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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第四十八話 勇者パーティーへの復讐 その一

 勇者パーティーが魔王城に到着した。
 その一報を受けた俺とレイラは、すぐに魔王城を目指した。

「レイラ、計画通りに進めてくれ」

「了解。ぼくに任せてくれ」

 魔王城に到着してすぐのこと。
 俺とレイラが向かったのは、魔王の私室と思わしき部屋だ。待機場所として活用している。

「『Bランクスケルトン……出ろ』」

 俺の意図をくみ取って、レイラは直ちに動いてくれた。

 まず、手始めに出撃させるのはBランクのスケルトンたちだ。
 城内には勇者パーティーが侵入しているはずだが、その他の冒険者も多数いる。そいつらは復讐の邪魔になるので、Bランクスケルトンの大群で一蹴することにしたのだ。

 勇者パーティーからしてみれば、Bランクスケルトンなんていくら数がいたところで大した敵にはならないだろう。だが、その他の冒険者には間違いなく勝てないはずだ。

 Bランクスケルトン単体なら倒される危険性もあるが、隠し部屋にストックしていた数百ものスケルトンを一斉に解き放つのである。城内にいる勇者パーティー以外の冒険者は、絶対に勝てないだろう。

 とはいえ、命までは奪わない。邪魔なので意識を刈り取った後はゲートに放り投げることになっていた。

 俺が復讐したいのは、勇者パーティーだけである。
 不要な命は奪う必要性がない。面倒だし、興味もないのだから。

「うん……いい感じに一掃できてるみたいだ」

 レイラは自身が召喚したスケルトンの状態がどこからでも確認できる。スケルトンはレイラの目となっているのだ。以前まではこの力を偵察などに利用していたみたいだが、俺の生成した武具を装備したことで大きな戦力となっている。

 彼女の力は、俺の力と本当に相性が良い。
 今のところ、復讐のための準備は順調に進んでいた。

「その他の冒険者を片付けたら……後は、勇者たちを例の部屋におびき出すだけか」

「ああ、そうだね。その時はまた、ぼくに任せてくれよ」

 レイラは笑って、俺の胸を軽く叩いた。

「君が復讐するためのお膳立ては、ぼくがきっちりやるさ。君は、君のやりたいようにしてくれ」

 ……嬉しいことを、彼女は言ってくれる。
 優しいレイラの思いに応えて、俺は強く頷くのだった。

「ありがとう」

 ――殺してやる。

 だが、内面ではどす黒い感情が渦巻いている。
 あの時――勇者たちに裏切られて、殺された時の記憶がよみがえっていたのだ。

 痛かった。
 苦しかった。
 悔しかった。

 もし、奇跡的にレイラが来てくれなかったら――そう考えると、今でも恐怖で体が震えた。

 あの、拷問のような終わらない苦痛は、二度と思いだしたくもない記憶だった。

 同じ目に合わせてやる。
 勇者たちを、徹底的に――殺す。

 その思いは、未だに鈍っていない。
 殺してやると、俺は息巻いていた。

「……よし、いい感じにその他の冒険者も一掃できたみたいだ」

 少し経つと、目を閉じて召喚したスケルトンの動向に集中していたレイラが、ゆっくりと口を開いた。

「今から、勇者たちを分断するよ……アーム、君は計画通り例の部屋で待機しててくれ」

「分かった……」

 その言葉を合図に、俺もゆっくりと動き出す。
 殺意を、大きく膨らませながら――




 勇者パーティーの城内探索は、とても順調だった。
 入って少ししか経っていないが、数多くの宝を入手することに成功していた。

 しかし、このあたりで勇者は違和感を覚えていた。

「ちっ……なんか変だな。スケルトンが強くなってねぇか?」

 そう。出没するスケルトンは最初こそ雑魚しかいなかったはずなのに、いつの間にかそこそこ強い難敵となっていたのだ。勇者パーティーが負けることこそないが、少しだけ手間がかかるようになっていたのである。

「ダンジョンも深くなってきましたからね……敵のレベルも上がったのでは?」

「……それなら、別にいいんだけどよ」

 魔法使いの言葉にも、勇者は首を捻ったままである。
 彼の驚異的なほどに鋭い感覚が、何かおかしな気配を捉えているようだった。

「勇者さんは考えすぎだよ……あ、宝箱発見! 中身は……おお、宝剣だっ」 

「ガハハ! 悪くない成果だ!! これでまた、我が家の財が増えるであろう!!」

 一方、僧侶と戦士は呑気に探索を続けていた。本日数本目の宝剣を見つけることが出来てとても上機嫌である。早速、僧侶は宝剣を入手しようと手を伸ばしていた。

 そんな時である。

「――っ!? 僧侶、下がれ!!」

 不意に勇者が叫んだ。
 同時に、天井から一体のスケルトンが降ってきた。

『――――!!』

 カタカタと骨を鳴らしながら、そのスケルトンは僧侶が取ろうとしていた宝剣を奪うと、そのまま反転して逃走を開始した

「あ! おい、待て! ぼくのだぞっ!!」

「ガハハ! スケルトンの分際で!!」

 僧侶と戦士はすかさずその後を追いかけた。勇者の言葉は誰も聞いていない。曲がり角を曲がって、姿が見えなくなる。

「やれやれ……私たちも、後を追いますか」

「……急ぐぞ。嫌な予感がする」

 魔法使いと勇者が、二人の後を追いかけた。
 曲がり角を曲がり、そして――誰もその通路には、誰もいなかった。

「は?」

 勇者が素っ頓狂な声を発する。
 その先は一本道のはずなのに、僧侶や戦士はおろか、スケルトンすらいなくなっていたのだ。

「おい、これはどういう……っ!?」

 隣の魔法使いに、勇者は話しかけようとする。
 だが、隣に居たはずの魔法使いは――僧侶と戦士と同様に、姿を消していた。

「どういうことだよっ」

 呆然と声を発するも、言葉を返す者はどこにもいない。
 ただ、勇者が感じていた嫌な予感は消えることなく、彼を苛んでいた――
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