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僕が行かされるよね

免許無事とれました。

ストレートで一発合格です。

嬉しいです。



さて、ブルググとエネルルが話し合ってる間、暇でしょうがない。

族長は、なんだかモゾモゾして、落ち着かないし、

ギギリカとシシブブは、何やら女子風に話しをしている。


ギュギュパニはさっさと自分の仕事に戻ってしまった。

まぁ、ギュギュパニからはもう聞くことないかなぁ?


「族長?どうしたの?モゾモゾしちゃって」

「ん?モゾモゾなぞしておらぬぞ」


「そう?暇なのかなぁ・・・とか思ったんだ」

「・・・知っておるなら言わなくても良くはないか?」


やっぱ暇なんだなぁ。


「そう言えば、お酒どう?」

「む!?サケかっ!アレはいいものだ!うむ・・・力が戻るようで、ついつい呑みすぎてしまう」


「そう?僕は余り好きじゃないんだけどね。まぁ、全く飲めないわけじゃないけど、今作ってるお酒の他にも色々有るんだ」

「ほう!それは味わってみたいものだ」


「じゃぁ、ンダンダ辺りに色々また話しておくよ。お酒作ってるの殆どンダンダのところだろ?」

「うむ。そうだな・・・。そう言えば、ポンピカよ」


「ん?」

「お前は良く土をいじっては何やら作っておるな?」


「ああ、食器とかね?」

「アレを教えてくれぬか?」


・・・陶芸か。

まぁ、老体にはもってこいかもしれないな。


「いいよ。ついでにズズナド辺りにも教える?」

「ズズナドか・・・。そうだな、そうしてくれるならありがたい」


「それにしてもなんでまた、陶芸をやろうと思ったの?」

「トウゲイとはなんだ?」


「ごめん。土をいじって食器とか作ることを言うんだ」

「ふむ。 なに難しいことではない。ワシくらい歳をとれば、自ずとやりたくても出来ぬ事と出来ることがわかってくる。体がついて行かぬでな」


「土いじりならできると?」

「まぁ、そういう事だ」


・・・結構甘く考えてるなぁ。

まぁ、余り動かないご老体にはいい薬に成るかもしれない。

この期に体を動かしてください。

手先もね。


「ふーん。まぁいいや。時間作ってくれれば教えるよ。あと、僕がまだやってないけど知ってる事もついでに教えるから、うまく利用してよ。きっといいものが出来る」

「ほう。そうか、それはありがたいな」


「ねぇ。二匹とも何話してるの?エネルル達遅くない?」


確かにかれこれ、2時間は戻ってこない。

森の奥に入りすぎたか?


「ポンピカ。見てきなさいよ。ポンピカが原因でしょ?」

「・・・そう見えたの?シシブブには」


「そうじゃなくても、行くのが雄でしょ?」

「・・・はぁーぃ」


なんか、やっぱり年上の姉的な立場だよなぁ。

シシブブが言うとなんだか無理難題も言う事聞いてしまいそうに成る。

・・・まぁ、聞いちゃってるんだけどね。


ハァ・・・結局僕がヤんなきゃいけないんだよなぁ。

シシブブに言われたのもそうだけど、

後始末的なことはわりとやらされる体質らしい。


トボトボと二匹が入っていった森の中へ進む。

しばらく歩く。


足跡が付いてるから十分見失うことはない。

掻き分けて進んだ草や折れた枝とかを見ても此の方向で間違いない。

何より二匹の匂いが残ってる。


こう言っちゃなんだけど、

人間だたときより、多少は鼻が効くらしい。

自分の体臭もそうだけど、匂いで発生源がなんとなく方向を示してくれる。

パパムイはその力がものすごく進んでいるらしく、

ほぼ100%何処にどんな匂いがあるか分かる上に、

刺激臭でも臭いとは言うけど顔をしかめる程度で、

嗅ぎ続けたり出来るんだ。


鼻が強いってやつだなぁ。

正直、自分の排泄物の匂いがとても強く感じるのと同じで、

周りの匂いもある程度強く感じる。


そんなわけで、森の中で離れていてもある程度、進んだ道とか分かる。


匂いをたどったり、

形跡をたどったりとしていくけど・・・。

一向に到着しない。


なんだろう?あの二匹、話しながら進んだのか?

二時間も?

いや現在進行中だとすると、

僕走らないとつかないだろ。


・・・ちょっと焦ってきた。


余り遠くに進まれても困る。

まだ、かってがわからないはずの二匹が、

知らない森で迷子とか洒落にならない。


一時間は歩いてる。

ちょっとまずくないか?


経路も今の所、

蛇行したり同じところを回ったりと右往左往してる様子はない。

真っ直ぐだ。


此の方向って、ヴァレヴァレの集落の方向だたっけなぁ?


まさかねぇ?

戻りますとかそんなんじゃないよね?


・・・嫌な予感しかしない。


後を追う。

この先は森が一端開く場所のはず。

開く場所に出ると今度は匂いが散ってしまって、

後を追うのに苦労するんだよなぁ。


まぁ、見つけてないんだから進まないとダメだけどね。


進むと、

僕の視界から一瞬で森の木々が別れ開かれる。


岩がむき出しだったり高くても腰くらいまでの草が生い茂っている状態の草原と言うやつだ。


そこで、遠くの大きな岩に二匹が座って話しているような雰囲気なのを見つける。

並んで体育座りでもしてれば、学生かな?と思わなくないけど、

スキクは尻尾が邪魔で、体育座りは出来ない。

まぁ、あぐらだな。


二匹とも遠くのヴァレヴァレのある方を見て、指さしたりしながら喋っている。

喧嘩とか争いには成っていないようだ。


僕との距離はかなり離れていて、

二匹は僕が接近しているのに気づかない。


・・・何話してるのか気になる。

・・・気になるなぁ。


アレやるか。

こっちなら出来るかもしれない。




「エネルル。今まで本当に済まなかった」

「私こそ、勘違いをしていたようだ。同じ側で協力できればよかったものを・・・」


「まぁ、今と成っては仕方ないことだがな」

「たしかに・・・フフフ」


「さて、そろそろ戻るか?」

「そうだな。少し話をしすぎたかもしれない」


「さて、では戻ろう」

「そうだな・・・そう言えばもう一つ聞いていないことが有った。これは私が言うのも恥ずかしいのだが、今年の番はもう決まったのか?」


「!・・・。ワ・・・私に番はもう・・・流石にビススで最後だ」

「だが、私はまだ、今年の番を選んでいない。協力出来ないだろうか?」


「・・・」

「私をビススと思えとは言わない。だが、繁栄のためには子を残さなければならないだろう」


「それは・・・わかってるんだがなぁ・・ハハハ。流石に私もどうすればいいか・・・」

「まぁ、まだ時間はある。今年はボロンガに合流してしまって、殆どの雌が番を選べない。更にボロンガの雄共は余り、雌に執着がないようで困る。」


「ああ、確かになぁ。ンダンダ辺りならどうだ?」

「ンダンダは早々に番を見つけたみたいだぞ?良く一緒にいるブルググなら見てるはずだが?」


「ん?もしかして、ヘルナルの事か?」

「多分そうだ。私はよく知らないが」


「んー。確かに仲が良くなっているな・・・しかし、どうだろうな?ヘルナルは思わせぶりな所があると前の番に聞かされたことがある」

「そうなのか?」


「そうらしい。食べ物に執着があるらしく、欲しい食べ物を手に入れるためには番の真似事までするらしいんだ。なかなか面白いヤツだと聞いた」

「・・・そうか。それは厄介だな・・・まぁ、選ぶのはンダンダだから仕方ないだろう」


「そうだな」

「・・・そうだな。ではないのだぞ? 私の今年の番の話だ」


「・・・ポンピカでよくないか?あれは随分変わっているだろう?」

「・・・冗談だろ?流石に私でもアノ様な奇妙なスキクは願い下げだ。頼まれても断る」


「流石にそれはポンピカの前では言うなよ?」

「言うわけない」


「パパムイはどうだ?」

「ギギリカが番だ。あれは多分しばらくの年を番で通すだろう」


「そうかぁ・・・では、少し歳はとっているが、ベベビド辺りではどうだ?あれなら木で何でも作れるスキクだからな。生まれる子供もそれはそれは器用な子供が生まれるだろう」

「う〜む・・・。ベベビドが了承するか微妙なところだな・・・それに気難しいと聞く」


「そうか・・・。イイオオはぁ・・・シシブブがついてるか」

「シシブブと番で間違いない」


「そうなると残りはぁ・・・パレンケか?」

「パレンケかぁ・・・。アレも奇妙なスキクだ。とても親切で、いつもニコニコして入るがその目の奥は笑っているように思えないのだ。それにパチャクケチャクと番らしい。」


「パチャクケチャク?二匹とか?パレンケが?」

「そうだ。どうやら、ポンピカの従者ということらしい」


「ポンピカなにしたんだ?」

「あれだ、第四の例のアレが、ヴァレヴァレに来ただろう?アノときに一度パレンケにあっているのだ」


「・・・ああ。なるほど。そのときにパチャクケチャクも?」

「いや、あの時はまだ、居なかったが、ヴァレヴァレから離れた後何処かの集落で従者にしたのではないか?よくわからないが」


「そうか・・・パチャクケチャクも確か双子だったな」

「・・・エナルルは私と違い。愛嬌のあるスキクだったのだがなぁ」


「エナルルか・・・。私は一度会っただけだが、ビススの子供だと気づかなかった」

「まぁ、親が隠していたからな・・・」


「エネルル。気を落とすな。きっと番は見つかるさ」

「・・・ふぅ〜。ここまで言ってもわからないのか?私は今年の番にブルググを押しているのだ」


「・・・私は・・・」

「ビススだと思えとは言っていないとさっきも言っただろう。だが、子は残さないとダメだ。ビススのためにな」


「ビススのため?」

「そうだ。ビススがヴァレヴァレで本当に結ばれたのはブルググ。お前だけだ。当然、子を残そうと思うだろう?その願いは叶えてやらなければならないだろう」


「・・・だが・・・」

「余り、ビススを引きずるのは良くない。ビススもそういうブルググは好きではないだろう?」


「・・・そうだな」

「今年は、私と番、子を残してビススに感謝をしよう」


「わかった」

「意を組んでくれて助かる。 さて、戻るか」


「ああ」




二匹がぎこちなく手を繋いで並んで集落へと歩き始めた。

・・・ところまで、僕は側で見聞きしちゃった。


僕が使った術は”隠形”ってやつだ。

パパムイほど気配を断ったり、匂いを紛らわせたり出来ないけど、

認識をさせないという点ではこの気を使った術に一日の長があるなぁ。

最初から気づかれていなければ、視界に入っても匂いがしても気づかれないんだから便利だ。


だけど、探されているならすぐに気づかれる。

認識を合わされると即バレるからね。


まぁ、ブルググとエネルルが仲良く成ってよかった。

なんだか仲良くなりすぎてるかもしれないけどね。


僕は願い下げらしいし、別にどぉってことないさっ。

そもそもスキクなんて趣味じゃないしなぁ。


・・・妬いてなんか居ないやい!


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