今回は怒られっぱなし話
「どういう事だ!ギュギュパニ!どうしてくれるんだ! それからお前・・・スキクだよな?」
めっちゃギリュリュってのに怒られてます。
クロデルの二匹はポッキリ足が折れて、しばらくっていうか随分の間動けない。
クロデルは力が強く、戦場でなければ殆どが重労働と言うか力仕事を任せられている種族だ。
そして、頭が悪い。と言うか知能が低い。
そのため主と思っているザウスの言う事をきくが、
全てを理解するわけではないので、イマイチ、ピントの合っていない行動を取るらしい。
今回もギリュリュが伝えた信号と言うか命令は、
”自分を助けろ”と言うメッセージだったのだそうだけど、
何をどう勘違いしたのか、危機的状況と判断して、
主を守ると言うか主の周りに被害を出そうとしたらしい。
らしいって言うのも当のクロデルは、喋れない。
つまり、意思の疎通が、余りとれないってわけらしい。
なんでそんなの連れてきたんだと思ったけど、
ザーザースの特にザウスでは、今回のように交尾相手を連れて輸送と言うかお見合いと言うか?
繁殖を促す際に、雌側にプレゼントを持ってくる風習が有るらしい。
らしいっていうのも、まともにプレゼントを持ってくる奴が居ないらしいからだ。
今回は珍しい件だったらしい。
クロデルも従えるほどの雄が何やらプレゼントまで持ってきた上での、
お見合いみたいな感じだったのだそうだ。
その絶好のレアイベントを僕が我慢できず、
ぶち壊したという流れなのだが・・・。
正直、向こうの雄が突然ギュギュパニの腕なんかつかもうとしなければ、
こんな事には、ならなかったんだ。
全てはあの低能な雄が悪い。
僕はそう結論づけたけど・・・。
どうやらその結論は、火に油っぽいので口にチャックしてます。
「あ、はい。一応スキクらしです」
「らしいってなんだよ?お前、尻尾も無いじゃないか・・・。ザーザースの誇る尻尾はどうした?」
「あー。一度切れちゃったんですけどね?それ以降、生えなくなっちゃいまして・・・」
「生えないって・・・。 じゃぁ、お前はザウスじゃないか?何処の一族だ? だよな?ギュギュパニ」
「あー・・・。う〜ん。あたしも困ってるんだがねぇ。ポンピカは間違いなくスキクなんだよ。多分突然変異的な、まぁ可哀相な子だよ」
僕って可哀相なんだっけ?
・・・可哀相なのは頭の足りないギュギュパニの息子だろ?
交尾ショックで、めちゃくちゃ傷ついちゃってるよ?パパムイ。
慰めるか言葉の一つもかけてあげれば?
・・・まぁ、ギュギュパニは悪いやつじゃない。
悪い奴じゃないんだから・・・。
後で憶えてろよ!
「それにしても・・・。未だに信じらんねーんだよなぁ。クロデルだぞ?武器もなしだぞ?スキクだぞ?」
「あー。ソレが・・・余り言いたくわ無いんだがねぇ・・・。クワントゥのとこのイギス・クロゥをだねぇ・・・。ポンピカがやっちまってるんだよ。ソレだけじゃないんだわ、ポンピカ・・・クウォンも素手で殺すんだわ。あたしゃ手が付けれないんだよ。もしあたしに代わって此の集落の担当を代わってくれるんなら、ギリュリュ?念願の定住が出来るけど?どうだい!?」
「・・・」
「あー。トリケラ頭かぁ・・・弱かったよ?大した事なかったじゃん。体ばっかり大きくてさぁ?それでいてイマイチ訓練されてなかったよ?あん時僕寝不足だったしね?全力なんか出せなかったんだからさぁ。余り出してほしくないなぁ〜」
「・・・」
ものすごく変な目で見てくるなぁ。
横目っていうか、普通のザウスやスキクは、
前側に目が付いている方だけど、それでも横目なんだよね。
ギュギュパニも困ったと言ってるけど、
自分で言っててなんだけど、流石に異常だよね?と言う顔してる。
ギリュリュは最初無言に成ったけど、
「んな馬鹿な・・・」とかつぶやくと、
話をまたぶり返している。
要は未だに目覚めぬ名前知らないけど、
ザウスの雄が目を覚ますのを待っているご様子。
「それにしてもどうすっかなぁ〜。ギュギュが今年も拒否するとなると、年長の同族が居る場所まで、かなりの距離なんだよ・・・正直ここらで手を打ってもらいたかったんだけどねぇ」
「ソレ言ってもねぇ。あたしゃ、もう此の集落の一員ってやつさ」
「・・・変わったねぇ」
「あたしがかい?」
「あんたしか居ないだろう。ったく変な集落に来ちまったねぇ」
「・・・それより、あの雄大丈夫なのかい?」
「ああ、そのうち起きるだろう。ったくアレくらいで伸びちまうとはねぇ。まだまだ若いってこった」
「それはどうかねぇ・・・。ポンピカが絡むとただ事じゃなくて終わるんだよ。まだ、生きてる分だけあの雄はマシってこったね」
「ギュギュ。そのスキクは本当になん何だい?」
「さっきも言ったけどあたしに聞かれてもわかんないんだよ。生まれたところは見てるけどね。確かにスキクなのは間違いないんだ・・・間違い無いんだけどねぇ」
散々言われてる。
僕そこまで酷いことしてないよ?
集落守るために努力こそすれ、
悪いように言われる筋合い無いんだけどなぁ。
ってか、ギリュリュってのとギュギュパニは意外に仲がいいみたいだ。
正直早く解放してほしいんだけどなぁ。
「あー。取り敢えず、その雄が起きるまで、自由にしてていいかなぁ?ってかギュギュパニのその繁殖の段取りとかって、誰が決めてるの?」
「あー。ポンピカは知らないかもだね。多分、オルガが声掛けを始めたんだと思うけどねぇ」
「ギュギュ?知ってたのかい?」
「オルガかぁ・・・」
「おい。お前、なんであたしらの親を知った風にいってんだい?」
「ああ、えーっと・・・言っていいのかなぁ?ギュギュパニ」
「ダメに決まってるだろう。少しは周りに気を使いなっ!」
めっちゃ怒られた。
「なんだい?あたしに言えないことかい?」
「あー。 ったくなんでポンピカが絡むとこう、面倒に成るのかねぇ・・・ギリュリュ。少し待ってな」
ギュギュパニが、胸元の無骨なアクセ(僕お手製&オルガの腕が材料)を軽く触る。
すると、一瞬、ギュギュパニの体から力が抜けたかと思うと、
スクッと立ち上がって、周りを見渡す。
「ん?ギリュリュ?なんでここに居るんだい? ん?あれは、ティティムかい?随分立派になったじゃないか。 はて?ポンピカ。今どんな状況だい?ギュギュの奴が、突然あたしを起こしやがるんだよ」
「?ギュギュ?どうした?何いってんだい?」
「えっとね、どうやらギュギュパニの番候補ってのをギリュリュが連れてきて、ひと悶着あった、事後です」
「・・・察すると、ティティムは無事のようだね。 死んだやつはいないんだね?」
「ま、まぁ、運良く・・・クロデルも足折っただけだしね」
「クロデルの足を折ったぁ?そんなこと出来るのかい?」
「ま、まぁ、体重がありそうだったし、バランスも悪そうだったからね。ワンチャン決着がすぐにつくかなぁ?って思ってね。事なきを得たよ」
「・・・ギリュリュ。クロデルは無事かい?」
「ギュギュ?どうした?なんか雰囲気がさっきと違うんだが?」
「ん?あたしを忘れたのかい!?これでもお前の親なんだけどねぇ」
「はぁ?なにいってんだ?ギュギュ・・・洒落になってないよ?」
「オルガ、いきなりギュギュパニと交代したって、話が通じないだろ?少しは順を追って話してやらないと・・・」
「んだよ。面倒いねぇ。雰囲気位察してくれたっていいじゃないかい?」
「ソンな事言ってられないだろ?取り敢えず、自己紹介的なやつからね?」
「・・・面倒だねぇ。ギリュリュ。まぁなんだ・・・あたしゃオルガだよ。オルガクルガだ。そこの薄気味悪いスキクにギュギュパニの一部にされたんだよ。ったく、まぁ、自業自得なんだけどねぇ」
「?はぁ?ん?何いってんだい?ギュギュ・・・オルガは死んだって・・・知ってるだろう?」
「・・・ポンピカ。あんたから少し話してやってくれないかい?あたしじゃ口下手でどもこういう事は苦手なんだよ。ったく、なんでだろうねぇ」
「ギュギュ?」
「あー。えっと何処から話せばいいのかな?えっとね、オルガはー。死んだけどー。そこに居まーす。でいいかな?正直僕にも良い言い回しが出来るとは思えないんだけど・・・ってか自分の親を殺した相手にソンな事言われても信じないだろ?オルガ」
「ん?オルガが殺されただって?誰に?」
「ポンピカ。やれば出来るじゃないかい!面白くなってきたじゃないか!」
「いやいや、わざとじゃないからね?僕そういう所余り難しく言うの好きじゃないんだよ」
「じゃぁ、さっさとそのまま言っちまえばいいじゃないか」
「いやいや、それじゃまた戦うことに成るだろ?穏便にすませたいんだよ。ってか僕は、やることイッパイ有るんだからさぁ?ウウダギの案件さっさと済ませなきゃいけないだろ?」
「おい。ギュギュ」
「マガで武器作るとかいう話かい?正気かい?ソンな事出来るわけ無いだろう?マガってのは壊せないからマガってんだよ?ギュギュに聞いてないのかい?」
「いやいや、実際マガっていうか鋼を加工したじゃん。ギュギュパニから聞いてないの?」
「・・・マジかい?」
「おい!お前ら・・・」
「まぁ、小さいナイフだけどね。あー、小さいクグナって言えば分かるかな?」
「そうかい・・・マガを操れるのかい・・・そりゃ、ザーザースの世界が変わっちまうねぇ。・・・まずくないかい?大丈夫なんだろうねぇ!?」
「おい!二匹とも!何を話してるんだ!」
若干ギリュリュをそっちのけで、オルガと話しちゃってた。
どうしよう。
「ギュギュ?どういう事か説明してくれ?なんだい?こりゃ・・・」
「ギリュリュ。あんた、まだ殻を大事にとってるのかい?」
「!?・・・なんで、それを・・・」
「お前は、生まれた時から変なものを大事にとっておく癖があったねぇ?憶えてるよ。あたしが、最初に訓練を付けた時、やっとの思い出探し当てた綺麗な石を、ヴァッフォフォが欲しいと言っても死守してたっけねぇ・・・。あん時は随分頑固で強情な雌が生まれたと、どんなに思ったかしれないねぇ」
「・・・」
「結局あの石はどうなったんだい?まだ持ち歩いてたりするのかい?」
「なんで・・・ギュギュはもう巣立って居なかったはずだ・・・どうして知ってる?確かにあの石はまだ持っているし・・・殻もとっておいてあるが・・・」
なんかめんどくさくなってきた。
「あー。取り敢えずギリュリュとオルガで少し話しあってみたら?僕はさっさと仕事に戻りたいからね」
「ポンピカ?あたしに全部押し付けるのかい?」
「いいじゃん。同族のしかも自分の子供でしょ?積もる話もあるだろうし、懐かしさに花を咲かせてくれれば、僕は言うことないかなぁ」
「・・・ったく。わかったよ、取り敢えずこれは貸しだからね?いいね?」
「おい・・・また二匹で・・・」
「・・・うん。それでいいや」
取り敢えずギリュリュはオルガに任せる。
クロデル二匹はうつ伏せで足に支え木を当てられて、身動きがとれないでいる。
ティティムとか言う雄は未だに起きない。
もういいかなぁ?
さっさと次のことやろう。
ウウダギを連れて、滝の側に有る例の鍛冶場へと向かった。
既に鍛冶場では見様見真似でギュギュパニから教えが行き渡っているスキクが、
金属のハンマーを振っている。
そのハンマー見たことないけど、
多分一番最初に作ったんだろう。
動画とかじいちゃんの家で聞いたことの有るキンキン!っていう音が鍛冶場にこだましていて、
なんだか、不思議な気分だ。
「あれ?ぽんピカ。 今日は何しに来たんだね?」
何回か顔を合わせたことが有る雌。
ギュギュパニの側近って言っていい位置に居るおばさん気質なスキクが話しかけてくる。
因みに僕はこのスキクの名前を知らない。
覚える気がないから。
「ちょっと作りたい物があってね」
「マガでかい?」
「うん」
「どんな物を作るんだい?ギュギュパニから余りポンピカには使わせるなって言われててねぇ」
ギュギュパニはどうやら僕が作るものは、
全部危険な物ばかりだと思い込んでるようだ。
「別に危ない物作るつもりじゃないよ」
「・・・そうかい。で?どんな物だい?」
「んっと、取り敢えず、刀剣類かなぁ?できればだけど、ダメなら槍とか・・・メイスやモールでも良いなぁ。取り敢えずそういうの作るよ」
「・・・聞いたことのない物ばかりだねぇ。ギュギュパニの許しは出てるのかい?」
「まぁ、一緒に導き出した話だから許されてるよ」
「そうかい。まぁ、あたしも勉強ついでにのぞかせてもらっていいかい?」
「どうぞどうぞ」
そんな流れで、取り敢えず簡単なものから作ろうと思う。
鈍器はわりと手軽に作れる武器だ。
金属を使うことで、重量を利用した破壊力を実現できる。
手頃なのはメイスだろう。
はじめに、大まかな設計図をウウダギが持ってるパピルス仕様の紙に木炭鉛筆で書く。
それを元に材料やその数なんかを把握したウウダギが、
木材類や細かいものをベベビドや外でぶらついてる連中を使って集めさせる。
ウウダギガ外へ出ていってる間に、僕は既に火が入っている炉に、
インゴト化してる鋼鉄類を選び、これまたベベビドお手製の天秤計測器で、
比重や重量を測って、必要な材料を揃えておく。
周りのスキクは僕の作業をジーッと眺めるだけで、口は出さない。
ただ、多分だけど、彼女等は作業する時に秤を使わないだろうというのはわかった。
なぜなら、秤に埃が被ってたからだ。
誰もそういうのに感心がなかったのだろうか?
まぁ、ギュギュパニに教えられたやり方をそのままやってたのかもしれない。
まぁ、それは置いておいて、
枠組み用の木材は常に用意してあるので、
それを用いて、砂を詰めておく。
更に先程、測り終えたインゴットを此のままで溶かすと成ると時間がかかるので、
荒い研磨石へと擦り合わせて、粉状にしていく。
結果、1kくらいの鋼鉄粉が出来上がる。
ウウダギが帰ってくるとウウダギの後ろに二匹のスキクがこき使われて、
荷物を鍛冶場に運び入れている。
ウウダギが
ベベビドにメイスのヘッドの部分の原型を作ってもらって、
僕がそれを型取りするっていう流れ作業です。
持ってきてもらった原型を木枠に入れた砂で型を取る。
メイスなんて、要は、
硬く作った塊を棒の先にガッツリはめこんだだけの物だ。
ヘッドの部分は鍛造しなくていい、
鋳造で事足りる。
なので鋳造で作ることにしたのだ。
型を取り終えたので、
後は分厚い石出できた容器の中に鋼鉄粉と少しの炭粉を混ぜて入れる。
分厚い容器をそのままゆっくりと炉の中へと放置しておく。
時間がかかるけど、
完全に溶けるまで時間を待つ。
最終的に溶けたものを型枠へと流し込み、
冷めるのを待つ。
これだけで普通に1日は余裕でかかる。
まぁ、僕らはぼちぼちやってるので、もっと掛かったけど、
それでもメイスは簡単な方だ。
鋳物作るだけで出来るからね。
最終的に3日を要して、メイスが完成した。
そんで、出来上がった物をギュギュパニにお披露目っていう場面です。
ギュギュパニ会場には集落でもマガや武器、
あと僕の弟子がって感じでギャラリーが出来ている。
もちろん、ギャラリーの中にはちゃっかりギリュリュとティティムが・・・ってかティティム起きたのね。
「・・・」
「そんな怖い顔しないでよ」
「あたしが想像してたのはもっと凶悪な何かだと思ってたよ。それじゃ棍棒と変わらないじゃないか」
「そう?そう思ってくれるなら嬉しいかなぁ?」
「まぁいい。そこの木の幹を的にしな。みてやるから」
ギュギュパニの目が「絶対何か有る!」って言ってるけど、
たかがメイスだからね?
鈍器だから棍棒に釘付けたって大して変わんないよ。
今回作ったメイスは、一般的?と言うかそういうのではない。
鋳造で襞をつけるのは難しいので、モール寄りに作った。
ヘッドの部分が上から見ると六芒星状態に別れている。
側面から見ると、六芒星の凹んでる部分が、
削り出されたものだと分かる。
随分雑に作ったんだ。
それを木の棒60cmくらいの端に差し込んで、
反対側の持ち手には皮から削り出した糸をぐるぐるに巻いて膠で固め、
持ちての端には皮製のベルト状の輪を取り付けた。
重さはかなりの重さが有る。
正直僕の力でも片手で振れる現界くらいだ。
バランスもかなり良いと思う。
振れさえすれば、重さと遠心力でかなりの運動エネルギーが扱えそうだ。
まぁ、ミスって、自爆しなきゃだけどね。
普通に骨折れると思うし・・・。
最初はちょっと力が必要だったけど、
クルクルとベルトを利用してゆっくり回す。
遠心力が乗ってくると、必要な力も減って僕でも使えるくらいに成った。
遠心力がしっかり着いてきた所で、
ギュギュパニに指定された的へと、軽くメイスを叩き込む。
すると思っても見なかったけど、
思いの外、幹の表面を横から見て三分の一位程をメリッと凹ませた。
それはもう、ちょっと重たいものをゆっくりと幹に落としましたよと、
言わんばかりの陥没具合だ。
正直あれ?やっちゃったかな?と思う感じだ。
武器ってこんなに破壊力有るんだなぁ・・・しらなかったわー。
「ギュギュ!アレどうなってんだい?」
「ヒィ!・・・ッゥ〜・・・」
「・・・ポンピカ」
ギリュリュが驚き、ティティムが悲痛な声をあげると、
同時にギュギュパニの声が怖い。
振り返るとギュギュパニがめっちゃ睨んでる。
ギリュリュはポカーンとしてるけど、
ティティムは引きつって痛そうにしてる。
ついでに他のギャラリーも若干引いてる。
多分想像したんだ。
あんなに簡単に扱えて、
それでいて当たれば即骨折っていう武器を・・・。
頭に当たれば即死だね。
そら怖いわ。
「・・・いや、だってさ?シャ・グギとやるんでしょ?ならこれでも足りないと思うけどね」
僕は全力で、足りないぞと言ってのけた。
けどギャラリーのザウス連中は、頭を抱えている様子。
「ん?なんだ?あのスキクがシャ・グギ捕まえる”問題”を出されたやつなのか?ギュギュ」
「ああ、そうだよ・・・ったく。ポンピカ意外出来ないんだよ!あたしにもねぇ」
「ギュギュパニに出来ないんじゃスキクには無理だろ?何故止めないんだ?それよりなんであんな事が出来る?俺が気絶させられたってのもなんか道具でやられたのか?」
「あんたのは単純にナゲられたんだよ。不用意に動いちまったからね。その話しはしただろう!」
「そりゃ分かるがよぉ・・・。スキクだぜ?可怪しいって思わねーか?ホントにスキクか?」
「ティティム。みりゃ分かるだろ・・・スキクなんだよ。それも困った原因だけどねぇ」
ザウス連中はスキクだ、ザウスだと騒ぐのが好きだなぁ。
あれかな?アイデンティティが保てないと発狂でもするのかな?
トリケラ頭みたいに・・・。
「取り敢えず、これ使うけど良いよね?作るの簡単だからさぁ」
「ん〜・・・。 ん〜?んー。 ・・・そりゃ分かるが、絶対スキクに向けるんじゃないよ?スキクだけじゃないザーザースにはだよ!」
う〜ん。
きっと、それはむずいかなぁ。
取り敢えず「はい」と答えておくか。
「わかったよぉ・・・。 味方のには向けないよ」
「じゃぁ、そうしとこう・・・。 皆取り敢えず解散だよ」
ウウダギを残して皆散り散りになった。
ウウダギがチョコチョコ歩いてきて、
キラキラした目で言う。
「ポンピカ」
「ん?」
「次、何作る?」
「・・・多分、怒られる」