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4-7(P32)

次の日も、そのまた次の日も懲りることなく秘密の魔法トレーニングを続けた俺のステータスは慣れてくるにつれて安定して上昇するようになっていた。一日当たりに上昇できる魔力は平均で200近くだろうか。数日間、そんな生活を繰り返した結果、俺の魔力のステータスは異常な数値になっていた。


藤堂晴彦

年齢:32

Lv.2

種族:人間

職業:異界の姫の豚騎士

称号:電撃豚王

公園の怪人『豚男』

強制送還者


体力: 21/21➡28/28

魔力:195/195➡魔力1258/1258

筋力: 18

耐久: 20➡28

器用: 10

敏捷: 12

智慧: 14

精神: 14

魔法耐性:0➡25

ユニークスキル

〈ステータス確認〉

〈瞬眠〉

〈鑑定〉Lv.∞

〈アイテムボックス〉Lv.0


スキル

名状しがたき罵声

金切声

肥満体質【108/58】

鈍足 【33265/420000】➡鈍足 【225265/420000】

全魔法の才能

運動神経の欠落【70/65000】

人に嫌われる才能【16320/120000】

〈アダルトサイト探知〉Lv.10


【無詠唱】

【精霊王の加護】

【努力家】

【魔力集中】

【魔力限界突破】

【限界突破】

【インフィニティ魔法作成】

≪NEW!≫【電撃耐性(中)】



どう考えても魔力1258/1258というのはやり過ぎ感である。インフィニティさんによれば普通の魔法使いの魔力が200程度という事なので、その十倍のステータスという事だ。あり得ないだろう。

やり過ぎたかな、そう思っているとインフィニティにも同意された。自重するべきだと言われたので理由を尋ねた俺は説明を受けていくうちに青ざめていった。

世の中には強大な魔力を求める悪魔や魔法使いがいるらしく、今の俺は彼らに狙われる可能性があるらしい。巨大な魔力を栄養分にして次元をまたいで暴れまわる魔獣もいるということで、際限なく魔力を上げていけばそいつが地球にやってくる可能性があるから自重するほうがいいと忠告された。

魔獣の名はワールドイーター、大規模な魔力をその世界ごと喰らいつくす危険な存在らしい。だいたい魔力が20000以上あると目が付けられるという事なのだが、さすがにそこまで魔力をあげる気にはならない。魔力を150000貯めればサクリファイスの魔法で異世界に転移できるという話だが、それだけの労力を払うくらいならば減量した方が早い。第一、電気ショックを何度も食らいたくはないからな。電気ショックの食らい過ぎで電気に対する耐性や防御系のステータスが軒並み上昇しているのも気になる。ひょっとしてそのつもりで電圧を上げたんじゃないだろうな。インフィニティよ。


『……………』


意味ありげに沈黙するなよ!認めてるようなもんじゃねえか!。だいたい、限界まで魔力を使い切って増える魔力が3だけというのが異常すぎる。3上げるために死ぬ思いをして電気ショックを受けるくらいなら痩せたほうがましだ。

第一、こんな異常なスキルをしかるべき機関が見たら幽閉される可能性もある。それは何としても避けたい。そう考えているとそれまで黙っていたインフィニティさんが提案してきた。


『擬装用のステータス表示を行いますので安心してください』


おいおい、どこまで優秀なスキルなんだ、君は。鑑定って拡大解釈スキル、強すぎないか。そんなことを思いながら一人でにやけ面をしていると洗濯物を取り込んできたシェーラが笑いかけてきた。


「またインフィニティと悪だくみの相談ですか」

「人聞き悪いなあ。そういうわけじゃないんだけど」


まるきり否定できないのが悲しいところだ。そんな俺にシェーラは苦笑しながらその場に座ると洗濯物を畳み始めた。その所作は新妻のものを思わせる。何だか意識してしまって、まじまじと見てしまった。そういえば首飾りを外してウォーキングをするようになってからだいぶ顎のあたりがすっきりしてきたなあ。順調に痩せてきているということか。そんな俺の視線に気づいたシェーラが優しく微笑む。なんだか照れくさくなった俺は思わず視線を逸らした。そんな俺にシェーラは語り掛けてきてくれた。


「そういえばベランダで洗濯物を取り込んでいる時に見かけたのですが、いつも見かける樹にピンク色の奇麗な花が咲いていました。あれは何ですか」

「ああ、あれは桜だよ。見たことなかったっけ」

「ええ、ディーファスでは見かけない花ですね。とても美しいと見とれてしまいました」


そう話すシェーラは少し寂しそうだった。ひょっとしてホームシックかな。その表情が何を意味しているかは分からなかった俺は尋ねようかと思案した。そんな矢先にインターフォンが鳴る。


「おい、兄ちゃん、いるんだろ。出て来いよ」


外から聞こえてきたのは司馬さんの声だった。先日の一件以来、司馬さんは暇を見つけてはこちらに寄ってくれるようになっていた。俺たちの監視の意味もあるのかもしれないが、たいていは手土産を持ってきて世間話をして帰っていく。見た目はごついのに思った以上に親しみ深い司馬さんに人見知りが激しい俺もいつしかほだされて仲良くなってしまっていた。


「ハーイ、今行きます」


そう言って俺は司馬さんを迎え入れるべく玄関に向かった。





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