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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第三十九話 力を合わせて

 現在、魔族が暮らしている荒野は魔物も出ないような寂れた土地である。だからこそ彼女たちは安全に暮らせているのだが、やはり住み心地が悪いことは問題だろう。

「ここから少し離れると、すぐに魔物が出現するエリアに入るんだ……子供たちも迂闊に外に出せないし、難儀させられてるよ」

 加えて、とても窮屈な思いをしているようだ。

 ……レイラには、命を助けられた。いや、命だけじゃなく、心も助けられた。
 その恩は忘れられない。彼女は俺に恩を返しただけというが、やっぱりレイラには感謝してもしきれなかった。

 だから、少しでも彼女の力になりたいと、そう考えてしまうのだろう。

「魔物……俺が、討伐しようか?」

 幸いにして、俺の『武具生成』スキルは戦闘に向いている。
 魔物程度なら軽く討伐できるだろう。実際、人間界のギルドでも魔物討伐ではかなり活躍できていたと思う。

 対人戦には少し難があるようだが……ともあれ、付近の魔物を一掃するくらいの力はある。

 そんな俺の提案に、レイラは申し訳なさそうな表情を浮かべた。

「それは、とても嬉しい申し出だね……参ったな。また君に恩ができちゃうよ。今の時点で既に返せそうにないんだけど、また助けられちゃうね」

 俺が生産した『水属性』の武具のおかげで、魔族の水問題は解決している。俺としては別に恩を感じる必要はないと言ったのだが、彼女はそのことに関して頑なに首を振った。

『君の善意を当たり前と思うようなクズにはなりたくないからね。きちんと感謝するし、恩も返す。そうやって思い合うことこそが大切なことだと思うんだ」

 こんなことを言ってくれるから、俺は彼女のために動きたくなるのかもしれない。

「確かに、君の力を借りることができたらこれ以上にないくらい嬉しい。付近の魔物はとても強いというわけではないのだけど、数がとても多いんだ……ぼく一人だと殲滅はできそうにないし、君が協力してくれるなら心強い」

 と、頭では効率的だと理解しているようだ。
 しかし感情面でレイラは気が引けているみたいだった。

「君に、おんぶにだっこというのも……なかなか難しいよ。客人にここまでさせてしまうのはもてなす側として情けないな」

 ここ数日、レイラと一緒に過ごして気付いたことがある。
 彼女は本当に義理堅い。そして責任感が強く、だからこそ少しだけめんどくさい一面があった。

 そういうところは嫌いじゃない。
 むしろ、俺の言葉や行為に対してしっかり向き合ってくれる彼女の気持ちは、素直に嬉しかった。

 レイラが気後れしているのなら、方便を与えた方がいいかもしれない。

「じゃあ……あれだ。俺とレイラの連携をとる練習にしよう」

「……え?」

 俺の言葉にレイラはポカンとしていた。
 ちょっと何を言われているのか分からないような顔をしていたので、補足の説明をすることに。

「ほら、レイラの力と俺の力……相性が良さそうって話だけど、実際にどんな風に戦うのか試してた方がいいと思う。いずれは勇者たちにも復讐したい。そのために、力を合わせる練習をしよう」

 レイラたち魔族を助ける、という名目はそばに置いておく。
 とりあえず俺の目的のため、という方便をつけておいた。

「だから、一緒に来てくれないか?」

 こうすることで、俺が彼女に協力を求めるという構図ができる。
 レイラは基本的に俺のお願いは断らない。だから、こう言うことで彼女は頷かざるを得なくなるのだ。

「やれやれ……君は本当に優しいなぁ」

 レイラは頭がいいので俺の思惑にも気づいているようだ。

「うん、分かったよ。よろこんで、君と一緒に行く……ぼくと力を合わせようじゃないか、アーム」

 彼女は嬉しそうに笑いながら手を差し伸べてくる。
 その手を握り返すと、ギュッと握りしめてきた。

「えへへ……なんだか照れるね」

 小さな手とはにかんだ笑顔に、こっちまで頬が緩んだ。
 こんな風に喜んでくれるのなら、いくらでも力を貸してあげたくなるものである――




「このあたり一帯は、昔から魔族が暮らしていた場所なんだよ。一時は国といって差し支えない程繁栄していたから、至るところに魔族の痕跡がある。まぁ、今は昔の話なんだけど」

 レイラと一緒にやって来たのは、鬱蒼と生い茂る森林だった。

 今現在、魔族たちが暮らしている荒野から数時間ほど歩いた地点である。このあたりはまだ荒野と比べると住みやすいように思えるが、魔物がいるせいで生活は難しいのだとか。

 まだ魔族に力があった時代は生活圏だったらしい。確かに言われてみると、所々に人工物らしきものが見えた。大木にかけられたはしごや川を跨ぐ橋はその名残だろう。

「ここに生活拠点を移せたら、きっとみんなも喜ぶと思う」

「ああ……だったら、しっかり魔物を片付けないとな」

 そんなことを会話した直後、あまり時間を待たずして目的の獲物がやって来た。

『グガァアアアアア!!』

 魔物の登場である――
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