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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第五十六話 勇者パーティーへの復讐 その九

 勇者はとある回廊に閉じ込めていた。出入口を封鎖して身動きを捕れなくしたのである。

 そのエリアには勇者が暴れた痕跡があった。どうにか脱出を試みていたらしいが、無駄だったのだろう。俺が部屋に来た時の奴は地面に座り込んでいた。

「っ……誰かいるのか」

 こちらの顔は視認できていないようだが、気配は感じ取ったらしい。相変わらず勘が鋭い……隠密用の武具を装備していたのだが、こいつには通用しなかった。

 まぁ、別に俺の存在がばれたところで問題はない。
 顔を上げた勇者に、俺は持っていた物を放り投げた。

 それは、勇者の仲間達――の首である。
 三つを放り投げて、勇者がどんな反応をするのか観察してみた。

「……は? おい、なんだよ、これ」

 流石の勇者でも仲間の首を見て動揺していた。最初は何が起きているか信じられないと言わんばかりにふらついていたが、すぐに動揺は怒りへと変わったようである。

「何者だ! 俺の仲間を……よくも!!」

 剣を抜き放ち、禍々しい殺気を放つ勇者。
 そんな奴の前に、俺は姿を現した。

「俺だよ。覚えてるか?」

 隠密用の装備を脱ぎ捨てて顔を見せつける。

「俺を殺した時以来だな、勇者」

 そうすれば、勇者は驚きの表情を浮かべた。

「てめぇ……生きてたのか!?」

「死んだよ。何回もな……でも、生き返った。お前らを、殺すために」

「よくも……俺の仲間を殺してくれたな!!」

「ああ、土産に喜んでくれたようで何よりだ。首、結構重かったんだぞ? 途中で何度も落としてたいへんだった。血も汚いし、持ってくるのに苦労したよ」

「てめぇ!!」

 僧侶、戦士、魔法使いを侮辱するように言葉を選ぶ。
 勇者は仲間を大切にしている。だからこそこいつは俺の言動は許せない。今も激昂しているようで、殺気が異常なくらいに膨れ上がっていた。

 今にも俺を殺しそうな雰囲気である。

「そうか! てめぇが、俺たちをハメやがったんだな!? 許さねぇ……殺す!! もう一回……いや、何度でも、てめぇを殺してやる!!」

「それはこっちの台詞だ。お前には何度も殺されたからな……同じ目に合わせてやるよ」

「奴隷ごときが、舐めんじゃねぇぞ!!」

 会話もまともにできないくらい勇者は我を失っていた。
 仲間を殺された怒りを剣に込めるかのように握りしめ、俺に斬りかかってきた。

 こいつは強い。
 戦闘経験の少ない俺が正面から打ち合ってもまともに勝てる相手じゃない。

 だから俺は、こいつとは戦わないことにしている。
 俺よりも強い手駒をたくさん用意しているのだから、俺は後方からのんびり見学させてもらうのだ。

「『勇者を、殺せ』」

 このエリアに準備していたAランクスケルトンに向けて、一斉に命令を放つ。
 直後、地面から何百にも及ぶAランクスケルトンが飛び出てきた。

 スケルトンの出現に、勇者は分が悪いと判断したのか足を止める。俺を見て悔しそうに唸っていた。

「っ……卑怯者が!」

「え? なんだって? 卑怯? いいだろ、別に……お前は勇者なんだから、卑怯な手にも屈せずに頑張れ。俺も、お前を殺せるように頑張るから」

 笑顔でそう言い切っておく。勇者は何か言い返そうとしていたが、その前にスケルトンに襲い掛かられたので何も言うことはできなかった。

「クソが!!」

 ただ怒鳴って、Aランクスケルトンを倒すために剣を振るう。
 その姿を、俺は後方からニヤニヤと笑いながら見守った。


【武具生成スキル】
『形状:ヘルム』
『付与属性:なし』
『特殊効果1:望遠』
『特殊効果2:感知』
『性能1:魔法ダメージ軽減』
『性能2:物理ダメージ軽減』
『性能3:防御力上昇』
『性能4:防御力向上』
『性能5:防御力倍加』
『性能6:防御力増加』
『性能7:重量軽減』
『性能8:耐久力上昇』




【武具生成スキル】
『形状:ブレストプレート』
『付与属性:なし』
『特殊効果1:筋力上昇』
『性能1:魔法ダメージ軽減』
『性能2:物理ダメージ軽減』
『性能3:防御力上昇』
『性能4:防御力向上』
『性能5:防御力倍加』
『性能6:防御力増加』
『性能7:重量軽減』
『性能8:耐久力上昇』



【武具生成スキル】
『形状:ガントレット』
『付与属性:なし』
『特殊効果1:筋力上昇』
『性能1:魔法ダメージ軽減』
『性能2:物理ダメージ軽減』
『性能3:防御力上昇』
『性能4:防御力向上』
『性能5:防御力倍加』
『性能6:防御力増加』
『性能7:重量軽減』
『性能8:耐久力上昇』




【武具生成スキル】
『形状:レギンス』
『付与属性:なし』
『特殊効果1:筋力上昇』
『性能1:魔法ダメージ軽減』
『性能2:物理ダメージ軽減』
『性能3:防御力上昇』
『性能4:防御力向上』
『性能5:防御力倍加』
『性能6:防御力増加』
『性能7:重量軽減』
『性能8:耐久力上昇』



【武具生成スキル】
『形状:レギンス』
『付与属性:なし』
『特殊効果1:筋力上昇』
『性能1:魔法ダメージ軽減』
『性能2:物理ダメージ軽減』
『性能3:防御力上昇』
『性能4:防御力向上』
『性能5:防御力倍加』
『性能6:防御力増加』
『性能7:重量軽減』
『性能8:耐久力上昇』



【武具生成スキル】
『形状:ブーツ』
『付与属性:なし』
『特殊効果1:筋力上昇』
『性能1:魔法ダメージ軽減』
『性能2:物理ダメージ軽減』
『性能3:防御力上昇』
『性能4:防御力向上』
『性能5:防御力倍加』
『性能6:防御力増加』
『性能7:重量軽減』
『性能8:耐久力上昇』


【武具生成スキル】
『形状:剣』
『付与属性:なし』
『特殊効果1:魔法切断』
『特殊効果2:斬撃射出』
『性能1:切れ味特化』
『性能2:物理ダメージ増加』
『性能3:攻撃力上昇』
『性能4:攻撃力向上』
『性能5:攻撃力倍加』
『性能6:攻撃力増加』
『性能7:重量軽減』
『性能8:耐久力上昇』



 スケルトンに装備させているのは、俺が最高と思える装備だ。
 武器である剣はかつて勇者に生成したやつと同じもので、防具は防御力が最高のものである。

 あまり偏った性能は付加していない。何故なら、勇者は弱点などないからだ。
 こいつは強い。だからこそ、正攻法でしか勝てない。

 僧侶、戦士、魔法使いのような弱点がこいつにはないのである。
 故に――数の暴力で、勇者には勝とうと思っていた。

 スケルトンを召喚したレイラにはかなり負担をかけさせたが、出現率の低いAランクスケルトンを何白も用意してもらった。大分時間と手間がかかったが、これだけのAランクスケルトンを相手にすれば流石の勇者も苦戦する。

「くっ……」

 Aランクスケルトンによる波状攻撃に、勇者はとても手こずっていた。あの、圧倒的な実力をもってしても、苦戦しているのが傍目からでも分かる。

「死ね」

 ああ、やっぱりだ。
 表情を歪めている勇者を見ると、異常なくらいの快楽が押し寄せてくる。

 僧侶、戦士、魔法使いの三人とは比べ物にならないほどだ。

 ――楽しい。
 だから、もっと苦しめ。

「死ね、死ね……死ね!!」

 無意識のうちに、叫んでいた。
 死ねと言われて怒りをにじませる勇者が、たまらなかった。

「死なねぇよ……俺は、勇者だ!! 死ぬわけには、いかない!!」

 想像以上に、勇者は奮闘する。
 俺よりも強いAランクスケルトンを、時間こそかかりはしているが少しずつ撃破していった。

 強い。勇者は、本当に強い。
 心も、体も……俺より遥かに上だ。加えて、地位も名声も権力も容姿も、奴は兼ね備えている。

 そんな勇者を、穢したい。
 俺のような元奴隷に、あんな完成された芸術品のような勇者が、壊される――それを想像しただけでも、笑いが止まらなくなった。

「『殺せぇえええええええ!!』」

 俺も興奮しているのだろう。スケルトンに向かって『殺せ』と叫んでいた。
 この命令に応じて、スケルトンの動きはより苛烈なものになってくる。

 スケルトンに感情はない。ただ、命令をこなすことしかスケルトンはやらない。
 たとえ他のスケルトンが壊されようと……攻撃の射線上にスケルトンが居ようとも、関係なくスケルトンたちは勇者に襲い掛かり続ける。

 そんなのが、何百も居るのだ。
 たった一人で、勝てるわけなどない。

「ぐ、がっ……」

 勝負は、一瞬で決着した。
 半分くらいだろうか。それだけの数のスケルトンを壊したところで、勇者の力は枯渇した。

 奮闘したと思う。称賛しても良いくらいに、頑張っただろう。
 だが、勇者は――敗北した。

「『殺せ』!!」

 俺の叫びに呼応して、スケルトンたちが勇者に剣を突き立てる。
 未だ百を超えるスケルトンに串刺しにされた勇者は、もう完全に敗北していた。

「――――っ」

 全身から血を噴き出して、勇者は地面に倒れこむ。
 もう、奴の命はない。

 これで復讐は果たされた――



「まだだ」



 ――とでも、思ったか?

「簡単には死なせない。まだ足りないんだよ……もっと、お前の悲鳴を聞きたいんだよ」

 笑いながら、俺は一つの武具を生成する。


【武具生成スキル・発動】
『形状:ヘルム』
『付与属性:なし』
『特殊効果:蘇生』
『性能:なし』


 それは、死んだ命を生き返らせる武具だ。
 全身に剣が刺さっている状態で、既に絶命したはずの勇者に、これを装備させたらどうなるのだろう?

「【蘇生・発動】」

 答えは『痛みに苦しみながら生き返る』だ。

「っぁああああああああ!?」

 武具の効果通り、勇者は生き返った。
 叫び、剣が突き刺さっているというのに奴はのたうち回る。危ない危ない、まだ動けるとは……流石だな。

「うん。手と足は、切り落としておこう」

「や、やめっ……ぅ!?」

 適当に剣を生成して勇者の手足を切り落とす。

「前にお前がやったことだ。別に俺がやってもいいだろ?」

 手足がなくなれば、さしもの勇者でも何もできなくなるようだ。
 かつての俺と同様、奴はただ痛みにうめく肉人形となる。

「し、ぬ……」

 そして勇者は二度目の死を迎えた。
 まぁ、また生き返ることになるわけだが。

「【蘇生・発動】」

 容赦などない。
 再び生き返らせると、勇者はまた痛みに叫んだ。

「っぁああああああああ!?」

 今度は手も足もないので、のたうちまわることすらできない。
 よしよし、これでいい。ここまですれば、もう勇者には成す術がない。

 あとはたくさん楽しませてもらえばいいだけの話だ。

「あははっ」

 笑いながら、俺は持っていた剣で勇者の心臓を突き刺す。

「――っ」

 即死したが、まだ物足りないのでもちろん蘇生する。

「【蘇生・発動】」

「ぎ、がっ……もう、やめろっ」

「黙れ。死ねよ……もっと、死ねよ!! 何度でもいいから、死んでくれよ!!」

 何度も何度も、殺しては蘇生して殺しては蘇生した。

「あはははははは!!」

 笑い声が止まらなかった。

 今までの鬱憤を晴らすように、勇者が苦しむ姿をじっくりと眺める。
 叫び、死に、生き返り……その繰り返しで、勇者は少しずつおかしくなっていった。

「ぅ……ぁ……」

 泣きながら、勇者は何かを言おうと口を開く。だが、痛みのせいでまともに話すことができないようで、何も言うことなく俺に殺された。

「は? 何言ってんだよ……言いたいことがあるなら、はっきり言えよ!」

 そう言いつつも殺す手は止めず、勇者は何度も何度も言葉を発しようと試みる。
 もう何度死んだか分からなくなったところで、ようやく勇者は言葉を発することに成功したようで。




「こ、ろ……して、くださ、い」




 恥も外聞もなく、ただ死にたいと俺に懇願していた。

「っ――――」

 この時、これ以上の快楽を、俺は味わったことがなかった。

 俺を見下していた人間が、慈悲を乞う姿が……たまらなく、気持ち良かった。

「あはははははははは!!」

 陶酔感が俺を満たす。
 心が、喜びでいっぱいになる。

 この時を……俺は、待っていたのだ。

「いいだろう! 俺は優しいからな……殺してやるよ!!」

 感情のままに剣を振り上げて、狙いを定める。

「あ、ぁぁ」

 正気も保てなくなった勇者は、そろそろ限界に近いのだろう。死んでも反応が薄くなってきているので、ここで終わらせておくのが最高のタイミングだと思った。

 もう、こいつは用済みだ。

「死ね」

 だから俺は、勇者を殺した。
 首を切り落として、蘇生の効果が付加されたヘルムを外す。



 そして勇者は、死んでいった――



 これで復讐は果たされた。

「ふぅ」

 かつてない満足感に、俺は息をつく。
 色々と大変だったが、目標は達成した。

 過去の因縁はなくなった。
 これでようやく、俺は前に進める――
+注意+
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