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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第二十話 Cランク昇格

 名前も知らない二人のCランク冒険者を脅迫してから、三日が経過した。
 その間、暇つぶしにEランクのクエストを受けていたのだが、とても退屈な内容ばかりだった。

 遠くの地にしか生えない植物の採集や、やたら重い鉱石の収集などである。

 まぁ、一番下のEランクなんて生産職に毛が生えた程度の認識なのだろう。これくらいしかできないという風に判断されているのかもしれない。

 一つ上のDランクともなれば報酬がマシなクエストもあるが、こちらも基本的には採集系だ。
 採集するアイテムのレア度が上がったり、収集の難しい場所にしかないものだったりと、より面倒になってくるから厄介である。

 いくら報酬が良くても収集系のクエストは面倒だ。
 俺の『武具生成』スキルは討伐系のクエストに適している。収集系は得意分野ではないのだから。

 ともあれ、Cランク冒険者の二人は俺のために頑張ってくれたみたいである。
 しっかりと三日で俺をCランクまで上げた。

 言いつけを守るのは良いことだ。きちんと労ってやらなければならないな。

「これでいいだろ!? 早く、この死神を消してくれ!!」

「ちょ、ちょっと待てよ……確かに俺の方が入手ポイント低いけど、差は少しなんだぜ!?」

 三日前もやって来た雑木林にて。
 二人は俺に縋りついてきた。

 どうやら、彼らにしか見えない死神に殺されかけているようだ。首を絞められて息が苦しいらしく、恐怖と疲労で顔色も悪い。

 俺が生成してやった武具には『精神向上』というテンションの上がる効果を付加していたのだが、それでも死神の恐怖には勝てなかったみたいだ。

 もしかしたら蓄積している疲労のせいもあるかもしれない。武具に『疲労無効』『限界突破』『休息不要』が付加されていているため疲れは感じていないようだが、肉体的に二人はもうボロボロのようだ。肉体のダメージと相関して精神も疲弊しているのである。

 この状態には覚えがある。
 奴隷だった時、俺も疲労のあまり頭がおかしくなりそうな時があった。

 気持ちは分かる。でも生産職の奴隷が我慢できたのだから、戦闘職の貴族も当然我慢できるだろう。可哀想とは思わないし、同情もしなかった。

「なぁ、頼むよ! 俺も助けてくれっ」

「ポイントが高い方だけを助ける。そう言ったはずだが?」

 入手ポイントの低い男の言葉を一蹴する。
 そうすると、その男は情けないことに土下座までしてきた。

「ま、まだ、死にたくない……頼みます。お願い、しますっ」

 ……別に土下座をしろとまでは思っていなかったのに。

 こいつらはクソではありそうだが、クラウンほど憎んではいない。俺の役にも立ったし、まぁ命を取るのは流石にやりすぎだと思っている。

 土下座までされると、仕方ないな。

「助けてほしいのか? まぁ、お前は入手ポイントこそ低いが、献上した金は多いからな……特別に命を助けてやる。感謝しろ」

「っ! あ、ありがとうございますっ」

 この数日間、二人から譲ってもらった金のおかげで大分余裕ができた。
 拠点もギルドの近くにある宿に移せたし、二人とも助けてやるとしよう。

「ちょっと待ってくれ、話が違うぜ!? ポイントを多く稼いだ方を、助けるってことじゃなかったのかよ!」

「お、お前、俺が死んでもいいって言うのか!? ふざけるなよ!!」

 しかし、ポイントを多く稼いだ方がいきなり喚き出した。

 相方に死んでほしかったのか? 普通はむしろ二人とも助かって喜ぶはずだが……やっぱり貴族はよく分からないな。

「……お前、クエストの報酬を全て俺に渡していなかっだろ?」

 仕方ない。円満に場を治めるために、あえて目をつぶっていたことを打ち明けることにした。

「な、何を、言って……っ」

「同じランク帯のクエストをしておきながら、報酬金に差が出ると言うのもおかしな話だよな? しかも、結構な差があった……つまりお前は、俺を騙そうとしていたことになるわけだ」

 図星だったのだろう。男は冷や汗のようなもをかいていた。

「あえて目をつぶってやってたんだから、黙れ。俺の決定に意見するな……お前を助けるかどうかは、俺の気分で決まるんだぞ?」

「っ……す、すまねぇ」

 威圧するように言ってやれば、その男は口をつぐんで黙った。
 よし、静かになったところで、呪いを解いてやろうか。

『【死神の呪い・解除】』

 そう命じると、二人の胸元から小さなナイフが飛び出してきた。
 これで呪いは解除されただろう。

「……よ、良かった。ようやく、解放されるっ」

「死ぬかと、思った……」

 二人は安堵して脱力していた。

 本当にいい働きをしてくれたものだ。

 では、用済みである。


【武具生成スキル・発動】
『形状:ナイフ(2つ)』
『付与属性:精神干渉』
『特殊効果1:記憶消去』
『性能:なし』


 二人の気が抜けると同時に、俺はスキルで二つのナイフを生成した。
 数日間の記憶を消す効果を付加している。

 これをまたしても、二人の胸に突き刺した。

「「――――っ」」

 そして二人は倒れて、意識を失う。
 とはいっても、胸を刺した傷による失神ではない。彼らの体には傷などなかった。

 これは数日間の記憶を消去するだけのナイフだ。
 命までは取らない。でも、俺に関する情報が変に広がっては困るので、忘れてもらうことにしたのである。

「これでいいか」

 念のため俺が生成してやった武具も回収しておく。

 二人からもらったお金の分は役に立ってくれたはず。あと、呪いまで解除してやったのだ……金額的にはおつりが出てもおかしくないだろう。

 よし、これで二人との関係はなくなった。

 心機一転、Cランク冒険者として、クエストに臨むとするか――
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