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混乱と希望


翌朝、と言っても時間がわからない。

周りのスキクの生活音というかソワソワした音に起こされた。

ウウダギはまだ寝ている。

昨日は随分と運動させてしまったからね。

昨日は気づかなかったけど、小さい子どもならアノような運動量だと、

すぐに倒れてしまいかねないだろう。


気づかなかった僕が失念だったわけだ。

次からは、もう少ししっかり様子を見ながら訓練をしないとな。

反省でしかない。


だけど、そんなことより、なぜ皆起きているスキクはソワソワしてるんだ?

一年前、僕がまだ子供だった頃。

集会場では似たような事が起こっていたのを覚えている。


恐らく、族長が幾ら大丈夫だ。と言っても不安が拭えないのだろう。

心情的には理解は出来る気がするけど、

正直こうなってはどうも出来ないんだ。


いざと成っては穴でもほって、やり過ごす。

そんくらいは、考えておこう。


しかし本当にザワザワとまではイカないけど、困った感じだなぁ。

ソワソワ感が伝わってきて、なんか気に触る。


もう少し落ち着いてほしいんだけど?


まぁ、いいか。

それより重体の二匹だ。

昨日の様子からすると、デデンゴは順調。

もう少しで、起き上がれるだろう。

ズズナドも結局少し遅れる形には成ったけど体調も戻りつつある。

意識も戻っているし、受け答えも問題ない。

ただ、まだ体に力が入らないみたいなだけだ。


うん。取り敢えず大丈夫だろう。


食中毒事件は恐らくほぼ解決した。

なんとか成ってよかった。

原始的な生物なのだろうか?

スキクは思ったよりも体力があるようだし。

デデンゴを見ていると生命力が大きいきもする。


まぁいいか。

さて、今日はなにをしよかな?

ゲームでも作って皆に暇を潰させようか?


それもいいなぁ。


「んー・・・ポンピカ」


ウウダギが起きてしまった。

寝ぼけてる。可愛い。


「起きたの?ウウダギ」

「うん。おきた・・・」


言葉が拙い感じで良い。


「まだ寝ててもいいんだよ?やること無いでしょ?」

「・・・紐つくる。」


「う〜ん。紐作るのは良いけど、材料は少ししかないからなぁ・・・」

「棒術する。」


「昨日疲れたんじゃないの?」

「大丈夫。棒術する」


棒術、気に入ったのかな?

でも、ギュギュパニは良い顔しなかったな・・・。

なら、バレない様なやつをやろうか・・・

どうせだから、パパムイとギギリカも一緒に鍛えちゃおう。

僕も鍛えないとね。

こっちに来てからこまめにトレーニングはしてたんだ。

だけど、筋肉はつかなかった。

いや、無理して筋肉を付けなかったんだけどね。


素早く動けないと、この世界では生き残れない気がしたんだ。

なんと言っても僕らスキクは体が小さいから。


「ウウダギ。今日は棒術じゃない事をしよう。でも体を動かせる。」

「うん。わかった。」


ウウダギは理解があって助かる。

とても素直でいい子だ。


さて、パパムイとギギリカを誘おう。


「パパムイとギギリカにちょっとお願いがあるんだ。いいかな?」

「い・い・ぜっ!」ンフー!ンフー!


鼻息が荒いぞ?どうしたパパムイ。


「いいわよ!何でも言って!」ンフー!


あれ?ギギリカも・・・どうしたの?


「どうしたんだ?二匹共・・・随分鼻息が荒いけど」

「ポンピカはなんとも無いのか!?」ンフー

「不思議ねぇ?」ンフー!


ンフーンフーうるさいんだけどなぁ・・・

まぁ、いいか。元気な証拠ってことで・・・。


僕は二匹にウウダギに運動をするから二匹とも一緒にやるかと、

聞いたら即答で「やる」と答えてくれた。


なので、気にせず運動を開始する。


「ポンピカ。なにする?」

「今から、僕がやる動きをよーく覚えて真似してくれる?」


「うん。わかった。」

「パパムイやギギリカもね」


「おーう!まかせろー!」

「うひー!がんばるぞー!」


なんだかよくわからないけど、テンションがベラボウに高い、

若干高すぎて、怖い。


でも、何だか久しぶりの感じだなぁ。

ここ最近、やることが多すぎて、4匹で一緒に何かをすることが少なかったしね。

また勉強もはじめたいなぁ。


フフ。パパムイとウウダギの計算踊り、もう一度みたいなぁ。


まぁいいや。

早速始めよう。


僕がやる体操は、一般的なラジオ体操とかじゃないんだ。

じいちゃんが考え出した体操で、

中国の武術を参考にしたやつなんだ。

じいちゃんが注目した武術は太極拳。

そう、体操にはもってこいなんだそうです。よくわからないけど。


なので、じいちゃんがやってた古武術の動きを、

太極拳風にアレンジして開発した体操を皆の前でやり始めた。


この体操は第一、第二、第三と全く違う動きをするやつなんだけど。

何でも基礎的な動きが第一、力を付けるのが第二で、第三は、主に、一と二を数年繰り返してじいちゃんの許可がでた者しか教えてもらっていないんだ。


一応、僕は特別に教えてもらったんだけどね。

この体操を僕に教えている時のじいちゃんったら凄く楽しそうで、

僕もついつい一緒になって頑張ったんだ。


ああ〜。なつかしいなぁ。

ホンの一年ちょっと前のことのはずなんだけどね。


でも、ここに居る3匹にはまだ第一しか教えることが出来ない。

特にウウダギには第二は辛いんだ。

体が出来てないし、いま第二を始めると変な癖が着いちゃうしね。


そんな考えをしている間に第一が終わる。

でも、この体に成ってから何度か試したんだけど。

尻尾のせいで結構重心が下ってしまって、思いの外、人間だった時の動きをトレースしにくいんだ。

なので、僕はスキクなりの動きに合わせる様に尻尾にかかる重心とかも考えてアレンジした物で体操した。


なかなか、完璧な動きだと我ながら自画自賛してみる。

うんうん。カンペキ!


「こういう動きなんだ。覚えた?」

「うん。覚えた」

「おう!わかったぞー!」

「おー!わかったぞー!ガオー!」


何だろう、パパムイとギギリカは本当にテンションが高すぎる。

なにかおかしな物でも食べたかな?

そう思い、周りを見ると、パパムイやギギリカに似た行動を取っているスキクがちらほらと居る。


なんだろう?習性なのかな?

まぁいいや、体操、体操っと。

この体操ならウウダギがやってもちょっとずつだけど、

力・体力・体捌き・動きの仕組みなんかも良く学べる。

なんたってウウダギは天才だからな!


「じゃぁ、三匹とも僕のあとに続いて、やっていこう」

「うん。」

「おおお!まってましたー!」

「がおー!がおー!モラァー!」


ギギリカはことさらテンションが高い。

もう、言葉を話していないぞ?

大丈夫かな?


まぁ良いんだけど・・・だけど、ちょっと騒がしいね?

外の風の音もまぁ、そこそこするし、雨が吹き付ける音もまぁ無いわけじゃない。

そんな中で良く興奮したり出来るね?不思議。


まぁいい。

ちゃんとやってくれるならテンションは気にしないであげる。


「よし、じゃぁはじめー!」


僕の掛け声とともにじいちゃん体操第一が始まった。

ウウダギはちゃんとしっかりと覚えている。

ただ、力が無いのとまだ足元がヨロヨロしているせいで、思った動きが出来ていないようだ。

少し焦れてしまっている。

だけど、僕が、ウウダギにちゃんと出来てるから焦らず1個ずつやるんだよ。

と言うと、じっと僕の方を見てから目がキラキラして、「うん」と一言、

その後は、ミスしても諦めずしっかり動きを正確にトレースしていく。

この調子なら十分ものになるはず。

小さいスキクの間に此のまま基礎ができればきっと凄いスキクになるはずだ。

将来が楽しみで仕方ない。


ただ、問題があるとすれば、

パパムイとギギリカだ。


完全に体操そっちのけで暴れている。

これにはさすがの僕も予想外過ぎて、手が付けれない。

どうしたものだろうか・・・。


僕はパパムイとギギリカをそっとして、ギュギュパニへと相談しにいった。


「ギュギュパニ少し良いかな?」

「ん?どうしたんだい?」


「あのー・・・パパムイとギギリカの事なんだけど」

「ん?あの二匹が何かしたのかい?」


「いや、わかるでしょ?なんであんなに興奮してるんだろう?」

「・・・ああ、そういうことかい。族長には話しを聞かないのかい?」


「こういう事は、パパムイの親、ギュギュパニに聞いた方が良いかな?って思ったんだ。」

「そうかい・・・なるほどねぇ。まぁ話してやっても構わないよ。」


「そう?・・・じゃぁなんで興奮してるんだろう?」

「そうだねぇ。ああ言う状態を”ギャ・ジャ・ズー”って言うんだ。」


「?言いにくいね?ギャ・ジャ・ズー?」

「そうだね。まぁ若いスキクは決まって、ミニョルンの時にはああなるんだよ」


「ミニョルンが?なんで関係するんだろう?」

「ミニョルンってのは、怖いだろう?一歩外へ出れば、すぐに吹き飛ばされちまうわけだ」


「あーたしかにね。まぁ外へでればほぼ死ぬだろうけど」

「そういう事だよ。怖いんだ。パパムイもギギリカも、そして周り中のスキクの一部はね」


「へー・・・。スキクって怖いとテンションが限界突破しちゃうの?」

「?その言い方はわからないけど、まぁ怖いって気落ちが限界に達すると、”ギャ・ジャ・ズー”になるんだよ。スキクだけだけどね。」


へー。スキクだけなんだ。

なんか面白い。


「ザウスは成らないんだね?」

「そりゃね。怖くとも自分を捨てるなんて出来やしないからね」


酷い言われようだけど、怖すぎてテンション上がるっていう習性はどうかと思う。

でも、僕はテンションが上がらない。

ってことはそれほど怖いとは思っていないってことか・・・。


「その話しだと、今のパパムイやギギリカは怖すぎて暴れてる・・・自分を見失っている状態ってことかな?」

「説明っぽいところは、相変わらずだねぇ。まぁそう言うこった。ちなみに害は無いから気にしなくていいさ」


「そうなの?暴れて、襲ってきたりしない?」

「そんな勇気があるくらいなら、”ギャ・ジャ・ズー”になんか成らないんだよ。」


なるほど、うん。確かに。


「なるほど。じゃぁ、落ち着くまで勝手に騒がせて置くしか無いのかな?五月蝿いんだけど」

「そうだねぇ、下手に落ち着かせようとすれば、流石に手を出してくるかもしれないね」


それもやだなー。

パパムイはまだしも、ギギリカをひっぱたくわけにはいかない。


「ふ〜ん。触らぬ神に祟りなしってことか」

「はははw面白い表現だねwまさにそれだよ。触んなきゃそのうち勝手に落ち着くさ。気にするだけ野暮ってもんだよ」


「そうか。わかったよ。ありがとう」

「いやいや、そんな事より、さっきのは何だい?また何か教えてたのかい?」


ああ、やっぱり見てたのか。

あまり、気にしてないようだったからほっといたんだけど。

ってか、毎回僕のやる事に興味もたれても困るしな。


「ああ、体を動かす健康のための体操だよ」

「タイソウ?・・・そりゃどういう意味のものだい?」


「健康ってのは、体も動かさないとダメだろ?特に小さいウウダギには力も備わってないんだし」

「なるほど。良い案だね。確かに体を動かす事は重要だ。うん。今度あたしにも教えてくれよ。最近鈍っちまってねぇ。」


それは、御免こうむる。

体操とは言え、列記とした武術なんだ。

体操風にしてるけど、

中国武術で言う所の練功にあたるからね。

強そうなギュギュパニにはいらないだろうし。

適当に返事でもしとこうかな。


「わかったよ。今度ね。いまはウウダギを教えなきゃね」

「分かってるよ。他には聞きたい事は無いのかい?」


「今のところは・・・いや、そう言えば、ギュギュパニって鉄って知ってるかい?」

「テツ?聞いたこと無いねぇ。どんな物だい?」


そうだ、確か、ギュギュパニは石で道具を作る事が得意だったはず、

つまり、石について色々知ってるはずなんだ。

ってことは、もしかしたら鉄鉱石なんかを見つけてる可能性もあるね。

他にも金属の元となる石を知ってるかもしれない。

そして、採れる場所も・・・。


「えっと、金属の一つなんだけど、多分、石をものすごい熱で溶かすと、中から石よりも硬い物が取れたりしないかな?」

「石より硬い?・・・う〜ん。どうなんだろうねぇ。ザウスの”ト”でもそんな物を扱っているなんて聞いたこと無いからねぇ・・・。そうだねぇ、プンタの所になら似たような物はあるよ。」


聞いたことが無いといいながら、プンタの所にあるって言う表現。

どういうことだろう?金属を知ってるって事?

でも、ザウスの街では、取り扱ってないっていう話だ・・・

つまり特殊な部類で、話しから想像しやすい内容の物があるってことか。


「それは?」

「たしか、”マガ”と言う物でね。初めにそれがプンタの所に持ち込まれたのは、随分前の事なんだけどね。献上したのはスキクで、そのスキクの話しによると、天から降って来たってんだよ。おどろいたろう?石がだよ?天から降ってきたんだとさ、だからその石は”古き者”が投げた神聖な物という事で、プンタ預かりの物になったんだよ。」


なるほど、まさに鉄、隕石から採れる隕鉄ってやつだ。


「なるほど・・・話を聞く限り、それは隕石から採れる隕鉄だね」

「インセキ?インテツ?」


「うん。この星、この世界の外には無数の石ころが飛んでいるんだよ。ここからだと遠すぎて見えないんだ。それが、たまに地上へと降ってくるんだよ。」

「へぇ・・・そうなのかねぇ?」


理解できてるのかな?

怪しいけど話を進めよう。


「うん。そうなんだ。そして、降ってくる石は空気との摩擦で、凄く熱くなるんだ。だから、大体見える隕石ってのは、焼けたように真っ赤で炎を尾のように引いて落ちてくる。」

「・・・ああ、なるほど、夜に空を照らす筋のことだね?。確かに拾ったスキクの話と一致するねぇ・・・落ちてくる時、輝く蛇のようだったという話だよ。なるほど。インセキってものなのかい・・・」


「うん。本来、ほとんどの隕石ってのは、空中で燃え尽きるんだ。だけど中には、金属を含む隕石もあってね。それが、たまたま焼け尽きないでおちて固まった物、が恐らく”マガ”なんだと思う。」

「・・・ふむ。だけど、そのキンゾクってのが”マガ”なら、それは空から落ちてくるのを待つしか無いだろう?」


「それが、そうじゃないんだよ。金属はこの大地のほとんどに含まれているんだ。だけど、それを集めるのが一苦労なんだよね。でも、中には塊、もしくは形を変えた石で、地面に埋まってたりするんだ。」

「・・・じゃぁ、何かい?そこらじゅうに”マガ”があるってことかい?」


「言い換えればそうだよ。」

「そりゃ・・・また・・・凄い話だねぇ・・・ホントだとしたらとんでもない事になるよ?」


「うん。分かってるんだ。でも、その金属がどうしても欲しいんだ。」

「なんに使うんだい?」


ギュギュパニの言いたい事はわかる。

だけど、悪い事には使うつもりがない。

でも、普及し始めたら僕でもどうにも成らない。

そこら辺のことも考えて、僕らだけで使えるようにって思ってる。

暮らしを良くするためにね。


「皆の暮らしが豊かになる。その金属を使えば、ミニョルンだって全く怖くなくなるし、皆が安定した食べ物だって、獲得出来るようになるんだよ。」

「・・・それは・・・本当かい?」


驚くのも無理はない。

事実、刃物一つ作れる様に成れば、ぶっちゃけ製材だって出来る。


つまり家が建つ。

それも石のエキスパートが居るこの状況ならばモルタル、

そのうち、鉄筋コンクリートまで作れる状況が整ってるんだ。

やるしか無いでしょ。


「うん。本当だよ。」

「ふむ・・・で?なんでアタシにその話しをしたんだい?」


「それは、僕の知る中で、石に付いて一番詳しいのがギュギュパニだからなんだ。」

「なんだい?石に詳しいと、”マガ”が手に入るのかい?」


「そうだよ。”マガ”だけじゃないよ。色んな種類の石が、あるんでしょ?」

「・・・まぁね。大地には様々な種類の石が有るのは確かだね。」


「その中にきっと金属を含む、石が有るはずなんだ、それもゴロゴロしてるはずなんだよ」

「・・・ほ〜ぅ。それは面白い話しだねぇ・・・」


どうやら興味を持ってくれたようだ。

良かった。これならうまく事が運ぶかもしれない。


「特徴とかが判れば金属の有無がわかるかもしれないんだけど・・・」

「つまり、雨季から解放されたら、アタシにそのキンゾクを採らせるって事だね?」


「うん。そうしてもらえると助かるんだ。僕がじゃなく、集落全体がね」

「・・・わかったよ。その話乗ってやろうじゃないか。色とか、味とかは?わかるのかい?」


えっ?味?

味っていう表現は予想外なんだけど・・・。


「味?・・・味はわからない。でも、血のような味がするかもしれない。後は、大体が赤か黒くて、鈍い感じに光ってる場合もあるかな」

「ふ〜ん・・・なるほどねぇ・・・血の味に似てるか・・・じゃぁ、この集落から少し離れた場所の崖にそんなのが、落ちてる事がたまにあるねぇ。ありゃ、確か、血の味がしたのを覚えてるよ。ただ、凄く固くてね。割れないんだよ。」


おおおお!凄い!

凄いよ!ギュギュパニ!ナイス!


「えっ!それだよ!多分!それ意外に考えられないじゃないか!凄いよ!ギュギュパニ!これで、鉄器文明が始まるかもしれない!革命だよ!」

「おいおい。そんなに興奮しても今は採りにいけないんだ。落ち着きなよ」


おおう。僕までギャ・ジャ・ズーになるとこだった。

危ない、危ない。


「ああ、そうだったね。ごめん。でも凄い事だよ。これで、鉄を生成できれば、もうこんな悲劇もなくなるんだ。集落だけじゃない。見習えば、他の集落もスキクもザウスまでもが皆救われるぞ!」

「ははは。またぁ〜。ポンピカはそうやって、大きくしちまうから、族長に”問題”を押し付けられるんだよ。気を付けなよ?」


「ああ、本当にそうだね。気をつける。でも、鉄ができれば、殆どの物が作れるようになる。素材研究も進めば、あっという間に僕らのすべてが変わっていくよ。楽しみだね」

「ああ・・・そうだねぇ。まぁなんにしてもミニョルンを凌いでからだね。」


やっぱりちょっと興奮してたかもしれない。

ギュギュパニの言葉で少し冷静さを取り戻せた気がする。


「そ、そうだった。なんとか成功させなきゃね。」

「もちろんさ。 ほら、ウウダギが絡まれて困ってるよ。助けに行ってきな」


おわっ!マジだ!パパムイもギギリカもウウダギにちょっかいかけるなよ!


「あわわ。ホントだ。 ギュギュパニありがとう!また話を聞いて欲しいよ!」

「ああ、構わないよ。行っといで」


こうして、僕は鉄の可能性に一歩近づけた気がした。


って、そんなことより、パパムイ!ギギリカ!何してんだよ!

ウウダギが、困ってるじゃないか!


こうして、騒がしいミニョルンの一日目が過ぎていった。


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