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精霊探し


「ポンピカよ。ここへ移動する必要が有ったのだろうか?」

「えぇ?移動しなきゃ絡まれてたでしょ? 族長もしかして絡まれたいの?」


「絡まれたくはないが、ホレ、いつもの調子がでん」

「いつもの調子が出ないっつったってねぇ・・・」


「それより、ラマナイ様が見つからないと聞いたが?」


「ああ、それだよ。それをね?ちょっと探そうと思うんだけど、下手するとしばらく僕は瞑想しなきゃいけないと思うんだ。そうするとウウダギが泣いちゃうんだよ。なんとかなんないかな?」

「ウウダギが泣くのは仕方なかろう?泣かしておけば良い。そのうち飽きるであろう」


「いやいや。そうじゃなくって、ウウダギが変なこと考えると多分収拾つかないと思うよ?族長が責任取るってならいいんだけど・・・」

「・・・怖いことを言うでない。ふむ・・・ラマナイ様の行方の検討は付いてないのか?」


「いやぁ・・・。第一の所に行ったのか、他の何処かに行ったのか・・・精霊さんは色んな所にフラフラするからなんとも言えないんだよなぁ。行動範囲が広すぎて、ちょっと怖く感じる」

「そうか。では、手始めに集落をくまなく探し何か跡でも見つけるしか無いな」


「そんな所から始めるしか無いか・・・まぁいいや」


族長が珍しく話しかけてきた。

精霊さんの事が気になるようで、

最近しきりに同じことを聞いてきたりするんだ。

ボケたかなぁ?


毎回僕は対処方を言うんだけどね。


まぁ、いいや。

それより、精霊さんを探す方法を考えなきゃなぁ。

なにかしらアクションが有ればいいんだけど、

ここしばらく何かが有ったわけではないところをみると、

アクションは期待でき無さそうだ。


「ウウダギ。精霊さん探したほうがいいかなぁ?」

「?セイレイサン?何?」


あれ?ウウダギ?

精霊さんの事忘れた顔してないか?


「ほら、ラマナイの精霊さんだよ」

「・・・」


そこまで言うと、すごい嫌な顔をする。

思い出したみたいだけど、

そこまで嫌なの?


「まぁ、いいや。取り敢えず族長が探してこいっていってるからコレから瞑想に入るんだけど・・・」

「わかった。ポンピカ、一回死ぬ。僕側にいる」


まだ、瞑想イコール死ぬと思ってるっぽいなぁ。

まぁ、しかたないか。


「数日かかる場合は、身体の面倒を見てほしいんだ。できるかな?」

「うん。任せて、僕ちゃんと出来る」


可愛いなぁ。

やっぱりウウダギが一番いいや。


取り敢えず周りの皆にも一声かけていた後、

いつもなら丘の上の平石の頃で瞑想するんだけど、

今は発情期だから使えないので、

一番始めに集落から離れて瞑想したあの場所へと足を向ける。


「ウウダギ。ここで瞑想し始めるんだけど、もし数日とかかかるようだったらギュギュパニ辺りに話して、皆のt頃に運んでもらって?出来る?」

「うん。わかった」


取り敢えず、

大きな岩の足元のくぼみで座禅を組んで、

目をつぶり、呼吸を整え、気を感じ、

自分の意識を残しつつ、身体から解き放ち始める。


まぁ、詳しく行ったってどうってことはない。

よくやってる幽体離脱の方法だ。


身体だけを残そう。

意識だけ飛ばそう。


そう思う。

何故なら、身体に気が残っていないと、

身体の維持がおぼつかなくなる。

つまり、ウウダギ一匹で対処できなくなる。


意識だけの飛行だ。


くだらない事を考えている間に、

意識が身体から分離した。

今意識は、瞑想している自分を見下ろす位置に浮いているような状態だ。


因みに、ウウダギは浮いている僕の方に目を向けて、

何やら言っている。

多分「いってらっしゃい」的な事を言ってるはず。


意識だけだと、現界の声とか音に関する振動を感知できない。

視界もそうなんだけど、周りの気のゆらぎや波を感じ取り、

視覚として感じる様に訓練すると、

世の中が原色の様な世界で彩られているのに気がつく。


意識の世界は意外に派手なんだ。

受け取り側の意識がどう受け取るかという事でも、

色もそうだけど形や情景全てが変わったりする。


心の持ちようだったり、感情によって変わったりと、

様々な変化がそこには有る。


以前、精霊さんとかと”飛行”するときには

意識だけを飛ばすということはしていなかった。

例えば感覚器官だけを飛ばすとか、

気も含め全てを持って飛んだりしていたけど、

この意識だけを飛ばすという方法に限っては、

世界が変わるとわかった。


偶然だけどね。

意外に癖に成るくらい充実感があったり、

満足感が有ったり、スッキリとしたりと、

色々と精神作用が高そうな方法だ。


余り慣れすぎると、中毒に成るんじゃないかな?

怖いので、多様しないようにはしてるけど・・・。

まぁ、精霊さんを見つけるためにやってるんだ。

仕方によね?


他にも方法が有るけど、

どうせやるなら気持ちよくやりたいしね。


徐々に岩の垂直上へと高度をとりはじめる。

意識の移動っていうのは感覚じゃない。

もっと思いとかそういう方向の事らしい。


興味が有る場所に目を向けると、

そこに意識が集中するでしょ?

ソレが意識だけの時は移動に成るんだ。


高度を上げて、

上から周りを眺める。


森っていうのは、

いや、ジャングルなんだけどね。

ジャングルは木々や岩土なんかでできていて、

水が流れてと、様々な景色が見れるものだけど、

意識だけの僕の目に感じ取れるのは、

サイケデリックに極彩色に彩られた世界だ。


森の木々、葉なんかは、紫だったりピンクだったり黄色やオレンジにグラデーションしてたりする。

更に幹に至っては流れが有る寒色系統の色合いでうごめいている。


シラフでこう言うの見ると、

多分目が疲れて、げんなりし等だけどね。

意識の世界はこんなにもカラフルで面白いものだとはねぇ。


感心してても仕方ないか。


され、周囲には変化がない。

これと言って、何か特徴が有る動きが出ているわけでもない。


一度ココを中心に大体5k県内を見回るか。


う〜ん。

闇雲に見回っても特に変わったことはない。

やっぱり居なく成った日のあの場所まで飛ぶしか無いかな?

エネルル達と合流した祭、突然居なく成ったんだ。

つまりあの場所の辺りに痕跡が残ってればいいけど、

もう結構な日数が経ってしまっている。

まぁ、どうでもいいと放っておいたから自業自得と言えなくもないけどね。


意識の移動はヴァンでの移動と大して変わらない。

と言うかこっちのほうが多分早い。


すぐにエネルル達と合流した例の草原の端っこへと場面が切り替わる。


意識の世界から見ると草原の草花もサイケデリックだ。

現実には恐らく白い花を咲かせる草も意識の世界では、

真っ青な色合いであったり、縁に向かって紫やオレンジにグラデーションをしたりと、

白い花がこれとは・・・と思ってしまうような感じだ。


草原の全体は大体が黄金色に染まっているように見える。

手前にくれば、細部が見えてきて、

石も何故か半透明っぽく見えたり、

面白いよねぇ。


例のエネルルが祭り上げられていた場所を眺める。

祭り上げられていた石は、少し黒ずんだ感じに着色と言うかペイントされているような感じだ。


多分、怨念と言うか念というようなものの陰陽バランスが、

石に染み付いた念の質を表している可能性が有るなぁ。


黒ずんでいるのは、恐らく陰のバランスに気が傾いているためだろう。


あの時から結構な時間が経っているのにっていうのは、

すごく力が有る恨みが絡んでたのだろう。


確かにこれほどの形跡を残す術が行われていたんだなぁとね。


まぁ、いいや、他はっと・・・。

あの頭がクラクラする葉っぱは真っ青に見えるなぁ。


まぁ、もう二度と建築材料にはするつもりがないけどね。


う〜ん。

これと言って、何か引っかかるようなことは無いなぁ。


精霊さんはあの時なんて言ったっけ?

ウウダギ達に知らせに言ったんだよね?


まぁ、ウウダギは知らせが来たって言ってた。

じゃぁ、そこまでは有ってるはずだ。

そう言えば、余り発言はしてなかったけど、

ウウダギ達と一緒にここに来たのは見た気がする。

いや、いなかったか?


・・・ああ、そうだ。

思い出したわ。

ウウダギにひっついて、自分の事を自慢してたら、

ウウダギが嫌だと言ったんだ。

そんでもってシュンってしちゃってたのは覚えてる。


そこから先だ。

そこから先で見てない。


泣いちゃったのか?

どっか行っちゃったのかな?

ウウダギに嫌われちゃったのがショックだったのか?


ってことは・・・。

あの日、すぐにテントを貼ったし、

色々作業したからその間にどっか行ってるはずだ。


どこいった?

なにしに・・・いや、ウウダギから離れないだろう。

って事はなにかに気づいて、対処しに出たんだろう。

恐らく、そんな流れのはずだ。


ウウダギに危険が?

いや、気になったからか?


どちらにしても此の場所を後にする他なかったんだ。

つまり、ここからなにか見えたか、感じたかだ。


くまなく此の場所を探してみよう。


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