5/36
第5話 王様がたくさん 副王領
行いの悪いコンキスタドールたちが新しい領土を統治することなどとてもできませんでした。
やがてスペイン本国はアメリカ大陸にしっかりとした統治機構を置くことにします。そうしてできたのが副王領です。
最初に造られたのが、ヌエヴァ・エスパーニャ副王領です。これはカリブ海沿岸を中心に、現在の北アメリカ大陸の東海岸から中央部までを含むたいへん広大な領土を持っていました。
今でもこの地域には、スペイン語の地名がたくさん残っています。ロサンゼルス(天使の街)、サンフランシスコ(聖フランシスコ)、ラスヴェガス(肥沃な土地)などです。
副王に選ばれたのは、王族や貴族の子弟でした。
ヌエヴァ・エスパーニャが置かれた後も、更に副王領は拡張を続け、ペルー副王領、ヌエバ・グラナダ副王領、リオ・デ・ラ・プラタ副王領など19世紀の初めまで存在し続けました。
『ヌエヴァ』『ヌエヴォ』という単語は英語における「new」ですね。
これら副王領が独立するのは、フランス革命の思想的余波に加えて、シモン・ボリバルなど中南米独立の英雄の登場まで待たなければなりません。