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ヴァレヴァレの集落崩壊


砂漠と見紛うほど、

荒廃している風景の中、

僕は必死に走り続ける。


太陽が刺すような光を浴びせてくる。

爬虫類だって、この日差しには汗かいてもおかしくない。


空気が熱く、

呼吸する度に肺を焼いてくる。


日陰が恋しい。


全速力で、あの場所から逃げなきゃ!



とか何とか言ってる内に、

集落の外へと走り抜けれた。


頭上にはコアトルが付いてきてる。

そんでもって、遠くの方にはグクマッツとククルカン、

並びにコアトルの一団が見える。


さて、どうするかなぁ?

また戻されるかな?


あの集会所から水晶をダッシュで奪取したわけだ・・・。

洒落じゃないよ。


まぁ、何かと言えば、

僕はさっさと逃げたい。

もう取るものもない。

なにかすることもないだろう。

そんでもってヴァレヴァレの生死は不明。

そもそもヴァレヴァレの姿なんか知らないしね。


走った道を振り返ると、とーくの方から遅い足取りで僕を追いかける集団が見える。

ヨタヨタと歩いていると言うか、まぁ、ゾンビやら骨やらなわけだけどね。


そう言えば走ってる最中は夢中だったから気にしてなかったけど、

たまに体当たりとかをしながら道を切り開くしかなかったんだ。


連中は足の運びも遅いけど、

動きと言うか反射神経も遅かった。

なもんで、ドンッ!とぶつかってもされるがままで、

これと言って気づくのも遅いらしい。


そんなわけで、

映画や漫画や何やらでゾンビが襲ってくるっていう表現は間違いじゃないかと思った。

そもそも走れば追いつかれない。


今回のことでそれほど怖くなく成った気がする。

スプラッター系はとても苦手だったけど、

実際対峙してみてわかった。


普通の生き物のほうがよっぽど怖い。


さて、魔法陣自体は、もう機能知ないだろうと思う。

動力源的な水晶とヤギの頭は僕がかっさらったわけだしね。


ヤギの頭は持ちづらく、意外に重い。

そして、腐り始めてるのがわかる。

切断面がグじゅっとしてるんだ。

臭いまで酷い。


でも、不思議と虫がたかっていないんだよね。

天然の除虫剤でもついてるのかな?


コアトルの連中もこれ以上は要求してこないように思う。

実際上で飛んでるコアトルも僕を引き戻そうと思っているフシがない。


旋回知ているだけだ。

それに遠くのグクマッツの集団が何やら動き始めている様子が伺える。


なんか始まりそうだよ。

それにしてもグクマッツは毎回見る度にでっかくなるね?

どうなってるんだろう?


集落から離れて、グクマッツ達が飛び立ち、

僕はグクマッツ達が集まっていた場所へと避難を始める。

雰囲気から言えば総決戦的な重苦しい気配が漂っているからだ。


静かにコアトル達が集落へと進む姿が見える。

僕は集落から離れてすでに北路を戻るだけだけど、

頭上をコアトルの集団が飛んで、僕をスルーしていくのを見て、やっと思った。


開放されたんじゃね?


コアトル達が僕の頭上を通り過ぎ集落へと向かった。

いつの間にか僕の頭上を旋回していたコアトルも居なく成っている。


やっと開放された。

さて・・・。

こんな所まで来ちゃったけど、

ここから自分の集落戻るの遠いなぁ・・・。

仕方ないか。


後はコアトルがなんかやってくれそうな雰囲気出しね。

僕の仕事は終わったっぽいし、

さっさと帰ろう。


振り返りもせず、僕が帰路へと足を勧めていると、

後方の方で、ものすごく大きな爆発音が響いた。


弾かれるように振り向くと、

グクマッツが空中で浮いている状態から、

赤く輝いている塊を吐き出している様子が見て取れた。


赤く輝く塊・・・。

ソレが地面へとぶつかると、

また激しい爆発音が響く。


ってか、さ?いきものが火の塊とか吐き出すのはムリじゃない?

グクマッツは多分生き物じゃないんじゃないかな?


3度ほど塊を吐き出した頃にはすでに集落が火の海で、

上空で旋回知ている無数のコアトルと、

口から何か光る糸みたいなのを吐いているククルカンが見て取れた。


もう、そんな小さな集落を徹底的に壊さなくても良くない?

オーバーキルだと思うよ?


混沌がどうだかは知らないんだけど、

どうやらコアトルの連中は非常に混沌に敏感な体質らしいね。


・・・熱風が僕の方まで吹いてくる。

もう、これで終了は確定だな。


未だに何やらやっているコアトルを他所に、

僕はさっさとウウダギの元へと戻る道を選択した。



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