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精霊さんの居場所はどこだろう?


時間をかけて、しばらく周辺に異変がないかをチェックして回った。

結果から言うと、何もなかった。


そうなると精霊さんは、何かを見つけたかそれを追って移動した可能性が出る。


あの時、霊的な事で精霊さんだけが対処せざる負えないのって・・・。


もしかしたら、

例の死んでいたと言われるキョンシーの中身が近づいてたのか?


僕は感知できなかったけど、

精霊さんは意外に鋭かったりするし、

見つけたのかもしれないなぁ。


もしそうなるとどうなるんだ?

本来、身体から分離した魂が身体を取り戻しに・・・来ることはない。

なぜなら既に分たれた物であり、結論から言えば、魂が魄を放棄したからだ。


放棄したものを取り戻しには来ない。

取り戻すくらいならば、うろつかない。

素直に天へ召されるはずだ。

執着が何処かに有れば、例外にも成るけど・・・。


そうなるとだ・・・。

精霊さんが見つけた・・・。


なにを?

キョンシーの中身を。


中身が身体を探しに?

否。


なぜ中身が身体の近くでうろついた?

・・・。

ちがう。


中身が自由意志を持っていない場合、且つ、使役されていた場合は、全てが覆る・・・。


多分、中身は身体と分たれた後、

魂だけ束縛もしくは使役されてる可能性が有る。


精霊さんが使役された魂に気づいた・・・。

精霊さんは本人が精霊であるけど、

僕の影響を受けすぎている。

もっと言うと僕の”氣”を取り込みすぎている。

近くにいるために自然に使役されてる状態に近い。


・・・って事は同族に見えたのか?

後を、ホイホイと着いてっちゃったか?

可能性がないわけじゃないな、精霊さんだものなぁ。


あのエネルギッシュで頭が回らない所が、

どう見てもパパムイにしか見えないんだよなぁ。

絶対血が繋がってるよなぁ・・・。


今の妄想が正しかった場合。

キョンシーの中身、魂を縛っているのは、

十中八九、ヴァレヴァレだろうなぁ。


ブルググが妙に呪術に詳しかったり、

少し違う観点で話したり、

別と分かる知識を持っていたりと・・・。


つまるところ、ヴァレヴァレは呪術ではなくても人間側で開発された術を扱う者って事だ。


この妄想が間違っていることが望ましいなぁ。

余り大事にしたくないし・・・。

ってかヴァレヴァレってなんでウチの集落にこんなにちょっかい出すんだ?

いい迷惑なんだよねぇ。


さて、意識だけの存在である今の僕には時間も空間も余り意味がない。

ヴァンと言うか魂だけで移動しているときよりも身軽だ。

意識とはそこに有って、感じるだけの哀れな存在でしか無い。


・・・。

今の僕を縛れる物理法則はまず無い状態だ。


ヴァレヴァレの集落を覗いてこよう。

ただし、場所が分からなければどうにもならない。

だけど前情報は仕入れてある。

エネルルやブルググからヴァレヴァレの所在地は大まかに聞き出してあるから、

方向としては、しっかりとした指針を設けることが出来る。


北東やや右よりの方向。

あっちの山を越えて、しばらく進んだ先のはず。


ちょっと行ってみるか。

見える距離では、すぐだ。

あっという間の山越え。


山を越えた辺りから広い草原と、

湖、それから太い川と川沿いを覆い尽くすほどのジャングルが見える。


景色としてはすごい綺麗だ。


山の頂上付近から見る景色っていうのは、

こうも雄大なものだとはねぇ。


前世では、ここまで高度から覗くことはしなかったんだ。

ヘリコプターでもなきゃできないしね。


逆に僕は来た場所、僕らが住んでいる場所を山から見てみた。

簡潔に言う。

草原がほぼ無い。

小さな禿げ上がった草原らしき場所は見て取れる。

あのへんが僕らの住んでいる場所だと思われるt頃だけ少し木が少なく見える程度。


殆どが木々によって埋め尽くされている。


それにしてもこんだけ生活環境が違うのか・・・。

森が大きいと生き物が沢山いるのかなぁ?

ヴァレヴァレの連中は、それ程狩りがうまくはなかった。


獲物が沢山いればそれだけ仮に従事するやつが少なくて済むよね?

飢餓にもならないはずだし・・・。

こっちの草原地帯はもしかして動物が少ないのかもしれない。


そう言えば、シャ・グギがいる場所ってこの草原地帯の当たりだったっけ?

あれ?族長から話聞いてる距離からすると、一週間やそこらで行き来できる距離じゃないぞ?


もしかして、目算誤ってるのか?

・・・多分シャ・グギはヴァレヴァレの草原近くにいるだろう。

聞いた話からすればこっちのほうが正解だと思うし・・・。


やっぱり族長の目算が間違ってるんだこれ・・・。

とんだ旅になるところだったなぁ・・・。

あれ、速攻でで戻って正解だなぁ。


山越えるなんて知らなかったよ。

全く・・・。


まぁ族長への愚痴は後で言おう。


ってかこの距離からも見えてしまうんだ。

明らかに異質な”物”?


少し北側へと進んだ、川沿いで、しかも草原にも森にも近い場所に、

サイケデリックに彩られた今の意識世界の中に有って、

ポッカリと黒いゴツゴツした塊で見えない場所が有る。


エネルるの話に寄ると、

その黒いゴツゴツで覆われている場所がどうやらヴァレヴァレで間違い無さそうだ。


そのゴツゴツを見て、

真っ先に思い浮かんだのは、


”結界”


その言葉だ。


ヴァレヴァレの族長であるヴァレヴァレは随分と高度な術を操れるんだろう。

精霊さんでも感知出来ないほどだったんだ・・・。


僕を見つけるまで、精霊さんは呪術の後継者を探していたわけだしね。

明らかに異質な才能では有るけど、

僕より先に生まれているヴァレヴァレが選ばれていても不思議じゃない筈だよね?


でも、そうではなかった。

その答えは・・・結界に守られていて、ヴァンでの行動では感知できなかったか、

見えなかったからだ。


何かを隠すか、守るかのために結界を張ったんだろう。

結界かぁ・・・。


今の僕は多分結界を張ることは出来るだろう。

だけど、あの大きさは無理だな。


結界をみて大体のことが予想着いた。

結局の所、ネズミ捕りにネズミと言うなの精霊さんが掛ったなぁ。


はぁ・・・。

どう見ても規模からいって、

術者としての力量は、ヴァレヴァレの方が高い気がする。

精霊さんをあの結界の中から助けなきゃいけないんだよね?


・・・。

・・・。


助けなくてもいいかなぁ?

ウウダギも余り戻ってきてほしく無さそうだしなぁ。

だけど族長や周りの古参は、ラマナイってネームバリューに乗っかっちゃってる頃有るしね。


今回探せって言われるのも、

結局の所、族長からの問題なわけだしね。


・・・どーっすっかなぁ。

あの結界に意識だけで対抗できないぞ?


魂で乗り込んでもやられる可能性が有るし、

困ったなぁ・・・。


もし精霊さんを助けるなら、

直接ヴァレヴァレに行かなきゃ無理だな。


・・・え?

行かなきゃいけないか?

断っちゃダメかなぁ?


ってか、あんな真っ黒な結界の中ってどうなってるんだよ・・・。

多分、陰の気が充満して、陰に引き寄せられてるやつ意外まともで居る事は出来ないよなぁ?


・・・そういう事か?

ヴァレヴァレに残った連中は、

陰に寄ってしまった連中だろう・・・。


あの中じゃ本当に腹黒くて企みだけで生きてる様な輩がウヨウヨしていそうだ。

逆にヴァレヴァレから脱出してきて正解だったんじゃないか?

今ウチに居る連中ってさぁ?


でも少し、覗くくらいはしておかないと・・・。

向こうにばれちゃう可能性も有るけどねぇ・・・。


ってか、多分もうバレてる可能性だって無いわけじゃないだろう。

何か対抗をされる前には引き上げるかぁ。


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