水力と施設
ウウダギと二匹で水車の場所へとたどり着く。
水車だけど、
前作った川に橋かけてるやつ。
あの場所じゃなかったみたい。
もう少し上流に有る滝の近くに今まで見たこともないほど精巧に作られた水車が建ってる。
最初、橋の水車小屋へ向かってたんだけど、
途中からウウダギに「そっちじゃない。こっち」って言われたので、
若干「何言ってんだろう?」と思ったけど、
まぁ、ウウダギの方が分かってて当たり前だ。
さっきもギギリカに聞いたけど、
集落の殆どの建物の設計はウウダギがしているみたいなんだ。
正直ビックリしたけど、
まぁ、頭を使う仕事ならばウウダギは優秀だからね。
そして例にもれず、目の前の水車もウウダギ設計なんだろう。
石と木で出来たギアも見える。
ギア比を考えて、力を性格に伝達する様に考えられているようだし、
ウウダギが監修すると成れば妥協しないわけだから、
きっと、ベベビドも頭を抱えただろうとおもう。
きっと寸分違わず作れって言われたに違いない。
まぁ、言われてできるベベビドも凄いけど、
年長に物怖じせず物を言ってのけるウウダギもウウダギなわけだしね。
まぁ、それにしても凄いわコレ。
僕が何か言えるようなところがありません。
そんでもってその水車から来る動力が引き込まれている小屋・・・。
小屋って言えない。
完全に外観が発電所風な建築だよ?
石灰が役に立ったかな?
既に石灰を使った、セメントやコンクリート、
それに砕石を上手く利用した土台とか色々と、
僕がウウダギに言って聞かせたものが実現されてる。
明らかに一世紀は進んでる気がするけどなぁ。
・・・でも建築素材には金属は使ってないはずだ。
目の前の建物は、既に3階建てなわけだけど、
少し滝の横の壁というか崖に寄りかかる形で、
自重を分散しているようだ。
少し、台形なかたちが見受けられる。
ってかさ?
窓は、板張りなんだね。
そこは工夫してもいいかと思うよ。
まぁいいや。
「ウウダギここにベベビド居るの?」
「うん。セイザイしてる」
セイザイ・・・製材だよね?
水車で製材?
何を?どうやって?
まぁいいや。中を見れば分かるだろう。
建物の一階部分はとても天井が高い作りなのだろう。
正面に設けられた扉が左右に二段式の引き戸になってる。
しかもデカイ。
こんくらいデカイなら、
多分、大きな建材も自由に運び出せるんだろう。
つまり、長い木材も切り出してる可能性がある。
・・・え?
そう考えると、ちょっと怖いなぁ。
もしかして、本当に製材所になってるんじゃない?
僕が若干戸惑っているのを見かねたのか、
大きな扉の横に有る普通の大きさの扉へウウダギが向かい、
扉を開ける。
これも引き戸だ。
引き戸の様子を見たら、
なるほどと思った。
扉の下の部分が石で出来ていて、
そこに溝が着いているんだ。
そんでその溝に円柱状の石がはめ込まれていて、
その円柱を支えるように木製のドアが取り付けられている。
ドアが惹かれると同時に、
其の円柱が支えを軸に綺麗に回転した。
つまり滑車だ。
タイヤがあるってわけね。
すごいなー。
そんでもって、
ウウダギが引き戸を開けてこっち見ている。
手招きしてるから急ぎます。
近づいてわかった事がある。
音。
音が凄い。
製材所なんだからそうだろうけど、
水車の力出って、そこまで出来るのか?
よくわからないけど、多分この音は、
丸鋸みたいなノコギリか何かが木を切ったり、
何かが削れる音だろう
石でここまでできるんだぁ・・・。
逆にすごくないか?
これ、金属必要?
まぁいいや。
ウウダギが呼んでるからいくわ。
外からじゃ中が見えない。
外が明るすぎて、暗い中が随分と暗く見えるせいかな?
ウウダギガ先に中へ入る。
僕も大きい音が更に大きくなってるけど、中へ入る。
中は暗いと思ったけどそうでもなかった。
よくある明るいところから少し暗い所へ入ると、
差があるやつだ。
すぐに暗さに慣れる。
すると、辺りの異様な光景にビックリする。
いや、するっていうか、もうなんていうか・・・。
開いた口が塞がらない。
光景はこんな感じだ。
外から伝わるギアが物凄い高回転してるんだ。
そして一番奥にとても大きなギアが設置されていて、
それが、ゆっくりとではあるけどしっかりと回っている。
そして、其の大きなギアから作業をしている箱や何か色々な機械っぽい物に、
動力が十分に行き渡っている様子が見える。
多分、あの一番大きなギアがとても大きなトルクを出しているんだ。
でも、なんで外にある水車一基であんなに高速な回転を生み出してるんだろう?
はて?はなはだ疑問が残る。
「ウウダギ。なんで水車一基であんなに高速に回転してるの?あそこ」
「?ポンピカ。聞こえない!」
・・・そうだね。
うるさいからね。
聞こえないよね。
同じ質問をウウダギの耳元で言ってみた所。
どうやら、滝の上部から水車に行く間に、
いくつもの木製フィンっぽいのが着いているらしく、
まるで水力発電所の様なとんでもない仕組みが出来ているらしい。
正直僕が言った事全部やってるところが怖くてヤダ。
「ウウダギ。この動力作るのも設計はウウダギ?」
「うん」
素っ気なく「うん」だってさー。
もう僕、必要なさそうだなぁ。
でもすごくよく出来てる。
ドアの前でそんな感じで話していると、
奥の方で作業してたであろうベベビドが出てくる。
柱とか大きな機械とかで姿が見えなかった。
「ラマナイ。また来たのか?」
多分そう言ってるはず。
口の開き方とか、雰囲気とかで分かる。
声は完全に聞き取れません。
五月蝿すぎてね。
それに対して、隣のウウダギが力いっぱい否定をしてるご様子。
なんだろう。
ウウダギとベベビドのやり取りが、
今一、噛み合ってなさそうだなぁ。
ボケーッと眺めてしまった。
べベビドが業を煮やしたようで、
近くまで出てきた。
そんで外にでろとでも言う合図をする。
ウウダギもわかったらしい。
僕も素直に外へ出る。
ピシャッと、引き戸を閉めると、
外に音がもれなく成った。
凄い密閉性だけどさ?
中に居ると耳がおかしくならない?
大丈夫かなぁ?
「ウウダギ。今日はどうした?珍しくラマナイ連れてくるなんて」
「セイレイサン。違う。ポンピカ戻った」
それを聞いて、ベベビドの目が向き出るように目を開いてビックリしている。
「本当か?本当にポンピカなのか?」
どう反応すればいい?
相当やらかしてるからなぁ。
でも仕事面ではちゃんとしてたしなぁ。
精霊さんは、ここでは迷惑をかけてなければいいなぁ。
「ま、まぁ、今朝方戻りました」
「おおお!そうか!良かったぞ!そうかそうか!」
うんうんと頷き、バンバンと僕の肩を叩く。
意外に力強いなぁ。
でも、ウウダギがとてもうれしそうに報告してるからいいかな。
「そうだ、ラマナイには聞けなかったんだ。このドウリョクってやつ、もっと力を増やせないか?」
突然、無理難題が降りかかるのかぁ。
このパターンは頭になかったなぁ。
ウウダギがすごくキラキラした目で僕の返答を待ってる。
う〜ん。
正直ここまで作るとは思ってないんだよねぇ。
どこからどう言えばいいんだろう。
父ちゃんが確か、
土方でダムとかに派遣された時に、
色々だぞ!とか言ってたの憶えてるんだ。
だから其の視点でしか、
受け答えが出来ないんだよねぇ。
まずは動力がどうなってるのかもう少ししっかり見ないとね。
「ベベビド。正直ここまでの施設を作るとは思ってないんだよ。コレ作った建材や素材って木材と石だろ?後は、石灰とかでコンクリートとか使ったのは見て取れるけどね」
「ふむ・・・。いや、今な?埋め立ての土地に家を建てるだろ?その時に使う柱の数を揃えてる途中なんだ・・・。もう少し効率的な方法はないか?後は、俺みたいなのは、どちらかと言うと、木工の方が性に合ってるんだ。だからな?あまりセイザイには向いてないことがわかったんだ。同じ作業を続けるのはどうも・・・苦手だったようでなぁ・・・」
そう?性に合って無くてコレ出来るのすごくない?
まぁ、動力がほしいって話から人生相談みたいな事されても答えられないんだけどなぁ。
でもここで一匹でやってるんだよね?
それって、既に好き嫌いから逸脱してる気がするよ?
ダメかな?続けてもらっちゃぁ・・・。
「う〜ん。製材は今、ベベビドだけがやってるんだよね?」
「ん?違うぞ。このドウリョクってやつは色々と使えるのがわかったからなぁ・・・。最近じゃ、ベネネズがここに来て石を加工したりしてるぞ」
それ製材じゃないよ?
いや・・・製材にあたるのか?
イメージとは違うなぁ。
でも一匹でやってるわけじゃないのか。
「ベネネズは?木材も扱えるように成ってるの?」
「ああ、少しは俺の手伝いをしてくれている」
なるほど、まぁ3週間も経てば、色々あるだろう。
「まぁいいや。ヴァレヴァレがもうすぐ到着するような話しが族長から出たから其の準備もあるんだけど、多分かなりの匹数居るはずだから、後継を見つけて、上手いこと自分の仕事をそっちに振り分ければ良いんじゃないか?」
「・・・なるほど。それいいな。そうか、それで行こう」
「あとは、動力の件だけど、どうしてもっと出力がほしいの?」
「ん?そうだなぁ。元々、もう少し力が欲しかったんだ。だが、木や石では一番はやく力強く回るジクが保たなくてなぁ・・・だから色々と分散して使いたい場所へ補助で力を伝えてるんだ。だけどそれにも限界が有ってなぁ・・・ほしい力が出せないんだ」
なるほど、
この規模でそれをやるには、必ず金属必要だわ。
っていうか動力どうなってるかみせてほしいんだけど・・・。
「一度動力見せてよ」
「おおいいぞ!俺は今一この仕組みを理解してないんだ。ウウダギが考えたやつだからな。ウウダギと一緒にドウリョクシツにいってくれ、俺では流石に彼処の音に耐えられん」
そういって、さっさと製材所に入って行っちゃった。
ウウダギに目をやると、「ドウリョクこっち」って、
僕の手を引いて案内を始める。
まぁ、ベベビドがさっさと持ち場に行ってしまったところから察するに、
ここで精霊さんは迷惑かけてなかったみたいだね。
ウウダギが案内してくれたのは水車と製材所が隣接している場所の後側、
崖を掘り起こして作ったと思われる場所だ。
なんで外の水車の所に案内していないのか?
はて?
「ウウダギ。ここで良いの?」
「うん」
どういうことだろう?
疑問がとても浮かぶんだ。
だってこの部屋に入ってから製材所よりもずっと音がしない。
しかも部屋だけで機械とかない。
ただの四角い部屋だ。
入ってきたドアの反対側にはまたドアがある。
壁にはなんかふたつ折り担ってる布が・・・4枚吊るされてるだけだな。
「本当にここで良いの?」
「うん。ここ、入る」
ウウダギがそう言って、ドアに手をかけてから止まった。
振り返って、ジッと僕を見てから、手を戻して壁に掛けられている布の所まで行く。
「ポンピカ。中うるさい。コレつける」
そう言って、僕の耳の辺りに覆いかぶさるように布を巻いてくれた。
なるほどと思う。
ついでにウウダギも布を巻いた。
「結構布の耳あては、聞こえないものだね?」
「?」
どうやら、かなりの防音効果があるんだろう。
僕の声が聞こえてないみたいだ。
ウウダギは気にもせず、
奥のドアを開けて僕を案内した。
ドアの奥は真っ暗だったけど、
ウウダギが何時も持っている火を起こす道具で壁にある何かに火を灯した。
すると、その火がドンドンと伸びていき大きな機械がある部屋の中を照らし始めた。
なんだかアクション映画とかにある、
遺跡盗掘物とかのやつに似てる仕組みだなぁ。
リアルにこうやられると、逆にビックリだね。
部屋の中は結構大きな空間で、全部掘り起こしたものだろう。
そして、壁は石灰で、塗り固められていて、すごく綺麗だ。
そして、機械だけど、石で出来ている様子。
様子というのも機械の壁が石灰で固められていて、
機械に見えないんだよね。
でも機械って分かる。
だって、振動してたり、
其の建物から製材所に向けて、
真っ直ぐ管みたいなものが通っている。
多分この管が動力を製材所まで伝えてるんだろう。
動力の機械だけど、
壁で中が見えないなぁ。
ウウダギはさっさと先に行ってしまうので、
後を着いていくしかない。
動力の機械は傍から見れば壁にベッタリとへばり付いているような形なんだけど、
どうやって、滝の水からエネルギーを抽出しているのかほんとに謎。
そして、ウウダギは動力の建物の奥へと歩いていってしまう。
耳あてはしてるけど、たしかにこの中はうるさいんだろう。
既に振動と耳あて越しでもハッキリと聞こえる騒音が轟いている。
ウウダギは慣れているのかな?
迷いなく進んでる。
多分、この建物や動力もウウダギが設計したんだろうと思う。
ウウダギの後をついて、奥に行くと石の板が壁に刺さっている形で、階段が続いている。
その階段は部屋の壁に刺さっているんだけど、上の方まで綺麗に並んでいるんだ。
この作り方も教えてほしいなぁ。
なんで石が割れないんだろう?
ウウダギがドンドンと先に行く。
階段を登って、動力機械と同じくらいの高さまで登っていくと、
壁から動力機械まで、縄の橋が通っている。
・・・正直ここだけなんで原始的な作りにしたのかなぁ?
と思ってしまう。
そう言えば、ウウダギに橋とかハシゴの話はしてなかったなぁ・・・。
大きな川とかで生活が圧迫されてないから、橋の事は何も話題に出なかったんだよね。
今度、橋の話をしておこう。
多分考えた中で、この縄橋しか思いつかなかったんだと思う。
ウウダギが縄橋を渡って、ようやく動力機械の天辺へとたどり着いた。
そこで後から来る僕を見つめて待っている。
僕も天辺へと着くと不思議なことが怒ってるのに気づいた。
この動力の建物だけど、天辺のところには音も振動も殆ど届いてないようだ。
不思議。
もし空洞状の建物であれば内部に音や振動が反響して、
天辺であろうとも影響は受けるはずなんだ。
でもこの建物はそれがない。
なんか不思議だなぁ。
たどり着いた僕を見て、ウウダギが耳あてを外して、腰に巻いた。
どうやら、この辺りはとっても良さそうだ。
見習って僕も耳あてを取る。
やはり音がすごく小さい。
ここだけ、うるさくない。
「ウウダギこれもウウダギが作ったの?」
「?僕は作ってない。考えただけ」
ああ、なるほど、
そりゃそうだ。
「そうか。じゃぁ、これから見るんだね?中身」
「うん。でも中身は見れない。全部詰め込んで動かない」
何言ってるかいまいちわからないけど、
どうやらこの建物じたいみっちりと詰まっているんだろう。
「この建物もそうだけどこの部屋は?切り抜いたんでしょ?」
「うん。ギュギュパニ、バルバル、ベネネズが切り抜いた。僕は見てた」
なるほど、監修はしましたよってことね。
それにしてもこの規模を切り抜くって凄いね?
三匹ってところが可笑しいよね?
正直、苦笑っちゃうレベル。
「そうかぁ・・・メンテナンスが難しいってこと?」
「メンテナンス?なおす? ・・・多分、直さない。作る直す」
なるほど、
これはもう手が付けれませんって言ってるね。
直すなら作り直せと?
そう言ってるよね?
「動力はどうやって取ってるの?」
「こう」
そう言って、地面に腰から取り出した細い炭で絵を描いたりし始めた。
製図もない、この文明で、
僕が教えただけの事をここまで綺麗に表現してしまうウウダギが、
恐らく一番の特異点ではないだろうか?
恐ろしいことに、口で言った事や、
わからないからと適当に描いた図とかを、
自分なりに考えちゃって綺麗にまとめちゃうんだ。
いまウウダギが描いた図面。
前世でとーちゃんが水道工事に引っ張り出された時と、
ダム工事の時に見たっていう小型水力発電の動力に酷似してる。
もう金属があって、磁石が有れば、モーター動きそうなレベルだなぁ。
滝から落ちる位置エネルギーをどうやって抽出するかという点が課題だろう。
今この動力はドーナツ状の大きな管が何本も通っていて、その管の中を水が流れる。
更にその流れに逆らうこと無く、半球状のフィンが軸へと力を伝える仕組みになってる。
だから落差があればあるほど、流れもそのままにドンドンと回転、トルクを出せているみたいだ。
結果、複数の動力から成る力を一つにまとめて、大きなギアを動かしている。
しかも高速で、更に余りそうな空白が生じるタイミングには、
カムまで取り付けて動力を逃さないようにしている始末だ。
確かにここまで大きな動きが有れば、製材所のあの回転を実現できるんだろう。
正直眉唾だったんだけどなぁ。
でもなぁ・・・これウウダギ一匹で考えたのかぁ・・・。
すげーなぁ・・・。
なんだろう。
スキクって・・・。
これって、ウウダギ一匹いて、その指示に従うスキクが居れば、
何でも作れちゃうんじゃない?
だって、水車だったら水車だけの動力でいいじゃんって思うよね?
前世の世界だって、水車が出来て、穀物を粉にするとか織物をさせるとかで・・・。
ちょっと待てよ?
織物・・・。
「ウウダギ。ちょっと聞いていい?」
「ん?」
「織物や穀物を粉にするとかには使ってないの?」
「?オリモノ・・・。 やってない。 コクモツ・・・やってない」
ウウダギが下向いてしまった。
なんだかしょんぼりしてる。
やってなかったのが、悪いことじゃないよ。
むしろここまでの動力を作り出したんだ。
ぶっちゃけ脅威のレベルだよ。
誇っていい。
「ウウダギ。責めてるとかじゃないんだ。 この動力は実に凄い。 僕一匹じゃ発想も出来ない所もあるし、何より実現には至らないよ。 これを作り上げた皆もそうだけどそれを書き上げたウウダギは僕の誇りだよ。 よくやってくれたね。嬉しいよ」
そこまで言うとウウダギが顔をあげて、凄い喜んだ顔をする。
そんで僕に抱きついてくる。
可愛言ったりゃありゃしない。
3週間でこんなの作れるのは、
プンタの加護とも言える不思議パワーのなせる技が大きく影響してるのは分かる。
それでも一匹一匹が努力して、しかも成果としてここまで漕ぎ着けるってのは、
やはりスキクは優秀だと思うよ。
もしこれが人間だと、多分途中で仲違いするだろう。
まぁ、嫉妬もそうだし、欲も出るだろうしね。
何より言うことを聞かない事が大きいだろう。
それに比べると、不満はあるだろうけど、
ストレスに感じないでそのまま動いちゃうスキクは、
旧き者が考えていた労働力ってところにはピッタリなのかもしれないなぁ。
旧き者が危惧するのもわかるよ。
こんなスペックの生き物が知的で、
更に動きがとんでもないんじゃ、
あっという間に自分の場所を横取りされかねない。
「ポンピカ。オリモノ動く。教えて」
ウウダギからおねだりされちゃったよ!
嬉しいから今日寝る前に教えちゃおっと。
まぁ、この水動力発生施設兼製材所は、見て回ったからOK。
でもベベビドが言っていたもっと高回転でとか、
アノ口ぶりで言うと、出力が足りない作業が有ったりするんだろう。
それを改善する方法とか考えないとダメだよね?
でも今以上の物って・・・考えつきそうもないんだけど?
どうしようかなぁ。
製材所を後にして、ウウダギに目をやる。
ニッコリしてる。
幾分歩幅も大きく成ってるし、鼻息も荒い。
何時もスピスピしてるのにフンフン言ってる。
可愛いね。