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第24話 『売国奴』? インディオの女性通訳、マリーナ

エルナン・コルテスのアメリカ征服が順調に行われた理由は、彼らが特にいくさに強かったからではありません。


彼は、インディオたちの内部分裂を見て取り、それを巧みに利用したからです。


同時代の日本を考えてみましょう。

当時は室町幕府が日本を統治しきれずに、群雄割拠の時代でした。

同じように、当時のアメリカ大陸も様々な先住民族同士が争っていたのです。


コルテスは、アステカ王国を滅ぼすにあたって、アステカの主要民族であるチチメカ族系のメシーカ人とは異なるマヤ族やそれ以外の民族を利用しました。


その先住民族たちの名前はあまり記録に残されていません。


その中でも例外的に名前の残った先住民族の女性が『マリーナ』です。


彼女は、先住民族とコルテスがいくさをした際、和議の証しとしてコルテスに渡された20人の女奴隷のひとりです。


彼女はメシーカ人の言葉が話せたのに加えて、マヤ人へ奴隷として売られて生活した経験もあったため、マヤ語も習得していました。


そのためコルテスは彼女に洗礼名を与え、自分の通訳(けん)愛人として連れ歩きました。


現在残っているコルテスの絵には、彼に付きそう黒髪の女性が描かれています。

彼女がマリーナです。


『マリーナ』は洗礼名であるため、本当の名前は分かりません。


彼女は長年、インディオを裏切ってコルテスに味方した「国賊」として批判されてきました。

しかし近年では激動の時代を巧みに生き切った逞しい女性として評価され始めています。


確かに奴隷として売られ、贈り物として侵略者に渡された女性を責めるのは無理があるでしょう。


どのような人物でどのような人生を送ったのか大変興味深いのですが、歴史は彼女について沈黙しています。

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