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自己紹介と集落の土台作り始まる


4匹で更に歩いていると、ンダンダが僕を呼び止める。


「ポンピカ」

「ん?」


「ポンピカが欲しがってたやつってアレじゃない?」

「欲しがってた?」


「ほら、フワフワの木」

「ああ、木綿の木か・・・えっ!?どこ?見つけたの?」


「彼処だ。」


ンダンダが指差す所には、少し開けて居てその辺り一面にまぁ、そのまんまの木綿の木があった、実を付けているけど、まだ中身が出ていない。

時期がまだ早いらしい。


でも、ばあちゃんの織物教室とかの資料で見たけど、幹の色合いや枝ぶり、葉の形、実の形からすると確実に木綿だ。


これは相当のお宝である。

時期が来れば採取しよう。


「ンダンダ。これは宝だぞ。」

「そなのかい?」


「集落の皆の生活がもっと良くなる。それにこれを沢山栽培できれば、間違いなく良いことに成る」

「そんなにかい?」


「そんなにだよ」

「じゃぁ、採っていこうか?」


「いまはまだ種ができてないみたいだ。この実が枯れて、中身が出てきてからじゃないとどうにもならないかな。その時に取りに来よう」

「いいよ。その時また来よう」


木綿がてに入る。

そのうち着るものが出来るかもしれない。

僕らスキクは裸だからなぁ。

流石に成れたけど、やっぱり服は欲しい。

寒さ対策も出来るしね。


また、よく周りを見て歩いていると、漆の木が有る。

もう何でもありの大地だなぁ・・・。

樹木で事欠かない気がしてきた。

これなら探せば欲しい樹木や草花がてに入るんじゃないかな?


漆ねぇ・・・確か木の実の部分を蒸して圧搾すると和ロウソクが作れるんだっけ?

それに幹を傷つけて流れる樹液を使えば漆塗りが作れる。


いいなぁ、漆だ・・・覚えておこう。


さて、そろそろ日が傾いてきてる。

戻らないとマズイ。

ウウダギが一緒なんだ、危険なことは避けなきゃね。


「そろそろ戻ろう。暗くなってからじゃ危険過ぎる」

「そうだな、それに随分集落から離れちまった。」

「そうね。ウウダギも居るんだし戻ろう?」

「そうしよう。」

「ポンピカ、終わり?」


ウウダギはまだ探したりしたいみたいだ。

でもちゃんと時間は守らないとね。


時間・・・ん?

時間かぁ。

日時計つくるか。


こうして、日が沈む頃に集落へと着く。


「ポンピカよ。ケルケオを捕まえる草は採れたのか」


そんな事を言いに族長が近づいてくる。

其の後ろには例の三匹がついている。


「どうだろう。僕が思っていた物では無いけどそこそこ成果は上がったと見てるけど?」

「ふむ。では、あしたからこの三匹もお前が預かると良いだろう。もうお前へのわだかまりは無いようだしな」


えっ?昨日の今日だよ?

そんなに誤解というか何と言うか・・・。

簡単に吹っ切れるものなの?

ちょっと、切り替えが早すぎないかな?大丈夫なの?


「いいけど・・・本当に大丈夫?」

「もちろんだ。しっかり言い聞かせたからな」


族長のお墨付きだ。

それにスキクはウソ付かない。


「じゃぁ、明日からは少しやることを増やすけど・・・」

「かまわん。好きに使えばいいだろう」


族長の許可は出てるんだ。

まぁ、三匹には悪いけど、しっかり働いてもらう。


「それとだ、本来なら、今時期は集落の柵を作っていて良い時期なのだがそれも滞っておる。集落の皆が少なからず不安を抱え始めた。なにか良い策はないか?」


確かにね。

此のまま守りの無い状態でごろ寝も続けていられないだろう。

ウウダギをそんな状況の中には居させられない。


ふむ・・・。

では、アレにしよう。

紐が作れてシートが作れるように成ったんだ。

うまくすれば出来るだろうしね。


「わかった。じゃぁ明日、皆に縄の作り方を教えよう。教えるのはウウダギだけど、それを使えば即席でも安全な寝床が確保出来るよ。」

「ほう!それは楽しみだ。期待してまとう」


そういって、族長は例の三匹を僕にあずけて戻っていく。


「・・・ってわけだから、今後ともヨロシクね。僕はポンピカ、此の子は僕の子供のウウダギ」

「俺は、パパムイだ。よろしくな」

「あたしは、ギギリカよ」

「僕はンダンダ、よろしくね」


僕らが自己紹介をすると三匹の中から中央の一匹が前にでて、

挨拶を返してきた。


「ザウスの手から救っていただき、ありがとうございます。僕の名前は、パレンケです。」


続いて後ろの二匹が前に出る。


「私の名前は、パチャク・・・」

「私の名前は、ケチャク・・・」


随分なまえが似てる。

同じ泉生まれなのかな?

それに鱗柄も随分そっくりっていうか瓜二つ。

違うのは配色くらいかな?


「パレンケにパチャクとケチャクね。ここの集落の近くで生まれたんじゃないんだっけ?名前の特徴もココら辺のスキクとは随分違うね。」

「はい。僕は、”ト”を挟んだずっと北の方から連れてこられました。」


北かぁ。

たしか、族長の昔、転生前も其の辺じゃないかな?

そんな事言ってた気がする。

まぁ、同じ場所とも限らないけどね。


「パレンケは随分丁寧な口調なんだね。」

「ええ。ザウスに仕えていましたから」


「へー。じゃぁ、君はザウスについてよく知ってる感じなの?」

「どうでしょう?ザウスの”ト”には随分と僕みたいなスキクは多かったので」


「そっかー。それだけ聞くとやっぱりザウスはスキクを奴隷か何かにしか思ってなさそうだね」

「ドレイ?ですか?」


「ああ、わからない単語だったね。えっと、そうだなー。簡単に言っちゃえば生きてる物扱いといったところかな?」

「ああ、なるほど、随分と的確な表現かもしれませんね。」


「そう云う表現の言葉はないのかな?僕は知らないんだ。」

「そうですねぇ。ザウスの”ト”で僕らみたいな連れてこられて、労働を強制的に強いられているスキクの事を”カンジャ・グ”といってます。意味はそのまま、物と言う意味ですね。ただ、カンジャが働くとか労働を意味してるようです。」


なるほどなー。

随分こき使われてたのかもしれないね。


このパレンケは随分と話が出来るタイプっぽい。

なかなか相談役には良いかもしれない。


でも他の二匹だけど気になるね。


「じゃぁ、三匹共同じ所から?」

「いいえ、僕は随分前に違うザウスによって”ト”に連れてこられました。今年で9歳になります。”ト”で仕事に就いてから大体、7年が経ってます。2年前にクワントゥ・イギス・クロゥの元へ、そして労働をしてました。最近、外から”オキ・ケナ・ズマ”が再びこの大地に足を踏み入れ始めたと言う話が”ト”で聞かれるように成ると、クワントゥ・イギス・クロゥは、より多くのスキクが必要になると考え、僕を引き連れて、大地を歩きました。其の中で、こちらの雌二匹を貰い受けた形です。」


随分しっかりと話すスキクだね。

関心するなぁ。

パレンケ位、頭が良ければパパムイも少しは紳士的になれると思うんだけどね。


「ポンピカ?なんで俺の顔みるんだ?」

「いや、気にしないで?」


「気に成るだろ?」

「大丈夫。僕はパパムイが好きだよ」


「・・・お、おう。そうか・・・ありがとうな」

「どういたしまして。」


取り敢えず誤魔化してやった。

まぁ、それでも気づかないパパムイが僕は本当に大好きだ。

何時もお世話に成ってるしね。


「パレンケ。じゃぁ、その二匹はどのあたりで貰い受けたの?」

「この集落からそう遠くない場所です。こちらの方へと向かっている間に季節がかわりまして、運悪くミニョルンに遭遇してしまったんです。その集落で、暫く厄介になりまして、其の際、少々問題が起きたのです。其の結果、幼いスキクを手放さなければならないと言う話がでまして、だったらと言うことで、集落で一番幼い双子を引き取りました。」


「ふーん。双子?どういう事?」

「ポンピカは知りませんか?この集落ではまだ無いのでしょうか?」


「双子って言うと泉が一緒ってわけじゃないよね?」

「そうです、一つの卵から奇跡的に二匹が生まれる場合があるんです。此方の雌のようにですが」


なるほどね。それならまさしく双子だわ。


「なるほど、わかった。で?パレンケは僕の事怖がってたけど、僕そんなに怖くないよ?話しててわかるでしょ?」

「・・・そうですね・・・ただ、失礼かもしれないんですけど、随分不気味です。」


不気味?どうしてだろう?

僕は頭を捻る。


「ポンピカは、本当にスキクなのですか?」

「もしかして僕がスキクっぽくないから言っれるの?」


「其の姿は変化が訪れたのではないのですか?」

「たぶんそうだとともう、族長曰くそうだろうと言ってたね。」


「なるほど、ですが、あちらの雌達はそうは考えてないようです。」

「そうかぁ〜。こりゃ困ったねぇ」


「そうでしょうか?どうせ、仕えるのなら強いザウスにというのが僕らの習わしですから・・・」

「強い?僕が?」


「違うんですか?」

「僕は強くないよ。ただ、まぐれで、あのトリケラを殺せただけだよ」


「・・・そうなのですか?」


パレンケはなにを勘違いしてるんだろう?

僕はじいちゃんやとーちゃん。それに叔父さんみたいに強くない。

力だってギュギュパニの足元にも及ばなければパパムイやギギリカより弱い。

少し素早い位のスキクだ。


この体に変化しても筋肉量が多少増えた程度で、実はパパムイと大差ない。

ギギリカにはまだ勝てないだろう。

ましてや、ギュギュパニと力比べしたらきっと骨が砕けるだけじゃ済まなそうだしなぁ。


・・・怖い怖い・・・


「・・・どうやら本当のようですね?」

「パレンケ。あんまりポンピカの言うことしっかり聞く必要無いぞ」

「そうよ。パパムイが言ってる通り、ポンピカにかなうスキクもザウスもきっと居ないわよ。・・・だって、クウォンを素手で倒したのよ?」


「・・・はぁ?」

「ちょ!それ僕記憶に無いっていったじゃん!僕じゃないかもよ?」

「何言ってんのよ!あたしや集落の皆の目の前でやったんだからね?意識なかったのギュギュパニとあんただけだからね!」


「えええ!?そうなの?ウウダギは?」

「目が開かなかっただけよ・・意識有ったと思うわよ。しきりにポンピカの名前を呼んでたし」


「おおおお!ウウダギイイイイ!お前はなんて可愛いスキクなんだぁ!」


ちょっと感動してテンションが変な方向に感情がシフトした気がする。

気づいたらウウダギを抱えて撫で回してた。

物凄い抵抗されてる。

荒っぽい扱いは嫌らしい。


ごめんね。ウウダギ。

反省してます。だからそんな目で見ないでね。


「・・・ウォホン。ごめん取り乱した。話しを続けよう」

「ポンピカ・・・お前、ウウダギに謝った方が良いぞ」


「・・・ウウダギごめんね?」

「大丈夫。」


・・・機嫌を治して欲しい・・・

喉の下が膨らんでる・・・どうしよう・・・絶対怒ってる。


「なるほど、ポンピカは喜怒哀楽が随分豊かなスキクなんですね。」


パレンケにそんな事言われた。

お前・・・良いやつだな・・・。


「・・・お、おう。そうかもしれないね。」

「ポンピカ?なに照れてんだ?」

「そうよ、ポンピカが照れるなんて初めてじゃない?」


皆酷いぞ。

まぁ、いいや。


「まぁ、仕切り直しだ。で?結局、その何とかってのがどうやらザーザースに攻撃を始めたの?」

「いいえ。そこまでの話しは聞いてません。ただ、大地の外には大きな塩水があるってはなしなんですけど、そちらから侵入してきて、ここからずっと南東の方にある廃れた集落を手に入れたようです。近くの集落のスキクから怖いと言う連絡が”ト”にもたらされたようです。それにまだ小競り合いも起きていないそうです。何分廃れた集落ですからね。」


なるほど・・・難民の可能性が大きそうだね。

それに管理下に無い集落を占拠した所で、プンタが何か言うようなこともないのかもしれない。

それとクロゥだっけ?もしかしたら戦争に成ると勘違いしてこの行動に出たんではないかな?


「なるほどね。わかったよ。でも取り敢えず、この集落の目的というかコレからは集落全体で何でもできてドンドン集落を盛り立てていく作業を始めるつもりだから、三匹共協力をお願いするよ。」

「はい。このパレンケ、しっかりとお努めを果たさせていただきます。どうかお側に・・・」


「パレンケ。僕はそんなに偉いわけじゃないんだ。そんな堅苦しい挨拶はよしてよ。」

「で、ですが・・・」


「同じスキクなんだ。僕はザウスじゃないんだしね?」

「・・・わかりました。ですが、何分此のように話すのが日常でしたから・・・」


確かに癖なのかもしれないな。

そこは仕方ないだろう。

僕は偉いわけじゃないし、スキクを使う立場でもない。

それにそんな趣味もない。


「まぁ、追々慣れてくれればいいさ、それより聞きたいことが幾つか残ってるんだいいかな?」

「あ!は、はい!僕でわかることでしたらお答えします。」


一番聞かなきゃいけないのは、この三匹が出来る事だ。


「パレンケは、何が得意だい?」

「僕ですか?・・・何でも言われたことはやります」


そういうのを聞いてるんじゃないんだけどなぁ。


「いや、そういうのじゃなくてさ?」

「パレンケ。ポンピカは、自分で出来る事を聞いてるんじゃないと思うぜ。スキクなんだから、好きなことがあるんだろ?」


パパムイの助け舟がでた。


「え、ええ。昔、集落では、狩りで取れた獲物の皮を使った道具を良く作らされました。僕もそれが好きでした。ですが、ザウスに仕える事に成ってからは、苦手なことを克服しまして、今では何でもそつなくこなせると思います。」


なるほど・・・革職人か。

良いんじゃないかな?

色々と使えそうだしね。


「そうか。皮が好きか・・・じゃぁこの集落でまた皮を扱えるとなれば嬉しいかい?」

「えっ!良いんですか?」


「もちろんだよ。パレンケが好きな事をして、集落に貢献してくれる事の方が大事だろ?」

「ありがとうございます。このパレンケしっかりと務めさせていただきます」


まぁ硬い感じだね。

でもいいか。


「まぁ、パレンケはそれでいこう。あとの二匹だけど・・・さっきから僕のこと怖がって声も出ないみたいなんだよね。どうしたら良いと思う?」

「ああ・・・。そうですねぇ。 パチャク、ケチャクしっかり挨拶しないと集落に戻されますよ?」


パレンケがそんな事を言うものだから二匹が慌てて、僕の前に跪いて頭を下げる。


「ちょ!跪いたりしなくて良いんだよ?話し聞いてたかい?」

「ポンピカ。そんな事言わないでください。この二匹はやっと自分の集落から追放に成ったことを受け入れたばかりでして・・・。ここ以外生きていく場所が無いと言う事がまだ受け止められないのかもしれません。」


あれま、随分過酷な感じだったのかな?

もしかして、庇護を買うために手放されたわけじゃないのかもしれない。

純粋に口減らしだった可能性が出てきたぞ?


「まぁ、パレンケがそう言うならいいけど・・・ホントにそういうのは辞めてもらいたいんだ。むしろ普通にしてて欲しい。これが今、君たちに言えることかな。」


返事が無い。でも頭を下げたままだ。


「ねぇ、パレンケ。この二匹は君が預かってくれ。話ができないんじゃ僕から何もできない」

「・・・かしこまりました・・・」


別にかしこまらなくても良いんだけどね?


「それから、族長が他所の集落へ行くときは同行するんだろ?」

「其の話も聞いてます。」


「じゃぁ、ある程度、この集落がどんなことに成るかしっかり体験してもらおう。」

「わかりました。」


そんな会話で、一応おわった。

まぁ、思うところは色々あるけど、パレンケはまだしもあの二匹は怖がり過ぎだろう。


こうして其の日は何事もなく終わる。

翌日食事をまた早くに摂ることにした。


昨日と今日引き続き、石焼肉だ。

ちょっと癖にナリそうなほど美味しい。

まぁいいや。


そして、集落の皆も同じ席で食べてたので、また話をし始めた。


「皆聞いてくれ。今日から少しずつでも集落の土台を作っていこうと思う。」


皆が注目する。


「コレから半年かけて、土台を完成まで持ってくつもりなんだ。協力して欲しい」


皆が了承を示す。


「取り敢えず、ギュギュパニに石を切り出してもらうつもりなんだけど、それを手の空いているスキクが集落まで運ぶんだ。良いかな?」


ここで、パパムイから声がかかる。


「ポンピカ。俺は良いけど、力の無いやつもいるだろ?だからケルケオを捕まえるんじゃないのか?」

「もちろん捕まえるさ。だけど切り出しにも時間がかかるだろ?幾らギュギュパニが石に強いからって全部一匹でやっていくわけにはいかないだろう。だから切り出しも手の開いてるスキクが手伝うんだ」


「なるほど、じゃぁ、俺もそれに参加するぞ」

「パパムイはこの集落で唯一の狩りスキクだ。できれば沢山食料を採って保存をして欲しい。皆が飢えるのは非常にまずいからね」


「そうか。わかったじゃぁ俺は狩りを続けてば良いんだな?」

「お願いする。」


ココまで話すとギギリカが声をかけてくる。


「ポンピカあたしは?」

「ギギリカはギュギュパニに付いて、一緒に動いて欲しい。きっとギギリカが必要に成ると思うからね」


「わかったわ。あたしはギュギュパニに着いていけばいいのね」

「よろしく。」


「他に気になってることが有ったら言って欲しい。」


ここで、ギュギュパニが声をあげる。


「なぁ?あたしは石の仕事をするのは別に構わないが、その間、集落の寝床はどうするんだい?」

「それについてなんだけど、すぐに作れる寝床を今から作ろうと思うんだ。良いかな?」


「寝床がすぐに用意できるのかい?」

「うん。”ハンモック”っていうんだ」


「ハンモック?それは何だい?」

「んっと、この話がおわったらウウダギに教える。それをみてみんなで作って欲しいんだ。簡単に言えば移動が出来る持ち運び用の寝床だよ」


「ふ〜ん。そんな便利な物があるのかい?」

「そうだね。作るんだけど、ウウダギが居ればすぐだよ」


「へぇ。ウウダギがねぇ」

「まぁ、今は其のくらいかな?取り敢えずこれで話を終えるけど、いいかい?」


そこまで言うと、皆がなんの疑いもなく肯定した。

そのまま、パパムイに頼んで、ギュギュパニとギギリカを昨日言っていた崖というか岩場へと案内してもらう。

ついでに、パパムイは狩りへと出てもらった。


僕は早速、ウウダギの元へパレンケとあの二匹を連れてきた。


「ウウダギ、網は作れたよね?」

「作れる。」


「パレンケとこの二匹にも作り方教えてあげて、それからウウダギに課題。いまから描く物を紐や縄を使って作って欲しいんだ。」

「わかった。」


「パレンケ達はウウダギのやることよ〜く学んでね。」

「わかりました。しっかりと学ばさせていただきます。」


これで、取り敢えず寝床は確保できると思う。

僕はウウダギと一緒に痛いんだけど今回はそうも言ってられない。


「ウウダギ少し離れるけど、頑張ってね。寂しくても泣かないでね」

「大丈夫」


何時ものそっけない返事だった。

大丈夫そうだ。


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