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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第三話 始動

 この世界『ヴェルド』において、最も危険な生物は魔物である。
 他の生物を見境なしに殺戮する魔物のせいで、俺たち人間は外壁より外の世界になかなか出られない。

 特に生産職は戦うことができないので、魔物に攻め込まれたら簡単に殺されるだろう。

 そんな生産職を守っているのが『戦闘職』である。だから生産職は戦闘職に敬意を払わなければならない――というのが、俺たちの王国『モナルキア』の常識だ。

 まぁ、その実態は生産職の奴隷化という人権を無視した胸糞悪いものなのだが……

 ともあれ、戦闘職が危険から生産職を守っているというのは、一つの事実ではある。
 奴隷化の是非はさておき、認めたくないが戦闘職のおかげで生産職は安全に暮らせているとも言えるわけだ。

 外の世界には危険が溢れている。
 分かりやすい例で言うと魔物が最も一般的だが、他にも――多種族の侵攻というものがあるようだ。

『魔族』

 古くから人間と争い合っている種族が、この世界『ヴェルド』にはいるらしい。
 昔は相当大規模な戦闘もあったようで、犠牲者の数も多かったみたいだ。

 しかし最近は人間側が優勢で、魔族は壊滅目前まで追い込まれているとのこと。

 今回、プロエリウム家が王家から受けたクエストは、魔族壊滅に関連することだと言われた。

「魔族の残党を追い詰める包囲網にプロエリウム家も加わることになった! 王家から直々にお声がかかってな……失敗するわけにはいかない」

 地下牢に来たクラウンは、汚らしい笑みを浮かべながらクエストについて喋っていた。

「包囲網とは言っても、プロエリウム家は後方に位置されている。魔族と出くわす可能性は低いとみていい。何せ、魔族の直接討伐に出るのは、あの『勇者パーティー』だからな……魔族が逃げることはないだろう」

 プロエリウム家は保険のようなものか。
 万が一のために備えて呼ばれたみたいだが、その万が一が起こる可能性は限りなく低い。

 そう考えているのか、クラウンは上機嫌である。

「ただついていけば、クエストは達成ということだな……これで王家からの箔がつけば、より一層プロエリウム家が繁栄する。素晴らしいことだ」

 もうクエストは達成したつもりのようだ。
 ニタニタと笑っている。なんて醜い笑顔なのだろうか。

 この笑顔をいつかぐちゃぐちゃにしてやりたいものである。

「で、だ……クエストには私兵と娘のセリスを連れて行こうと考えている。これだけでも十分だろうがな、万が一を想定して――貴様も、連れて行くことにした」

 ああ、なるほど。
 だからクラウンは、わざわざ地下牢まで出向いて俺に色々と喋っていたわけか。

「ついてこい。何かあれば私の言われた通りに武器を作れ。いいな?」

 確かに俺がいれば、状況に適した武器をその場で作ることが可能だ。
 クエストを達成するだけでも功績としては十分だろうに、自惚れたクラウンはより大きな功績を目論んでいるのかもしれない。

 まぁ、いい。
 俺としては、都合が良かった。

「かしこまりました」

 地下牢から出された俺は、従順なふりをしてクラウンについていく。

 今はまだ大人しくしておくべきだ。
 裏切るなら、最悪のタイミングがいいだろう……

 例えば、こんな状況ならいいかもしれない。

 勇者パーティーから逃れた魔族が、クラウンの持ち場に逃げ込んできた時――ここで『破壊の呪い』を発動させてクラウンたちの武器を全て壊し、俺に武器の生成を求めてきたところを、足蹴にする。

 そんなことができたら、とても気持ち良いだろう。

 クラウンの私兵が使用している武器も俺が生産したものだから、無力化するのは簡単だ。セリスの武器も耐久力が低いのですぐに壊れるだろう。

 魔族がクラウンたちのところまで逃げ込めたら、後は簡単そうだ。

 それと、魔族をおめおめ逃がしてクエストが失敗になるとより良いな。
 王家からの信用も落とせば無能の烙印を押されて、プロエリウム家は落ち目になるはず。

 そうなった時の、狼狽えるクラウンを嘲笑えたら最高の復讐になると、そう思った――





 復讐のために、俺にはいろいろとやるべきことがある。
 まず初めにやるべきことは、クラウンやセリスの目を逃れることだ。

 少し自由に動きたかったのである。
 そのために、俺は武具を生成した。

【武具生成スキル・発動】
『形状:ヘルム』
『付与属性:幻惑』
『特殊効果1:認識阻害』
『特殊効果2:気配遮断』
『特殊効果3:透明化』
『性能:なし』

 ヘルム(兜)の形こそしているが、防具というよりは隠密用のアイテムと表現した方がいいか。
 これを着用することで、俺はクラウンやセリスから認識されなくなる。俺を知る者は誰も俺のことを思い出せなくなるというわけだ。

 あと、気配も姿も見えないので、誰にもばれずに動くことができる。

「……よし」

 持ち場に到着してすぐ、俺は生成した兜をかぶってクラウンたちから離れた。
 向かった先は、壊滅寸前で追い込まれている魔族のところ。

 まずはやつらに接触して、どうにか勇者パーティーにやられないようにしなければならない。
 あと、逃げる際はクラウンの持ち場に来るように言い聞かせる必要があった。

 そうしなければ俺の思い描く復讐ができなくなる。
 だから魔族には、生き延びてもらわなければならないのだ。
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