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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第四十六話 万事順調

 背後から、二人の背中に『精神操作』の効果を持つ剣を突き刺した。
 とはいえ、剣は皮膚を裂くことなく体内に飲み込まれていく。これで剣に付加した『精神操作』の効果を発動できる状態になった。

「「――っ!?」」

 レイラにも手伝ってもらったので、ほとんど同時に刺すことができた。やつらは俺たちの存在に気付くこともできなかっただろう。

「【精神操作・発動】」

 剣の効果を発動して、まずはきちんと精神操作されているか、確認の意味も兼ねて呼びかけてみる。

「おい」

 すると二人は虚ろな目で口を開いた。

「「はい」」

 無機質な声は、精神が操られている証拠だろう。
 よし、上手くいっているようだ。

「いい感じだね。じゃあ、ゲートまで誘導しよっか」

「そうだな……ゲートまで連れて行った後は、精神操作を解いて自由にさせてみよう。こいつらなら、城内を探索して金目の物を探し回るだろうし」

 先程、金が無いとかなんとか言っていた。きっと期待通り、城内を探索してくれるはず。
 そう考えて、まずは二人をゲートの場所まで誘導した。

「じゃあ、一旦精神操作の効果を切る。俺たちは隠れよう」

 隠密用のヘルムをかぶって身を隠した後に、二人の精神操作を解いた。

「……はっ!? ん、あ? おい、ここどこだよ」

「っ……背中に何か刺さった気がするんだけどよ、一体どうなってんだよ……」

 困惑するイキリ冒険者の二人。しきりに背中あたりを気にしているが、何をされたのかはまったく分かっていないようだった。俺とレイラの存在は気付いていないようである。

 精神操作の効果が上手く機能してくれているようだ。精神が操られている間、やつらは何も覚えることができないのである。

「ってかよ、これ何? 入口っぽいぜ?」

「あ? ……なんかやべーんじゃねーか? どっかに繋がってるっぽい」

 と、ここでようやくゲートの存在に気付いたようだ。一応、二人はCランクの冒険者なので警戒はしているらしい。得体のしれない物に近づかないという危機管理能力は多少あるみたいだ。

 しかし、やつらは欲望に弱い。

「でもよ……これ、見つけたの俺たちが初めてじゃね? あっちに城見えるし、国からもそう遠くない位置だし。なんかお宝の予感するんじゃね?」

「……ギルドからも、こんな物体の情報聞いたことねーな。なんか、未開の地に繋がってたら、そこで金目の物奪えるかも」

 ゲートの奥はどうなっているか分からない。しかしそこが未開の地に繋がっていたら、誰にも荒らされていない場所で好きに探索ができる。この二人なら、そう考えるだろうとなんとなく確信していた。

「っつーか、よく分かんねーけどラッキーじゃん! 行こうぜっ」

「ああ、面白そうじゃねーか!」

 浅い考えで警戒心を解いた二人は、意気揚々とゲートを潜った。
 色んな意味で、こいつらは俺の目的通りの手頃な冒険者である――




 ――イキリ冒険者二人の魔王城探索はとても順調だった。

「うぇーい! また宝箱発見だぜっ!!」

「最初はビビったけどよ、この城は大したことねーな! スケルトンも雑魚だしっ」

 ゲートから出てきた直後こそ魔王城の禍々しい外見に怯えていた二人だが、城内のダンジョンで宝箱を見つけたおかげか興奮しているようだった。

「順調だね」

「ああ……そうだな」

 二人から少し離れて、俺とレイラは隠密用のヘルムをかぶったまま様子を観察していた。面白いように二人は想定通りに動いてくれてとても助かる。

 宝は持っていかれるが、それはまぁいいだろう。勇者たちをおびき寄せるための投資と考えれば安いものだった。

「って、このスケルトン強くね?」

「それだけ、いい宝があるかもってことじゃねーか! 気合入れろっ」

 現在、二人が戦っているのは城で数少ないBランクのスケルトンである。

 城では、普通に徘徊しているDランクスケルトン、宝石などの宝を守るCランクスケルトンが大部分を占めているのだが、特に上質なお宝――つまり俺が生産した価値の高い武具が入っている宝箱の前には、Bランクのスケルトンを守らせていたのだ。

 Bランクスケルトンともなれば、少なくともCランク冒険者の二人には荷が重かった相手だろう。だが、欲望に突き動かされた二人は、連携を取ってどうにかBランクスケルトンを倒した。

「はぁ……はぁ……勝ったぜ!」

「おお!? 高そうな剣があるじゃねーか……これは売れる!!」

 俺の剣を見つけて二人はハイタッチを交わしている。しかしBランクスケルトンとの戦いで疲労していたらしく、このあたりで帰ることにしたようだ。

 よし、念のためもう一回精神を操っておくか。

「【精神操作・発動】――お前ら、この城についてギルドにしっかりと報告しろよ? 隠したりするな」

 懸念していたのは、二人が魔王城について情報を秘匿することである。都合の良い稼ぎ場として二人に占有されるのは、目的とずれる。なのでわざわざ精神操作の効果を発動して、そのように暗示しておいた

「「はい、分かりました」」

 イキリ冒険者の二人は頷いた後、そのままゲートを潜って帰っていく。

 ここまでやったら、もう後をつけなくていいだろう……このまま、二人の話を聞いた他の冒険者が来るのを待とう。

 そして、最終的には勇者パーティーが来てくれることを、祈っておこうか――
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