挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

9/58

第八話 逃走

 魔族たちに逃走用の装備を渡した後、俺は隠密用の兜をかぶって姿を消した。
 その際、魔族たちに作成したよりも少し上質の防具を自分用にも作っておく。後を追いかけるにあたって、俺にもそれなりの装備が必要だろう。

 ここからはあまり魔族たちに関与するつもりはない。準備は整えてやったのである……しっかりと勇者パーティーをかい潜ってもらいたいものだ。

「行くよ、みんな。真っすぐに突き進もう。敵が見えたら即座に攻撃を放つけど、この装備ならみんながダメージを受けることはないだろう。足を止めずに、走り続けよう」

 そんな魔王の言葉を合図に、四人は走り出した。

 装備には『疲労軽減』や『移動速度』と『身体能力』を上げる機能をつけておいた。そのおかげで四人の移動はとても速い。

 思ったよりも早く、勇者パーティーのいる場所に辿り着いた。
 後を追いながら、様子を観察する。

「っ……敵だ!!」

 まだ討伐開始の時間ではない。
 どうせ魔族は追い込まれているし、反撃もないと勇者パーティーは考えていたようだ。

 完璧に油断していた。
 勇者らしき人物が魔族に気付いたらしいが、動きがもたついている。他の面々も同様だ。

 不意を突くことには成功したようだ。
 いい流れである。まともにぶつかって勝てるような相手じゃない。

 逃げるのなら、やり過ごした方がいい

「撃てっ!!」

 態勢を整えようとする勇者パーティーを前に、ここで魔族たちが動いた。

「「「「【火炎放射エミット】!!」」」」

 俺が作成した『火炎』の武器を振り、一斉に炎を放射したのだ。

「退け! 回避しろっ!!」

 膨大な量の火炎は、さしもの勇者パーティーでも簡単に処理できるものではなかったようだ。
 迎撃よりも回避を選び、魔族たちの射線上から退いた。

 さぁ、チャンスだ。

「今のうちに走り抜けろ!!」

 魔王が声を張り上げて、他の三人に指示する。
 一方、彼女自身は火炎を回避するために後退した勇者パーティーに向かって追撃をしかけた。

 他の三人が逃げる時間を稼いでいるのだ。

「ふっ! や!!」

 火炎の力が込められた短刀で、勇者たちに斬りかかる魔王。

「っ……強いぞ!? お前ら、早く支援しろ!!」

 唯一、四人の中で動けている勇者が魔王の攻撃を受けているが、押され気味だった。
 俺の装備で魔王の力はかなり増幅されている。

 もともと戦いの術を持っていたこともあってか、魔王がかなり優勢だった。

「【 火炎爆発エクスプロジオン 】!」

 相手の態勢が整う前に、魔王は押し込む。
 放った爆発は見事に勇者パーティーを襲い、その身を吹き飛ばした。

 そして魔王は、それ以上の深追いはせずに勇者パーティーへ背を向ける。
 よし、それでいい。今はこちらが押せているが、あいつら四人が連携を取り始めたら魔王に勝ち目はないだろう。

 だから、勇者たちが混乱している間に逃げるのは好判断である。

「くそ、逃げられちまった……おいおい、もう姿が見えねぇ! 王様にどやされちまうじゃねぇか、追うぞ!」

 しかし、こいつらも王家から色々と言われているようだ。
 すぐに追いかけようとしている。

 すぐに来られては困るな……仕方ない。
 ちょっとだけ時間を稼いでやるか。




【武具生成スキル・発動】
『形状:ナイフ』
『付与属性:火炎』
『特殊効果1:爆発』
『特殊効果2:使用回数制限の呪い』
『性能1:魔力効率上昇』
『性能2:攻撃力上昇』
『性能3:攻撃力向上』
『性能4:物理ダメージ増加』
『性能5:攻撃範囲拡大』
『性能6:衝撃波増大』




 生成したのは、爆発の能力に特化した使い捨ての武器。
 使用回数に制限をかけることで、その分威力を増すことができる。

 これを勇者たちに向けて振るった。

「【 火炎爆発エクスプロジオン 】」

 爆発するようにナイフに命令を下す。
 そうして生まれたのは――先程、魔族たちが一斉に放った火炎とは比較できないほどの大炎だった。

「――っ!?」

 灼熱の業火と爆風が彼らを襲う。
 これほどの一撃ともなれば、勇者パーティーでも無傷に済むわけがなかった。

「ぐっ……なん、だ。今のは……!」

 膝をついて、ダメージに顔をしかめている。
 この状態なら、魔族の後を追うにしてもあまり大した速度を出すことはできないだろう。

 これで余計な邪魔が入る心配はなくなったようだ。

「……行くか」

 俺は勇者パーティーに背を向けて、魔族たちが逃げた方向に向かって駆け出す。

 距離的に、魔族たちはもう少しでプロエリウム家の待機する場所に到着するはずだ。
 その前に俺は戻っておく必要がある。装備の力を使ってなるべく急ぐことに。

 魔族たちよりも良い性能を付加しているので、彼女たちよりも先に俺はプロエリウム家の陣営に到着した。

 いよいよだ。

 クラウン・プロエリウムとセリス・プロエリウムに復讐する時が、ようやくやって来た。

 ここで奴らを陥れる。
 おめおめ魔族を逃がして、今回のクエストを失敗させる。

 その後、クエスト失敗の処罰を受けるプロエリウム家が、楽しみでしょうがなかった。

 そのためにも、しっかりと魔族たちを逃がしてやろう。
 俺を奴隷にしていたプロエリウム家に、今までのお礼として不幸をくれてやる――
お読みくださりありがとうございます!
よろしければ、評価やブックマークをしていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ