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コアトルとはなんぞ?


荷物持ちのティティムが大活躍だ。

っていうか結構な荷物を持ちながらも戦う姿勢を崩さない点がすごいと褒めたい。


なぜそんな事を言うかと言えば、

ベネネズ等と離れてから数時間で、

やたらと攻撃的で興奮状態の動物に絡まれることが多くなった。


それも大小関係なくだ。

中にはネズミがチョロチョロしては僕らの鱗に歯を立てようとする。


まぁ、僕の場合はつまんで放り投げる程度だけど、

ティティムはやっぱりギュギュパニの一族でありパパムイと同じ気質なんだろう、

足の周りにチョロチョロする物を掴んでは、躊躇なくそのまま、お口へと運んでいる。


最初見た時、「ギョ!!」っとした。

でも仕草とかがまるっきりパパムイなもんで、

何も言えない。


親友がもしここに居た場合。

恐らく同じ結果を見ただろう。


残念この上ない。


ってか、流石に躊躇くらいして欲しい。

なんで地面の生き物をダイレクトにゴックンするんだろう?


噛まないんだよなぁ。

丸呑みなんだよなぁ。


絶対お腹に虫湧いてると思うよ。


「なぁ?ポンピカ」

「ん?」


「なんか腹、減らないか?」

「今さっきネズミ呑んだじゃん」


「あんなの足しになるかよ」

「そう?でも今日数時間で結構な量飲み込んでるけどね」


「そうかぁ?オレ数、数えるの下手だからなw」

「そう?まぁ、頑張ってよ。それよりテリトリーから離れたりしてないよね?」


「ああ、匂いはかなり強烈に続いてるからなテリトリーの中さ」

「そっか。まぁ、進もう。どっちがいいかな?分かれ道と言うか森に続くこっちの左進んだほうがいい気がするんだけど・・・」


「左のは暗くなるぞ?」

「どっちにしても一回ベースに成るキャンプを立てなきゃいけないと思うんだけど・・・」


「キャンプってのは、ポンピカが考えた野宿する時の言葉だよな?」

「まぁ、そうかもしれないね」


「野宿で良くないか?」

「取り敢えずティティムは余り考えないほうがいいと思うよ」


「?」

「まぁ、頑張ろうってことさっ」


「お、おぅ!」


こんな調子だ。

何故かすぐにティティムは腹を空かせる。

絶対お腹に寄生虫が大量に居てエネルギーを吸い取ってる気がする。


そうこうしてる間に、

ティムティムの鼻だよりの前進をしていく。


ベネネズ達と別れてからすぐに夜に成ってしまったので、

手近な木の高い位置にハンモックを張り、

地面で食事を摂る。


良く映画とかだと夜焚き火をしていると、

サイとか動物が消しに来るみたいな表現が有るけど、

こっちの世界ではどうやら事実な部分が有る。


豚系の動物は良く、焚き火に引き寄せられるらしく、

夜明るいと寄ってくる事が有るんだ。

イノシシみたいな種類に見えるやつだけどね。

パパムイの話だと外で、

夜の闇深い頃合いでは、焚き火はしないほうがいいって言ってた。


何でもかなり大きな動物が突進して消しに来るらしい。


まぁ、僕自身はそういう事が無いんで、

今の所眉唾だとは思っても居るんだけどねぇ。

パパムイのほうがサバイバル術は上手いし、

何より森の中で過ごす時間がパパムイのほうが長いから一定の信用が有る。


なんでこんな話を思いついたかと言えば、

今実際ソレが起きているからだ。


と言うか馬くらいの体長の首が短く耳がピンとたって、

体の表面がアルマジロとまでは行かないけど、

ざらつきが有る動物が消しに来た。


それも突進してだ。

ティティムがいち早く気配を察知してすぐに木に登れと指示を出されたので、

事なきを得た。


幸い食事は終わり、

ティティムは酒、僕はお茶を飲みはじめて一段落してた頃合いだった。


ただ、急いで登ったので焚き火に掛けていた鍋が酷い有様に成った。

多分作り変えるかしないとダメだ。


「ったくアイツ等・・・」

「まぁ、仕方ないよティティム。不用心だったのは僕らの方だ」


「それにしたってよぅ・・・。折角のサケが・・・」

「お酒の器が壊れたとか?」


「木製だぜ?腰に下げてるんだ。壊れては居ないけどな・・・。オチョコってやつが壊されたな」

「お猪口好きなの?」


「ああ、ありゃいい道具だ。なんと言うかずっしりする。気分が良い」

「へぇー。今度また作ってあげるよ。今度は焼き物で作ってあげるからね」


「マジか?うれしいじゃねーか」


ウキウキで自分のハンモックへと登っていくティティム。


帰ったらベベビド辺りに漆の話をして、

雅なお猪口や茶碗類も作れるように段取りしよっと。


まぁ、今はまだしたで動物がウロウロしてるので、

仕方ないと思って自分のハンモックへと寝そべる。


満天の星っていうのはこれを言うんだと思う。

本当に綺麗だ。

久しぶりに夜空を観察しながら寝るかもしれない。


集落よりここのほうが若干空に近いと思う標高は明らかに上がっているし、

何より開けている。


天の川とそこら辺の星の区別がつかないほどに星が見える。

綺麗だなぁ。


ってか天の川が有るけど・・・。

でもじいちゃん家で見た天の川の形とだいぶ違う。


帯状に成ってる気がするけど・・・。

微妙に違うと思う。


星座も似たような形は有るけど全く違うと思う。

似たような形は恐らく偶然じゃないかな?


まぁ、こんだけ星が見えるんだ、

星座なんて思いえ化けないほどに星々の光が降り注ぐ感じで、

気分が良いなぁ。

今日はぐっすり寝れそうだ。

そんな事を思った瞬間にもう寝ていた。


翌朝、快適な気分で目覚めた。

ザーザース、特にスキクは一日に3食きっちり食べるという習慣がなかった。

僕の集落ではもう定着したけど、

それ以外の集落や”ト”に居る者は恐らく気ままに食事を食べるのみだろう。


朝起きて、ハンモックをたたみ、木を降りて、

昨夜、動物に踏み荒らされた焚き火を修繕、

そこに火をおこす。


ティティムリュックの中に食料がぎっちり入っているので、

其のうちの野菜と其のへんで自生しちゃっている野菜を取り、

そのまま口に運んだ。


ゴリゴリシャクシャクと口の中で咀嚼する度に心地よい音がする。

噛めばすぐに味が広がり、瑞々しさが口の中を満たす。


爽快な朝だなぁ。

今日は恐らく見つけれるはず。


ティティムはまだ降りてこない。

下から見上げると、なんと言うか腹ばいで、

ハンモックに引っかかっているようなかんじで寝ている。


ありゃ、何時落ちても文句言えない寝相だなぁ。

ってか、寝顔がだらしないなぁ。


まぁ、そろそろ出発しよう。

起こすか。


木に登り、ティティムを起こす。

声を掛けたが全然反応しなかったので取り敢えずひっぱたくと、

ビックリして起きた。

其の拍子に落ちそうに成ったけどかろうじて落ちなかった。

若干ヒヤッとしたけど、ザーザースは何でか、

高い所からの落下にはネコのように翻すし、

落ちても柔軟なのかケロッとしてることが多い。

鱗も強いからかな?


まぁ、ティティムが起きてくれたので、

なにか食べるか聞くと気持ち悪そうな顔をして口お抑えてNOと答える。


絶対二日酔いに違いない。

それかネズミの食いすぎだ。


支度して、ティティムのペースで歩き始める。

最初の内、止まりながらだったけど、

一度、もどしてスッキリしたのか?

元気に成った。


その後は昨日と同じ様な感じで進んでいる。

僕はティティムほど鼻が良くない。

なもんで、ティティムだよりが続いている。


正直あっち言ったりこっち戻ったりとう、

二度手間、三度手間が続いているけど、

あるポイントに戻ると、ティティムが何やら納得したらしく、

強い口調で「この先だ」と断言した。


まぁ、指さした方向に見えるのは崖の下が若干えぐれていて、

崖の上の方と下まで続いて木々が立ち並び、

崖下はどうやら岩場らしい。

遠くだから赤茶けて見える程度だけどね。

多分岩だと思う。


ティティムに「彼処か?}聞くと無言で肯定した。


恐らく狙い通りで間違いないだろう。

だって、オルガが言っていた場所に告示してる。


それで、多分あの崖が蛇岩とかだと思う。

蛇の様に鎌首を天に向けているように切り立っているからね。


そんな事を思っていると、

沢山盛り土をしてある場所でティティムの足が突然止まった。


「ティティム。見つけた?」

「なぁ。ポンピカ」


質問したのこっちなんだけどなぁ。


「なに?」

「お前、クソに詳しいか?」


何言っちゃってんの?

シャ・グギの匂い嗅ぎすぎて可笑しくなったかな?


「糞に詳しいかどうかって話なら、僕は詳しくないよ」

「そうか・・・」


なにが?


「気になるような言い回しだね?」

「ポンピカ少しココを調べるぞ」


突然?

本当に大丈夫か?


ティティムを目で追っていくと、

此の辺りに無数点在している盛り土の一つに近づき、

おもむろに其のも有り土へと腕を突っ込んだ。


ティティムが腕を突っ込んだ拍子にわかった。

この盛り土、土じゃない。

さっきティティムが糞の話をした理由だ。


この盛り土、全部糞の塊だ。

そしてティティムは其の一個に腕を突っ込んだわけで、

その突っ込んだ先からまぁ、臭うわけだ。


土でカモフラしてたら知識のない僕じゃわかんないって、

万が一、匂いで判断出来るんだっても僕は鼻が皆より良くない。


判断できない。


ってか、引き抜いた腕にべっとり糞が・・・。

って、ちょ・・・何でそのまま僕の方にくるんだ?


「ちょ!ちょ!まって、まってよ・・・」

「オルガはこれを付けてシャ・グギを騙したんだ。オレ等もするしかねーだろ」


意味は分かる。

分かるけど、

僕は遠距離から狙いたいの!そんなの付けたくないの!


「ちょ!落ち着こう。な?」

「これしか方法はねぇんだ」


「大丈夫!きっとある!だから其の手を僕に向けないでくれ!」

「ダメだ。此のシャ・グギのクソを付けてないと見つかる!見つかってからじゃ遅えんだよ」


「分かる!分かるが!ちょっと落ち着こうか? って!あああああああ!」


クッソ!クソがクッソ!


ティティムめっ!

躊躇いもせず、僕に塗りたくりやがった!


ゼッテー許さん!


「しばらくの心房だ。こらえろ!オレだって好きでやってんじゃねーんだよ。こうしないと見つかっちまうからやってるんだ」


理由も内容も仕方ない点もわかる!けど許さん!

絶対集落に帰ったら泣かせる。


「・・・」

「ポンピカ。先を急ぐぞ」


どうしてくれよう・・・。

ティティムは自分にもベッタリと糞を塗りたくった。

途中で匂いに貰って、本日二回目の嘔吐をしてたみたいだけど・・・。


いい気味だ。


ってか、ココ便所かよぉ・・・。

集団が纏まって糞をする生き物なのかな?


「ポンピカ。なにしてる?先行くぞ」


クッソ!ティティムめっ!

仕方ない、ココまでやっちゃったんだ・・・。


ティティムの後に付いて行くしか無い。


しばらくこみ上げる異臭に鼻を押さえてとも行かず、

手も臭うもんだからどうにもならない。

嗚咽が絶えず出てしまう。

そんな僕を他所にさっさと先に進むティティム。


非常に恨めしい。


しばらく歩いている。

何処をどうやってルートを決めているのかわからないけど、

目的地を見定めながら蛇行しているような感じで進んでる印象が強い。


歩いている最中、

しきりにティティムは自分の周りの匂いを嗅いだり、

自分の糞まみれの匂いを嗅いだりしながら首をひねっている。


何か可怪しい様な事でも有るのか?


そもそも、糞の匂いになんで耐えれるんだ?

僕より鼻が良いはずだろうに・・・。


しばらく歩くと突然、

ティティムが止まりこっちを向いた。


「なぁ、ポンピカ」

「な、なに?」ヴォェッ!


話しかけられた拍子に自分の顔の周りの糞の匂いで貰ってしまう。

正直話しかけないでほしいんだけどなぁ。


「なんか変じゃないか?」

「え〜?なにがっ、ヴォェッ!」


だから話しかけないでほしいんだ。

次は答えないからなっ!


「こんだけ歩いてるのに気配がねえんだ」

「・・・」


「ムベンベってのはあのクソの量見れば分かるだろう?頻繁にクソすんだよ」

「・・・」


「なのに小さいムベンベ一匹見当たらねぇ・・・すれ違いもしねえんだ。それにさっきのクソも一番新鮮な奴を選んだのにもう既に5日は経っている様子だった・・・匂いもやっぱり日が経ってる匂いがするだろ?」


クソクソ、クソクソ。うるせぇなぁ〜!

匂いなんかどうでもいいよ!

要らない情報ありがとう。

更に嗚咽が止まりません!


「・・・ヴォェッ?」

「ポンピカ。真面目な話をしてるんだぜ?」


こっちも真面目ですが?

こうしたのティティムだからなっ!


「・・・」

「そうか、ポンピカも気づいてたか・・・」


はぁ?何をどう理解したの?

なにその超理解は?

僕の嗚咽と無言は何かを理解したように見えるのか?

頭大丈夫か?


ってか、なんで糞擦り付けた?

まずそこを小一時間ならぬ3時間ほど問い詰めるからなっ!


「ポンピカ。もしかしたら、シャ・グギが居ないか新しいシャ・グギが生まれた可能性が有るぞ」


・・・なにその嬉しくない情報・・・。


「ど、どういうこっ、ヴォェッ!」

「どういう事かってか? 簡単だ、こんだけ会わねーんだ。大体予想とするなら餌場に行ってるか、他所に移ったか、それか襲撃されて負けたかくらいだ」


超理論な上、超展開な答えを吐いたなぁ。

まぁ、でもそんなに厳しく考えるの辞めないか?

とりあえずこの糞は必要無いんだろ?どっか小川で洗おうよ。

もう耐えれないんだ・・・。


「ティティム。 うっぷ」

「なんだ?」


「考えてても、ヴォェッ!」

「そうだな。取り敢えず進むしかねーな」


良く理解したね?褒めようか?

それとも糞を擦り付けた件の説教が良い?


ティティムに”殺す”とでもいいたげな視線をチクチクしながら、先を進む。

全然効果ないけど・・・。

ってかパパムイと言いティティムといい、

本当にハートが強い。

コイツラだけじゃない。

シシブブだって、イイオオの尻尾ぶちきった挙げ句、

牧場の小屋のオブジェとして屋根に刺してるからね。

やられたイイオオの顔まともに良く見れるなーと熟思う。


崖が遠くでハッキリと視認できる位置まで近づけた。

変な崖だよね。

蛇の頭が頭側にグーンと反る感じで、天を眺めているような作りなんだ。

まぁ、アレを見て蛇岩だと表現するのは納得いくものだなぁ。


だけど今の僕はそれどころじゃない。

全然余裕がない。

臭すぎて・・・。

若干、表面がカサつき始めてるんだけど?

ティティムは結構ガッツリと塊がついててもお構いなしなんだ。

正直僕ら二匹ならんで歩くと相当臭いです。


風の向きにも寄るけど、

前を歩いてるティティムに悪いから言わないけどさ?


向かい風が吹くと何かいろんな匂い混ざった物が僕の食道あたりを激しく刺激するんだ。

主に嘔吐っていうコミュニケーションを必要とするくらいにね。


ねぇ、ティティムぅ〜。

身体洗おう?

もう、ヤなんだ。

結構限界なんだよねぇ。








そんな思いが聞こえたか?

ティティムが足を止めた。


なんだと思ってティティムの見ている方向を覗く。

すると少し離れているけど崖にかなり近い。


崖下が一望出来る。

普通のザーザースはこの距離程度なら、

目を凝らさずとも全て見えるだろう。

だけど僕は、目も余りザーザース寄りではないってことだね。

いまいちハッキリは見て取れない。


ティティムが覗いている瞬間の事だった。

辺りが一瞬暗く成ったかと思うとすぐに明るさを取り戻し、

”影?鳥?”となんとなく疑問に思いキョロキョロ。

直後、そこそこの強い追い風が吹く。


僕は何がどうなったのか?と周りを見回した。

だけどティティムは、崖の方をジッと見据えて、ガタガタと震え始めた。


なんだ?なにか見えたのか?


僕もティティムの見てる方向を目を凝らして見てみると、

此の距離からでも分かるくらいの大きさの蛇が綺麗に蜷局を巻いて崖上に鎮座している。

さっきは居なかったはずだ。


あの蜷局の大きさからすると・・・ん?

ありえない大きさだぞ?

ありゃ多分蜷局まいて、高さがマンションくらい有るぞ?

マジか?すげぇ!


ん?ヘビだよな?

なんか違う気がする・・・。


「ティティム?アレなんだ?」

「っ!」


次の瞬間、

僕を脇に担ぎ来た道を走って戻り始めるティティム。


僕はティティムの後ろ、尻尾が大きく揺れながらカッチカチに固まっているのを見た。

ここで抵抗してもダメだろうなぁ。


今までに体感したこと無いくらいの速度だなぁ。

後ろ向きに走る乗り物が有ったら流れる景色が真逆っていう事にビックリするだろう。


さて・・・何がどうなった?


「ティティム?どうした?」

「ポンピカ!ダメだ!ありゃコアトルだ!どうにもならねぇ!」


キタ!新しい単語{コアトル}


「コアトル?」

「黙ってろ!アレと関わっちゃいけねーんだ」


なんかすごく切羽詰まって居るご様子。


そんなティティムを他所に僕は以外に冷静だった。

というか、ティティムの後方少し離れて一匹のありゃ鳥か?

というかシルエットから見ると翼竜みたいな感じだ。

逆光で詳細が見て取れない。


どうやら僕らを追跡してる様子だ。

知恵が有るのか?


段々と体力の限界にきたのか?

ティティムの走る速度が遅くなってくる。

そして終いには倒れ込むように止まった。


驚異の素早さだ。

僕と言う荷物を抱えてこの距離を走破。

倒れた場所は昨日、ベネネズ等と別れた場所だ。


最初からこうすれば夜を明かさず済んだのでは?


ハァハァハァ・・・「ポ、ポンピカ」

生きも絶え絶えとは此のことだいい気味で仕方ない。


「どうした?」

っハァ。「コアトルを巻いたか?」


どう言えばいい?

正直言うと多分着いてきた。


「見当たんねーな・・・巻いたか・・・」


多分巻けてないよ。


「ポンピカ。コアトルだけはダメダ」

「そのコアトルってのは初耳」


「ありゃシャ・グギとかそーいうのと別だ。全く違うんだ」


?なんを言ってるんだ?


「たかが翼竜だろ?」

「何いってんだ?ヨクリュウってなんだ? それどころじゃねぇ!彼処には三種類もいたじゃないか!」


話が噛み合わない。


「詳しく教えてよ」

「ぁぁ?お前族長から何も聞いてねーのか?」


「聞いてない。ってか教えを受けたこと無い」

「・・・そうか、ポンピカだもんな・・・」


なんか可哀相な子を見るような優しい目をしてる・・・。

目潰ししたい。


「いいから教えてよ」

「あー・・・。 コアトルっつーのはな?旧き者が戦う為に作り出したっていう武器の類だ。要は関わっちゃならねーんだよ。そんでアイツ等自分だけで、敵を見つけて倒してはそれを糧に成長するんだ」


なにそれ?

聞いた限りじゃとんでも生物だろ・・・。

果たして生き物なのか?


「なんで旧き者は武器なんか作ったんだ?」

「さーな?オレに聞かれてもなぁ・・・。それより、あの分だとシャ・グギは無理だな」


「なんで?」

「恐らくシャ・グギが襲われたんだ。あんだけ沢山コアトルが居たんだ・・・勝てっこねぇ」


「コアトルって、そんなになの?」

「ああ、彼処に居た三種類の内小さい羽持ち一匹だけで、とんでもねーことに成る」


「見たこと有るの?」

「普段は山に居るって聞いた。が・・・、確かにここは山に近い。 それにオレ等が見つかれば、多分襲われるだろう」


僕の質問聞いてた?

ってか?見つかってるよ?


「なんで?」

「アイツ等の中に知能が有る奴が居るんだが、そいつらはオレ等ザーザースを食った結果知能を保つらしい。一族を強化するためにはザーザースを食う必要が有るってことだ」


それなら、

飛んでって集落襲えば楽だよね?

なんでしないんだろう?


「知能が欲しいなら集落襲えばいいだろう」

「集落は襲わねぇって話だぜ」


なんで?


「なんで襲わないの?襲ったほうが効率いいのに」

「そんなのオレが知ってるわけねーだろ。コアトルは集落を襲わない。ソレが決まりだ」


まぁ、理不尽な解釈だ。


「でも、個別だと襲うの?」

「そう聞いてる」


詰まり・・・。


「ねぇ?気づいてないのか?」

「何がだ?」


「さっきから頭上にコアトル居るんだけど・・・」

「はぁ?」


ティティムが空を眺めると、

ここからだと小さいけど、

翼竜が飛んでる。


「・・・。 コ、コアトル・・・」

「さっき、見つかってたみたいだよ?」


「おい!なに呑気にしてるんだっ!逃げるぞ!」


また僕を担いで移動しようとするもんだから取り敢えず手をはたき落とす。

知能があるならコミュニケーションが取れるかもしれない。

まぁ、ソレよりも少し興味が湧いてる。


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