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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第四十七話 始まる

 ――ギルドは今、騒然としていた。

「おい、聞いたか? 新しいエリアが見つかったみたいだ」

「ああ……みんな噂してるよな。城だっけ? ダンジョンだっけ?」

「どっちもだろ。城の中にダンジョンがあるんだとよ。スケルトンがうじゃうじゃいるらしいが、別に強い相手じゃないから危険ということはないみたいだな」

「しかも、中には宝が多数確認されてるって? これは、俺たちも行っとくか」

 とある二人のCランク冒険者が見つけた、新たな冒険地。そこは冒険者の間で『スケルトン城』と呼ばれ、人気の冒険先となっていた。

「宝石とか、あと運が良ければ『宝剣』なんかも手に入る。売れば十年は遊んで暮らせるな」

「一攫千金も夢じゃねぇな……さっさと準備して行くぞ」

 攻略難度もそう高くない。場所も、ゲートを経由しているのだがそう遠いわけじゃない。危険度も少ない。Cランク以上の冒険者にとって、そこはまさに宝の山である。

 多くの冒険者がスケルトン城へと探索に赴いていた。
 だいたいはCランク冒険者なのだが、噂が広まるにつれて更に高ランクの冒険者もスケルトン城に興味を抱くようになる。

 それは、彼らも例外ではなかった。

「……なんか、面白そうなところがあるらしいぜ」

「『スケルトン城』ですね? ここ最近、とても噂になっています」

 国でも名の知れた『勇者パーティー』。
 彼らは別の高難度クエストを達成してギルドに帰ってきた時に、この噂を耳にした。

 話を聞くや否や、パーティーのリーダーでも勇者が非常に興味を示していた。

「金の匂いがする。根こそぎ奪いに行かねぇか?」

「スケルトンしか発生しないダンジョン、ですか……なかなか興味をそそりますね」

 魔法使いの方も乗り気である。勇者の言葉に頷いていた。

「ガハハ! 儂は構わんぞ? 別のやつらに金を奪われるくらいなら、儂が奪ってやろう! 我が家が他の家より優れていることを見せつける必要もあるしな!」

 戦士も賛同しているが、一人だけ渋い顔をしている者がいた。

「えー? でも、お金には困ってないしなぁ。三人で行って来たら?」

 僧侶だけは、唯一興味を示さなかった。
 ただ、次の瞬間に勇者が懐から取り出したお宝を見て、僧侶は表情を一変させる。

「そ、それは何!? 綺麗だ……っ!」

 勇者が持っているのは、スケルトン城で見つかった『宝剣』である。人間には絶対に生成できないような、美しい宝石で造形された剣を見て、僧侶は目を輝かせていた。

「これを取りに行くのも悪くねぇだろ?」

「うん! 僕も行くっ」

「ちなみに、買値でさっきのクエストでもらった報酬がなくなった。滅茶苦茶高く売れそうだぜ……ほら、これやるよ。お前の力は必要だ」

「任せて。僕たちで、ダンジョンの宝を全て奪おう」

 こうして、彼らは新たなる冒険地『スケルトン城』に赴くことになる。

 そこが本当は『魔王城』であることも、勇者パーティーを嵌めるために仕掛けられた『罠』だとも知らずに――



「アーム……来たよ」

 魔族の生活拠点で待っていると、ようやくその時が訪れた。

「巡回しているスケルトンが彼らを見つけた。間違いなさそうだ」

 魔王の報告に、俺は拳を握り込む。
 いよいよ、やつらに復讐をする時が来たのだ。

「勇者たちが、ようやく来たんだな……」

 そう。魔王が教えてくれたのは、勇者パーティーの到来である。
 彼女は召喚したスケルトンと簡単な意思疎通ができるらしく、勇者パーティーを見つけたと報告を受けたようだ。

 準備はできている。念入りに、奴らを殺すためだけに時間をかけて場を整えた。

 あとは、復讐するだけである。

「行こう」

「ああ……行こうか。ぼくも力になるよ」

 魔王に声をかけて、立ち上がる。
 魔王城で勇者たちを殺す――それでようやく、俺はスタートできる。

 味わった屈辱を、しっかりと返そう。
 己自身の誇りを取り戻して、胸を張ってこれからを生きて行こう。

 そのために、復讐を果たす。

「殺してやる……」

 改めて決意を固めたその時、たまたま一緒にいたセリスが俺に声をかけてきた。

「ご主人様……どうか、気を付けて」

「黙れ」

 心配そうな声を一周して、俺は彼女を見向きもせずに背を向けた。
 気を付けて、だと?

「言われなくても、分かってる」

 一度俺は殺されたのだ。
 舐めてなんかいない。もう二度と、やつらに殺されるようなことはない。

 そう言外に示せば、セリスの声は少し安堵に緩んだ。

「帰りを……待ってます」

「…………」

 その言葉は無視して、俺は魔王と一緒に外へと出た。
 さぁ、復讐が始まる――
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