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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第五話 武具生成

「いいのかい? 君は人間だろう? 本当に、ぼくたちを逃がしても構わないのかい?」

 逃がしてやる。その一言に、魔王は俺へと縋りついてきた。
 首元のナイフなんてもう見えていないらしい。こっちを振り向いて、俺の腕を握っている。

 弱々しい力だ……本当はこいつも怖がっていたのだろうか。
 まぁ、そんなことはどうでもいいが。

 大切なのは、復讐のためにこいつらをしっかりと利用することである。

「ああ、逃がしてやる」

「――ありがとう。いつか、この恩は返すよ……心から、君に感謝する」

 俺の言葉に魔王は安堵の表情を見せていた。
 それが少し変に思えた。

「おい、お前は本当に逃げられるかどうか不安じゃないのか? 俺が失敗する可能性もある。いや、普通に考えたら失敗する可能性の方が高いだろう。何せ包囲網には、勇者パーティーがいる」

 魔王の口ぶりは、もう助かっているかのように感じた。
 まだ助かっていないにも関わらず、である。

 だが、彼女は俺の腕を握りながら、ニッコリと微笑んだ。
 何も心配してないと言わんばかりに。

「君の気配をぼくは気付けなかった。そういうアイテムか魔法を持っているのだろう? 魔王であるぼくの目を欺けるということは、つまり勇者パーティーだって気付くことができないさ」

「……そうか」

 言われてみれば、そうかもしれない。
 魔王というからには彼女も相当な実力を持っているようだが、その感知をかいくぐった俺の力が頼りになると判断したようだ。

 なかなか頭が良さそうである。
 確かに今生成したような隠密の兜を作れば、彼女たちは誰にも気づかれることなく逃げられるだろう。

 だが、隠れて逃げるなんて、そんなことをさせるつもりは微塵もないわけで。

「でも、お前らには暴れてもらう予定だ。真正面から力押しで突き進め……そのための武具を、俺が用意してやる」

「……そんなことは無理だと、ぼくは思うけどね」

「いや、できる。俺のスキルを使えばお前らは簡単に逃げられる」

 そう言って俺は、自らの力を見せつけることにした。
 生成する武具は……魔王が腰元に提げているような短刀でいいか。

【武具生成スキル・発動】
『形状:短刀』
『付与属性:火炎』
『特殊効果1:爆発』
『特殊効果2:放射』
『性能1:魔力効率上昇』
『性能2:攻撃力倍化』
『性能3:物理ダメージ増加』
『性能4:攻撃範囲拡大』
『性能5:耐久力上昇』
『性能6:切れ味上昇』

 スキルによって生産したのは、見るからに尋常ではないエネルギーを放つ短刀。
 クラウンやセリスに生産した半端な武具ではなく、俺の力を最大限に発揮した一品だ。

 地下牢に閉じ込められている時、自分の力について色々と実験した。
 おおよその限界やできることは既に把握している。

 どうも俺が持つ『武具生成』スキルは、最大で十の要素を設定できるようだ。
 項目は四つ。『形状』『付与属性】『特殊効果』『性能』を、自在に付けることができる。

 数量については無制限。
 ただ、一度に多数の武具を生成してしまうと疲労してしまうので、注意が必要だ。

 こんな感じで多少は条件があるようだが、それでも俺の『武具生成』スキルは非常に使い勝手が良いだろう。正しく利用すれば、どんなことでもきるはずだ。

 そんな俺のスキルを十全に駆使して生成した武具を魔王に見せつける。

「これ、はっ」

 彼女は目を見張って驚いていた。
 それを無造作に渡す。

「使え。振るえば火炎による攻撃ができる……これで広範囲に攻撃して、包囲網をかく乱しろ。不意を突けるだろうし、上手くいけば勇者パーティーを振り切れる」

 武具の効果について説明してみるが、魔王は呆けて話を聞いていなかった。

「君は……何者なんだい? 有り得ないよ、その力……」

「俺のことはどうでもいいだろ」

「いや、聞かせてくれ。大事なことなんだ」

 否定しても魔王は食い下がってくる。
 このままだと話が進まないので、最低限のことだけ伝えることにした。

「ちっ……強いて言うなら、お前らの敵の敵だ。とあるやつらに復讐がしたい。そのために、お前らを利用することにした……まぁ、協力者だな」

「むぅ……名前とかを知りたいんだけどね」

「いいかげんにしろ。名前なんて知る必要がない。どうせ、この場だけの関係だからな」

「でも、名前が分からないと君に恩が返せないじゃないか」

「恩? 勘違いするなよ……お前らのために助けているわけじゃない。お前らが死ぬのは俺に都合が悪いだけだ。恩返しする必要もないし、俺のことはすぐに忘れろ」

 そう。俺はこいつらを助けたいわけではないのだ。
 ただ、俺を苦しめていたプロエリウム家に復讐がしたいだけである。

 魔族は、そのための道具でしかない。

「そうかい。残念だけど、君がそう言うのならしょうがないね。でも、ぼくはいつだって君に恩を返す。それだけは忘れないでくれよ」

 そう言って魔王はなれなれしく俺の手を握った。

「離せ……お前のことなんてどうでもいい。とにかく今は、お前らを逃がすための準備をさせろ」

 触れる手を乱雑に払って、俺はほかの面々にも目を向ける。
 褐色のメイド服、獣耳、露出狂……こいつらにも何かしら武具を生成しなければ。
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