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負け組奴隷生産職は『武具生成』チートで成り上がる ~無限に生産できる最強装備なら復讐も簡単です~ 作者:八神鏡
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第十五話 『ギルド』『冒険者』

 俺の暮らす王国『ヴェルド』には『ギルド』という機関がある。
 主に外壁より向こうの世界――いわゆる『外界』に関連した依頼の発注、管理、斡旋をしている団体だ。

 外界は魔物や他種族などの危険が多く、普通の人間が自由に出入りすることを国は禁じている。

 ただし、外の世界には壁の内側にない資源が多数存在するわけで、それらがどうしても必要な場合にギルドが役立つのだ。

 ギルドは国で唯一、外界に通る門の通行証を発行している機関である。 

 このギルドに『依頼クエスト』として申請することで、外界の資源を獲得することが可能なのだ。

 ギルドには『冒険者』と呼ばれる者たちがおり、彼らがクエストを受注して実行するという仕組みだ。

 冒険者はレベルによってランク分けされている。クエストを受ける際は自分のランクに合った内容でなければならないようである。

「なるほど。だいたい分かった」

 プロエリウム家から離れた翌日の朝。
 俺はギルドと冒険者についての大まかな説明を、セリスから聞き出していた。

 こいつはギルドに登録しているようで、仕組みなどだいたい把握しているらしい。

 俺も今から登録しようと考えている。だが、俺はずっと奴隷をしていたので常識に疎い。ギルドについても聞いたことこそあったが、詳しいことまでは知らなかった。

 そのため、まずは色々と情報を得ていたのである。

「冒険者として登録したいのなら、ギルドで申請をしなければならないわ……審査とかそういうのはないし、手続きだけだから簡単よ」

「……身元が怪しくても、問題はないのか?」

 俺は今、仕えていた家から逃げ出している状態である。
 書類上ではまだプロエリウム家の奴隷のままだろう。そのあたりを調べられたら、登録なんてできそうにない。

 だが、問題ないとセリスは言った。

「ギルドには、身分を明かせない人も多数いるから、身元を調べられることはないの……貴族の隠し子とか、公には生きられないけど戦闘系のスキルを持っている人が冒険者には多いから」

 貴族には後継争いがつきものだ。
 兄弟同士で家督を奪い合い、そして敗れた側は家を出なくてはならなくなる。

 ギルドは、そんな貴族のはぐれ者を救済している機関でもあるようだ。

 冒険者になってクエストを達成できていれば、生活に困ることはない。戦闘系のスキルを持つ貴族には都合の良い職業なのだろう。

 とはいえ、俺は貴族ではないし、そもそも戦闘系のスキルも持っていない。

「生産職でも、登録はできるのか?」

 これは一番危惧していることである。
 奴隷として扱われている生産職が、果たして冒険者になれるのか。

 俺の問いに、やはりセリスは難しそうな表情で首を振った。

「冒険者とは、そもそも戦闘職が登録するものだから……生産職のことは最初から考慮されていないと思うわ」

「そうか。だったら、俺が生産職であることは伏せておいた方がいいな」

 とりあえず身元を調べられることもないのだから、隠していてもばれることはないはず。

「お前はどうするんだ? ギルドには登録してあるんだろ? 俺と一緒にいたら変に思われるはずだ」

 セリスのことを知られるのは困る。
 もし彼女が奴隷になっていることが知られたら、その主である俺は怪訝な目で見られるだろう。

 そんなことで目立つのは成り上がるための障害にしかならない。

「お前は連れて行かない方がいいかもしれないな……まぁ、邪魔だし、要らない」

 俺は『武具生成』スキルのおかげで何でもできる。
 セリスはまったく必要なかった。こいつは俺のストレス発散くらいしか役に立たないな。

「で、でも、その……一人は、怖いです」

 だが、セリスは一緒について来たいらしい。
 従順なのはいいのだが、思考がまともじゃないな。

 俺と一緒にいたら酷い目にあるのは分かっているだろうに、それでも一緒にいたいというのは普通じゃない。

 どうもセリスは、俺に依存しているようだ。

「……なぁ、お前も冒険者になったら一人で生きられるんじゃないか? 身元も調べられないなら、別に大丈夫と思うが」

「だ、ダメっ……私、一人だと何もできないわ。買い物も、着替えも、何もかも……私は、やってこなかったから」

 貴族の娘としてちやほやされてきたセリスに、自立する力は備わっていない。

 だからこそこいつは、俺に縋りついているらしい。

「しょうがないな……荷物持ちにでもさせるか。それでいいな?」

「は、はいっ。喜んで……ありがとうございます、ご主人様」

 すっかり俺の機嫌をとることにも慣れたようだ。
 たった一日しか経っていないのに、順応性の高いことで。

 俺としては、もう少し嫌がっても面白いのだが……まぁいい。

 心から俺に服従しつつあるセリスに溜め息をつきながら、今日これからのことを考える。
 予定通り、この後はギルドに登録に行くとしよう――
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