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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第二十四話 仲間

 Aランク討伐クエスト。

 ギルドに所属する冒険者でも十人はいないAランクの者に向けて発注されるクエストは、かなりの難度を有するものばかりだ。

 Cランクとは比較にならないほどである。

 難度もそうだが、報酬と入手ポイントも非常に高かった。Cランククエストの軽く数十倍はあったので、最初聞いた時はとても驚いたものである。

 あれから……俺が勇者パーティーと出会ってからおよそ一ヵ月くらいが経った。
 その間、俺は何度か彼らに帯同してAランクのクエストを受けたのだが、なかなか苦戦させられたものである。

 それでも大きな失敗はなく、むしろ勇者パーティーからも少しは頼られるようになった。おかげで二度三度とクエストも一緒に行くようになったのである。

 俺も今ではBランクだ。

 ランクが上がるごとに必要ポイント数は上昇していくので、ここからAランクになるにはまたしばらく時間がかかりそうだが、このまま勇者パーティーと一緒に活動していたらいずれランクアップはできるだろう。

 驚くほどに爽快な毎日だった。
 楽しい。そう思える日々に、俺は少しだけ喜んでいた。

 ――俺は今日もまた、勇者パーティーと一緒にクエストに出ている。

「アーム、そっちは任せたぞ!」

「ああ、任せろ」

 Aランククエスト『レッドドラゴンの討伐』。
 今日はそのために、少し遠出していた。

 人里からは距離のある場所だが、このままレッドドラゴンが縄張りを広げると人間の暮らす場所に被害が出る可能性がある。なので、今のうちに討伐しておきたいということらしい。

 ここは巨大な洞窟の中だ。
 十メートルは越す巨体のレッドドラゴンが眠っている隙に、俺たちは奇襲をしかけた。

 前衛は勇者と戦士。
 二人は連携してドラゴンをかく乱し、少しずつダメージを与える役割だ。

 後衛には神官と魔法使い。

 神官は前衛の二人を回復したり、あるいは補助魔法をかけたりとサポートに徹している。
 魔法使いの方はドラゴンに大きなダメージを与えるために、発動に時間がかかるが高威力の魔法などを放っていた。

 この四人でも十分に連携は取れている。

 だが、四人だけだとどうしても後衛の二人が無防備になりがちで、以前まではそのたびに勇者がカバーに入っていたようだ。

 それを勇者は懸念していたらしく、ちょうどその頃に出会ったのが――俺だったというわけだ。

「【水矢射出ショット】」

 隙を見て、大弓で攻撃を放つ。
 俺は『中衛』だ。勇者と戦士の後ろで、魔法使いと神官の前に陣取っていた。

 役割としては、前衛の二人が戦いやすいように戦況を見て加勢することだ。

 武器は勇者パーティーと出会った時のような『大弓』を使用していた。これに色々な属性と効果を付加している。


【武具】
『形状:大弓』
『付与属性1:雷』
『付与属性2:氷』
『付与属性3:炎』
『付与属性4:風』
『付与属性5:水』
『特殊効果1:必中』
『特殊効果2:分裂』
『性能1:射撃ダメージ上昇』
『性能2:射撃ダメージ向上』
『性能3:射撃ダメージ増加』

 中衛としては求めたのは『万能さ』だった。
 どんな状況、敵だろうと一定の効果が見込めそうな武具を選んだのである。

「ブレス来るぞ! アーム、神官と魔法使いを守れ!!」

「了解」

 それから、もう一つ。
 俺には後衛の二人を守るという役割があった。



【武具】
『形状:大盾』
『付与属性:なし』
『特殊効果:なし』
『性能1:魔法ダメージ軽減』
『性能2:物理ダメージ軽減』
『性能3:防御力上昇』
『性能4:防御力向上』
『性能5:防御力倍加』
『性能6:防御力増加』
『性能7:重量軽減』
『性能8:耐久力上昇』
『性能9:力上昇』


 弓から持ち替えたのは、巨大な盾。
 俺の身をすっぽり覆うほどの大きさだ。

 それを前にかざして、レッドドラゴンのブレスに備える。

「アーム君、任せました!」

「アームさん、助かるよ!」

 後衛の神官と魔法使いも俺の陰に隠れた。
 ちょうどその時に、レッドドラゴンが炎を吐き出す。

 灼熱の業火は直撃したらひとたまりもないだろうが、俺の盾が防いだのでダメージはなかった。

 前衛の二人はとっくにブレスの射線上から回避している。
 ドラゴンにはブレス後の硬直で隙が生まれていた。

 攻勢に出るなら――今だ。

「殺せ!!」

 勇者の合図で、みんなが一斉に攻撃を仕掛ける。
 連携の取れた波状攻撃にドラゴンは押され、やがては力尽きて絶命していった。

 これでAランククエスト『レッドドラゴンの討伐』は終了である。

「アーム、よくやってくれたな。またお前に助けられちまった」

 勇者は戦いの後、俺の働きを褒めるような声をかけてくれた。
 正直、とても嬉しかった……自分のことを認めてもらえているみたいで、気分が良かった。

 この一ヵ月、勇者パーティーと過ごして分かったことがある。
 それは、彼らがとてもいい奴らだということだ。

 他の貴族みたいな醜悪さが四人には見受けられなかったのである。

 だから、四人にはもうほとんど心を許しかけていた。信頼もしている。
 そんな時に、勇者はこんなことを言ってくれた。

「なぁ……アーム、そろそろ俺たちの仲間にならねぇか? 正式に、パーティーとしてこれからもやっていこう。お前の実力なら、俺たちのパーティーでも十分だ」

『仲間』

 その一言に、情けないが……少しだけ泣きそうになった。

「……俺で、よければ」

 もちろん、勇者の言葉に大きく頷いた。

 ああ、生きていて良かった。そう心から思えた。
 かつては奴隷だった。でも、今は仲間ができたのだ。

 それが本当に、嬉しかった――
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