第二話
ドサっ
痛い、落ちたみたいだ。草の匂いがする。定番の森とかかなぁ
怪我がないか確認しながら起き上がると目の前には木々に囲まれた森が広がっていた。
照りつける日差しが暑い。
そうかぁ俺は異世界にきたのか・・・あ〜テンション上がってきたぁ!!!
「え〜とまずは街目指すかな?異世界はランダムだって言ってたし、この世界が原始人的な文明レベルだったら最悪だなぁ、あっゲーム化とか言ってたしステータス画面とかあるんかな」
えーとあれかステータスオープンとかいえばいいのか?恥ずいな。
「ステータスオープン」
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ステータス
名前:安田善事
種族:人
性別:男
職業:無職
レベル:1
年齢:29
性格:優柔不断
スキルポイント 0
基礎パラメーター
HP:1000/1000
MP:100/100
筋力:120
敏捷:80
器用:60
精神力:90
運:50
EXP:0(次のレベルまで100EXP)
所持品
なし
スキル
BIIT端末 異世界ゲーム化
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空中に半透明のディスプレイが現れた。
これは・・・なんていえばいいんだ、すごく非現実的で現実的なステータスっていうのかな?
スキルはビット式携帯と異世界ゲーム化か。
というかスキルなんだビット式携帯って、
こう目に見えて自分に才能がないとわかるのは精神的にくるものがあるなぁ。
所持品は何もないな、スーツ着てるだけでマシか。
早く街に行くか誰かに会わないと野垂れ死ぬな。
マップとかも開けるか?
「マップオープン」
「・・・・」
開かない。ん〜ステータスしか見れないのか?さすがにビットは回線がないから使えないと思うけど、一応試してみるか。
【BIIT起動】【マップ起動】
あれ?開けた?超能力的な感じで使用できるのかな?
まぁいいか。えーと、おお!!航空写真も見れるな。
現在地周辺はやっぱり一面森か。
北のほうに平原があり、その先に建物みたいなものがある。
よかった文明は一応あるのか。
とりあえず北目指すか。その前になんか武器が欲しいな。
ゲーム化されてるってことはやっぱりモンスターとかいそうだし、
それでなくてもクマとか普通の肉食動物に遭遇しただけでも死にかねない。
その辺の太い木の枝でいいか。よしっ!いくか。
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数十分歩いてるが、そろそろ森を抜けて平原に出る頃なんだが、
しかし異世界ゲーム化かよくわからん能力だ。
ステータス以外いまのところ実感がわかない。
モンスターとエンカウントもしないし、RPGとかアクションとかジャンルが決まってないのか?
おっ平原が見えてきた。ガサッ
ん?なんかいるのか?まさかモンスターか?
やばいぞ戦闘なんて現代社会でやっとことあるわけないし、格闘技も習ったことないから絶対テンパるぞ。なんだ何がいる?
その時草むらから何かが出てきた。それは・・・でかいネズミ?
ネズミかぁネズミって強いっけ?ネズミ?ネズミにしか見えん。ネズミネズミちょっとゲシュタルト崩壊してきた。
待て待て、たかがネズミだ何をテンパる。別に攻撃してくるわけでも・・
「ヂュゥゥゥ!!!」
突っ込んできた!攻撃するのか!?
「おいマジか凶暴すぎるネズミだな!?」
しかし、所詮ネズミだろ?このさっき拾った伝説の木の棒で叩きのしてやる!
あっでも潰したらグロくなりそうだな。どうしよう。
そうこうしているうちにネズミは跳躍し、尖った前歯で左肩を攻撃してきた。
痛い!!マジかゲーム化してると思って舐めてた!
左肩が切り裂かれそこから鮮血が溢れてくる。
こんな血の量生きてきた中で見たことないぞ!?
大丈夫か、破傷風になったりしないか?
いや待て落ち着け!!
またネズミは攻撃しようとしてきてるぞ!?
「ヂュゥゥゥ!!!」
「ドブネズミがぁ!?」
今度はネズミの跳躍に合わして木の枝をネズミの顔面に叩き込んだ。
「ヂュウ!?」
ネズミは地面に落ち悲鳴をあげた。
追撃して殺す!!!殺さなきゃ殺される!!
ひたすらに力任せでネズミの体を叩きまくった。
「ガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッガシュッ」
十数発叩いたところでネズミが動かなくなっているのに気づき俺はその場でへたり込んだ。
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁぁぁぁぁ、死ぬかと思った・・・・ツっ!?」
左肩が痛み始めた。戦闘中はアドレナリンが出て痛みがなかったのか?
傷口をどうにかしないと出血多量で死ぬぞ。
俺は服を脱ぎ捨てシャツを切り裂き傷口を縛った。
しばらく経ったあと血が止まり始めた。
ちょっと休もう。しかし初めての戦闘にしちゃあハードだったなぁ。
こんな調子でこの世界で生きていけるのか?