就職先とソーセージできたかな?
翌朝、これまた随分と遅く起きてしまった。
ウウダギは一匹で、編み物を小屋の中でやっていた。
ギギリカとパパムイは揃って、魚を獲りに行った直後みたいだ。
僕だけ一匹で、おそようしてしまった。
随分疲れてたのかな?
まぁ、ここ数日色々とあったしね。
さて、今日は粘土でも探そうか。
あれば色々と出来そうだ。
一番必要なのは鍋だな。
確か祖父が陶芸にこってた時は、自分で粘土を取ってきていたはず。
たしかぁ、崖の地層から粘土層を見つけて、取ってきていたんだっけか。
崖なんて有るんだろうか?
まぁ、探すしか無いか。
「ウウダギ。ちょっと出かけてくるけどいいかな?」
「うん。ポンピカ。気おつけてね」
およ?
ウウダギが気を使ってくれた。
凄い進歩じゃないか?
「ウウダギ、沢山紐が出来たらつぎはその紐をこうやって組んで見るといい。」
そう言って、僕はウウダギが沢山作った紐を十字の様に並べていく。
互い違いに折り重なった紐が次第に一枚のシートになる。
「どう?」
「わかった。やってみる!」
ウウダギは何やら楽しそうな声を出した。
いままで、こんな風に教えを受けてなかったんだろう。
自分で何かを作れるということはとても為に成るんだな。
「じゃぁ行ってくるね」
「いってらっしゃい」
僕はウウダギに見送られ、船で粘土がありそうな崖を探しに向かった。
そもそも、崖ってのは山とかだよなぁ。
こんな熱帯雨林に山なんて無いよな?
どう探そうかなぁ。
でも、祖父は粘土をそうやって探していたけど、
動画サイトに出てたのは、
なんか其のへんの泥と石を砕いたのを混ぜて粘土を作ってたよな。
ふむぅ。
いっちょ試してみるか。
石灰岩みたいなのがあればラッキーだけど。
そう簡単には見つからないだろうしなぁ。
そもそも、石灰岩がどんな形で採れるとかしらないし。
んー。
山が有れば随分と見つかる物もおおいんだけどな。
この辺は山っていう山は無い。
どれも丘程度だ。
岩はあったり、川は在ったりするんだけど・・・川か。
川ってのは上流が山のはずだ。
だけど、ここから上流まで昇るのには何日かかるかわからない。
やっぱり動画サイトみたいな感じでやるしか無いかな。
試すだけ試そう。
僕は取り敢えず、自分の周りの泥を船に乗せる。
思いの外、重い。
それに、水が多い。
これじゃダメじゃないかな?
少し取ったら小屋周りの土と混ぜて粘度がでるか試そう。
そう思って、すぐに戻る。
ベチャベチャの泥を大きい葉で作った包に入れて小屋の近くまで運んだ。
「ポンピカ。ソレ何?」
ウウダギが僕を見て、不思議そうに尋ねる。
「これはね、泥だよ」
「?それは知ってる。ソレ何?」
なるほど、何に使うかを知りたいのか。
「この泥を使って、器を作りたいんだ。」
「器。何で?」
「水を沸かしてお湯を大量に作ったりしたいんだよ。」
「ふーん。」
今一、ピンとこないかな?
器が有れば色々出来るんだよ。
僕は、そのままウウダギが見てる前で、泥を小屋の土を混ぜていく。
ある程度、水気が飛んだ。
なんだか、粘り気が在る。
うまく行ったかもしれない。
粘り気の在る土をそのまま歪だけどコップやボウルをつくってみた。
あとは、乾かすだけだ。
乾かすなら、増設した小屋の方に保存しておこう。
さて、思いの外時間が余ったな、ウウダギに勉強とか教えようかな。
「ウウダギ。勉強したい?」
「うん」
ウウダギは、編み物を辞めて僕の所に来る。
ちょこちょこ歩く姿が何時見ても可愛い。
僕はニッコリしてるつもりだけど、表情筋は少ないようで、顔が動かない。
まぁいいけど、でも愛情を表現したいな。
「ポンピカ。なんで笑ってる?」
驚いた。ウウダギには見分けが付くのか。
これはよかった。
「僕はね。ウウダギが可愛いんだ。愛情の表現だよ。」
「可愛い?うん。わかった。」
あれ?
声のトーンが少しあがった気がする。
嬉しいのかな?
数日前のような何かを見極めるような強い目はしなく成った。
随分良い傾向だと思う。
此のままいい子に育って欲しい。
こうして、ウウダギに勉強を教える。
今日は、算数だ。
足し算や引き算、掛け算や割り算を教えた。
この年代のスキクってのは、本当に天才と言える。
一回教えたことは忘れないし次からミスが少なくなるんだ。
凄いとしか言えない。
なぜ、こんなに優秀なのに文化や文明が栄えないのだろう?
ホント不思議で仕方がない。
「ポンピカ?またウウダギだけ勉強か?」
あ、勉強に集中しすぎたか。
「なによ!いつもいつもずるいじゃない!」
「しかたないでしょ?」
「むぅ〜」
「まぁ、俺は勉強きらいだしな」
「パパムイも今日の夜は寝かさないからね!」
「ええ!酷いぜ!」
「はははwまぁ今日も夜は勉強しよう。」
「ポンピカ!俺は勉強より狩りがしたいんだ!なんとかなんないのか?」
「ふむぅ〜。狩りって言ってもなぁ・・・動物の殆どは此の辺りから逃げて行っちゃってるからなぁ」
「そうなんだよなぁ。」
「釣りは狩りに入らないのかな?」
「う〜ん・・・。かろうじて入るかな?」
「かろうじて入るんだ、じゃぁ釣りで良くないか?」
「釣りは、手応えがない。こんなんじゃ狩りと言わないだろ?」
「手応えが欲しいのか?」
「狩りスキクはそういうもんだろ?」
なるほど、道理で、捕りやすい獲物より捕りにくい獲物を追い求めるわけだ。
やりがいとかそういうのが欲しいんだろうな。
「じゃぁ、この辺の魚じゃないやつを探さないとな」
「なるほど・・・そうか!あの夜の魚は手応えがあったな」
「夜の魚は危ないから昼間でも釣れる魚にすればいいでしょ」
「そうなんだけどなぁ〜。何処を探さなきゃいけないのか分からなくてな」
「ソレを探すのも狩りのやり甲斐なんじゃないの?」
「う・・・確かにそうだ。」
「まぁ僕ならもっと効率的に安定安全に釣れる方法を探すけどね。いつもの魚で十分だよ」
「だから、ポンピカは狩りスキクに成れないんだぞ!」
「なろうとは思ってないよ。」
「なんだよ。もったいない」
もったいないってどういう事だろうか?
さっぱりわからないけど、取り敢えず狩りだけを仕事にはしたくない。
むしろ物を作る職人みたいなスキクになりたいんだ。
そっちのが面白そうだからね。
「パパムイ。どんなに誘ってもポンピカは狩りスキクには成れないと思うわよ?」
「どうしてだ?」
ギギリカが割って入ってくる。
「だって、こんなに頭が良くて、狩りも功績も積んでるんですもの。族長にしか成れないわよ」
「あ!確かに!」
えっ?そうなの?
僕、族長候補だったの?
功績あげるとたしかに集落での地位は上がるけど、
ソレが族長になるための物だとはおもわなかった。
そうか、僕は族長になるのか・・・。
「でもギギリカ。今の族長が居なく成ってからだろ?」
「なんで知らないのよ!今の族長が年寄りなの分かってるでしょ?近い内にポンピカは継承の誓いに誘われるはずよ。」
えっ?それも初耳なんだけど?
そうなの?族長は確かに年寄りだから後継者を探してるのかもしれないけど、
なんで僕なんだろう?
功績積みすぎたから?
「ギギリカ。そんなのわからないじゃないか!ソレにポンピカは違うのに成ると俺は思ってるんだ」
「違うのってなによ?」
「そんなの分かるわけ無いだろ!ポンピカは特別なんだ!族長よりも功績が高いだろ?」
「・・・そ、そうだけど・・・でも何に成るっていうのよ」
えっ?それも初耳。
僕って族長より功績積んじゃったの?
「だからわからないって言ってるだろ!」
「なによソレ!あたしの方がわからないわよ!」
あわわ、喧嘩になりそうだ。
止めなきゃ。
「まぁまぁ、二匹共、僕の事で喧嘩しないでよ」
「ポンピカはどう思ってるんだ!?族長か?他の何かか?」
「そうよ!ポンピカはどうなのよ?」
あれ?マズイ、
矛先が僕に来ちゃった。
どうしようか・・・。
「そ、そうだなぁ・・・」
僕が困っていると、ウウダギが意見を言った。
「ポンピカは呪術師になる。」
確定みたいに断言したよ。
ウウダギはなんで、そう思ったのだろうか?
「ウウダギ?どういう事よ?」
「呪術師ってなんだ?」
「ポンピカは族長に呪術師を探せって言った。だから呪術師になる。」
あー。なるほど、ウウダギを迎えに言った時の話しを覚えてたのか。
凄いな、そんな細かい事も覚えるのか。
「ポンピカ?それ本当なの?」
「呪術師ってなんだ?」
約一匹だけ話についていけないのが居るけど仕方ないだろう。
なんせ、自他共に認める。頭の足りないパパムイなんだから。
「族長に呪術師を探してくれって言ったのは本当だよ?学べる点があれば学ぼうかと思っただけだけど。」
「呪術師よ?集落に居れなく成るじゃない!」
「なぁ?呪術師ってなんだよ?俺さっぱりなんだ」
「ちょっと!パパムイ!だまってて!」
「そんなこと言ったって仕方ないだろ!」
「まぁまぁ。二匹共、そう興奮しないでよ。僕はどんな事が有っても僕なんだから、族長だろうが、呪術師だろうが、他の何かだろうが、ずっと僕は僕だよ。」
「・・・たしかにそうだけどさぁ」
「おう!そうだなっ!ポンピカはポンピカだ!」
こういう時パパムイの足りない頭が大活躍だ。
難しいことは全部放り投げて、分かる所で一番いい場所を選ぶからね。
とてもお世話に成ってます。
「ポンピカ。呪術師にならない?」
「わかんない。」
「ふーん」
ウウダギは、何を納得したんだろう?
パパムイには悪いけど、僕もそれほど呪術師ってのがどんなだかわからないけど、
大体がシャーマニズムで、祈祷とか、病気を悪魔とかに例えて退治したりするのが仕事のはずだ。
そうなれば、その知恵を使って、より多くの病気、”ジン”を治せるだろう。
僕は別に医者とかに成りたいわけじゃない。
だけど知識を知恵で形にできれば、ソレを皆が共有出来るなら
小さいスキクもそうだけど、多くのリザードマンの役に立つんじゃないかな?
そんな事を思って呪術師に知恵を授かりたいだけなんだ。
前世の記憶からすれば、魔法の様な物ていうのは、まやかしであると決まっていた。
だから、多分僕は、呪術師の呪術を学んでも使えないだろう。
原理がどうのとかどうしてこうなったかとかそんな事を考えてしまうからだ。
そうだな、僕がやりたいのはやっぱり物作りなんだ。
今みたいにこの集落に無い物をドンドン作っては皆がソレを学んで、
僕がいなくてもソレを作り出せるように成れば、本当に嬉しいと思うんだ。
まぁ、僕の事はいい。
ソレより、ウウダギがちゃんとしたスキクに成る事の方が重要かもしれない。
先日まで僕はウウダギの事を全然知らなかった。
でも、出会っちゃったんだ。
そして、僕の心の中にウウダギは大切っていう気持ちが芽生えてしまった。
手放せないだろ。
だって、可愛いんだもん。
「ポンピカ。ソレより、何してたんだ?勉強だけか?」
「ああ、そうか、器を作ろうと思ってね。」
「器?木を切ってたのか?雨季に?どうやって?」
「いや、木の器じゃないぞ。」
「ん?木じゃないのか?石か?」
「石でもないよ」
「んん?木でも石でもないのか・・・葉っぱか?」
「それは木も同然だろ?」
「じゃぁなんなんだよ?俺は頭が悪い、だから謎掛けはよしてくれ」
「ああ、そうだった。えっと泥だよ。」
「んんん?泥?泥ってアノ?泥?」
「そう泥。」
「おいおい。ポンピカ。流石に変なスキクだからって、泥で器を作るなんて聞いたこと無いぞ?」
「ポンピカ?泥で、どうやって作るのよ?」
「泥だけじゃないんだけど、泥があるといいんだよ。」
「パパムイほど、頭が足りないわけじゃないけど、あたしでもわからないわ・・・ウウダギは分かるの?」
「うん。みてた。」
「どうやったの?」
「これ」
ギギリカにウウダギは、粘土の残骸を見せる。
既に、表面が乾燥して、カチカチになっているのが分かる。
どうやら、この粘土は成功かもしれない。
「泥じゃないよ?」
「これ、泥、混ぜた」
「泥を混ぜたのね?何を混ぜたの?」
「土」
「土と泥?・・・そんなの土じゃない・・・わかんないわ」
「あそこに在る。」
またしてもウウダギが、増設した小屋を指差す。
「小屋になにか在るの?」
「泥の器」
「なるほど・・・ウウダギありがとう。」
「うん」
ウウダギはどうやらこのメンバーなら発言を自主的にすることが出来るらしい。
よい傾向だ。その調子で頑張って欲しい。
ギギリカは、増設した小屋へと歩いて行く。
しばらくして、戻ってきた。
「ポンピカ?器があったわ」
「うん。作った」
「カチカチの土の器よ?何に使うの?」
「あれを、最後は焼くんだ。」
「焼く?土を?」
「そう、泥と土を混ぜると粘り気がでて、形を作りやすく成るんだ。それで、器とか作ったら、それを焼くんだよ。そうすることで、硬い器になるんだ。」
「へー。焼くとそんなことに成るのね?それもアノ知識なの?」
「そうだよ。」
「凄いわねぇ。」
「おいおい、ギギリカ、どういう事だ?土だったんだろ?」
「うん。でもポンピカは土を焼くと固くなるって言ってる。」
「固く成る・・・へー。凄いな!」
たぶんパパムイは分かってない。
それは、パパムイが細かい事を放り出すからだ。
「なぁ?ポンピカ。なんで今はあそこに置いてるんだ?」
「乾かしてるんだ。」
「そうか。あの小屋は乾くから作ったのか」
「そうだよ。乾くのは色々使えるんだ。」
「ポンピカそう言えば、さっき見た時、魚がすごく小さく成ってたよ。」
「お!そうか?一回見に行こうか」
「ポンピカ、見たい。」
「ウウダギも見たいのか?」
「うん」
「じゃぁ、皆で見よう」
そういって、乾燥専門小屋に足を向けた。
まだ、日は夕方にも成っていない。
まだ何かできる時間帯だけど・・・何をしようかな?
先の事を考えると炭は必要なんだ。
だけど、乾いた木材が必要なんだ。
確か祖父は陶芸の窯で、炭も作ってたな。
何でも、乾いた木を使ったほうが時間が速いんだそうだ、
しかもムラがないらしい。
でも、乾いた木を作るのは時間がかかるって言ってた。
そんな時間をスキクは費やすわけには行かない。
だから、乾いた朽木でもそのうち探そう。
今回、炭を作る時は生木でやらないとな。
理想をいえば竹が有ればいいんだけど・・・。
そんな事を考えている間に、小屋へついた。
扉を開けると、心なしかヒンヤリとしていて、乾燥している。
とても居心地が悪い。
中には、さっき置いた土器が在る。
もう既に、表面は乾燥していて、色が抜けた様な感じへと変わっていた。
その奥に吊るされた魚とソーセージが在る。
其の後ろにウルグズの皮がドンと飾られている。
魚とソーセージは随分としなびてきている。
ウルグズの皮は若干縮んでしまったようだ。
だけど、どれも腐っては居ない。
魚は生の時に吊るされると、大体僕の胸から下くらいまでのながさが有ったけど。
今は相当小さくなって、半分くらいまで縮まっていた。
恐らく塩がかなり効いたのだろう。
表面に塩が浮いている。
ソーセージはただ干からびただけのような感じだ。
これはどっかで見たことの在るソーセージに似ている。
実はソーセージにも塩を振っておいた。
乾燥させることで、腐敗を防止するのが狙いだ。
でも恐らく何方も芯は生のままだろうからもう少し時間を置かないとダメそうだな。
「すげぇ!魚がちっちゃく成ってやがる!」
「でしょ!凄いよね?なんで、小さく成ったのかな?」
「う〜ん?」
「不思議よね。」
「ポンピカ言ってた。塩で水が無くなる」
「ウウダギ何か覚えてたの?・・・そう言えばそんな事いってたっけ。じゃぁこれは水がなくなったんだね」
「ウウダギ良く覚えてたね。そうだよ。水があると腐るんだ。だから水がなければ腐らないんだ。保存食に成るよ。」
「へー!水が腐らせるのか?」
「そうだね。食べ物の殆どが水で腐るんだ。」
「だから塩なのね?」
「そうだよ。塩のお陰で、必要のない水が外に流れ出すから魚が腐らなくて済むんだ。肉もそうだよ」
「肉もか?じゃぁ、獲物の肉も一度に沢山捕りすぎてもムダに成らなく成るってことか?」
「パパムイにしては飲み込みが速いね。そのとおりだよ。」
「ポンピカ?これは凄いことよ?雨季の前に沢山用意できれば、雨季の間にお肉が食べれるってことよね?」
「ギギリカは賢いね。そういう事だよ。だから、この方法を集落に流行らせたいんだ。」
「いいわね!それ!」
「う〜ん・・・難しくないか?」
「なによパパムイ?」
「いや、塩だらけだろ?此のままじゃ食えない」
「あっ!確かにそうだね・・・ポンピカ・・・」
「大丈夫だよ。食べる前にしっかりと塩抜きをすればね。」
「塩抜き?」
「そうだよ。水に浸して、暫く待つんだ。そしたら水が魚に戻って、洗い流すと、塩も一緒に流れるんだよ。何回か繰り返せば、食べれるようになる。」
「なるほど・・・でも味はどうなんだろ?」
「そうだな。塩っぱすぎて困るのはやだぞ」
「まぁ、味とかは、出来上がったら食べてみて確認すればいいよ。」
「そうね。」
「ポンピカ。塩っぱいのはやだからな?」
「ポンピカ、これ」
ウウダギが指差すのはソーセージだった。
「ウウダギどうしたの?」
「食べる。」
食べたく成っちゃったのか?
まだ完成してないんだけどなぁ。
最低でも後、3日は乾燥させたい。
でもウウダギが食べたいって言ってるし、一匹一つだけでも食べてみるか。
途中経過も見たいしね。
「二匹も食べようか」
「いいのか?」
「完成してるの?」
「完成には後3日から4日必要だけどね。でも成功してるか見るために食べない?」
「いいわね!食べましょう!」
ギギリカの承諾で、食べる事になった。
だけど、その前に塩抜きしなきゃね。
ある程度煮たりしてるからそれほどじゃないと思うんだけど・・・
取り敢えず四匹分のソーセージを切り取って、木の器に張った水に浸す。
突然の食事になってしまったけど、スキクは元々食べたい時に食べる習性だし、仕方ないだろうな。
しかし、最近肉ばかりだ、魚もそうだけど僕はやはり木の実や草なんかの植物が食べたいんだ。
どうしようかな?
「皆、ソーセージは塩抜きするのに少し時間がかかるから、その間に、食べれる植物採ってきていいかな?」
「構わないわよ?」
「いいぞ。俺達はその間に魚を焼いておく。ウウダギも手伝うか?」
「手伝う。」
「わかった。じゃぁ採ってくるよ」
そういって、船に乗り込み、木の実がなっている木を探す。
草は水に浸っちゃってるから大体が採れないだろうし、果物でも見つけておこう。