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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第二十三話 勇者パーティー

 勇者パーティーがいる。
 突然のことに驚きはしたが、彼らはギルドの冒険者でもある。敵ではないのだから、あまり警戒するのも良くないだろう。

 俺はそのまま彼らのところまで近づくことにした。

「……おいおい、これやったのてめぇか?」

 開口一番、勇者はそんなことを聞いてきた。挨拶などは不要らしい。

「ああ。そっちは、勇者パーティーだろ? どうしてこんなところに」

「……俺たちも、クエストを受けてここに来たんだ。最近ゴブリンの動きがおかしいってことで、もしかしたらホブゴブリンでも出てきたんじゃねぇかってギルドから調査を依頼されてな」

 なるほど。勇者たちもクエストでここに来ていたようだ。
 だとしたら、申し訳ないことをした。

「すまない。俺が倒してしまった」

 これでは彼らのクエストを邪魔したことになる。
 深追いしすぎたか……ギルドもバカではなかったようだ。きちんとホブゴブリンの出現を予想していたらしい。

 勇者パーティーに無駄足を踏ませてしまったみたいだ。

「いやいや、謝る必要はねぇだろ……ホブゴブリンを討伐するのは面倒だからな。代わりに討伐してくれた助かったぜ。それに俺たちが受けたクエストは『調査』だ。てめぇが倒そうと構わねぇよ」

 しかし、勇者は気にするなと言わんばかりにニヤリと笑う。
 燃えるような赤い髪の毛が印象的な、凛々しい青年である。高ランク冒険者の割にはあまり偉そうな態度も見えなかった。

 少し拍子抜けである。
 俺の、冒険者――つまり戦闘職に対するイメージはもっと最悪だった。高ランクになればなるほど傲慢で汚らしいとばかり考えていたが、勇者パーティーはそうでもないようだ。

「しかし、すごい攻撃でしたね……今のは魔法ですか?」

 次に話しかけてきたのは眼鏡の優男である。黒髪であまりぱっとしないが、ローブを着込んでいるあたりを見るに『魔法使い』だと思う。

 こちらも俺に対する態度は普通だ。なんだか慣れないな……見下されて話しかけられるの当たり前なので、調子が狂う。

「違う。今のは『武具』の力だ」

「武具、ですか。魔法武器のことですね? その弓が……おお、凄まじい力を感じます。これを使いこなすとは、なかなかの実力者と見受けました」

 別に実力者ではないのだが。
 そもそも、俺は強くない。装備の力を借りているだけなので、実力はないと思う。

「おい! 見ない顔だが、貴様も冒険者か!? まぁ、防具のせいで顔は見えないのだがな! ガハハハハ!!」

 今度は筋骨隆々の厳つい男が俺の防具をガンガンと叩いてきた。
 こっちは『戦士』だ。大きな体からは威圧感を感じた。

「そうだ。新しく冒険者になって、昨日Cランクになった」

「若そうだな! 将来有望だ!! 懸命に励むのだぞ!!」

 どうでもいいが、声がでかいな。

「まったく、戦士さんは乱暴で困るよ……君、怪我はない? 僕が治してあげようか?」

 そして、四人の中で最も小さい少年が話しかけてきた。
 聖職者のような恰好をしているのは、恐らく彼が『神官』だからである。

「……大丈夫だ」

「そう? 君もパーティーには回復役を入れていた方がいいと思う。見たところ、荷物持ちしかいないようだし……怪我には気を付けた方がいいよ」

「そうだな。助言、感謝する」

 年下の割にしっかりしている。一応彼は冒険者として先輩なので、助言もしっかりと覚えておいた。

 回復役、というよりは回復の効果も装備に負荷しておけば、よりクエストを安全に達成できるだろう。今後はそうしておくか。

「よし、じゃあギルドの戻って報告でもするか……おい、てめぇ。名前は?」

「……名前か」

 勇者の問いかけに、俺は教えて良いものかどうか悩んだ。
 そんな俺の心中を察したのか勇者は補足の言葉を付け加える。

「今回、俺たちが受けたクエストにてめぇを帯同者として加えてやる。ってか、てめぇが倒したんだからな……むしろ当然の権利だ。でも名前が分からねぇと、帯同者ってことにできねぇだろ?」

 その言葉に、俺は呆然としてしまった。
 まさか戦闘職の人間がそんなことをするとは思わなかったのである。

「……いいのか?」

「遠慮すんな。まぁ、てめぇはなかなか有望な新人だ……今回、出会えて運が良かったぜ」

 まるで、俺を認めているかのような言葉に、少しだけ心が弾んだ。
 国の英雄は、誰にでも平等に接する人格も素晴らしい連中なのかもしれない。

 少しなら、気を許しても良さそうだ。

「……アームだ」

「おう、『アーム』だな。覚えた」

 邪気のない勝気な笑みは、人を惹き付ける何かがあった。

 ……正直、周囲からもてはやされている勇者パーティーはあまり好きではなかった。
 どうせ傲慢な奴らだろ、とばかり思い込んでいたからだ。

 しかしその考えは間違っていたようだ……

「なぁ、アーム。今度、一緒にクエスト受けてみねぇか? 俺たちAランクなんだけどよ、厄介な魔物の討伐クエストがあるんだ。てめぇがいたら色々と役に立ちそうだ」

「……それは、こちらとしても嬉しい」

 偶然にしてできた、勇者パーティーとの縁。
 それはもしかしたら、良縁かもしれなかった。

 成り上がりに向けて、いい風が吹いてきた気がする――
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