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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第二十二話 遭遇

 街道に巣食うゴブリンを倒した後。

 きちんと全滅しているか様子を見に行こうとしたところで、ヘルムに付加した『感知』の効果が生き残ったゴブリンの気配を察知した。

「ん……? 一匹は、生きてるな」

 近づいてみると、十一匹のゴブリンは雷の放電によって焼け焦げているのだが、一匹だけ傷を負っていないゴブリンがいる。

 仲間の体がうまく盾になっていたのか、たまたま雷電に耐性を持っていたのか……いずれにしても、生き残りだ。ぴくぴくと痙攣して今は気絶しているが、起きたらまたここに巣食うのだろうか。

 まぁ、殺せばいい話なのだが。

「……なんだ、こいつ。どこかに逃げようとしていたのか?」

 そのゴブリンが気絶していた場所は、俺が雷の矢を放った場所から少し離れていた。
 地を這った後がある。まるで、どこかに逃げようとしているかのようだ。

 ……気になるな。

 ただ闇雲に逃げたいだけだったら大したことではないかもしれないが、たとえばこいつの逃げる先にゴブリンの『巣』があれば壊滅させた方がいいだろう。

 そういえばゴブリンは他の街道にも現れているようだ。
 もしかしたらこいつらは『組織的』に動いているかもしれない。

 なんとなくそんな感じがした。

 ゴブリンは醜悪で、それから頭が悪い魔物だったはずだ。それなのにこうやって計画的に人を襲うなどするのは少しおかしいのだ。

 たぶんだが、ゴブリンの一団をまとめている何者かがいる。
 そいつがゴブリンに命令しているのだと、俺は予測した。

「おい、こいつが目を覚ましたら後をつけるぞ。身を隠しておけ」

「え? で、でも、これでクエストは終わりじゃ……」

「いや、どうせだから行く。これでゴブリンを殲滅しておけばギルドからも顔を覚えてもらえるだろう」

 クエストとは違うので報酬はないだろうが、知名度はしっかり上がるはず。
 成り上がるにあたってそれはとても大切なことだ。運が良い。

「……分かりました」

 それからすぐに隠密と追跡の効果を付加した武具を生成した。
 セリスにも渡してやって近くの草陰に身を隠す。

 少しすると、気絶していたゴブリンが目を覚ました。

『ギギャッ』

 奇妙な鳴き声を上げながら、ゴブリンはうろうろと周囲を散策する。
 それから仲間の死体を確認した後、街道とは反対側に向かって走り出した。

 やはり森の奥に何かがあるようである。
 そのゴブリンの足取りに迷いはなかった。

 セリスと一緒に後を追いかけて様子を見てみる。
 ゴブリンは俺の追跡に気づいていなかった。生成した武具がうまく機能してくれている。

 しばらくは追跡が続いた。結構な距離を走ったところで、ようやくゴブリンは目的の場所に到着していたようである。

「ひっ……」

 視界が拓けたかと思ったら、そこには何千ものゴブリンがうじゃうじゃといた。

 広場のような場所に座り込んで『ギギャギギャ』と笑っている。それを見てセリスは気持ち悪そうにしていた。

 ……正直、俺もあまり見ていて気持ちの良い光景ではなかった。
 ゴブリンは見た目も酷いし匂いも酷い。

 我慢しながら、その一団をしっかりと観察する。
 そしてすぐに、俺の予想が確信へと変わった。

 ゴブリンの集団の中心に、一匹だけ明らかに毛色が違うゴブリンがいた。
 他のゴブリンより体も大きく、強そうに見える。しかし俺はこんなゴブリンは知らなかった。

「おい、あのゴブリン……普通のゴブリンではないよな? お前、知ってるか?」

 セリスに、異形のゴブリンを指さししながら問いかける。
 彼女は俺の示す方向を確認して、驚いたように目を丸くした。

「あれはホブゴブリンよ……たまにいるらしいけど、珍しいから初めて見た。普通のゴブリンより知能が高いって聞いたことがあるわ」

 なるほど。あいつがゴブリンをまとめているのか。
 ホブゴブリンの指示で他のゴブリンは計画的に動いたりしていたのだろう。

 その証拠に、先程俺の攻撃を受けたゴブリンが真っ先にホブゴブリンのところに行って報告のようなものをしていた。

 これは厄介な敵だな。
 ゴブリンは単体こそ弱いが数がとにかく多い。ここで姿をさらして襲われると数の力に手こずるかもしれない。

 なので、戦法は先程と同じように、遠距離攻撃を仕掛けることにした。
 まぁ、当たり前である。どんな戦いも敵の攻撃が当たらない距離から攻撃していれば勝てる。

 しかも、相手に気付かれないよう一撃で殲滅できれば、戦いは戦いにすらならないのだから。

「おい、少し離れるぞ」

 セリスを連れて少し距離をとる。
 街道のゴブリンを攻撃した時と同じように、少し高地になっている部分を見つけたのでそこから攻撃をすることにした。


【武具生成スキル・発動】
『形状:大弓』
『付与属性:氷』
『特殊効果1:必中』
『特殊効果2:分裂』
『性能1:射撃ダメージ上昇』
『性能2:射撃ダメージ向上』
『性能3:射撃ダメージ増加』


 武具は先程の反省を生かして、属性を変えた。
 雷だと殺しきれない個体が出てくるかもしれないので、今回は確実に殺すために『氷』にした。

 凍らせて砕けば流石に死ぬだろう。
 ちなみに、炎系統にしていないのは周囲の無駄な破壊を避けるためだ。先程も雷にしたのはそういうわけである。

「【氷矢射出ショット】」

 同じように、矢を放つ。
 天高く上昇した矢は上空で何千にも分裂し、各個体のゴブリンに向かって進んでいった。

「「「「――――!!」」」

 一瞬の悲鳴の後、ゴブリンの集団がいた場所に――巨大な氷の山が出現する。
 氷の中には、ゴブリンがぎっしりとしきつめられていた。

 その氷の山は、すぐに砕けて姿を消す。

 一緒にゴブリンの体も砕けて、これで殲滅は完了だった。
 やっていることは先程と変わらない。ただ数が増えただけなので、やはり今回も呆気なく終わった。

 さて、念のため生き残りがいないか確認して帰るとするか。
 そんなことを、考えていた時。

「……っ」

 感知の力に、何者かの気配が引っかかった。
 そちらに視線を向けて、見えたのは――

「勇者パーティーが、いる……?」

 そう。国の英雄である勇者の一団が、なぜかゴブリンたちがいた場所の近くにやって来ていたのだ――
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