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集落改装計画と植物採取


唐突にそんな事を聞いた。

パパムイは「まぁ、怖いよな」と、

ギギリカは「毎年来るんでしょ?仕方ないわよ」と、

ンダンダは「ミニョルンは嫌ですよね」と、

ウウダギは「ワニ。ダメ」と・・・

若干一匹だけ視点が違うけど置いておく。


「じゃぁ、毎年、此の次期ってのは収穫だろ?なのに家を建てたり色々忙しくなるよね?」


ンダンダはうんうんと頷く。

僕もパパムイもギギリカも二回目だからそれほど苦労してるとは言えない。

ウウダギに至っては初めてだ。


「もし、来年から家を建て直す必要が無くなったらどうだろう?」

「ん?それってどういう事だ?」

「建て直しがないならその空いた時間を好きなことに使えるって事?」

「そんな事出来るのかなぁ〜?」

「?」


「まぁ、簡単に言えば、あの避難所より頑丈な家を皆の分作るんだよ。それと、この集落の地面をもっと高くすることで、水に浸からないように出来るんだ。ひどく苦労するけど、来年までには十分できないことはないよ。どう?」


「ポンピカ。それって、あの丘みたいにするってことか?」

「そうだね。」


「って事は、色々と土とか石とかを運ぶんだよね?」

「もちろん。」


「スキクの数、間に合う?」

「間に合うとかではなく効率を高めるんだ。この数でも出来るようにね」


「ポンピカ。水怖くない」

「ウウダギは僕と一緒について回って色々記録を取る係して欲しい」


「うん。わかった。」


なんとなく皆が納得してくれた。

だから、次は具体的に何をするのかを説明しておく


なぜ、このメンバーにそんな話をしたかと言えば、

このメンバーを中核に色々と僕の手足と成って動いてもらおうと思うからだ。

まぁ、変な話、友人を此のような形で使うのは嫌なんだけどね。

でも、なんとか色々と発生する被害を食い止めるのが当面必要なことだからね。


それに今回のことは、きっと自分たちにも良い結果が巡ってくると思う。

少しここで足踏みするくらいいいんじゃないかな?


「さて、じゃぁ、皆に具体的に何をするのか話したいんだけど?」

「おう、ちゃんと聞いてるぜ。」

「ちゃんと聞くから大丈夫よ。」

「うん。どうぞ」

「うん。」


それから、四匹の前で、色々と説明をした。

此の時説明した内容は現在窪地となっている地面を埋め立てて、

丘と同じくらいの高さまで引き上げると言う内容。

それから、粘土を利用して、より強固な壁を築くことである。

この壁は家をつくるときにも使う物で、外側に葉っぱの外壁を設ければ水ヘの採択と成る。


現在出来るのはこんなもんだと思い提案した。


将来的には鉄筋コンクリートが実現できればいいとは思うけどまず無理だろう。

その時まで僕が生きているとは思えない。

幾らスキクが頭がよく手先が器用で、何事もスムーズに仕事が出来るとは言え、

初期の労働は殆どが、力仕事だしね。

そう言う意味では、やはりザウスが労働力として使えるといいなとは思ったけど、

流石にあんなにプライドというか、鼻にかける連中をこき使うことはできないだろう。

まぁ、いいや。出来るところまでやればいいさ。


「なぁ、ポンピカ。やることはわかったけどさ?実際どうやってそんな事やるんだ?」

「そうよね?集落全体を高くするって相当の土と石が必要よ?」

「確かにねぇ・・・それをこの5匹でやるのは流石に無理だと思うよ?」

「ポンピカ。やる」


ウウダギは即決が基本。

他の皆は色々と疑問が頭をよぎる様だ。

まぁ、たしかにそうなんだけどね。

そこは、色々と作れるものを作って運ぶしかないだろうね。

それにはやはりケルケオが必要というのもある。


やはり馬車は必要だよね。

馬車じゃないか、竜車?と言っておこう。


「取り敢えず、運ぶ事については考えがあるんだ、そのためにはケルケオをどうしても生け捕りしなきゃいけない。なので、なんとかできないか考えてるんだ。」

「なにっ!ケルケオを?生け捕り?できるわけないだろ?ケルケは卵から育ててやっと懐くんだぞ?」

「そうよ!だからあたしへの”問題”でもケルケオの卵を3個取ってこいって話なんじゃない!」

「ケルケオかぁ・・・なるほど、重たい物を運ぶには確かにケルケオが必要かもしれないね」

「ポンピカ。いこう!」


ウウダギはすでにやる気。

他の皆は、今一荒唐無稽だと言っている。

でも、ちょっと気になることがあるんだ。


「ねぇ?パパムイ。ケルケオを生け捕りしたことある?」

「いや・・・無いと思うぞ。乗り物のケルケオは全部卵からってきいてるし」

「そうよね?でも、ケルケオを生け捕りしたらお肉が無くなっちゃうじゃない?」


「お肉はこの際どうでもいいんだ。むしろ、荷物を運ぶのを手伝ってくれる動物が必要なんだ。」

「・・・なるほど。だけど、流石にケルケオを生け捕りなんて無理だぜ?」

「そうよねぇ・・・あんなに大きいのよ?ギュギュパニだって振り回されるじゃない。スキクのあたし立ちじゃ相手に成らないわよ?」


「そこは考えがあるんだ。捕まえるためにンダンダとウウダギの助けが居るんだよ」

「僕の?どういうことだろう?」

「ポンピカ。やる」


ンダンダには眠りを誘う草とかを探してもらいたいんだ。

まぁ、逆に逃げる様にするのもいい。何にしても一匹ずつでも確実に捕まえる仕組みが必要なんだ。

そして、ウウダギには例によって紐を大量に作ってもらい。

その紐を合わせて縄を大量に・・・そして、最終的に網を作りたいんだ。

つまりどういうことかと言えば、まぁ、罠を張るという事だね。


「まぁ、何にしても明日はンダンダに付き合ってもらって、色々探そう」

「まぁ、よく分からねーがいいぜ!なぁ?ギギリカ」

「もちろんよ!なんでも言ってよね!」

「僕も頑張るよ。よくわからないけど」

「ポンピカ!やる!」


ウウダギの語彙力が無くなってきてる気がするけど、まぁよい。

取り敢えず、明日に備えよう。


ここ最近パパムイがずっと狩りをしているおかげで、備蓄もある。

それに塩をつかって保存するという事を学んでいるのか、

干し肉のようなものも作り始めているので、食べ物には困らないだろう。


それから、集落の中には火を起こす連中が増えてきている。

つまり料理を始めてるんだ。

だから、色々と、食事事情は良くなりつつある。


ギュギュパニに小さな鍋を作ってもらっているスキクも出てきた。

そのせいでギュギュパニの手があかない事がしばしばである。

また、ベベビドの木工技術がギュギュパニの工具のおかげで飛躍的に伸びている。

ここ数日だけでそうなんだ。

きっと頭には沢山したいことが山積みだけど、それをすることが今までできなかったに違いない。

時間を置かずにきっと製材の道が開かれるだろう。


そうなれば、建築もずっとやりやすい。

そして、粘土に関して誰かが特化すればきっとレンガなんかも作れるように成るだろう。

そうなれば、この辺一体に文明と言っていいものが誕生する。


ンダンダの協力があれば木綿が採れる可能性もある。

そうすれば布が作れる。

ドンドンと生活が豊かになりそうで嬉しい。


まぁ、数日のことだけどね。

それでも皆自分の持ってる技術をドンドン伸ばし始めてる。

それを見てるのは楽しいな。


この文明の芽を摘み取るようなことがないように頑張っていこう。

まずはミニョルン対策だ。


明日から忙しくなる。

それにしても今日は忙しい日だった。

朝一でトリケラと決闘、それから色んなスキクと話して・・・それから・・・Zzzz。


例によって、その日はウウダギをお腹に乗せて撫でながら就寝に付いた。



翌日は遅く起きてしまった。

というのもパパムイに起こされたんだ。


「ポンピカ。そろそろ起きろよ」

「ん〜?もう朝?」


「もう日が天辺だぞ。」

「ホントに?それはマズイね。」


僕は飛び起きた。

お腹の上に居るはずのウウダギはもうすでに紐を作り始めている。

昨日話した内容をしっかりと覚えてるようで、すでに縄が数本出来ている状態だった。


「ああ。それから、あのザウスだけど、お前の断りなしで捌いちまったからな?あのままじゃ食えなくなるからよ」


突然パパムイがそんな事を言った。

どうやら、僕が寝てる間にトリケラはお肉に変身してしまったみたいだ。

まぁ、確かに昨日のうちにやるべきだったね。


でも捌いちゃったって事は?

またやるの?

ソーセージ・・・。


パパムイの目がキラキラしてる。

ソーセージを作れと言ってる気がする。


「・・・わかったよ。作ればいいんでしょ?」

「分かってるじゃねーか!流石親友だw」


こんな時だけ親友なんだからなぁ〜。

まぁ、いいけどね。

作ります。作りますけど今日の予定はこなすよ?


そう思って、解体済みの物が積み上がっている場所まで来るとギギリカが内臓を仕分けていた。


「あ!ポンピカ!おそい!これどうやればいいかわかんないのよ!おしえて〜」


どうやら、見様見真似でソーセージ作るつもりだったらしい。

ウルグズのときはソーセージは僕一匹で作ったからね。

まぁ想像だけで作業してたんだろう。


ちゃんと作り方説明しとかないとね。


こうして、取り敢えず腸を切り分けて、中身をよく洗う。

塩でもんで、裏返して、中身を石を使ってこそげ取る。

そして、塩水につけて暫くは放置すると言っておいた。

続いて肉の処理だ、ザウスの肉は爬虫類だから白いのかとおもったら、

真っ赤な肉ばかりだったのにビックリした。


そして、血抜きが遅れたせいか、少し肉に血が混じっている気がする。

此のままだと生臭くて食えない。

どうするか考える。

やはり塩水にてけて置くのが一番だと結論を出して、

塩水に漬け込むことにした。


ソーセージに使う分は塩水に漬け込んで、

残りはみんなでさっさと食べてしまおうと僕が言うと皆大喜びで、

肉をどうやって食べるかと議論し始めた。


そこで、僕は血の回ってる部分はきっと臭いからその匂いを消すために胡椒の葉っぱを大量に使って、塩を振って焼いたらどうかと提案した。


その提案がすのまますんなり通ってしまって。

現在、その役目を僕がやっている状態である。


此のままじゃ何時に成っても集落の改善取り組みが出来ないじゃないか・・・。


取り敢えず、食事して余ったのはまた塩水に漬け込んで、

後ほど干したりするこ事にしよう。

もう時間がどんどん予定外のことで潰れていく気がする。

というのもスキクは基本ノープランだから約束が立ち消えても気にしないところがあるんだ。


でも取り敢えず、食べよう。

ただ、血が気になるしな・・・どうしよう?

どう食べようかな?


肉の塊を集落の皆にそれぞれ渡して回る。

皆がそれぞれ好きに食べればいいだろうと思ってだったけど、

みんな口を揃えて、ポンピカが調理してくれ的な事をいい始めたので、

仕方なく焼肉パーティーと成る。


僕は、始め塩胡椒で食べれば良いと言ったけど、流石にそれじゃ芸がない。

なので、果物を潰して作った付け汁の中に薄切りにした肉を漬け込んで、少し寝かせる。

その間に大きな焚き火台を作ってその上に大きく平たい石を置いた。

したから熱せられて、鉄板代わりの大きく平たい石が少し赤く成る気がしてる。

かなりの熱だね。


準備が整ったら各自に分けるように葉っぱの上へ肉を取り分けていく。

その際まだ焼くなと言っておいた。


皆に肉が行き渡ったら、今度は塩胡椒を各自に振る舞った。

ここでも皆に声を掛ける。


石の上で肉を焼いたらこの塩を少し付けて食べてくれと。

そして、各自が大きく平たい石の前に座る。


「じゃぁ、皆手元にある肉を目の前の石に一枚ずつ置いていってみて」


皆が葉っぱの上の肉を一枚つまみ上げて目の前の熱い石へと乗っける。

するとジュワーっと凄く良い音が響き渡った。

僕も自分の前の石に肉を乗せる。


とてもいい匂いとともに肉の焼ける音が心地よい。

ずっと、此のままで居たいきもするけど、そうもいてられない。


頃合いを見て皆へひっくり返す合図をすると、皆ひっくり返す。

そして、またいい音が・・・。


「そろそろ焼けたみたいだから食べてみて、さっきも言ったけどちょこっと塩胡椒を付けるんだからね」


言葉通り皆塩胡椒を少し付けて口に放り込む。

放り込んだ途端、手の動きが例外なく止まったのだ。


そして、何度か葉っぱの肉と今食べた味を吟味しているのか。

そして、僕の方をチラチラみては首をひねっている。


その様子から僕は、「あれ?思ったより美味しくなかったかな?」と思ったけど、

隣で食べていたパパムイとギギリカがものすごく興奮してる様子から美味しかったんだろうと推測した。


「いまのが食べ方だから、みんな手元の肉を自由に焼いて食べてね」


そこまで言うと皆次々に石へ、肉を並べていく。

よほど美味しかったんだろうと思うとよかったなぁと思った。


僕は、膝の上のウウダギの分も焼いて、一緒に食べる。

ウウダギは自分でも焼きたいらしかったから自分で焼いてみなさいと言ってあげると、

嬉しそうに焼いて食べていた。


可愛らしいから良かったよ。


肉の味だけど、やはりあの黄色い果実は酵素が入ってるんだろう。

肉が柔らかい。恐ろしく柔らかく焼きあがるんだ。

前歯で普通に噛み切れるほどにね。


この石版焼肉は結構、癖になりそうだった。

ただ、ザウスの肉じゃなきゃもっとよかったのになぁ〜。

でも皆が喜んで食べれるのを見れば、別に関係ないかと思ってしまう。


さて、昨日族長にも言ったけど、丁度いい。

ココには皆が揃っているあの三匹のスキクもちゃんと席についているしね。


「皆、聞いてくれ」


僕が皆へ向かって話を切り出す。


「昨日のことは覚えてると思う。まぁ仕方なかったんだ。だけど今後同じようなことが起こらないとも限らない。だから族長と話して、この集落をザウスの”ト”の様に大きく住みやすく変えていくつもりだ。」


そこまで言うと、皆が僕へと集中して話しを聞き始めた。


「まぁ、なんだ。昨日族長から僕に”問題”が出されたんだ。それはいま言ったように僕主導で、この集落の改造を始める。その際、皆の力が、協力が必ず必要に成るんだ。だから今後もよろしくお願いします。」


そこまで言って、僕は頭を下げた。

スキクにはお礼とか頭を下げると言う習慣はない。

だけど、この場で僕が頭を下げたのは、

そう云う意気込みがあるよと言う事を伝える手段として、

表現してみただけだ。


僕の意思は伝わった。


皆、協力してくれると返事が有ったからだ。

なにはともあれ、なんとかなりそうだね。


その後少しこの地を埋め立てるについて少し話した。

話し終え、一段落したので今日の予定をこなそう。


早速ンダンダを連れて薬草さがそうか。

他にもケルケオをどうにかできそうな草がないか探さなきゃ。


僕とパパムイ、ギギリカ、ウウダギ、ンダンダと結構な数で森の中へ分け入る。

こうしてみると、様々な草木が育っている。


う〜ん。一度に全部覚えれるかな?


取り敢えず手近な物。

地面から無数の細い葉が伸びている物を掴んで、ンダンダにこれは何かと訪ねてみた。

すると、ちゃんと答えが帰ってくる。


「この葉っぱはなに?」

「それは、”ギギザ”だよ。」


「どんな葉っぱなの?」

「それは、この辺じゃ普通に見つかる葉っぱで、薬草ではないよ。だけど、その葉っぱから虫が嫌いな匂いが出てるらしくてね。それを体にこすりつけると、虫が寄り付かないよ。」


ちゃんと効果まで知ってる。

凄いじゃないか。ってか虫除けがすぐに手に入るじゃないか。


取り敢えずこの葉っぱを確保しとこう。

二束分くらい根っこから抜いてウウダギの縄と葉っぱで作ったカゴに突っ込む。


僕の様子を見ていたパパムイが自分も探すと言い始め、

それに釣られて、ギギリカも探し始めた。


ウウダギは何故か動かない。

僕の側でジッと僕の様子をみっているんだ。

なんだろう?


「ウウダギは?探さない?」

「ポンピカが言った。ちゃんと覚える」


そうなんだ、そもそも縄づくりで集落に残るはずだったウウダギだけど、

予想以上に縄を大量に作っているらしく。

暇さえ有れば縄を組み合わして色々作ってるんだ。

で、僕が欲しい物の一つである網。

これをすでにウウダギが自分で考えて作っていたのにはビックリしてる。

そんなことも有ってウウダギは自分に振られている仕事が、

すでに終わっているという具合なわけです。


ってか、ウウダギは仕事が早い。

めちゃくちゃ早い。

そして、集中力半端ない。


なので、僕は、自分でも学ぶつもりだったけど、

覚えきれないと困るので、ウウダギにも同行をお願いした上で、

薬草の事を良く覚えてくれと言い聞かせていた。


つまり、ウウダギは薬草を取らないで、

ンダンダが言って聞かせる事を一語一句覚えているというわけだ。


まぁ、本当にウウダギが居てよかったと思う。


さて、続きだ。


「このキノコは?」

「キノコ?それは”ヴァン”っていう種類。食べることも出来るよ。」


椎茸とまではいかないけど、立派な傘が付いた、キノコだ。

でもこのキノコ傘が青いんだけど?

毒っぽく見えるよ?


「これ食べても大丈夫なの?」

「んっとこれは、食べると目眩がするときがあるらしい。僕は食べたこと無い。でも好きで食べるスキクも居るって話だよ。」


目眩がするって・・・。

それでも食用って言えるの?

まぁ、取っとくか・・・。


キノコを採取していると、

パパムイが突然茂みから顔を出してきた。


「ンダンダ。これはなんだ?」


パパムイがてに持っている草、その根っこには見慣れた物が・・・

それ人参じゃない?

えっ?野生の人参?それ凄くないか?


「パパムイ。凄いの見つけたね。それは、とても力が付くやつだよ。」

「へぇ〜。」

「えぇ?ンダンダ。それはなんていうんだろう?」


「えっとね。確か、”ミンジ”って言って、それの葉っぱも元気に成るんだけど、もっと元気になるなら根っこをかじるんだ。凄く変な臭がするけど、でも、元気が出るよ。僕の親がたまに見つけてきては、齧ってたからね。」


その表現って・・・やっぱあの人参だよね?

凄くない?


「パパムイ。その草は何処らへんに有ったの?もっとあるといいな」

「これは、この先の崖の近くだぞ」


「崖?そんなの有ったの?」

「知らないのか?この先に小さいけど崖があるんだ。狩りする時気をつけないとダメな所なんだぜ」


知らなかった。

近くに崖があるなんて・・・。


「ねぇ、その崖に案内してよ」

「ん?構わないぜ?でもギギリカはどうすんだ?」


「なら、僕だけつれてって、ギギリカが戻ってきたらここで三匹待機でお願いしていいかな?」

「僕は構わないよ。」

「うん。」


こうしてパパムイの案内で崖へと向かう。

着いた場所には小さな崖があった。

というか斜面になっていて、斜面が崩れて地肌が見えてしまっている場所の事だった。

岩肌というか岩も崩れて出てきている。

崩れ落ちている距離は20mくらいだろうか?


崩れ落ちた高低差は一番高い所で、10mくらいある。

かなりのものだと思うけどね。

端っこは2〜3m程度。

崩れてないところとの境目から回り込めば削れた地面が見て取れる。


僕はパパムイにちょっと待っててくれといって、崩れた地面を良く見る。

明らかに断層になってるんだ。

これ、凄い発見じゃないか?


ってか、岩っぽいのの端っこになんか黒っぽい塊もある。

断層は何色も色を出すほどに積み重なっているので、

もしかすると、色々と金属が採れるんじゃないかと思った。


「どうした?ポンピカ。なんか面白い物でも見つけたのか?」

「パパムイ。こんな感じで地面が何色も重なってる場所って他にも有るの?」


「有るぞ。ちょっと遠いけど、そこは木がはえてない場所なんだ、岩もゴロゴロしてて危なくてな、あまり狩り向きの場所じゃ無いんだぜ。」

「そこにつれてってよ。」


「いいけど、今からか?」

「いや、今日は草、薬草探しだ。寄り道は良くないかな」


「わかった。今度な」

「うん。お願い」


こうして、パパムイと二匹で戻る途中確かに崖の上のへんで何本か密集して人参が生えていたので採取して戻る。


戻るとギギリカが戻っていた。


「二匹で何処行ってたの?」

「崖だぜ。」


「崖?」

「うん。面白い物見つけたよ。」


「へー。」

「それよりギギリカはどんなの見つけたの?」


「あたしはこれよ。」


ギギリカがてに持っているのは、細い蔓で、

根っこに団子みたいな塊がボロボロと付いているものだった。


これって、山芋みたいなヤツじゃない?


「それ、食べれそうだね?ンダンダ」

「これは、食べれないんだ。お腹が痛くなるんだよ。」


「痛くなるの?」

「この丸いのが食べる所なんだけどね。昔は食べたみたいなんだけど、今じゃ食べるスキクがいないんだ」


「へー」


いや、でもそれは明らかに芋だろう?

茹でれば美味しそうなんだけどなぁ。


ん?確か、ジャガイモも生では食べれなかったよね?

スキクって生で食べるよね?

腹壊すよね?

ダメじゃね?

熱通せば食べれるんじゃないかな?


「そうなのよー。取ってみたけど、食べれないんじゃ要らないよね」


ギギリカがポイッと捨ててしまう。

それを僕は急いで、拾い上げる。


「僕の予想が正しければ、これは食べ物だよ。それも特に大量に栽培できてずっと食べれるやつだ」

「そなの?でもンダンダは毒って言ってるよ?」

「僕も親からはそう教えられた。食べたことはないけどね。」

「ポンピカが言ってるんだ。もしかしたら食べ方があるのかもしれないぜ?」

「ポンピカ、毒食べる?」


ウウダギが頭を傾げてしまった。


「まぁいいじゃないか、試しだよ。これも昔は食べられていたって言うなら食べ物なのかもしれない」

「そだけどぉ・・・あたしは食べないわよ?お腹壊すのやだし」


「大丈夫。毒味はパパムイがするから」

「おい!なんで俺がするんだよ!」


「いいじゃんか。パパムイはそういうの得意そうだろ?」

「お前、俺の事勘違いしてないか?」


「大丈夫だって。雄だろ?強い所見せてよ」

「・・・わかった。でも腹が壊れないようにしてくれよ」


「うん。期待しててよ」


こうして、芋らしき物もゲット出来た。

こうして、いろいろな物を採取していく。


見つけたのは、胡椒の木も見つけた。

僕がよく使う胡椒の葉だけど、これの葉っぱだ。

って事は?と思って種が実ってないか確認すると実っていた。

赤かったり、まだ緑だったりと、いろがバラバラだけど、

形は胡椒っぽい。

これを乾燥させれば意外にいいんじゃないかな?


それと、前世で、じいちゃんからおそわった、薬草の一部もそのまま有った。

竜牙草とか、薄荷とか、唐辛子もあった。

他にも、忍冬、クコ、当帰、黄書、山椒など、

他にも色々と漢方に使えそうな物を見つけることが出来た。

見つけた側からンダンダにはそれは毒だとかそれは苦いとか、色々言われた。

最後に青紫の花を咲かせている草、じいちゃんの山でよく見たやつ。

トリカブトも見つけた。

これは使えるかもしれないと思ったけど、触ろうとしたらンダンダに止められた。

猛毒だという。

そりゃ猛毒だけど、薄めればクスリに成るんだよ?


それから、弟切草も見つけた。

色々見つけたけど、気候や時期がバラバラのものが一同に生えていたりするのが不思議だ。

何故だろう?


でも採れるものは取っておこう。

そう思って、トリカブトはこっそり葉っぱに包んでカゴの端に突っ込んでおいた。


更に探索をすすめると、

いろいろな匂いがすると思って、匂いを追う内にローズマリーやミントらしきハーブもゲット出来た。

他にも、パパムイとギギリカが活躍して、この世界独自の植物もゲットしていた。

パパムイは何故か、土に埋まっているものを見つける癖が有るみたいだ。

ギギリカはいい匂いのする物ばかり採ってくる。


こうしてみると、意外に多くの薬草が生えているようだ。

もっとこの知識を皆に伝えることが出来るといいなぁ。


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