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謝罪周り一周完了と精霊さん


採掘場から、歩いての帰路。

行きは、ケルケオ車での移動だったからそうでもなかったけど、

やっぱり徒歩だと結構な距離に思える。


ウウダギは途中へばってしまい、

僕の体にしがみついちゃったけど、

それでも以前より体力はついている。


まぁ、デデンゴが採掘場で作業してるようだけど、

もう十分成長してるとは知らなかった。

まぁ、結局顔を合わせなかったんだけどね。


あと、謝罪周りしないといけないのは、シシブブくらいかな?


お姉ちゃん的立ち位置のシシブブに手を出したらしい。

イイオオが激おこだったし、

やっぱりシシブブも怒ってるだろう。


ギュギュパニには冗談まで言われる始末だ。

・・・そう言えば、返り討ちしたって言ってたけど、

やっぱりこの体って中身が変わると、

身体の動きも変わるんだよね?

不思議だよね?


「ポンピカ。シシブブ。牧場」


ウウダギも次はシシブブに会いに行けと言ってる。

もちろん行きますよ。

行きますけど気が重いです。


集落の中を素通りしてそのまま、

牧場の方へとすすむ。


牧場が見えてきた辺りで、

僕にしがみついていたウウダギが地面へ降りて、

さっさと走り出した。


ウウダギは生き物を見るのが好き。

というかペットが好き。


なるほど。

3週間も経てば、アンキロが孵ってるだろう。


アンキロを見に行ったんだと思うなぁ。

まぁ、僕はゆっくり後を追う。


水車も畑も採掘場もとんでもないことに成っていたので、

正直、牧場も拡大してるだろうと思ってたんだけどね。


まだ到着してないけど傍目から見ると、

それ程変化がない様に見える。


森に近い場所へ作ったんだ。

だけど、もし牧場を拡張するなら後ろの森を切り開かないといけない。

でも切り開いた様子はない。


ただ、元々それなりの広さが有ったのと、

少し改築して一回り大きくなっている様子だけで収まっているようだ。


でもその分多分不思議パワーの影響が違う所に出てるはずだなぁ。

そう考えると、もしかしたら先に生まれたケルケオがもう成体までとか・・・?

そうなってなきゃいいけどね。


でも、ここから見た限りでは、

そんな変化はない。

僕の胸より下くらいの大きさのケルケオの影が見える。

それが数匹。


大きい親ケルケオは既に仕事をしてるし、

牧場には居ないだろう。


子供ケルケオの大きさはそれ程異常成長してるようには思えないなぁ。

不思議パワーはここじゃ影響が薄いのかな?


あっ。

ウウダギが柵越しに何処で見つけたかわからない草を与えてる。

地面から柵に寄りかかる感じで、二匹の亀っぽいのがシルエットで見える。

ウウダギから草を貰ってるようだ。


あのシルエットは大きくなれば、アンキロだろうなぁ。

でもその脇からドンドン子供ケルケオが寄ってきて、

アンキロへ与えてる草をツンツンしてるように見える。


ケルケオってあんなに好奇心強かったんだね。

なんかダチョウ感と言うかエミューくらいかな?

大きさから言えば、

動きも似ている気がする。


まぁ、シルエットだからわかりにくいけどね。

それにもう結構良い時間だ。

今日は、ここで終わりかな?


なんとか全部回れましたって程度だなぁ。


ウウダギの元に到着する。

やっぱりアンキロが孵っていたようだ。

二匹のアンキロが、

ウウダギが与える草をシュリシュリと面白い音を立てて食べている。


ウウダギもすごく真剣に餌を与えている。

どうしてそこまで真剣に慣れるのかわからないけど、

まぁ、頑張ってる感は理解できるね。

なんと言うか、ウウダギはお姉さんぶってる感じかな?


かわいらしい。


しばらくウウダギの挙動を観察する。

アンキロが食べている草は乾いた物で、

今すぐそこら編で取ってきたようなものではないのが分かる。

見慣れない草だけど、

なんだろう?


まだ小さいと言ってもアンキロより大きく、

首の位置も高い。

だからだろう、

アンキロが食べている草に対して、

アンキロの頭越しにちょっかいをかけてるんだ。

そのちょっかいを、ウウダギが開いている手でペシペシ振り払ってる。


ケルケオの子供もそれがかまってもらっていると勘違いしているようで、

調子に乗って、ウウダギの頭を口で小突いたり、

いろいろ遊んでいるのが分かる。


なんか微笑ましいよね。


そんなのをしばらく見ていると、

僕の後ろの方から声がかかった。


「ちょっとウウダギ。今は餌の時間じゃないでしょ?ちゃんと守ってくれないとアンキロがそだたないじゃない!」


シシブブだな。

恐る恐る後ろを振り返る。

見ては居ないけど、ウウダギも振り返っただろうなぁ。

なんかそんな音がした。


「シシブブ。や、やぁ・・・元気そうだね」


シシブブが凄い睨んでくる。

ありゃ?これ本当に怒ってないか?


「ポンピカよね?ちゃんとウウダギに餌やりの時間守らせてよ・・・。ただでさえ食べすぎてるんだから・・・」


なるほど。

肥満なのね。


「ウウダギ。餌は沢山上げればいいってものじゃないんだよ。可愛いけどね」

「・・・わかった。アンキロお腹いっぱい。でも食べる。可愛い」


何処が分かってるかがわからないけど、

分かったような感じの答えなのかな?


手に持っていた草を牧場の中に突っ込んで、

ウウダギが立ち上がる。


「シシブブ。あのさ?精霊さんにさ?」

「ああ、ラマナイね。 あたしには別に良いんだけど、動物にちょっかい掛けるのだけはやめさせてよね・・・。ほんと、なんで叩くのかしら・・・全く」


精霊さん?もしかして、叩いたの?

ケルケオかな?アンキロかな?


「・・・厳しく言っとくよ」


「そう?それなら良いわ。それより、どう?かなり成長したでしょ」

「うん。アンキロも孵ったんだね」


「そうよ。親のケルケオが集落の中で動いてるでしょ?もう卵を暖めなく成ったの」

「なるほど。五体満足で孵ったみたいだね」


「そうね。でも最近ケルケオの子供と折り合いがつかないみたいだから、別々に育てるつもりなのよ。でも、アンキロの子供は本当によく食べるの。それはもう一日中食べるからイイオオにも迷惑かけちゃってね。大変よ」


「やっぱり太っちゃってるの?」

「そうね。あたしから見るとまぁ、食べすぎだとは思うんだけどね。 何分あたしはアンキロ育てるの未経験だからわからない事ずくめなの・・・餌やりの機会は守ってもらわないと困るのよ。体調管理もしにくいからね」


なるほど。

確かに動物園の飼育の人はちゃんと食べる量とか計測してるって聞いたこと有るし、

やっぱり、食べさせるだけじゃダメだよね。


「わかったよ。ウウダギ。そういうことだから可愛いからこそ、長く生きてもらえるように決めごとはまもろう?出来る?」

「わかった。僕出来る」


ちゃんと返事できてエライ。

取り敢えず、ウウダギをなでておこう。

可愛いから。


「・・・もう、本当にポンピカなのね・・・相変わらずウウダギに甘いわ」

「そう?でもいいでしょ?こうやってちゃんとしたスキクに育ってきてるんだから」


「・・・そうね。変わり者のポンピカには変わり者のウウダギがお似合いね」

「なんだよ?結構とげの有る言い方だね?」


「そりゃそうでしょ。余り甘やかすと、一匹で生きていけないじゃない」

「そりゃそうだけど、スキクは一匹じゃ生きてないんだし、いいんじゃない?」


「・・・居つなんどきどうなるかわからないのよ?そこら辺は頭に入れておきほうがいいと思うけど?」

「・・・一理ある。だけどウウダギはこのままがいいなぁ。ね?ウウダギもそうでしょ?」


僕の問いにウウダギはキョトンとした顔をしている。

なにか理解出来ていなかったかな?


「だからね?ウウダギはこのまま可愛いウウダギで居てねって事」


そうすると、ウウダギはシシブブに顔を向けて、

ワタワタし始めてる。


なにか引っかかってるのかな?


「ねぇ。ポンピカ・・・。鈍いとそのうち嫌われるわよ?」


はい?なにが鈍いの?

ウウダギは可愛いだろ?

可愛くない?


・・・ほら、見てみろよ。

あのピルピルしてる鼻とか目とか・・・。

ヤバイだろ?破壊力有るよね?


「・・・ウウダギ。ポンピカはこうだから、やっぱりあなたがしっかりしなさい。いいわね?」

「うん。頑張る」


どう頑張るの?

何を?


ちょっと・・・わかりやすく言ってほしいんだけど・・・。


・・・まぁいいかな。

どうやらウウダギは落ち着いたし、

シシブブは呆れてる状態で、僕が謝罪に来たのも分かってるみたいだし、

取り敢えずもう帰ってもいいですか?


なんか女子の会話がわからないんだよ。

ほんとうに・・・困ったなぁ。


「まぁ、いいわ。取り敢えずもうすぐイイオオとンダンダが親を戻しに来るから、集落で食事にしましょう。ウウダギも、ちゃんとアンキロの餌はあげすぎないようにね」

「うん。わかった」


ウウダギが全然違う方向を見てわかった振りをしているのが丸わかりだ。

それを見て、シシブブが大きくため息をついている。


こりゃアレだな。

ウウダギは常習犯だなこれ。


シシブブとのやり取りが済むか済まない位で、

イイオオとンダンダが戻ってくる。


いろいろ聞きたいけど、

もう夕食も近い。

皆で鍋のもとにでも戻ろう。


鍋の所に戻る途中。

シシブブからアンキロとケルケオを分ける話について聞いた。

まぁ、種類が違うんだしそれが良いと思うけどね。


ただ、分けるなら親と子供で分けたほうが良いかもしれないと意見を述べた。

なぜなら体格が違うし食べる餌の種類も違う。

さらに親といれば、それなりの親からの教えというかしつけが始まるかもしれない。


つまり、ストレスの強い飼育下では虐待が起きてしまう可能性があると思うんだ。


ハムスターなんか、子供を食べてしまうことだってあるんだ。

ストレスがどんな事を起こすかなんて分かったもんじゃない。


大きさが違うという事は必然的に力の差が出る。

今まで最下位であったあの雌のケルケオが、

自分が受けた経験をそのまま小さいケルケオに体験させることだってある。


そう、体格差が同じ、

もしくは力が拮抗するならば、

それなりの対処が子供でも出来るだろうけど、

それが出来ないと成ると、

必然的に虐げられる可能性のほうが大きいように思うんだ。


結局、飼育下で生まれたケルケオは、

何処まで言っても野生には返せないだろうし、

だったらそのまま飼育して繁殖、もしくは違う道を考えたほうが良いわけだ。


まぁ、畜産のことはよくわからないけど、

それでも、体格差で分けたほうがバランスは良いように思うんだよねぇ。


哺乳類のように親と子供が密接に繋がるなら考えてもいいけど、

卵性の動物に親子関係が成立するかは微妙な気がしてならない。


スキクだって、結局親が誰だかわからないし、

何より血のつながりは重視しない。


それに、ケルケオはある程度卵を温めれば、

次の瞬間には見向きもしなくなるんだ。

だからかもしれないけど、

親子関係が成立する可能性も低いんじゃないかと思った。


なのでその事をシシブブへと話すと、考えているようで、

確かに親との関わり合いが希薄な点には、

頭を悩ませているようだった。


なので、分けるという方向で纏めると、

3つのエリアに分ける方向で考えたようだ。


鍋のところで、ギギリカから皆が器を貰って、

食事をしている最中もその話をしていた。


イイオオも結構意見を述べるように成っていて、

シシブブの考えを助けるような発言もあるけど、

やはり内容から考えると、

僕の意見のほうが良いという判断を下した。


ンダンダも便乗して話をしていた。

志田テルということから考えると、

作物も生き物だから、

その辺りの視点からも話をしてくれた。


シシブブはンダンダの意見を聞いて、

納得する場合も有ったけど、

どうやら、

植物と動物は根本的に違うんだという結論で落ち着いたようで、

ンダンダの話は半分で聞いている様子だった。


ウウダギはアンキロファーストを譲らなかったけど・・・。

まぁ、それは仕方ないだろう。

その結果、アンキロは別エリアとなったしね。


その結果にはウウダギも大満足とまでは行かないけど、

了承していた。


まぁ、ウウダギはアンキロにこっそり餌をやって可愛がりたいだけだ。

そこはアンキロもウウダギも子供なんだからしかたないとシシブブには言い聞かせたけど、

まぁ、反論の嵐で、僕が結局凹まされることに成った。


まぁ、いろいろ話したけど、

一番変わったのはシシブブじゃないかと思う。

もう完全に母性みたいなのが芽生えているなぁと思うほどだ。

物凄く、お母さんしてるんだもん。ビックリしたよ。


お姉さんからお母さんにクラスチェンジした感じかな?


皆で話し合いをしたのはとてもいい影響が出るかもしれないなぁ。

互いの意見をしっかり論理建てて主張するのは、

皆、それぞれの考えを学べるという点でも重要に思えた。


今後もこういう論争チックなことは誰であれやっていきたい気がする。

まぁそれだけで終わらないようにしなきゃいけないけどね。


食事も終わって、話は続いてた。

まとまったときには結構良い時間に成っていたので、

早々に就寝へと動き出したんだ。


っていうかウウダギがうつらうつら始めちゃったからね。

仕方ないんだけどね。


ウウダギを抱っこして、自分のハンモックへと戻る。

ウウダギはしがみついてるけど、もう寝ちゃってるようで、

木を登る時の振動でも起きなかった。


まぁ、いつものことだけどね。


僕は夜空の星を眺めながら、

ウウダギをお腹に起き、

就寝につく・・・。


と、思いきや、

精霊さんが隣で横になるのが目に入った。


・・・正直勘弁してほしいんだけど・・・。

今日一日でどれだけイベントが有ったと思ってるんだよ。


「・・・」

”ポンピカよ。どうじゃった?”


どの口が言うんだろう。

それにしても話しかけてほしくない。

なんで寝る時に限ってちょっかい掛けるんだろうか?


”ぬ?聞いておるのか?”


聞いてるけど答えません。

この3週間どんだけ迷惑かけてたのか分かってないだろ。


”ふむ。その様子だと、ワシの偉業に驚いておるようじゃな!”


・・・っもーやだー。


”いやー。本当に疲れたのだ。生きてる物の身体を使うというのがこれほど削られるとはおもあぬのでな・・・。本当に難儀したのじゃ。少しは褒めても良いぞ?”


褒めるところが見つかりません。

いや、やったことと言うかここまで、

いろいろな事してるようだったけど、

良い事をした後、すぐに悪い事をして、

結局帳尻が有ってしまったために、

どちらとも言えないという最悪の始末だ。


まぁ、当の精霊さんは、結局良い部分だけが頭に残ってるようで・・・。

それが一番始末に負えない。


どう切り出そうかなぁ?


”どうした?今日は元気がないようじゃな?便秘か?”


なんで便秘の話に成った?


”便秘は恐ろしいのう。お前の身体はなんと言うか消化が悪い。いや、消化が良すぎるのか?どちらにしても排泄に時間がかかる。少しは自分の身体をいたわっても良いと思うぞ?”


・・・それ、精霊さんが大量に悔いまくって、腹に溜まっただけじゃね?

ってか、どんだけ僕の身体を酷使したんだ?

一回成仏させるしかないかなぁ?


”ふむ、聞いているようじゃな。まぁ良い”


良くない。


”話しは変わるが、もう2日ほどの距離まで、ヴァレヴァレが来ておるぞ。なんぞ、この集落に迎え入れると聞いておるが・・・結構な数じゃ。大丈夫なのか?”


その話はもっと聞きたい。

聞きたいけど、多分大丈夫じゃない。


・・・仕方ない。

受け答えしてやるか。


「はぁ〜。取り敢えず、いろいろいいたいことはあるんだけど、まぁ置いておこう。先に聞きたいのは、ヴァレヴァレの詳しい数と、武装しているかどうかとか不審な点がないかどうかを聞きたい」


”なんじゃ。そんなことか? ・・・どうせなら自身の目で見てくればいいじゃろう。そんなに距離は遠くない”


・・・また身体から抜けるって話?

それはぁ・・・どうだろう?


その間にまた精霊さんが入っってきたら困るしなぁ。


でも、情報は前もって取得しておきたい。

さて、どうすべきかなぁ。


”何を悩んでおる?”


なんだろう?どうしてニヤついてるんだろう・・・。

これ絶対また僕の身体使うっていうフラグだよね?

そうはさせないからね?


別に目だけ飛ばせばいいんだ。

何回もやってる。

出来なくないんだからやるかなぁ。


「精霊さん。しばらく目だけは狭間にやるけど、イタズラしないでね。僕の身体に入ろうとしたら成仏してもらうから。そのつもりでね」


”ジョウブツ?なんだそれは?ワシがお前の身体をどう使おうが自由じゃろう?”


何いってんだコイツ?


「なんで僕の身体を精霊さんが自由に使っていいことに成ってるの?」

”ん?なぜとはなんじゃ?お前はワシの弟子であろう?”


・・・ボケたか?


「まぁ、はじめは僕が弟子をしたけど、仙術の話しでは僕のでしが精霊さんだよね?」

”・・・そ、そーじゃったかのうぅ・・・はて歳はとりたくないのう・・・”


ダメダコイツ。

多分僕の身体使ったことで、癖に成ってるんじゃないか?

中毒とか?

生者寄生中毒と命名しよう。


「・・・取り敢えず生きてる者に入るのはやめたほうがいいかなぁ?きっとしっぺ返しが来るよ」

”ふむぅ・・・。何千年ぶりに生きたのだぞ?とてつもない幸福感がのう・・・どうにかならぬか?”


ちょっ・・・。

イタズラしまくったよね?

それの後始末をつけてる最中だよね?

それがやりたいとか・・・迷惑って知ってるのか?


・・・何千年かぁ。

それなら素直に転生したほうが良くないか?


「ねぇ。どうせ生きたいならその特権とか行使して、スキクに生まれ直したら?」

”ふむ。それも良いかもしれぬなぁ。じゃが、ワシを受け入れることが出来るほどの器は早々生まれぬからのう・・・”


そうかぁ。

誰でもいいわけじゃないのはなんとなく分かるけど・・・。

多分スキクの中で精霊さんの気を保持できるのは、僕だけだなぁ。


それも有って転生しないのかもしれない。

いや出来ないから何千年も漂ってるんだろうか?


困ったなぁ。


「でも、僕の身体はもう使わないでほしいなぁ。緊急の時以外はどうしてもイヤなんだよね」

”ふむ。緊急ならば良いのか?”


・・・嫌だけど・・・仕方ないよね?

嫌だけど・・・。


だって、クウォンの時みたいに気を失ってる所で不測の事態が起これば、

どうしても逃げるなどしないといけないだろう?

それが出来るならめっけもんなわけだけど、

だからといって、迷惑を掛けるのも違うしなぁ。


「緊急時だけね?僕の役に立ってくれるなら、僕がピンチで気を失ったて、気づくまで使ってていいとは思うけど」

”ほう”


・・・寝てる時とか襲ってきそうだ。


「寝てる時襲ってこないでね?やっちゃうからね?」

チッ ”・・・わ、分かっておる。そう殺気立つでない!ワシとて分別はあるのじゃ”


・・・いま小声で「チッ」って言ったよね?

やろうと思ったね?

許さなからね?


まぁいいか。

取り敢えず約束は取り付けたことにしよう。


「じゃぁ、ヴァレヴァレの動向を探ってくれない?2日位の距離なんでしょ?」

”うむ。だが、集団で動いておるようじゃしな、この集落につくまでにかかる時間は読めぬな”


・・・迎えに行った方がいいかな?

それなら先手をうてるよね?

ついてからなにかされるのも、溜まったもんじゃないしね。


「精霊さんなら僕との距離は一瞬だよね?じゃぁ、お願いできない?そうすればさっき言ったヤツ。緊急時は僕の身体を使ってもいいっていう話を快く了承しようかな」

”ふむ・・・。それで良い”


まぁ、納得してくれたみたいだ。

取り敢えず、その近づけている手をどけようか?

完全に寝込み襲う気満々だよね?


「手。 手どけようか?」

”・・・”


「精霊さんさぁ?パパムイに仕返ししたいんでしょ?取り敢えず精霊の状態で現界の物に触れる訓練はどうなったの?」

”・・・やってはおるのじゃがなぁ・・・なんとも上手く行かぬ。ここまで上手く行かぬのは今までにないのじゃがのう”


精霊さんでも苦戦してるのか。

まぁ分からなくない。

僕がやってるのは効率的な方法じゃないし、

多分力技だ。

もっと簡素な方法で出力を抑える事が出来るだろうとは思う。


でもそこは個人の個性と言うかコツは各々で見つけるところだしね。

僕のコツはあくまでも精霊さんにとってのコツとはならないからなぁ。


「あくまでコツは自身で掴むしかないんだよ。頑張ってくれる?」

”そうじゃな。諦めてはいかぬな?”


「何千年も精霊さんは居るんだ。だったら3週間位で音を上げることなんてないさ」

”そうじゃな。少し焦っていたのかもしれぬ。気を長く持つとしよう”


なんとか説得できた気がする。

取り敢えず僕は寝ます。


どっか行ってくれないかな?


「早速だけど、合流予定のヴァレヴァレの様子見てきてくれない?僕は寝るから」

”・・・年寄り使いが荒いのう”


「年寄りって言っても、もう精霊だよね?歳関係なくない?いいじゃん。夜寝なくていいんだから」

”まぁ、そうなんじゃがのう・・・ウウダギを見ていたいのじゃ”


・・・そうだった。

精霊さんってウウダギが孫に見えちゃってたんだっけ・・・。


「ほらウウダギも、もう寝ちゃってるんだしさっさと行ってきなよ」

”そうじゃな。わかった。行ってこようかのう”


なんか、ノロノロと立ち上がり、

後ろをチロチロと見てはため息をついて、

サッと消えた。


取り敢えず安眠確保です。

おやすみなさい。


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