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思い出したくない一件から数日が過ぎた後に俺は司馬さんと共に病院の屋上にいた。どうしても確認したいことがあったからだ。何を確認したいことというのは他でもない。先日のデモンズスライムとの戦いで俺のレベルが跳ね上がっていたから能力を確認したかったのだ。それだけではない。他にもいくつか確認しておきたかったことがあったので、それを確認してもらうために俺は可視化できるように設定してステータス画面を開くように命じた。
「ステータスオープン。」
藤堂晴彦
年齢:32
Lv.35
種族:人間(?)
職業:魔王候補生
恐怖を知る豚
優しさを知る豚
異界の姫の豚騎士
称号:電撃豚王
公園の怪人『豚男』
強制送還者
体力:186/186 ➡341/341
魔力4819/4819➡4943/4943
筋力: 176➡272
耐久: 184➡246
器用: 155➡217
敏捷: 211➡273
智慧: 56➡118
精神: 165➡258
魔法耐性: 227➡258
ユニークスキル
〈ステータス確認〉
〈瞬眠〉
〈鑑定〉Lv.∞
〈アイテムボックス〉Lv.0
スキル
名状しがたい罵声
金切声
肥満体質【96/58】
全魔法の才能
運動神経の欠落【48070/65000】
人に嫌われる才能【106320/120000】
〈アダルトサイト探知〉Lv.10
【無詠唱】
【精霊王の加護】
【努力家】
【魔力集中】
【魔力限界突破】
【限界突破】
【インフィニティ魔法作成】
【電撃耐性(大)】
【神速】
【二回行動】
【思考加速】
【地形効果無視】
【オーバードライブ】
【クロックアップ】
【孤狼流剣術:初級】
≪NEW!≫【物理吸収】
≪NEW!≫【暴飲暴食】
≪NEW!≫【倍返し】
≪NEW!≫【魔剣召喚】
‹インフィニティ魔法›
魔法障壁:絶
Dボム作成
回復薬【最上質】作成
マイナススキル
味覚喪失(11360/120000)
魔力回路喪失(0/180000)
数あるステータスは軒並み上昇していた。特に魔力がやらかしている感満載だったが、司馬さんも事情は知っているので何も言わなかった。ただ、司馬さんにはこう突っ込まれた。なぜゼロスペースを使用できたなら日数をかけて魔力を自然回復しなかったのかということだ。言われてみれば確かにそうだ。それに関してインフィニティに突っ込みを入れると奴は何故か返答を拒否した。まさかとは思うが、こいつ、さんざん自重しろと言っておきながら俺の魔力を意図的に上げようとしてないだろうな。このスキルの事だ。こういう沈黙をするときは何か良からぬことを考えているに決まっている。
『…分身体を作成するにはもう少しだけ必要ですね。』
「何か言ったか。万能スキル。」
『いいえ、何も。』
絶対何か考えてやがるよ。ていうか、分身体ってなんだ。聞こえるように言いやがったぞ。それ以上突っ込もうかとも思ったが、インフィニティは沈黙した。
これ以上の情報は聞き出せないと思った俺はそのほかのツッコミをいれることにした。
まずは職業の魔王候補生である。実はあの戦いの後から不穏すぎる質問が何度か俺の頭の中で流れていた。あまりにも怖かったので敢えて触れずに保留にしてあるのだが、恐らくはその質問の影響かと思われる。ちなみに質問内容はこうだ。
【特定条件を達成したことで魔王種の因子が目覚めようとしています。解放して上位種族へと進化しますか。】
➡
はい/いいえ
皆さんならこの質問にどう答えるだろうか。もしかしたら『はい』と答える人も中に入るかもしれない。しかし、それは人間辞めますかと同義である。俺は今の人間としての自分が気に入っているし、魔王とやらに進化する気などさらさらない。ただ、この先に何が起きるのかも分からない。そう言った場合にこの質問に『はい』と答える日が来るかもしれない。だからこそ手札として持っておいた方がいいと思ったのだ。