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族長からのお話と急展開

何とか、戻ってきました。

スケジュールが間に合っておりませんが、先週の土日分を掲載致します。



翌朝、騒がしい声で目が覚めた。

トリケラ頭が叫んでるんだ。


「ポンピカ!ポンピカ!」

「どうしたの?ウウダギ」


「五月蝿い!アレ!五月蝿い!」

「ん〜?ホントだー。うるさいねー。」


「五月蝿い!静かにしたい!」

「んー。じゃぁウウダギ。誰かをあいつの鼻の上にまたがらせれば静かに成るよ」


「わかった!頼んでくる」


その後すぐに「クェッ!」って声と共に静かになった。

しかし僕は一度目が覚めたからと言って眠くないわけじゃない。

二度寝は基本だろう?


ウウダギも五月蝿く無くなったので、落ち着きを取り戻したんだろう。

仰向けで寝ている僕のお腹の上に乗ってうつ伏せで寝始めた。

取り敢えず撫でておいた。かわいいからOK


暫く経ったのだろう、ウウダギが起きた。

そのタイミングで僕も起きた。


集落の中はいたって平常運転っだった。

皆思い思いに好きなことをしている。

だけど、ギギリカとパパムイだけは、

僕が起きるのを待っていたようだ。


「おはよ。パパムイ、ギギリカ」

「おう!遅かったな!疲れたのか?」

「うん。動いたからね」

「ちげーねーやwはははw」


「もう!パパムイったら・・・ポンピカ。大丈夫かな?あのザウス。」

「べつにいいんじゃない?まともに話せる様に成ってからじゃないと何も出来ないよ。そのまま死んでも誰も文句言わないでしょ、きっと」


「・・・あたし、絶対ウウダギ泣かさないからね!」

「何だよきゅーに・・・まさか僕がウウダギが泣いたからああしたって思ってるの?」


「違うの?」

「そうにきまってんじゃーんwはははw」


「もう!ポンピカまでパパムイになってるじゃない!ほんとに大丈夫なの!?」

「大丈夫だって。まぁそのうちなんとかするよ。どうせ、いまの状態じゃ逃げれないからね」


「そうなの?」

「うん。あの細い紐だけど、木の蔓から出来てるんだ。あれってかなりの重量を支える強さがあるからね。下手に引き剥がそうとすると、指が落ちるよ。」


「・・・随分酷い状況なのね?あのザウス」

「まぁ自業自得だよ。それよりどうしたの?なにかやるのかな?待っててくれたんでしょ?」


「おう!そーだった。ポンピカ。お前に族長がなんか頼みたい事があるんだってよ。集落関係の話だと思うぞ」

「ふーん。まぁいいや。じゃぁ行こうか?」


「おう!」

「付いてくわよ。」

「ポンピカ、行く」


いつものメンバーだな。

まぁ気が楽でいいね。


族長の元へと着くと、まずは座れと言われる。

最近はギュギュパニがよく族長と居る事が多い。

今もギュギュパニが側に居る。

あとなぜかデデンゴが居るけど状況が分かっていない。

多分、面倒を見るスキクが居ないだけだけどね。


「で?話しってなんですか?あのザウス関係?」

「いや、それは置いておこう。もうやってしまった事だ、後でなんとかするしかないだろう。」


どうやら族長も諦めてくれたみたいだ。

ならヨシ。


でもそれ以外でっていうとなんだろう?

また面倒なことをお願いされるのかな?


「のう?ポンピカよ。」

「なんでしょうか?」


「お前は、どんなことが好きなんだ?今一わからん。」

「急にどうしたんですか?僕は物を作ったりするのが好きですよ」


族長がじつに不思議そうな顔をする。

ギュギュパニに至っては、「えっ?聞いてないぞ?」的な顔をしてる気がする。

デデンゴはまだ理解が出来なさそうだ。

ウウダギに比べると随分と頭の発達が遅れているようだ。


「そうか・・・まぁ、それならかまわんな。」

「?なんか頼みごとですか?」


「うむ。そういう事だな」

「”問題”?かな?」


「う〜む。”問題”と言うほどの物ではない気もする。というのも要は、達成できるかも怪しいのでな」

「ふむ?どんな内容でしょう?」


「ポンピカよ。今回のミニョルンもそうだが、なぜ我らスキクがこの場所を動かなかったかについてだ」


実に聞きたい所だ。

僕は首を縦に振る事で、話を促した。


「うむ。この地というのは、今ワシ等を取りまとめているプンタ。以前の恩恵を与えてくれていたプンタの持っていた土地なのだ。それはなんとなくわかるであろう?」

「まぁ、そんな所じゃないかなとは思ってましたね」


「うむ。話が早い。ワシ等はその前のプンタ預かりのスキクなのだ。」

「まぁ、話しの流れからするとそうですね」


「そのプンタは、以前話した、第一のプンタなのだが、すでにこの世を旅立ってしまったのも話したな?」

「ここが第一のプンタ領だったんですか?」


「リョウ?・・・”ト”ということか?それならば適当な答えだな」

「其れでいいと思います。」


「うむ。簡単に纏めると、ワシ等はこの土地からは動けん。第一のプンタ預かりのワシ等ここのスキクは他所のスキクが納めている土地へは住めぬのだ。つまりお前が言う所の他のリョウとやらへ移り住む場合、他のプンタへとワシ等の身柄を渡さなければならぬ。しかし、ワシ等のプンタは居ないので許可が出ない。というわけだ。」


なるほど、分かりやすい。

僕らの所有者がいないから許可が出ないわけだ。

そりゃそうだあの世に言っちゃってるんだしね。


つまり僕等が移住を希望しても他所のプンタが良いと言ったとしても、

所有者の許可がないから移住できないわけだね。

そう考えるとたしかに移住がままならない。どうするんだ?


「その顔からすると察したようだな」

「僕らは移住出来ないわけですね。その上で第一のプンタに与えられたこの土地しか認められていないと?」


「まさに其のとおりだ。」

「つまりは、この土地を良くすればいいという話なのかな?」


「そのほうがつごうが良いと言う話でもあるな」


ふむ・・・つまりこの土地を良くするってことは色々やっちゃってもいいって事かな?


「なんとなくわかったよ。で?僕に出す”問題”は?」

「まぁ、もう少し聞け」


まだ話があるらしい。


「この集落を含め、第一のプンタ預かりの”ギ”が周囲に集まっている。このあたりは第一のプンタの物なわけだしな。」

「まぁ、話からするとそうですね。」


つまり幾つかの集落がこの辺に集中していて、

全てが第一プンタの集落なんだろう。


「うむ。また、ワシ等は、プンタの恩恵を受けておらぬ。と言う話もある。」


そのプンタの恩恵が気に成ってるんだけどね。

具体的にどんな恵みが有ったのだろう?


「族長。そのプンタの恩恵ってのは?」


その言葉を待っていたような顔をする族長だ。

なるほど、其のへんに今回のお願いがあるんだな・・・。


「プンタの恩恵とは、知識もそうだが、守護もそうなのだ。」

「守護か・・・なるほど、って事は・・・あのトリケラ頭はよそのプンタ流れのザウスってわけだ」


「そうだ。そして、ワシ等のプンタは居ない。つまり守護が無い。だから好き放題されるのだ」


ひー!凄い環境だわこれ。

ダメだろ。


ん?でも待てよ?

じゃぁ、あのトリケラ頭が連れてきたと思われるスキク達って、

僕らと同じプンタが居ない土地のスキクなんじゃないか?

どっかから連れてこられたんだろう?


「ほっほっほ。凄いのう。流石ポンピカだ。そうだ、状況がわかったようだな」

「なるほど、随分と危険な環境だったんだね。なんで目を付けられなかったんだろう?」


「それは偏に、この集落が小さかったという事もある。あとは、他所のプンタが手を求めていなかったということもだろう。」

「其の言い方だと、他所のプンタが手を求めてるっていう話だよ?なんか起きるの?」


「聡い!聡いのう!うむ。それでこそポンピカだ。」

「ごまかさないでよ。もしかしてだけど人間がまた入ってきたんじゃないの?」


「聡すぎるなぁ。・・・まさに其のとおりだ。」


あちゃー。

これ僕、そのうち運が悪ければ人間とやりあうぞ。

それは避けたいなぁー。

どうしようかな。

でも、ウウダギをほっとくわけにいかないし、

パパムイやギギリカの事も気になる。


こりゃ困ったなぁ。


「さて、話を戻そう。ワシは今回のクロゥが訪れたのを良い機会と捉える事にした」

「ん?それって・・・」


「そうだ。ワシ等のプンタは居ない。しかし勝手に搾取されるのはゴメンだ。」

「たしかにね。」


「ワシ等はワシ等で自らの地を守らねばならん。そういう事だ」

「族長。それザウスの”ト”でエライことに成らない?」


「成るだろうな。ワシ等は他所とは言えプンタに異を唱えることに成るのだ。」

「族長随分、気張ったね。でも嫌いじゃない。むしろそういうのは好きだよ。」


「ほっほ。まぁ、何処までやれるか分からぬ。それに手は多いほうが良いだろう。だからコレからワシは第一のプンタが納めていた土地を周り、数を増やそうと思う。どうだ?」

「どうだって言われてもね。でもそれはそれで良いと思うけど、説得出来るの?」


「今のままでは無理だな・・・そこで、ポンピカに”問題”・・・いや願いといえばいいだろう」

「どんな?」


「この集落をザウスに負けぬ大きな”ト”へと変えて欲しい。出来るできないではない。やるかやらぬかと言うことだ。」


族長は昨日の事で随分悩んだんだろう。

もし昨日あのまま僕が連れて行かれれば、

少なかったスキクが更に少なく成り、

味を占めた他所プンタのザウスが何度も足を運ぶ。

終いには、集落がなくなってしまうと言うことだ。

そして、集落がなくなると言うことは同時に、

第一のプンタの土地が無くなるという事を意味する。


きっと族長はそこが一番我慢できなかった点なのかもしれないな。

古き恩恵でずっと転生し続けてきたのに自分の過去全てが無くなるのと同じだ。

許せるものじゃないだろう。

しかし昨日はその無法に対して僕が異を唱えさらに撃退したんだ。

まぁ、運良かったのかもしれないけど、これはある意味転機なのかもしれないね。


族長、僕は付いてくよ。

なかなかいい案じゃないか。

協力しよう。


「いいよ。この集落、いやこの辺一帯の第一プンタの”ギ”を一つにまとめて大きな”ト”を作ろう。スキクが安心して暮らせる”ト”をね。」

「ほっほっほ。うむ!流石ワシの子だ!」


今更族長の子供だってことを持ち出すなんてなぁ。

でも僕、頭を張るのは好きじゃないんだけどね。


でも幾つか確認しなきゃいけないこともあるだろう。

昨日トリケラ頭が話したであろう内容が気に成るんだ。

なんで僕を従者にしたかったんだ?

ギュギュパニでも良かったろ?強いんだし、力もある。

荷物持ちだと考えてもギュギュパニのほうがずっと利用価値があるだろうになぁ?


「ねぇ。ちょっと聞きたいんだけど」

「なんだ?」


「昨日トリケラ頭が話した内容を教えてよ。あいつなんでギュギュパニじゃなく僕を選んだの?力だけならギュギュパニのがずっと優秀、ギュギュパニじゃなくてもパパムイやギギリカだっていただろう?なぜ僕なんだろう?」


「・・・おい・・・ポンピカ?お前本気で言ってるのかい?」


ギュギュパニの声が怖い。

どういうこと?


「ポンピカ。俺等の中でまともに戦うと言う事が出来るのはギュギュパニとお前だけなんだぜ?」


パパムイが口を挟んできた。

なるほど、戦闘訓練の話しかな?

でもそれならギュギュパニ一択だろ?


「それいうならなんでギュギュパニじゃないんだろう?」

「ああ、なるほど、そうだねぇ・・・まぁ、隠してるわけじゃないからこの際だあたしから話すよ」


ギュギュパニがなんか語り始めるらしい。


「そうだね。長くなるけど良いかい?」

「えっ?やだよ?まとめて話してよ。」


「・・・」


いや、だまんないでよ。

面倒くさいの嫌いなんだけど?


「まぁ、要約してくれればいいよ」

「・・・わかった。簡単に言えば、あたしがザウスだから連れていけなかったんだよ」


ん?ザウスだとダメってことは身分的な感じの話か・・・そうか。

ザウスはプンタの従者として作られたっぽいこと族長が言ってたね。

で、ザウスはプンタの守護なわけだ、それをザウスがザウスを従者にしちゃうとマズイってことか。


理解した気がする。


「なるほど。なんとなくわかった。」

「ほんとかい?いまの一言でわかるのかい?」


「まぁ、他所のザウスを引き連れるのはマズイってことでしょ?」

「・・・まぁ、其のとおりだね。あんた本当に頭が良いんだね。」


「頭は良いかどうかわからないよ。パパムイよりは良い気がするけどね」

「おい!なで俺を引き合いにだすんだ?」


「はははwまぁいいじゃんw。でもそう考えると、戦える力があって、ザウスじゃないスキクを連れて行きたかったって事か・・・。それって、前ギュギュパニが言ってた戦の準備が出来るスキクの話だよね?」

「そうだ。普通のスキクは戦わない。だけど、稀に戦いが出来るスキクが居るって話だ。この集落じゃそれがウルグズだったんだけどねぇ。」


あー。なるほど、血の気が多いわけね。


「もしかして、ギュギュパニがウルグズを目にかけていたのは、訓練でもしてたの?」

「鋭いね。そうだよ。少しは手ほどきしたけどね。まぁ、あんたにゃ敵わなかっただけだ・・・あたしもだけどね。」


「なんか変な含みをもたせるね?僕、強くないからね?本当の強さってのは力がどうのこうのではないんだよ。」

「ふーん。よく言うねぇ。」


「別にギュギュパニが弱いとかそう言ってるかけじゃないよ。むしろギュギュパニの方が強いだろうと今でも思ってるさ」

「ふーん。」


「あっ!信じてないな?其の目」

「まぁ、事実は事実だ。あたしはポンピカに負けた。それが全てだよ。」


「むー。根に持ってそうだなぁ。まぁいいや。で、だけどさ?もしこの集落が独立をしたら、ザウスの”ト”に報告とかする必要があるんでしょ?しなくて良い気もするんだけどさ」

「其のへんは、どうにかするつもりだ。まぁ、最悪の場合ワシの身柄で解決するだろう。」


えっ?それはダメだろ。


「それはいただけないな。そんなの族長を犠牲にするって言ってるじゃんか。だめだよそれは」

「しかしのう。いまは此の手しかないのも事実だ。」


う〜ん。こまったねぇ。

でも、族長の言ってるように独立はしないとイケなさそうだ。

だって、このままトリケラ頭を野放しには出来ないしね。


こまったね、全く。


僕が族長の意見を否定した瞬間だった。

後ろの方で、誰かが叫び声をあげる。


「ぎゃあああああ!」


慌てて、そちらへ顔を向けると、

ンダンダがトリケラ頭に首を掴まれ持ち上げられている状態だった。


ってかなんでそうなるんだろう?


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