る。
「ポンピカ。皆呼んでる」
どうやら僕が一匹でフラフラしてたのがバレてしまったらしい。
まぁ、バレちゃったら仕方ない。
一度戻るか・・・でも其の前に、明日また来るとして、アンキロのご飯は用意しておこう。
「わかった。じゃぁ集落に戻る前に少し多く、食べられる草をここに積んどこう?アンキロが食べれるようにね」
「わかった。手伝う」
それから、ウウダギと一緒に山積みに成るくらい。
餌を採って、積んでおいた。
アンキロは、なんだか困った雰囲気をしていたが、別に大丈夫っぽい。
帰りがけに、アンキロに声をかけておいた。
「アンキロ。また明日来るよ。それまで、この草たべてしのいでてよ」
アンキロの様子は何となくだけど、「わかった」と行っているような気がした。
その後すぐにウウダギと一緒に集落へと戻る。
アンキロのご飯を採っている最中に僕ら二匹も草を食べて過ごしていたので、お腹は減ってない。
少なからず僕は減ってない。
ウウダギはわかんないけど、お腹がポンポコリンだから問題ないだろう。
アンキロの場所は集落から離れているとはいっても半日程度だ。
僕ら二匹が戻る頃には、すでに夜になっていたけど、焚き火が見えた。
皆焚き火にあたってるのかな?と、おもってそばへよったけど、
族長が一匹火の番をしてるだけで誰も居ない。
族長が僕の姿を見かけると、スクッっと立って、近寄ってくる。
若干お小言がある気がしてならない。
「ポンピカ。帰ってきたか」
「ただいま。」
「そうか、無事なら構わん。だが日を開けるならまえもって言っておいてくれ、皆をなだめるのに一苦労なのだ」
そうなの?僕一匹居なく成ってもたいした事ないだろ?
族長がなだめないとどうにもならないほどだったのかな?
「ああ、ごめん。でもちょっとおもしろい動物見つけたんだ。運が良ければ皆の作業がグッと楽になるんだよ」
「ん?何をしていたのだ?」
「アンキロを手懐けようと思ってね。途中ウウダギも来たから一緒に面倒見てたんだよ。」
「アンキロ?・・・どんな動物だ?」
「あー・・・」
言葉ではわからないと思って、地面に絵を描いた。
「ぬ?”ド・ミヌ・デ”か・・・」
「また変な名前の動物なんだね」
「ふむ、アンキロという方が可怪しいとおもうがな」
「まぁいいじゃん。僕はアンキロでいい。」
「まぁ、それならそれでいい。しかしあの動物は懐かんだろ?」
「そんな事ないと思うよ?」
「そうなのか?」
「だって、僕やウウダギの手から草を食べてるからね」
「・・・ふむぅ・・・そうか・・・」
「なんかあるの?」
「いや、構わん。アレにもし乗れるのなら随分と便利だとは思っている」
「乗るつもりはないよ。昨日の夜はアンキロの上で寝ちゃったけどね」
「なにっ!?良く振り落とされなかったな?」
「え?そうなの?僕普通に寝ちゃったよ?」
「ほう・・・ならば相当慣れたのかもしれぬな」
「僕もそう思うよ。」
族長もなんだか話している間に目をこすっている。
眠いんじゃないのかな?
「族長、皆は?」
「おお、そうじゃった。皆は、ほれ、彼処だ」
族長が指を指す方には木が連立している一帯があった。
そして、焚き火の灯りが少し届いていないけどはっきりとわかるように、
木の上の方にハンモックがこれまた吊るされていた。
どうやらウウダギが良い仕事をしたのかもしれない。
「ハンモック出来たんだね。使い方もあれで問題ないよ。」
「そうか。あれは良い。折りたためる上にかさばらん。旅に持っていけば寝床の心配が無くなる。実に良い発見だ」
「そうでしょ?こないだ、僕もそれがあれば多分、”問題”を解決して戻ってきたかもしれないよ」
「ふむ・・・確かにアレが有れば進む距離が長くなる。ふむ、良く見つけてくれた礼を言おう」
「構わないさ。アレの他にも色々あるんだけどね。」
「・・・どれもアレなのか?」
「?・・・ああ、そういう事」
「ふむ・・・まぁ、良い。しかしハンモックが有れば、避難所だけ作って終わりではないのか?」
「そういう訳にはいかないでしょ。どうせ、先々を見越すなら、多分ハンモックじゃなくて住む場所が必要に成るよ。まぁ、木の上に小屋を作って、それを渡りのはしごでつなげるっていう手もあるけど、ミニョルンには敵わないだろうしね。」
「なるほど、しかし、その話は良い物だ。ミニョルンが来ない間ならば、そうしてもよかろう」
「まぁ、頑丈かどうかだけが問題だから、木の上に大きな場所を作ってそこを補強すれば出来なくなさそうだけどね。でもそれにはもっと太くて頑丈な木が立ってなきゃ無理だね」
「わかった。其の話は明日にでも皆へしておこう」
「ありがとう。」
「それよりも、そろそろウウダギが眠そうだ。彼処の低い位置にあるハンモックがお前とウウダギの場所だ。使うといい」
そう言って、すでに作られていたハンモックの場所を示される。
ウウダギはすでにウトウトしているので、仕方ない。
族長に示されたハンモックへと移動した。
到着してビックリだ。
此のハンモック。ささえが6個ある。
もうトランポリン状態だ。
良く一日でこんなに作れるね?
ウウダギのスペックの高さが驚異的なんだけど・・・。
其の日はもうそこで寝るしかなかった。
低いと入っても張ってある場所までは、そこそこ高さがある。
ウウダギをお腹に抱えながらサッと上り身を投げ出す。
仰向けに成り、ウウダギが僕のお腹の上で寝息を立て始めちゃった。
動くに動けないので、僕もそのまま寝よう。
しかし、夜空が綺麗だなぁ・・・。星が沢山。
夢の中までお星様がキラキラしそうだなぁ・・・Zzzz。
翌朝、ウウダギはまだ、僕のお腹の上で寝ている。
というか凄く張り付いて、爪まで立ててしがみついてるんだ。
あれだなぁ。
相当離れるのが嫌なのかもしれない。
此のまま親離れ出来るのかな?この子。
少し心配だよ。
まぁ、仕方ない。
でも、今日はまたアンキロの世話しにいかないとね。
それと皆にも少し話そう。
族長の昨日の話では、どうやら集落全体が僕に依存してるような事を言っていた。
それでは困るんだ。
さて、ウウダギを起こそう。
「ウウダギ。起きれる?」
声を掛けると、おめめがパチッっと開く。
寝覚めがいいみたい。
「起きた。」
「そう?じゃぁ、集落の皆と少しお話しよう。付いてこれる?」
「うん。大丈夫」
ウウダギを連れて地面へと下りる。
そしてすでに集落の焚き火の近くには他の皆が起きて、
思い思いに食事をしている様子が見て取れた。
どうやら、料理の概念が定着し始めている様子。
みな、好きに食事をしてるんだけど、鍋を食べたり、焼肉したりとさまざまだ。
だけどどのスキクも火を使い、さらには僕が教えた食器を使っている。
なんだかすごいなぁ。
あっという間に手づかみで生肉を飲み込んでいたのがウソのようだ。
パパムイでさえ、フォークを使ってる。
ギギリカはスプーンを使ったりしてる。
そんな中に僕がウウダギと歩いて行く。
皆が僕の姿を見ると、なぜかホッとするような様子が見て取れた。
そんなに?
そんなに依存してるの?
なんだか怖い。
「ポンピカ?昨日は何処言ってたんだ?皆心配してたぞ?」
パパムイがフォーク片手にそんなことを言っている。
「昨日はね。アンキロのお世話してたんだよ。ね?ウウダギ」
「うん。アンキロ」
「アンキロ?なんだそれ?」
「族長が言ってたのは・・・えーっと」
「ド・ミヌ・デ」
ウウダギは覚えがいい。
「そう、それの世話してたんだ。」
「おいおい。クウォンに飽き足らずそんなのに手を出してんのか?大概だぞ?」
「パパムイ。話しきいてた?ポンピカはお世話してたって言ってるじゃない。狩りじゃないのよ」
「狩らないのか?なんでだ?」
「そんなの知らないわよ。」
「アンキロ。優しい。怖くない」
ウウダギは思ったことがそのまま言葉になるみたいで、いいね。
「優しい?アイツがか?」
「なんであたしに聞くのよ?ポンピカに聞きなさいよ」
「優しいよ。可愛いしね。撫でてると安らぐ。背中で寝ると最高だった」
「・・・マジかよ・・・俺一度近くで見たことあるけど、かなりデカイだろ?あんなのに触ったのか?」
「ウウダギだって触ったよ。ってかなでたよね〜?」
「うん。アンキロ、優しい。可愛い」
「ウウダギまで・・・あの尻尾で殴られたらスキクなんかすぐにペシャンコだぞ?怖くないのか?」
「だから、なんであたしに聞くのよ?目の前にいるんだからポンピカに聞きなさいっての!」
「お、おう。すまねぇ。そうなのか?ポンピカ」
「うん。だけど、狩りじゃないんだ。殺したりしないよ。皆のお仕事を手伝ってもらおうと思ってるんだ。」
「?どうやってだ?」
「例えば、沢山の石を一度に運んでもらうとかだね」
「そんな事出来るのか?」
「多分出来ると思うよ。」
「ふ〜ん。そうか、ならいいんじゃねーか?俺は良くわかんねーけど」
「ポンピカ?それホント?」
「ギギリカまで疑うの?」
「いや、そうじゃなくてさ?ケルケオを足の代わりに使う集落があるって聞くし、ザウスは乗ってるって聞くけど、ド。ミヌ・デは足も遅いでしょ?それにほら、何考えてるかわからない顔してるじゃない?」
「そーかなー?結構表情は読めたぞ?」
「そうなの?」
「そうだよ。ね?ウウダギ」
「わかんない。」
ウウダギはわからなかったのかな?
あれ?僕だけか?なんで?
そんな話をしていると珍しく、シシブブが近寄ってきて声をかけてきた。
「ポンピカ。あたしもド・ミヌ・デ見たい。」
ふむ・・・たしかシシブブは動物が好きだったはず。
当初の計画ではシシブブを飼育委員にするつもりだったんだ。
だって、狩りができない理由が可愛そうだからとかなんだ。
それに暇さえ有れば、小さい動物の事を一日中監視したり、虫を追っかけたりしてる。
すごい執着心なのかもしれない。
まぁ、だから飼育委員にしようと思ってたんだけど・・・もしかして良い機会かもしれない。
と思ってるとウウダギの尻尾がバチンと僕の背中を叩く。
なんだろとおもってウウダギを見ると首を傾げている?
あれ?なんかの手違い?
まぁいいか。
「シシブブか。いいよ。」
「嬉しい!やったー!」
バチン。
またウウダギの尻尾が背中を叩いた。
なんだろ?
「ウウダギどうした?」
「ん?」
あれ?ウウダギ自分でやったこと気づいてないのか?
変なの。
まぁ痛くないしいいか。
ただ、ウウダギはもしかしたら無意識に尻尾を振っているのかもしれないしね。
まぁスキクにはよくあるんだ。
気づかないうちに尻尾が他のスキクの邪魔をするってことがね。
多分それだろう。
シシブブが今日のアンキロお世話に同行決定。
「なんだ?シシブブも行くのか?じゃぁ俺も行きたいぞ」
「パパムイはダメよ。皆の分の狩りしなきゃでしょ」
「なんだよ?じゃぁギギリカは行くのか?」
「あたしもギュギュパニのお手伝いよ。」
ああ、そうだった。
確かみんなにそういう仕事を振ってたね。
そうだったそうだった。
そうなると僕とウウダギとシシブブか。
そう言えば辺りを見回してもギュギュパニの姿がない。
どうしたんだろう?
「ねぇ、ギュギュパニの姿がないけど、どうしたの?」
「ん?ああ、ほら、崖を紹介したら、そこに入り浸ってるんだ。なんでもポンピカが言ってた石が見つかったとか何とか?よくわかんねーけどな」
マジで?
鉄鉱石見つけたのかな?
青銅器文明をすっ飛ばして鉄器文明かぁ・・・。
まぁそれもいいかもな。
でもそれだと鍛金とかの技術が未熟になりそうだ。
一応青銅も作れるように考えておこう。
工業の高校だったので金属材料の一通りの勉強は課題にあったんだ。
思い出せば何が必要がきっとわかるはず。
でもギュギュパニが鉄鉱石を掘り当てたなら他の物も掘り当ててるはずだ。
今度覗いてみなきゃ。
しかし、そんなに夢中に成っちゃうのかな?
結局は穴掘りだよね?
う〜ん。
良く石の工具で穴掘りができるものだとも思えるけどね。
まぁいいや。
元気ならそれでいいさ。
「そうか。じゃぁ、この集落はもっともっと進んだ生活が手に入りそうだなぁ」
「そうなのか?」
「うん。まぁそれまでにはそれなりに時間はかかると思うけどね。でも、今後の事を考えるととても良いことだよ。」
「へ〜。じゃぁこんどギュギュパニにお礼でも言っておけよ。俺が行くと叱られるんだ。なんでかわかんねーけどな。」
「へーw。なんでだろ?」
「なんかな?雄には見せることが出来ないとかよく分かんねー事言うんだ。」
「へー・・・雄って言うと僕も行けないね?」
「・・・そうかもな?でもポンピカは別だろうけどな」
「そうなの?」
「ああ、多分な?そんな気がするぞ」
あまりパパムイの予感が的中したことはないけど、
なんだかそれっぽい事が起きてる気がしないでもない。
恐らく光り物見つけたんじゃないかな・・・。
女、もしくは雌はきっと光り物が好きだしね。
まぁそんなことはいいや。ぱぱっとご飯たべて、
アンキロのところに行こうかな。
「パパムイ族長にも言っておいてほしいんだ。それと皆にもだけど。」
「なにをだ?」
「僕が居なく成っても大丈夫だから気にするなってね」
「・・・それは無理だろ?だってポンピカの集落はここなんだしな」
まぁ、言いたいことはわかるし気持ちもわかる。
でも僕に依存されたままで居るのは少々困るんだ。
せっかく族長がいるんだから族長に依存してくれ。
でないと、僕が自由に動けない。
「ほら、今回みたいに、僕は僕で色々やることもあるしさ?それに族長からの”問題”で、遠出しなきゃいけないわけだし」
「なるほどなぁ。確かにそうだな」
「ねぇ、ポンピカ」
「ん?ギギリカなに?」
「きっと集落の守りが無くなる気分なのよ。だから代わりに強いスキクが居れば何とか成ると思うわよ」
なるほど、身の危険に対しての備えが僕なのか・・・。
でもそれならギュギュパニだって・・・。
ってかギュギュパニも居ないのか。
それで不安になったのかな?
「なるほど、つまり何かが襲ってきても対処出来ないから怖いのでってことかな?」
「多分そうなんじゃないかな?あたしやパパムイは特にそんな気持ちはないけどね。ほら、すぐ逃げるつもりだし」
どうやらパパムイやギギリカは柔軟な対応ができるっぽい。
でも年配のスキクが不安なのか。
って事は取り敢えずそれへの対処ができるよって言っとけばいいかな?
ハンモックの上なら特に対処は可能だろうしね。
「わかったよ。じゃぁ、皆に何かが襲ってきそうならすぐにハンモックで木の上に寝床を作ってそこから弓で打ってればしのげるって言っといてよ。まず昇ってくるような動物は限られてるし、木が倒れることもないでしょう。届く動物も限られてるんだしね。」
「・・・なるほど・・・そうか、上から弓を使えばいいのね。随分楽よね?」
「そうでしょ?高いところからのほうが弓って効果が高いんだよ。だから高いところからがいいよ」
「わかったわ。それ話しておく。パパムイもそれでいいでしょ?」
「・・・あ、ああ。なるほどな。わかったぜ。それなら俺も戦えるのか」
「そうかもね。パパムイは特に弓がうまいから普通に戦力だよ。頼りにしてる」
「お!おう!まかせとけ!俺がしとめてやるさ!」
そういって二匹が皆の方へ向かう。
僕とウウダギとシシブブは此のままアンキロの元へと移動し始めた。