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若干総括


今日も良い天気。

エネルル達を迎えに行って、

そんで、平原で夜を明かしたりした日から、

既に一週間位経ってる。


と、言っても特に変わった事もなく集落へと着き、

そいでもって、気絶組を点穴を押して、起こし、

体調が優れない者はそのまま看病してと、

色々とやった。


まぁ、大変では有ったけど、

何かトラブルが有ったわけではない。

当初、どうなるかビクビクしていたエネルルの動向も

結局のところ特に問題なくスムーズに事が運んだ。


問題と言えば、ブルググだ。

何をするかわからない為、

現在も言葉を禁じたままである。


あとは、ベネネズの子供のベルルベだけど、

思いの外、スムーズに回復してくれた。


屍鬼と化していた例の8匹だけど、

まだ、これと言って何かをさせてはいない。

牧場の片隅に囲いを作って、そこに放り込んで居る。

餌を出すと、ちゃんと食べるようで、

なんと言うか、意識のないただの動くスキクにしか見えない。

まぁ、だからといって、皆の中に8匹を放つとこれまた問題が起きそうなんで、

前もってこうやった処置を施したと言うだけである。


現在集落の中では、

新規の住民である約100匹に対し、

教育というか学校が行われているわけである。


そうしないとないも今後仕事が手につかないと判断したためであって、

特にバカにしてるわけではない。


それに、理由が有って、

なんと言えばいいか、

鍋や食事の事一つとっても、

順応性が良い連中もいればそうでない連中も居て、

エネルルをはじめとして、総合的に知識が足りない事が浮き彫りに成ったんだ。


まぁ、ウチの集落で生活するなら、

少なくともある程度の知識は持ち得てほしい。

でないとまだコレから取り掛かるであろう、

家造りや金属を作る作業。

他にも砂防と言うかミニョルン対策の方法を説明するにも苦労する為だ。


目下、ミニョルンによる被害及び、

ジン(病気)に対しての予防なんかも逐一説明を始めている。


ミニョルンは結局地形的に今居る僕らの地域が、

雨量野多い上流よりもかなり低い場所にあるのが原因なわけだ、

父ちゃんの話で、聞いたとこあるんだけど、

道路ってのは少しの傾きでも距離が有ればそれは凄い傾きに成ってしまうんだそうだ。


道路っていうのは雨が地面の中へ浸透するような構造アスファルトなんだそうだけど、

それでも処理しきれない水分はやはり表面へと漏れる。

そうなると道の真ん中に水たまりができれば、自ずと足を取られたりすることに成るらしい。

正直良くわからない専門な話をされたので、僕の頭には入っていない。

だけど、要は、僅かな傾きを利用して水を水路へ導いて、

最終的に川へ戻せば良いんだそうだ。


余り自身がないけど、

こういう事はウウダギが得意なので、ある程度説明したら間に合うだろう。


話が随分それたけど、

今の所目立って騒ぎが起きていない。

さっきも言ったけど、当初の懸念がなかった事も重要だったけど、

連れてこられた気絶組の連中が思いの外話を聞く体勢だったのが評価を高める。


まぁ、到着後、すぐに

ギュギュパニが来て、

更に起きた連中一匹一匹に挨拶したのが良かったんだろう。

元々オルガの配下だった連中だし、

この中でオルガ派ではなかったのがエネルルとブルググの二匹のみらしい。

つまりその二匹のみしっかり見はればいいということだ。


まぁ、エネルルは既にギギリカやシシブブとよくつるんでくっちゃべってる光景が目に着くけどね。


ブルググは言葉を禁じているため、

これと言ってコミュニケーションを取れず、孤立状態にある。

まぁ、食べ物には困らないし、言われたことは素直に従っているので、

そろそろ禁を解いてやろうかと思っているのだけど・・・。


エネルルから色々と、ヴァレヴァレでの話しを聞いた。

まぁ、どうやらヴァレヴァレの族長は随分特殊な個体らしく、

ウチの族長も言ってたけど、どうやら発生の元が不明なヤツらしい。


発生が不明というのもどういうのかわからないけど、

結局、過去のヴァレヴァレが発生した時期というのが、

侵略者がこの大陸に来て、しばらくの後に出たらしい。


そのため、当初は侵略者の一部がスキクやザウスと共闘、

あるいは、協力した状態での発生なのではないかと疑われ、

生まれ変わるたびに、不遇な一生を終えてきたらしい。


でも、今の時代は、そんな事を気にしている連中はそもそも居ない。

居るとしても族長連中のみが侵略者がどうのとこじらせているだけだしなぁ。


ただ、僕が思うにヴァレヴァレの族長のヴァレヴァレは恐らく、

話の流からと、その異質な考え方や、行動からみて、

多分、侵略者の中の誰かがこのスキクの転生のシステムに絡まったか、

取り込まれたか・・・どっちにしても被害を受けてしまったヤツだろう。


長い年月それを繰り返せば、恐らく僕とて、

人間だった頃の思い出や色々とが薄れても可笑しくない。

つまり、今のヴァレヴァレの族長は、

昔自分が人間だった頃の事を忘れている可能性があると見て取れる。


まぁ、魂魄というかヴァンの姿を見れば・・・。

それも見れればだけど、きっとその謎の答えがわかりそうだ。

でも、余計な事に首を突っ込まなくてもいいだろう。


エネルルが言うには、

随分と小難しい事を話すスキクだそうだ。

あと、呪術が使えるとも言っていた。


ただ、エネルル自身はその呪術を見たことがないらしい。


ただ、先日のブルググの行動や言動からみて、

呪術を知っていることからヴァレヴァレの誰かかと思ってたけど、

族長自身がそうだったというのもまぁ、なんだかなぁ?

とか思うんだ。


だってさ?

精霊さんはこの辺り一帯をずーっと練り歩いてたり、

それは何千年も漂ってるのだから知ってても可笑しくないだろう?

でも知らない様子だったわけだ。


何か引っかかるよね?

僕より先に生を受けたヴァレヴァレの族長であり呪術者が、

精霊さんの目に止まらないはずがないわけだ。


ちょっと考える事が多くてめんどくさそうだ。

まぁ、僕は余り関わらないようにしよう。


争いを好んでいるわけでもなければ、

喜んで被害をもらう気もない。


触らぬ神に祟りなし。



さて、損んあ内輪の事情は置いといて、

エネルル達がどんな生活を送ってきたかについても話を聞いた。


端的に言えば、

以前のこの集落と対して変わらない。

更にこの集落と違い”使命”と言うか”役割”というのが決められていたらしい。

ソレが戦なのだそうだ。


まぁ、ヴァレヴァレの連中は上から下まで、二言目には”戦”とか言い始めたり、

結構血の気が多かったりと、まぁ困ることも多いけど、

結局こんな時代で、しかもこんな見放されている状況の僕ら、

第一プンタの流の連中は、実質自由なんじゃないかと思ってるんだ。


実際はまだ地下深くであろうアノ場所で、

まだ生きてるか死んでるかわからない状態にある第一プンタには、

一度、謁見はしたわけだけど・・・。


第一のプンタって思いの外、それ程、取り決めにうるさいヤツではなかったよなぁ・・・。


むしろ、僕が会った時のプンタは自分の支配下に有るスキクの事を、

親身に考えていた気がしないでもない。

まぁ、憶測だからなんとも言えないけど、

少なくとも僕は自由にやってもいいらしいので、

ここで自由にやっていくつもりだ。


あえてエネルルたちにそんな事を言っても良い事はないので、

言わないけどね。


気絶していた連中は、

結局、誰が面倒を見るのかという話しも出たなぁ。


誰か一匹に押し付けるものではないと、

ウチの族長がエネルルをたしなめたけど、

エネルルはエネルルで、意外に自分の仲間が大事らしく、

ここで生きていけるように成るまで、

何とか指導をつけてくれと族長に食い下がったなぁ。


その度に、僕の方を睨んで来る族長が・・・若干いいきみだと思ったのは言うまでもない。

まぁ、族長にそんな食い下がってもしかたないよ。

実質族長は許可を出したりするだけで、教育はズズナドが担当しているわけだし、

狩りだって、パパムイに教えてもらえばいい。

採取にはンダンダ。

革製品の加工とかはパレンケ。

石の道具にはギュギュパニ。

木材についてはベベビド。

飼育や動物の事はシシブブ。

漁はイイオオ。

料理はギギリカ。

音楽や踊りはパチャクケチャク。

紐とか繊維とかそこら編はウウダギ。

採掘は、ギュギュパニ筆頭にバルバルやベネネズだ。

他にも色々と専門ではなくともその日その日で仕事を掛け持ったりしてる連中も居る。

今の時期建設周りで、忙しいのはヒュルル達だ。

ヒュルル達は同時に石炭からコークスと作ったり、

木材から炭を作ったり、それに石灰の精製までやってる。

実に皆が皆、器用にこの集落に溶け込んでる。


・・・こう考えると、

僕、何もして無くないか?

あれ?僕約立たずじゃないか?

大丈夫かな?


・・・ダメな気がしてならない。

どうしよう。


・・・余り深く考えないようにしよう。

ドツボに嵌りそうだ。


さて、エネルル達が合流下後にすぐに代表者とされる連中で、

そんな話し合いが持たれたわけだけど、

特にウチの集落が変わることもなく、

一週間経つ現在に至るまでこれと言って問題も起きていない。


実に順調だ。

既に教育を終わった連中が採掘場へと駆り出されたり、

ベベビドの弟子として、まぁ、弟子っていう制度はないので、

子供という扱いに成るけど、師事を受けているわけだ。


シシブブの元にも何匹かつけられているし、

小さかったケルケオの子供たち8匹が順調に成長しているようで、

日々餌やりやいろんな事にてんてこ舞いに成っているのを見ていたので、

手はいくら有っても足りるとは言え無さそうだけどなぁ。


まぁ、アンキロの子供はどちらもおっとりしているらしく、

ウウダギが近づいてくるとノシノシと寄ってくる様が可愛いと言えば可愛い。

余り表情がわからないのは、ご愛嬌なのかな?

スキクも表情わからないから同じか。


さて、取り留めなくこの一週間が微妙に過ぎている。

僕はと言えば、諍いや争いが無い内に、

さっさと金属の精製を始めたいんだ。


あとは、建築の方だけど、

こっちは主にウウダギに指示を出してもらっている。


ぶっちゃけもうウウダギは大人と言うか大きいスキクより働ける。

肉体的なことではなく頭が良すぎるので、

他の大きなスキクがどうやっても勝てないんだ。

まぁ困ったもんだけど仕方ないね。


そうそう。

ヴァレヴァレから着いてきた子供連中。

元気です。


総勢40匹弱です。

弱っていうか正確には38匹居るんだ。

まぁ、今にも死んじゃいそうな子供がいないのは幸いだな。

ベネネズの子供のベルルベもこの中に入ってる。


親が同伴して此方に着ている連中が大半だ。

だけど、いろんな条件が重なって孤児に成ってしまっている連中も居る。

その数15匹・・・。

その連中を一手に引き受けてるのが・・・ギュギュパニだ。


やっぱりオルガの影響なのだろうか?

それとも、元々の性質なんだろうか?

まぁ、どちらも母性の強い個体なんだろうなぁ。


まぁ、凄い事に、

ギュギュパニの採掘場は子供の遊び場に成ってるんだ。

しかも、既にある程度大きくなっていることも手伝ってか、

採掘の手伝いを始める連中も居る。


と言ってもソレの指導をしているのがデデンゴだ。

なんと言っても立派に育っちゃって、ぶっちゃけパレンケより大きい。

既に普通のスキクを大きく越えた体格なんだ。


大きくなり過ぎじゃないかと心配するレベル。

でも、子供らしさと言うかウウダギによく袖にされる。


言い返せないと言うか、

やはり脳の発達が普通のスキクと変わらないためだろう。

ウウダギだけそう見るとデデンゴの真逆だなぁとおもう。


ウウダギはココ最近特に建築の設計とか、

他にも動く道具の設計もやってるらしくベベビドやギュギュパニからの相談や、

ヒュルル達から来るこうしたいっていう要求なんかも設計に反映したりしている。


横で、うなずいてるだけの僕よりずっと立派。

申し訳ないけどデデンゴじゃウウダギは振り向かないかもなぁ・・・。


少し前にギギリカに言われたんだよなぁ。

どうやらデデンゴはウウダギに気が有るらしいってさぁ。


親としては、立派なデデンゴでも申し分ない気もしないでもない・・・。

何言ってるかわからないけど、まだどちらも子供だ。

余り、色恋に走ってほしくないなぁ。


ヴァレヴァレの子供連中は、

デデンゴの大きさを見て見上げちゃってるわけだ。

まぁ、必然的にガキ大将に成ってしまうデデンゴ。


まぁ、頑張れとしか言えない。

余り天狗に成ると、ウウダギはそっぽ向くぞ。

まぁ、ソレ以前にウウダギはデデンゴに興味がないようだけどね。


そんなこんなでココ最近僕はずーっとぼーっとしたり、

パパムイについてって狩りしたり、

ンダンダと作物作ったり、

オルギュスあたりと炭作ったり・・・。


こう考えると色んな所でヘルプしてるなぁ。

やってんじゃん僕も。

まぁそんな一週間だった。


因みに今、ギュギュパニに声をかけて、

前から始める始めると言っていた製鉄を始めようと思っている。

と言うか既に大きい土製の炉を作り終えてるんだよね。


そろそろ石器時代に終止符を打とうか。


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