自分の説明とかめんどくさい
窓を開けて外を見る。
あの人は騎士、あれは魔術師、あっちは錬金術師かな。
いつかどこかの世界で見た光景と似ている。
空にはドラゴン的な何かが飛んでいた。
「はいはい、またファンタジーね」
ぐーっと伸びをして、またベットに寝っ転がる。
初めて見るような世界観だったら、まあ、少しぐらいはテンション上がっただろうが、ファンタジー世界など今更珍しくもない。むしろ私の生きた世界の8割はファンタジーだったりする。
それにしても
「めんどくさい」
なぜまた転生。もう条件がわからない。
いい加減にして欲しい。
初めの頃は楽しかった。
見たこともない世界、魔術、幻想の動物。全てが輝いて見えた。
不安もあったけれど、仲間と共に世界を旅して、最後は愛する人と共に眠りについた。
幸せだった。きっと、私はこの人に会うために転生したのだと思える程に。
それなのに、目が覚めたら幼女になっていた。
意味がわからなかった。あの感動を返してほしい。
その世界でもまた旅をして、死んで。
また目が覚めたら幼女になって。
20回を超えたあたりから数えるのをやめた。
はっきり言って、もう飽きた。
チートを楽しんだ時期もあったが、それも遠い昔のこと。
チート性能にも飽きがきた。
仕方なく無い、人間だもの。
慣れてしまえば何事も飽きるのだ。
「まあ、冒険とかしなさそうなのが救いかー」
冒険ももう飽きた。魔物も魔族も倒し飽きた。
今回の私は宿屋の娘(5歳)だ。だらだらと暮らせそうなポジションだしそこは良しとしよう。
そう思いながら早速布団に潜り込む。
仕方ない、幼女はすぐに眠くなってしまうのです。
(冒険も何もしませんー、のんびりぐだぐだライフを過ごしてやるのです...)