ギュギュパニの特技と再度勉強会
翌日、僕は族長に起こされた。
集会場に戻りたいと言うので、仕方なくだ。
正直朝はキツイ。
一匹で戻れよと言いたい気持ちをググっと我慢して、
送り届ける為に小屋をでた。
集会場への道すがら族長は、ずっと悩んでいるようだったけど、
あえて僕は声をかけなかった。
きっと、どうやって皆を説得するのかということに頭を巡らせていたのだろう。
集会場に着き、集会場のドアまで送る。
ドアが開いて、族長が中へ入る時、僕の方を振り返って、「付いてくるか?」と一言。
僕はクビを振り、すぐに戻ると言った。
族長は「そうか。ではもう一度明日にでも来い」とだけ返して中へと入っていった。
ふむ、やっぱり皆への説得には苦労するんだろう。
僕みたいなのが話に入っても仕方ないだろうしなぁ。
なんで僕を同伴したかったのか定かじゃないけど、
話し合いよりもやんなきゃいけない事の方がずっと多いんだ。
すぐ戻ることにした。
昨日、僕はパパムイとギギリカへ、葉っぱを沢山集める話しをしていたので、
パパムイとギギリカは自らの意思で、葉っぱ収集を始めていた。
ギュギュパニは丘に転がっている大きな石をなぜかこやの付近に運んでいる。
っていうか、あんな大きな石はスキクでは持てないだろう。凄いなぁ。
ウウダギはいつもどおり、紐と縄を作り続けている。
毎日毎日効率化が進んで、今では、蔓の紐を枝に引っ掛けてバンバン編み込んでいる。
自分で考えついたんだろう。枝を使うほうが効率的に編めるという事に気がつくのもそうだけど、
それを実行して同じ以上の効率を出せる器用さと頭の良さは本当に天性の物だ。
流石にココまで来ると、小さなスキクが天才と言うだけでなく、ウウダギが特別頭が良い個体なんだと思い知らされる。だけど、相変わらず体は小さく、力も少ない。
同年代のスキクと比べても体が一回り小さい。だけど手先が長くて、非常に器用だ。
もしかしたら、ウウダギって、スキクとは別の種なんじゃないか?
そんな気もしてきた。
「おう、ポンピカ。もどったかい?」
「ギュギュパニ。戻ったよ。」
「今日は何をするんだい?昨日はこの木の棒を組んだだけだろう?」
「うん。これにまだ付け足していかなきゃいけないんだ、だから長い紐も大量に必要に成るよ。」
「石は運んどいたんだが・・・。使うか?」
「少し大きすぎるかな?3つに砕かないと使いようがないよ。」
「そうか、じゃぁ割るか。」
「割れるの?どうやって?」
「なんだ?あたしを見くびってるのか?こんな石位すぐに割れるさ、まぁ見てろ」
そういって、僕位はある石を軽々と持ち上げて、地面にむき出している岩めがけて、叩きつける。
すると、バコンと大きな音を立てて石が見事、3つに割れるのだ。
凄い!力が全然違う。
「なるほど、力技だね。」
「これでいいんだろ?3つになったよ。」
ん?3つには成ったけど、割れる個数とか指定したか?
3つくらいに割れないとと入ったけど・・・。
「じゃぁ、あっちの大きなのを3つに割って欲しい」
「お安い御用だ。」
そういって、また持ち上げてガツンと岩に叩きつける。
すると3つに別れる。
凄くない?
どうやって、石を3つに割るか指定出来るの?
やり方教えて欲しい。
「ギュギュパニ。この小さな石を2つに割れる?」
「簡単なことだ。かしてみな」
そう言うと、ひとにぎりして、そのまま岩に叩きつける。
キッチリ二つに分かれた。
凄くないか?どうやってやってるんだろう?
「・・・凄いね。」
「そうかい?あたしは、集落の石道具の材料も作ってるんだ。こんな事位出来て当たり前さ」
それでも凄いと思う。
次にお願いしたいのは、
鏃の様に尖った石を作って欲しいと言ってみた。
「なんに使うんだい?」
「今後のためにも少し知っておきたくてね。それに出来た物で、道具を作ろうと思う」
「ふ〜ん。まぁいいさ。ちょっとまってな」
そういって、地面の石を拾っては眺めて拾っては眺めてを繰り返し、
少し黒い色の石を握ったりしながら確かめている。
手頃なのが見つかったのか?それをまた岩に打ち付ける。
すすと綺麗な断面で二つに割れた。
さらにまた叩きつける。
するとまた綺麗な二つに割れる。
これを数回繰り返す内に鏃のような形が出来た。
さらに尖った石で、整形し始める。
打ち付けて、形を整えている。
あっという間のできごとだった。
すぐに鏃のような指定した大きさの物がギュギュパニの手の中に有る。
その作業を見ていて、一番イメージ出来るのは、職人だ。
ギュギュパニは職人気質なのかもしれない。
凄く作業が効率化されていて、妥協しなさそうな雰囲気だな。
「これでどうだい?」
「完璧だ。ギュギュパニ。凄い。」
「なんだい。そんな事いっても何も出せるもんはないよっ。」
「いや、ホントに凄いと思ってるんだ。この技術はできれば誰かに継がせて欲しい」
「う〜ん。そんなこと言ってもねぇ。この集落にはザウスはあたしだけだしねぇ」
「ザウスじゃないと無理なの?」
「力が足らないんだよ。パパムイもいい線いけるんだけどねぇ。石ってのは割る場所が決まってるもんさ。だけど持ち上げれなきゃ話しにならんからねぇ。」
「なるほど。」
つまり力があり、割る場所を見極める頭が無いと出来ないんだ。
ふむ・・・ザウスかぁ。
なんとか数を増やせないかな?
まぁ、無いものはないんだ。仕方ないだろう。
それよりもギュギュパニにドンドンお願いもしていこう。
もしかしたら鉄鉱石とかも見つけれるかもしれない。
石の事についてはしっかり見極めているんだ。
種類とかいろいろ知ってるかもしれないな。
でもまぁ今は他にやらなきゃいけないことが有る。
ギュギュパニにもってこいの仕事。力仕事だ。
「ギュギュパニにお願いが有る。」
「なんだい?」
「泥を沢山取ってきてほしいんだ。」
「泥?なんに使うんだい?」
「泥と、土を混ぜて乾かすと固くなるんだよ」
「ほう・・・。それは知らなかった。」
「それで、この避難所の壁を作るつもりなんだよ。」
「泥の壁ってことかい?」
「まぁ、少し枯れた草も混ぜて使うんだけどね。そういう事」
「ふ〜ん。そんなので、雨風凌げるのかい?」
「風は大丈夫。完全に乾いた物だと雨も大丈夫なんだけど、乾くまで時間かかるんだ。だから内壁を泥壁にして外壁は葉っぱにするつもりなんだ。」
「へぇ〜。壁を二重にするのかい?考えたね。」
「うん。そうすれば風も雨も防げるだろ?」
「確かにそうだね。・・・なるほど。わかったよ。泥だね?」
「うん。」
「任せな。で?どのくらい必要なんだい?」
ギュギュパニはどのくらい取ってくるのだろう?
わからないけど、力があるんだ。もしかしたら大量に持ってくるかもしれない。
「んっとこっちきてくれるかい?」
「ん?ああ・・・」
僕は連日、泥と土を混ぜて寝かしている場所へと向かう。
そこには結構な量の泥土の混ぜ合わさった粘土が穴の中に溜まっている。
「ここにあるのがその泥と土を混ぜた物だ。僕は粘土って言ってる。」
「ふ〜ん。粘土ねぇ。」
「今有るこの量だけで、多分壁の幾つかは補強出来るはずだけど、あと穴3個分は欲しいんだ。」
「つまりそのくらい。持ってくればいいんだね?」
「そういう事。」
「なるほど。だけど、此の量の泥を運ぶには、回数行かないとだめだねぇ?」
「まぁ、いろいろ考えてるけど、そうなる。」
「そうかい。わかったよ。任せな」
「うん。お願いするよ。」
こうしてギュギュパニに泥運びをお願いすることに成る。
僕はギュギュパニが運んでくる泥を収める穴を掘り、
開いた時間にウウダギの手伝いをする。
ギュギュパニが泥を運び入れたら、また僕がどの泥に丘の土を混ぜていく。
こうして粘土がドンドンと作られ始めた。
合間合間に、パパムイとギギリカが葉っぱを大量に運び入れる。
これで、随分と材料が揃った。
ウウダギが作ってる紐と縄も随分と溜まった。
頃合いをみて屋根づくりを始めよう。
ギュギュパニが3つの穴に泥を納めたあたりで、皆を集め。
屋根づくりを始める。
まずはじめにウウダギの作った縄をつなぎ合わせて、泥の中に漬け込んで、泥を染み込ませる。
泥縄を乾かない内に骨組みの中心から外側へとピンと貼るように等間隔で、張っていく。
この時縄の先っぽが動かないようにするために止め金のように作った。枝をさして固定していった。
等間隔に張り巡らされた泥縄の間に沢山有る枝を互い違いに不格好だけど挟んでいく。
そうすることで、ほとんどの隙間が枝で張り巡らされた。
此の時点で、ほとんど風が中へは入ってこなく成った。
「へぇ〜。こんな方法があるんだねぇ。」
「即興だけどね。」
「この泥縄ってのは乾くと固くなるんだろう?」
「そうだよ。」
「どのくらい強くなるんだい?」
「そんなに強くはないけど、枝を固定する位には強くなるかな。」
「なるほど・・・。で?次はどうするんだい?」
「今パパムイとギギリカとウウダギにお願いしてる葉っぱの屋根をこの上にかけていくんだ」
「はぁ。そうすると、雨が防げるってことかい?」
「そういう事。それに外側の葉っぱの屋根が飛ばされても内壁はもっと頑丈に作ってあるから雨も吹き込まないよ。飛ばされたりもしない。相当重いからね。」
「なるほど。」
そう言って、粘土に乾いた長い草を入れて混ぜながら僕は言った。
すると、パパムイが中へと入ってくる。
「ポンピカ、言われたとおりに葉っぱをつなぎ合わせたぜ」
「わかった。じゃぁ外に葉っぱの屋根を張ろう。」
三匹で外に出ると、ギギリカとウウダギが一生懸命束になった葉っぱを運んでいる。
ウウダギはギギリカの持っている。葉っぱの束がずり落ちない様に支えてるだけだけど、
作業してる顔は、達成感に満ちていた。可愛い、成長してるんだな。
「じゃぁ、皆、葉っぱの屋根を張るよ。」
「ポンピカ。こんな束どうやって張るのよ?」
「下から順に中の枝に括り付けていくんだ。」
「でもそれだと、強い風が吹いたら壁ごと持って行かれちゃわない?」
「そうだぞ。ポンピカ。ミニョルンの風はすごい強いんだ。」
「しってるよ。でも内側には粘土で、壁をするんだ。十分重くなるし、風にもびくともしないよ。」
「そうかしら?」
「う〜ん」
「おいおい。お前ら、ポンピカがやると言ってるんだ、やるしか無いだろう?」
「まぁそうだけどよー。」
「そうよね。やるしか無いわよね。」
「ポンピカ。風強いの?」
「そうだよ。凄く強いんだ。ウウダギくらいなら飛ばされちゃうよ?」
「ふーん。」
今一、ウウダギは想像出来ないのかもしれない。
でもウウダギ位の重さならたしかに飛ばされるだろう。
「まぁいいよ。さっさと始めよう。」
「おう!」
「任せて!」
「あいよ。」
「うん」
号令にそれぞれ返事をする。
指揮系統が行き届いてる感じがする。
まぁ、戦いでもないんだ。そんなにビシっとしなくてもいい。
そうして、僕らは避難所の底の方からそれぞれで、葉っぱの束を括り付けていく。
一匹一面って感じでやっていってるんだけど、やっぱりウウダギの所が一番作業の進行が遅れる。
くくりつけるのは素早いんだけど、力がないから運べないんだ。
仕方ないと思って、一番作業が進んでる僕がウウダギのヘルプに付く。
僕が運んでウウダギがくくりつけるというように作業を進めていくことで、
その日一日で外側に葉っぱの屋根が付いた。
夜、食事を取りながら明日やる作業について皆に話した。
「明日は、早速粘土を縫っていく。」
「ポンピカそれは良いけど、明日も族長に呼ばれてるんでしょ?」
「うん。」
「作業はあたし達だけで進めれるの?」
「大丈夫だと思う。最初の手ほどきは僕がやるけど、覚えがいいウウダギもいるんだ。間違えることはないよ。」
「そっか。分からなくなったらウウダギに聞けば良いね」
「おう!わかったぜ」
「ってことだから、ウウダギ頼りにしてるよ。」
「わかった。頑張る。」
「おい。ウウダギはまだ小さいぞ?大丈夫なのかい?」
「ウウダギが小さいのは、今に始まったことじゃないさ。それにウウダギは同年代のスキクよりずっと成長してるよ。」
「成長?どこがだい?」
「中身はもう僕らの中じゃ年長位の中身だよ。体が中身について来てないだけだよ。」
「そうなのかい?ウウダギ」
ギュギュパニの問に首をかしげるウウダギ。
「どうも信じられないねぇ・・・」
「じゃぁ、今日は体力が残ってるから少し勉強しようか?それでウウダギがどのくらい優秀かわかるよ。」
「勉強かぁ・・・。」
「パパムイ。勉強しないと、もっと色んな事出来ないわよ?」
「分かってるさ・・・でもなぁ・・・」
「ふん。パパムイは勉強なんてしなくて良いのさ。狩りが得意だからね。」
「ギュギュパニ。パパムイもいまでは、ギュギュパニより頭いいよ。」
「なに!?・・・そうなのか?パパムイ?」
「えっ?俺そんなに頭良くなったのか?」
「ポンピカ。いいすぎよぉ・・・」
「本当の事だよ。パパムイは数字も言えるし、少しなら計算も出来るよ。」
「そうなのかい?パパムイ」
「そう言えば、教えてもらったな・・・まぁ、自信はないけど、出来なくないなぁ・・・」
「どうなってるんだい・・・。ウウダギは?ウウダギはどうなんだい?」
「この中じゃ、僕の次に頭がいい。僕が教える事全部吸収してるからね。」
「なんだいそりゃ・・・。小さなスキクは頭がいいけど、数が数えられて、計算できるのか・・・」
「計算だけじゃないよ。文字も覚えたし、書いたり読んだりも出来るよ。」
「字?なんないそれは?」
「こう言うのだよ。」
そういって、地面に文字を書く。
まぁ僕が教えるのはひらがな、カタカナ、アルファベット、漢字。読み方や書き方だけどね。
まぁ一通り知ってる範囲で教えてる。
「これが文字かい?」
「そうだよ。」
「これはなんだい?」
「文字って言うのは、喋ってる言葉をそのまま絵を描く様に書く事だよ。」
「ふーん。これはどう使うんだい?」
「様々だよ。例えばこの間は、僕が遅く起きるからとおもって、葉っぱにその日やる作業を書いておいたんだ。そしたらウウダギがそれを見て二匹に指示を出せる。」
「それって、起こさなくてもいいことだったのかい?」
「字を読めて、書けるならいろいろな事を他のスキクにも伝えられるよ。例えば何処に獲物が沢山いるとか、どの獲物がどんな習性だからどうやってやれば捕まえられるとか。そういうのが、知ってるスキクじゃなくても説明出来る。伝わるんだ。」
「・・・そりゃ・・・すごいじゃないか・・・ザウスの”ト”でも”エノミ”っていうのは使われているって族長が言っていたけど、それを作り出したって事だろ?」
「その”エノミ”ってのがわからないけど、それが文字ににてるならそうだね。でも”エノミ”と僕の文字はたぶん違う形してるだろうし、一緒のものだとは思えないかな」
「ふ〜ん・・・。で?文字はパパムイやギギリカもわかるのかい?」
「ギギリカは完璧。パパムイはあやしいかな。」
「はははwパパムイwあやしいんだってさw」
「笑うなよ!覚える事が沢山で、あやふやなんだからさー。」
「へぇ〜。じゃぁ、ウウダギはそれも出来るのかい・・・」
「そうだね。この中じゃ一番分かってるんじゃないかな?」
「なるほどねぇ・・・。小さいスキクだから頭がいいわけじゃないんだねぇ・・・」
「そうだと思う。ウウダギは頭が良い。可愛いよ。」
「ポンピカ。可愛い?」
「うんうん。ウウダギは可愛い。僕の大切な子だよ。」
「うん。わかった。」
そっけない返事だけど。
嬉しそうだ。ウウダギはホントいい子だ。
そのまま、ギュギュパニも混ぜて、少し勉強をした。
ただ、ウウダギの勉強の進みが早すぎて、
教える方としても皆一緒にというわけには行かなくなってしまった。
ここは、個性というか、学力を平均化するよりも伸びる内に伸ばす事のほうが重要と思い。
別クラスと言う制度を設けて、初期クラスをギュギュパニ、中期クラスをギギリカとパパムイ、上期クラスをウウダギとして、同時に課題を分けて教えることとした。
教えるほうが相当苦労したけど、まぁ、初めのうちだろうと此の時は思っていた。
勉強のあと、そのまま就寝に着いた。
ギュギュパニは殊の外疲れたようで、すぐにダウンしてしまった。
パパムイも頭を使ったせいか、すぐに眠りについてしまった。
ギギリカはまだ平気だけど、明日も疲れる作業があるんだ、早めに就寝に着いた。
ウウダギはやはり小さいためか、すぐに寝てしまう。
そして僕は、増設小屋の中へ入り、土器の乾き具合をチェック。
思いの外しっかり乾いている。もう硬い。
それと、干した魚やソーセージの様子もみた。
驚くことに虫が集ってない。
どうやら、胡椒には、虫よけの効果が有るのかもしれない。
それかこの小屋を作った材料の木の匂いか?
はたまた、屋根の葉っぱが原因か?
何方にしても此の中は虫除けがされていて、涼しい上に乾燥する。
理想的だ。
乾燥ができるのは非常に良い。
ウルグズの皮も一時縮まった後から縮まらなく成った。
ただ、少しかたい。
そろそろ出来上がりかもしれないな。
魚は当初の大きさからは明らかに縮まっていた。
最初吊るした時は、僕のくびからしたくらいの大きさだったのが、
今では、僕の腰から下くらいの大きさになっている。
半分くらいに縮んだって事だ。
ソーセージは油が乾くことを防いでいるのか、わからないけどフレッシュな部分が残っている。でも虫が湧いたり腐った匂いもない。
その代わり白いカビの様な物が発生している。
このカビ食べれるかな?
はたはた疑問である。
そろそろソーセージは全部食べないとダメかもしれない。
でももし、このカビが外国のサラミとかについている白カビならこれは此のままにしたほうがいい。
熟成もするしより美味しくなる。
保存も効くしね。
・・・チーズ作れるかな?
まぁ、それは辞めておこう。
腹下してからじゃ話にならないしね。
それと、そろそろ、炭も作りたい。
色々と便利だし将来的にも金属加工には絶対必要に成る。
火力が無いと話しにならないしね。
まぁ、此のくらいかな?
あとは、まぁそん時はそん時の考えでいいかな?
そう思い僕は増設小屋から抜け出る。
そして辺りを見渡す。
今作っている避難所は、とても大きい。
どのくらい大きいかと言えば、丘の岩にくくりつけるように作ったいまの小屋と増設小屋。
それがまるまる5個はゆうに入ってしまうほど大きい。
目の前にあるんだけど・・・幸いここはほとんど斜面ではないけど石が多いからなぁ。
後ろを振り向く。
夜だからあまり良く見えないというわけでもない。
今日は空は晴れていて、月灯りがに照らされて、周りが真昼とは言えなくともよく見える。
スキクは夜目がきくからなおさらだ。
だけど、最初から気になっているこの場所。
これ、古墳の上じゃないかなぁ?
天辺の平たい岩、あれ墓石じゃないかなぁ?
たぶんそうなんだと思うんだけど族長は何も言わないし、知らないのかな?
でも神やプンタからこの地を指定されてるような事を言ってたよね?
もし、これが古墳、墓、だとしたら
僕らは墓守として、ここを守るためにいるんじゃないか?
そんな気がするんだけどなぁ。
まぁ考えても仕方ない。
墓をあらすわけじゃないしな。
おし、寝よう。
だめだ、もう限界。
こうして、僕はウウダギの隣でウウダギを撫で回しながら寝ることにした。
昨夜のように族長は居ないから邪魔はされない。
こんな可愛いウウダギを撫でれるのは寝てる時くらいだしね。