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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第四十三話 勇者パーティーについて

 魔王城を見つけた後。
 俺とレイラは一旦戻り、魔族みんなを引き連れて森林地帯まで移動した。

 魔物もほとんど討伐したので危険は少ないだろう。万が一に備えて、俺の生成した武具を装備したスケルトンも巡回させているので、安全性は確保されたと言ってもいいはず。

 女性と子供しかいないが、魔族にも少しずつ活気が出てきたような気がした。苦しい生活から解放されたおかげか、みんな表情が柔らかくなっている気がする。

 あと、これはびっくりしたことなのだが……意外にも魔族たちとの生活にセリスが馴染んでいた。

「セリスちゃん、一緒にお料理しませんかっ?」

 メイド服を着た――確か、イルファだったか。彼女に誘われて、セリスは小さく笑っていた。

「ええ……私で、よければ。でも、あんまり料理はできないわ」

「大丈夫ですっ。わたしがきちんと教えてあげますのでっ」

 料理なんかしたことがないだろうに……あいつはここに来てから、雑用のようなことを率先してこなしていた。俺の身の回りの世話もしようとするし、本当に意味が分からない。

 恐らくは、俺への贖罪のつもりか。正直なところ、その行為をどう受け入れていいか分からないので、俺はまだ素っ気ない態度を取ってばかりだった。

 調子が狂う……もう少し生意気で反抗的なら、まだ扱いやすかったのに。
 まぁ、そのあたりに関しては気にしてもしょうがない。好きにさせておこう。

 そろそろ、セリスには勇者パーティーについて色々と聞いておく必要がある。なので、早速時間を見つけて持っている情報を言えと命令した。

「私の、知ってることでいいなら……」

 元貴族として、セリスは同じ貴族である勇者パーティーについて説明を始めた。

 勇者パーティーは『勇者』『魔法使い』『戦士』『僧侶』の四人で構成されている。戦闘系のスキルを持っている彼らは、もちろんそれぞれが貴族だ。

 まずは、大貴族――モンク家の跡取りである『僧侶』について。
 こいつはパーティーの中でも一番若く、年齢は十歳。持っている戦闘スキルは『神の祝福』と呼ばれる、回復系統の力だ。体力までは回復できないがある程度の怪我なら治癒が可能である。
 代々神を信仰する信心深い一族でもあるようで、『穢れ』を何よりも嫌うらしい。そういえば俺が殺された時、血が不快だとかなんとか言っていた気がする。

 次は、大貴族――ウォリアー家の当主『戦士』について。
 こいつはパーティーの中で年齢が一番上で、三十を越えている。持っている戦闘スキルは『身体強化』と呼ばれる、強化系統の力だ。やつはそのスキルを利用して肉弾戦を最も得意としている。
 ウォリアー家の当主である戦士は、自身の家を守ることを最優先に生きているのだとか。ある意味では最も貴族らしい、保守的な一面があるようである。

 そして、大貴族――ウィザード家の跡取りである『魔法使い』について。
 こいつは勇者と同じ年齢の幼馴染だ。幼い頃から戦闘職専門の学院でトップの成績を維持していた天才でもある。持っている戦闘スキルは『炎属性魔法』『水属性魔法』『風属性魔法』『雷属性魔法』と、複数の属性魔法を使役できる力を持ち合わせているようだ。
 セリスはこいつと同じ学校に通っていたようだが、どうも魔法使いは自分と勇者以外を見下して生きているみたいだ。天才特有の偏見や差別が酷いらしい。

 最後に、王族の分家――ブレイブ家の跡取りである『勇者』について。
 こいつは魔法使いと同じ年齢でありながら、国でも上位数名に入る実力者の神童だ。持っている力も底知れないというか、周知されていないようだ。勇者だけはセリスも分からないと首を横に振った。やはりこいつは別格である。
 王家とも血のつながりのある王族の一員らしく、周囲からはかなりもてはやされているようだ。本人も高貴な生まれであることを自負しており、家格の低い者にはとても差別的だったらしい。そして、女癖も相当酷かったようだ……セリスの周囲にいた貴族の娘も相当被害にあっていたようである。

「これくらいしか、分からないです……ごめんなさい」

 言い終わって、セリスは申し訳なさそうにしていたが……俺の想像以上に、彼女は情報を持っていたようだ。

 ふと、思い返してみる。
 俺が勇者パーティーの仲間になると言った時に、こいつの話を少しでも聞いていたら……もしかしたら、踏みとどまることができていただろうか、と。

 あの時はセリスの言葉なんて聞きたくもなかったので無視をしてしまった。だが、全てを聞き終えて、俺は過去の行為を後悔していた。

 セリスは勇者パーティーについてこれだけのことを知ってたからこそ、俺が仲間になろうとしているのを必死に止めようとしていたのだ。

「き……期待していた情報は、得られましたか?」

 こちらを窺うセリスに、俺は息を吐き出す。
 認めたくはない。だが、こいつのおかげで勇者パーティーについて色々と知ることが出来た。

 これだけ情報があれば、対策も立てやすいだろう。

「……ああ、十分だ」

 だから、素っ気なくではあるが、セリスの言葉にうなずいた。
 そうすると彼女は、とても嬉しそうに頬を緩めた。

「そう……あなたのためになったなら、嬉しい」

 ……最近のこいつは、本当に調子が狂う。
 どう言葉を返していいか分からなかったので、俺は無視することしかできなかった――
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