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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第三十三話 復讐に必要なもの

「さてさて、これでぼくと君が協力することになったわけだが……これからどうするんだい? 早速、勇者たちを襲いに行く?」

 魔王、レイラ。
 彼女は俺を救ってくれた恩人である。復讐にも協力してくれるということで、今後どうするのかを聞いていた。

「……いや、すぐに行くのはやめよう。もっと念入りに準備がしたい」

 振り返って考えてみると、俺は情報を集めることを疎かにしていた。勇者たちのことをしっかりと調べずに、上辺だけを見て心を許してしまったからこそ、ああも簡単に裏切られたのだ。

 もう二度と、愚かな真似はしない。
 万が一のことを想定して、無策に出向くのはやめておきたい。

 それに、もしレイラが傷つくようなことがあったら嫌だった。

 彼女には協力こそしてもらうが危険なことはさせたくない。どうしてかと理由を聞かれれば、上手く言葉にはできないが……そんなことを強く思っている。

 だから、まずは下調べがしたいと考えている。

「君がそう言うのであれば、従おう。確かに情報は大切だね」

 魔王は俺の言葉に対して即座に肯定してくれた。

「一応、パーティーを組んでいたくらいだからやつらの戦い方は知っている……つもりだ。でも、性格や生まれなんかは俺にはよく分からなかった。そのあたりを、把握しておきたい」

 あいつらには苦しんで死んでもらいたい。
 そのための場を、俺は用意するつもりだ。

 罠を仕掛け、陥れ、騙し、脅し、恐怖させて、殺す。

 考え得る限りに一番酷い死に様を見せてくれたら、どんなに心が晴れるだう?
 想像しただけで、心がざわついてきた。

「いいね……アーム、とても悪い顔をしているよ? ぞくぞくしちゃうな」

「え? あ、ごめん。無意識で……」

「いいや、構わない。君のその表情がぼくは嫌いじゃないんだ……でも、やっぱり笑った顔が一番大好きだと思う。まだ君が心から笑っているところは見たことがないけれど、復讐を果たした時には笑ってくれるかな? その時を楽しみに待ってる」

 優しい言葉に、なんだか力が抜けた。

「ありがとう」

「おいおい、やめてくれよ……そんな嬉しそうに感謝されたら、ちょっと照れちゃうじゃないか。まったく、ぼくを困らせたいのかい?」

 レイラは頬を赤く染めながら俺の背中を叩いていた。
 ……なんだかこっちまで照れてくる。

 変なむずがゆさを感じた。それは彼女も同じだったのか、レイラは咳払いした後に再度問いかけてくる。

「こほんっ。じゃあ、具体的にはどうするんだい? とりあえず、ぼくたちが暮らしているエリアまで行く?」

「……それは、後でお願いしたい。でも、まずは――街に戻ろうと思う」

 拠点は、レイラの言葉に甘えて魔族の暮らす場所を借りたいと考えている。
 だが、その前に人間の国に戻ろうと考えていた。

「え? わざわざ戻るのか……何か用事でもあるの?」

「うん。勇者たちの情報を知っているやつに、会いに行く」

 そいつは、なんだかんだ俺とずっとに行動していたやつだ。

 勇者パーティーと一緒に行動しているときも、俺の荷物持ちとしてついてきていた……きっと、俺では気付かなかったことも、あいつなら把握しているかもしれない。

「……セリスに、会いに行く」

 そう。あの、俺が憎くてしょうがない奴隷から、話を聞きたいと考えていた。

 あいつにお願いをするのは、正直なところ嫌だ。頼りにするつもりなんてまったくなかった。

 でも、俺が話を聞けるやつはセリスしかいない。

 あいつなら、元貴族として勇者パーティーの家柄なんかも知っているだろう。俺が知り得ない情報をたくさん持っているはずだ。

 聞き出さないといけない。
 何をしてでも……知らなければならない。

 もしかしたら、セリスは既に勇者たちに保護されている可能性もある。どうも俺はプロエリウム家を潰した犯罪者として扱われているようだし、セリスは被害者とし丁重に扱われている可能性もあった。

 そうであれば、あいつはきっと俺に情報を教えてくれないと思う。
 でも、どうにか聞き出す。復讐のためなら――俺は、頭だって下げる。

 勇者たちを殺すと、決意しているのだから。

「むむ……別の女の子に会いに行くのか。それはちょっと面白くないなぁ」

 もちろんレイラは俺の言葉にうなずいてくれると思っていた。
 しかし、なかなか渋い顔をしていたので、ちょっとだけ混乱した。

「えっ? お、おんな? セリスが? あいつはただの、奴隷だぞ?」

「……そうかなぁ? いや、別にいいんだけどねっ。ぼくは独占欲の強い子供じゃないし? ちょっとだけ嫉妬するけど、まぁいいさ……懐が大きいところをここでアピールして君からの評価を高めるのも悪くない」

 いや、それを口に出している時点で懐が大きいとはちょっと言いにくい気がする。
 でも、レイラはやっぱり頷いてくれた。

 それがとても嬉しかった。

「もちろん、ぼくも一緒に連れて行ってくれるよね? 置いてけぼりいしないでくれよ……せっかく、運命的に君と出会えたんだ。もう離れたくない」

「うん……ついてきてくれると、心強いよ」

 一人だと、きっと気持ちが先走って勇者たちを襲撃していたかもしれない。
 だが、それでは意味がないのだ。

 復讐して、殺す。
 そのためには、色々と準備が必要なのだから――
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