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後悔と族長の長い話


翌朝、僕が起きると、ウウダギが、体操を初めていた。

僕は寝てたのに自主的にやる子。出来る子。流石です。


「ウウダギおはよう」

「おはよ」


「昨日は散々だったね。」

「大丈夫」


「体操気に入った?」

「うん。出来る。」


いつもどおり拙い所がとてもいい。

何でこんなに可愛んだろう?


僕もウウダギに習い、隣で体操をする。

するとパパムイとギギリカが、しょぼくれた感じで此方に寄ってきた。


「ポンピカ、ウウダギ・・・昨日はごめん」

「あたしもごめんなさい・・・」


どうやらギャ・ジャ・ズーの時の記憶は有るようだ。

記憶があるのになぜあんな行動を取るのだろうか?さっぱりわからないけど、

二匹がしょぼくれてると面白くないから取り敢えずおさらいって事で、二匹も隣で体操だな。


「なぁ、ポンピカ」


体操の動きを見事に一回で覚えたパパムイ。

今は、隣で一緒に体操しながらである。


「ん?」

「昨日の事だけどよ」


「ああ、ギャ・ジャ・ズーだったんだろ?」

「へー。そんな風に言うのか」

「ギャ・ジャ・ズー?あたし聞いたことないよ」


パパムイの隣でギギリカが首をかしげる。

ギギリカも体操中。覚えは早い方だと思う。

今は十分に覚えたみたい。何回か繰り返した結果だけど。


「ギュギュパニに聞いたよ。」

「俺、自分でもなんであんな風に成ったのかさっぱりわからないんだ。やってる時の記憶はあるんだけどな・・・なんていうか全く体が言う事を利かないんだ。」

「あー。それ、あたしもよ?なんかフワフワしてたの」


これは面白い。

そういうものなのか?


体が勝手にって言うなら「怖い」ってのは関係ないのかな?

でもギュギュパニは「怖い」から恐怖心が高まって、

ハイテンションで天元突破したって言ってたね。


「へー。でも自覚は有ったんだろ?」

「それがよ。そうでもないんだ、自覚っていうか何と言うか、俺の体が自分の体じゃ無いみたいに成ったんだ。よくわかんねーけどな。」

「う〜ん。あたしは途中までしか覚えてないんだよね。パパムイと踊り始める所までしか覚えてない」


幽体離脱ですか?

そういうの聞いたこと有るけど、

そういう心霊的な話しって僕は好きじゃなかったんだ。

怖いから。


「ふーん。操られてる?とか?」

「操る?俺をか?どんなやつが?」

「操られてたのかな?どうなんだろ?」


いや、疑問で返されてもわからないけどね。

まぁ、いいや。

もしかしたら無意識の体現なのかもしれないし。


「確かね。ギュギュパニが言ってたのは、怖いって思ってるとスキクだけは、ギャ・ジャ・ズーになるらしいんだ。」

「怖い?何をだ?」

「???。あたし怖くないよ?」


もしかしたらそういう事か。

昨日の今日で、この変貌ぶり。

つまり、ギャ・ジャ・ズーは精神的負担を処理しきれない時に、

緊急回避策としての忘却リミッターみたいな物なのかもしれない。


昨日は、ミニョルンによる恐怖が限界を突破して、ああなった。

だけど、今日は戻っている。

多分、そういうことなのかもしれない。

だとすると、恐らく僕らスキクは”怖い”だけで、ギャ・ジャ・ズーになるわけじゃないと思う。

多分、精神的に不安定とか、いろいろな精神状態で天元突破するとなるんじゃないかな?

例えば・・・もしかして・・・ちょっと前にギギリカが水に飛び込んだのって、そういう事だったのかもしれない。

あの時は、凄く短期的に終わったけど・・・ってことだろう。


面白いね。

でも、僕もそうなるのかな?


「う〜ん。多分、恐怖心が一日経った事で、和らいだのかもしれない。それとあの状態ってのは、精神状態を落ち着かせる自己防衛的な機能の一つかもしれないね?」

「ん〜?どういう事だ?俺にはさっぱりわかんねー。」

「ふ〜ん。じゃぁ、怖さを忘れたって事かしら?」


パパムイはすでに付いて来れなかったか。

まぁ、でもいいや。

忘れるのが得意なパパムイらしい。

それでいいと思うよ。パパムイはね。


ギギリカは、良く聞いてるようだ。

うん。多分そういう機能が僕らスキクには有るのかもしれない。


「ギギリカ。多分そうだと思ってる。そういう風にできてるんじゃないかな?」

「?できてるって何をだ?」

「なるほどね〜。でもなんでそんな事が起きるのかな?」


う〜ん。どうしてかなー?

ただ単に、耐えられないからじゃないかな?


「多分。耐えることができないだけだと思うよ」

「ん?ん?なんか耐えないとイケないのか?」

「もう!パパムイったら・・・」


「わかんねーんだもん。しかたないだろー?」

「そんな事ちゃんと聞いてればわかるでしょ?」

「まぁまぁ。二匹共あまり興奮しないのっ。またギャ・ジャ・ズーになるよ?」


「マジ!?それはやだなぁ〜。」

「あたしもー。それはヤダー。」

「だろー?だから精神は安定させたほうが良いさ。平静にね平静、平静。」


「わかった。俺は平静、平静・・・。 平静ってどうやんだ?」

「ダメだわこりゃw」

「はははwパパムイはそのほうがいいよwパパムイらしいしね」


そんな感じで、騒いでいると、真面目にやっていたウウダギからツンツンとされた。


「どうしたの?ウウダギ」

「うるさい。集中」


「「「ごめんなさい」」」


ウウダギに三匹揃って怒られました。


その後、静かに四匹でしっかりと体操。

そして、皆のご飯を作って、食べる。


今では、ジンを患っていたスキク達の内、

重体だった二匹以外がすでに治っていた。

こう見ると、随分早い治り方だとおもう。

生命力が特に高い種族なのかもしれないと思った。


そして、重体だった二匹はすでに起き上がるまでになっている。

少し話を聞くことができた。


改めて話を聞くと、やっぱり魚が原因だったらしい。

どうやら、食いしん坊の二匹が特に沢山食べたのだそうで、此の通りというわけだ。

だけどここで疑問がよぎる。

ズズナドとデデンゴは沢山食べたのに助かった。

だけど結果から見ると、集落の半分近くが命を落としている。


大量に摂取したはずなのに二匹が生き残り、

わずかしか食べていないスキクが死んだ。


此の事については調べなきゃわからない。

だけど、おそらくは、抵抗力の問題なんだと推測出来る。


まぁそのへんは、考えるのを後回しにしよう。


そして、亡くなったスキク達の処理は全くしていないので、

恐らく雨季が終われば、皆で処理に当たるわけだ。


そのことについて、皆はどう思ってるんだろうか?

もしかしたらあまり考えないようにしてるのかもしれない。


なぜならミニョルンによるギャ・ジャ・ズーはギュギュパニの話しじゃ、

若いスキクは成るけど年配のスキクは成らないって話し、

なのに今回のミニョルンでは年配のスキクも症状が出ていた。


つまり精神状態がヤバイって事なんだろうと僕は思うんだ。

ギャ・ジャ・ズーってのは、僕が考える所のPTSDに当たるのかもしれない。

なぜなら、去年のミニョルンではパパムイもギギリカも症状は出ていない。

そして、今年のウウダギも症状は出ていない。

つまり若いスキクって言っても小さなスキクの事ではないんだ。

そして、経験したからこそ患うわけで・・・。


そう考えると、皆がPTSDって事に成る。

随分とストレスの強い環境と言えるだろう。


ただ、パパムイやギギリカみたいにウウダギにちょっかいかけたりしないで、

座って唸っていたり、隣のスキクとシャーシャー鳴いたりしている。


そして、その症状が、二日目の今も続いてるんだ。


これには困った。

流石に族長は平静を保っている。

ギュギュパニはザウスは成らないと言ってたとおりか、症状はない。

それが唯一の救いとも言える。


今、成体に成っているスキクが合計僕を含め九匹、ザウス一匹、小さなスキクが二匹、

その中で、マトモなのが僕、パパムイ、ギギリカ、ウウダギ、ギュギュパニ、族長って所か。

約半分、そして、寝込んでて反応が怪しいのが二匹。ズズナド、デデンゴ。

ギャ・ジャ・ズーで声を出して居るのが、残り全部だ。つまり大人のスキク、四匹。


この面識のない四匹について、認識をしておいた方が良いかもしれないな。

此のまま騒がれてしまっても仕方ないわけで、どっかで吹っ切ってもらわないとなぁ・・・。

でもPTSDってそう簡単に治るもんじゃないし、治るとも限らないって話も聞いた気がする。

どっちにしてもなんとかしなきゃいけなくなりそうだ。


なので、まともな族長とギュギュパニに話を聞こう。


「族長、ギュギュパニ、少し話を聞きたいんだ。」

「うむ、どうした?」

「なんだい?」


「ギュギュパニから聞いたんだけど、ギャ・ジャ・ズーってのは、若いスキクしか成らないはずだよね?」

「ああ、そういう話だからな、あたしもそう教わったんだ。」

「・・・」


「族長、あそこで、騒いでるのって、ギャ・ジャ・ズーじゃないの?」

「ああ、たしかにな。それはあたしも気になったよ。どういう事だい?族長」

「・・・これは、ワシが前の前の前に体験した時の話なのだが・・・」


なるほど、こういう事は以前にも起きてるんだ。

そしてその時の事を族長は”古き恩恵”のおかげで知っているんだ。


「あれは、収穫の時期じゃったな、森には様々な実りが有り、動物はそれを求め日夜問わず、集落の周りに出没していた」


族長の一匹がたりが始まった。

この話は長くなるぞ・・・大体の把握ができたらさっさと話を終わらそう。

つまんないから。


「ある時、集落付近で、”ヴァンジャジャ”を狩っていたんだが、その最中にものすごい数の”ビビアド”が押し寄せたのだ」


初めて聞く動物の名前が出てきてる。

ギュギュパニは知ってるのかな?

こっそり後で聞こう。


「ワシ等は、”ビビアド”の大群に襲われた際、多くの仲間を失ったのだ。中には目の前で番が食べられてしまったスキクもいた」


・・・なるほど、読めてきた。

その時の後遺症が出たことがあるって話か。

とりあえず確認して長くなる前に次の話に行こう。


「族長。その時に襲われて生き残ったスキク達が、今の四匹と同じ症状になったんでしょ?」

「ふむ、あまり先を読むでない・・・全く、ワシが久しぶりに過去の話をしておるというのに・・・まぁそういう事だ」

「ポンピカ。年寄りの楽しみは残して置く方が良いぞ?後でグチグチ言われるからねぇ」


「なんじゃ?それは・・・ワシが何時グチグチいったのだ?」

「経験則だよ経験則。全く、ここ最近の族長は覇気がなくてだめだ。まったく・・・」


ギュギュパニと族長が口喧嘩か。

あれ?ギュギュパニと族長って結構近い間柄なのかな?

種族違うんだし、何でだろう?


まぁいいか、ってかなんとなくわかったから良いや、

やっぱり精神的ショックによる錯乱と捉えたほうが適切だ。


「族長、ありがとうよくわかったよ。つまり、精神的なショックで錯乱、フラッシュバックするわけだね」

「・・・相変わらず何を言っているか分からぬが、理解したのならそれで良いだろう。」

「ふーん。ポンピカ、前の世界でも似たような事が有ったのか?」


ギュギュパニは良い所を突いてくる。

詳しいって事は、知ってるって事だから、

僕位の歳なら知り得るはずがないわけで、

まぁギュギュパニには話してるし、素直に答えよう。


「まぁね。あまり言ってもわからないだろうけど、そういう精神的な負担が、何かの拍子で過去の怖い出来事をもう一回思い出してしまったりするんだよ。そういう事。」

「ほう。では、辛い思いをしなければギャ・ジャ・ズーには成らないと言う事か?」


族長はしっかりと理解してるようだ。

ギュギュパニはわかったような振りをしてると思う。


「まぁ、そうだけど、一概にも言えないんだ。心ってのは、複雑らしい。僕が全部知っているわけじゃないしね。」

「ふむ・・・そうか・・・だから生まれたてのスキクは何も変化がないのか・・・そういう事だな?」


おおお!すごいね。

そのとおり、僕もそう思ったんだ。


「族長はやっぱり賢いね。僕もウウダギと去年のパパムイ、ギギリカを見比べてそう思ったんだよ。」

「ふむ・・・では、成るスキクと成らないスキクの境はどういう事と考えた?」


族長って意外に研究者向きなのかもしれない。

っていうか、他のスキクと明らかに思考の仕方が違う気がする。

何ていうか、能動的っていうか・・・。

自ら考えて何かをするっていう事が出来るスキクなんだと思う。


「多分。単純に精神的に強いだけだと思う。もしくは、単純に怖くないだけだと」

「なるほど。それはそうかもしれぬな、ワシなど何度も繰り返していることだからな・・・過去には吹き飛ばされて死んでしまった事さえあるからのう」


それは、逆にPTSDうんぬんじゃなくないかな?

実際に死んでるわけだよね?

凄いね。でもその精神的負担は何処に消えたんだろう?

さっぱりわからないけど。でも族長は、

随分と精神的に強い部類と言えるんだと思う。


「それは、貴重な体験かもね。でも僕がここに居るんだ。来年からはもっと安全に過ごせるようにするよ。そうすればギャ・ジャ・ズーは減ると思う。」

「ほっほっほ。頼もしい限りだ。その件は任せよう。」


「”問題”ではなくて?」

「うむ。その件は任せる。”問題”ではない。」


「わかったよ。努力する。」

「うむ」


族長は随分と、気が楽になっている様子だ。

やっぱり話すことで、色々解消出来るんじゃないかな?


「なぁ、ポンピカ。」

「なに?ギュギュパニ」


「お前たちが昨日からやってるタイソウだったか?アレをあたし達にも教えてくれないか?」

「・・・いいけど?」


「昨日約束しただろう?族長もできる事だろ?ウウダギがやってるんだ」

「まぁ、たしかに出来るよ。むしろ小さいスキクや年寄り向けの動きだし」


「族長。気分転換だ。ここでグズってても仕方ないだろ?ほかの連中はギャ・ジャ・ズーでマトモじゃない。良い機会だ。体を動かそうよ。どうだい?」

「ワシがか?もう関節だって、ボロボロじゃぞ?」


「其れでも出来るんだよね?ポンピカ」

「まぁ、できなくないよ。むしろ体にはいい事だらけだと思う」


「ほら。こう言ってるんだ。一緒にやってみようじゃないか」

「う・・・うむ・・・」


どうやら、体操にこの二匹も参加するらしい。

という事で、食後の体操って事で、族長とギュギュパニも参加。


外のミニョルンは相変わらず暴風で暴雨だけど、

どうやらこの避難所の頑強さの前には成す術なさそう。


時折、地面が揺れる程の振動が来る事があるけど、

それはどうやら朽木が倒れた音だろうと言う話で、これと言って被害はない。


そんな中、四匹のギャ・ジャ・ズー患者がのたうっていて、二匹が寝込んでいる。

そんでもって、僕ら六匹はピンピンしていて、体操をするという。

もうわからない状況である。


こう考えるとマトモなヤツが居ない。


まぁ、騒がしいだけで、特にやることもないから仕方ないんだけどね。

それに当初聞きたかった、四匹の話も体操しながらきけた。


内容はこうだ。

四匹の内訳は、、雌が一匹で、雄が三匹。


スキクの生活というのは、実に簡単な仕組みで成り立っている。

例えば僕でもそうだけど、職人の様に何かを専門として行っているスキクは居ないんだ。

居るのは狩りの専門家というところかな?


ウルグズやパパムイなんかがそうで、狩りが得意と自称するのがギュギュパニだったりする。

だけど、生きていくためには食わなくてはイケないわけで、

皆の分まで採ってくるということが出来るのは、専門家だけだろう。


他のスキクは基本、一匹でも狩りをして、食べ繋いでいく物であるからだ。

なので、ウルグズみたいな専門家ってのは、集落ではもてはやされる。


つまり、狩り、特に命を繋ぐための糧を得る事がメインで、

他に手が付かないスキクばかりなのだ。


なので狩り以外は基本、何もしないで寝ているとか、

気ままな暮らしをしているわけで、何かに追われるとかそういうたぐいは一切ない。


話は変わるけど、集落全体で必要な物が有ったとしよう。

それを作るためにはその事について、詳しくなければイケないだろう。

だけど、基本的に教養はまったくないわけで、

どうするかと言えば、族長がそれっぽい”問題”を出すことに成るわけだ。


例えば、石のクワが必要だと言われれば、作りてが限られるわけで、

此の場合ギュギュパニに話が行くんだ。

すると、ギュギュパニは”趣味”で行っている。石細工をくしして、クワを作ることに成る。


まぁそういうわけだ。

ちょっと、わかりにくいかもしれないけど、職業と言う認識は基本無いわけで、

あるとするなら趣味を活かせということだけである。


なので、四匹は、それぞれ違った趣味を持っていて、

それを預かった子供なんかに教えたりして技術が残っていっているわけだ。


また、今回のように全滅寸前までとなると、技術が廃れる事に成る。

そうなると、技術が廃れる前に族長が事前にどんな内容を趣味として持っていて、

成果がどういうものなのかとうことを理解することで、

技術持ちのスキクが途絶えても族長に聞けばすべてが再現されると言うシステムなわけである。


族長には頭が上がらないわけだ。

族長はいわば、集落のデータベースと言える。

確かに”古き恩恵”持ちなんだからそれくらいでないと文明は繁栄しないだろうけど・・・

実際、今回みたいに一気に様々な趣味が潰えると、本当に困るんだ。

だから、それを記録して、族長が居なくてもわかるようにする事も大事なんじゃないかな?


まぁ、そんな感じだけど、四匹のそれぞれの趣味についてだ。


雄の内一匹でベベビドと言う名前のスキクは、

木材なんかを加工する事が趣味らしい。

木に詳しく、いろいろな木を加工出来るようだ。

加工に使う道具はもっぱら石具なわけで、当然ギュギュパニのご厄介になっている。

非常に気の良いスキクらしい。でも今は、シャーシャー言ってる。


また、他の雄、ンダンダと言うスキクは、

狩りではないけど、族長と僕がよく食べるような植物。

特に食べ物に関わる植物に詳しい。

当然、当のスキクは菜食主義とまではいかないけど、

植物を良く食べる。でも肉のが好き見たい。

なんだかんだいって、お世話に成っているスキクらしい。名前と顔知らないんだけどね。


雌の一匹、シシブブは、動物の事に対して興味を持っているらしい。

暇なときには、虫や、小さな動物を見つけては観察して、ウフフと成っていることが多い。

だけど、狩りが下手なんだ。なぜ下手かと言えば、可哀想で殺せないって話である。

でも肉が好きっていうわけがわからないスキクだ。

つまりこの雌は、専門家であるウルグズやパパムイのご厄介度が非常に高いスキクとなる。

年齢的にはまだ若い方だけどね。


最後の雄だけど、コイツは曲者である。

名前は、イイオオ。

こいつは何もしない。ただ、ダラダラしていて、特に何かをしているわけではない。

狩りも自分の最低限の分を採ってくるだけで、これと言って集落への貢献度も低い。

とくに際立った特徴もなければ、何かを主張することもない。

完全なモブと言える。だけど、肉が好き。

だけどの意味がわからないかもしれないけど、まぁぶっちゃけニート扱いだ。

一日のほとんどを寝て過ごしているせいか、体がダルダルなんだよね。運ぶの苦労したんだ実は。


ついでに言えば、ズズナドだけど、これは神経質なスキクである。

計画性が非常にあって、何かをするにしてもトコトン考えてから行うタイプのスキク。

多分頭が良いんだと思うけど、怖がりなのか自分からは何もしない。

そんなタイプである。そして、困ったことに大食漢なスキクらしい。

非常に良く食べる。だけど体は細身なんだ。何でだろう?そんなに消費するのかな?

体質かもしれない。天然のフードファイターと言えるだろう。


小さいスキク、デデンゴは、親がすでに集会場で亡くなっている。

なので、此の場合は族長が親代わりをすることに成るんだ。


今回みたいな全滅騒ぎは実は結構起きているらしくて、族長も一度や二度の話ではないらしい。

族長の話では、族長の一生の内、何度か訪れることなんだそうだ。

だけど対策方法が全く思いつかなかったので、仕方なくなにも出来なかったと言う・・・。

もう少し色々と考えられるだろうと僕が言うと。

今は考えが着くように成ったと言っていた。それは僕が表れて変化したことらしい。


まぁ、以上が体操の間に聞けた話だ。

なんだかんだ言って、結構な話をしたような気がする。


そう思って、体操終わりに一段落と思い、ウウダギを愛でていると、

ギュギュパニが寄ってきて耳元で話しかけてきた。


「なぁ。ポンピカ」

「なに?内緒話?」


「いや、そうじゃないんだ・・・だけどさっきのタイソウだったか」

「ん?体操がどうしたの?」


「ありゃ、戦の準備じゃないのかい?」


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