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第十五話-14

 換金を終えて店から出た俺とブタノ助は武器屋を探すことにした。ブタノ助はいつになく興奮していた。何故だろうかと思って尋ねると、彼は興奮冷めやらない様子で説明してくれた。どうやら10万ゴルドというのは結構な金額らしい。普通に暮らしていれば何年も暮らしていけるような大金だ。改めて神様扱いされ出したので照れくさい反面、軽はずみだったかもしれないと反省した。

 あんな目立つところで換金したらゴロツキに見つかって身ぐるみを剥がされるテンプレ展開になるに違いない。何となく嫌な予感がして俺はインフィニティに後ろについてきている者がいないか尋ねた。予想通り、鑑定スキルの話では数人のゴロツキがこちらの後をついてきているらしい。俺は溜息をついて小声でブタノ助に話しかけた。


「ブタノ助、そのまま振り向かずに聞け。金の匂いに釣られてよからぬ輩がついてきているらしい」

「…迎撃しますか」

「そうだな、よくお話しした方がいいかもしれないな」


 そう答えた後で俺は振り返って追跡者たちの顔を見た。見るからにゴロツキですと言わんばかりの狼の亜人たちであった。彼らは尾行に気づかれたことに少しだけ驚いた様子であったが、開き直って脅しをかけてきた。


「成金の豚ども、さっきの金を渡しな」

「一応聞いておくが、お前たち、さっきの店で雇われた人間では無いだろうな」

「…さあ、知らねえな」


 その質問をした瞬間にインフィニティが話しかけてきた。どうやら今の質問をした瞬間にゴロツキたちが動揺したのを感知したらしい。最悪だ。マジで店に雇われた強盗なのかよ。げんなりしながらも俺は彼らに尋ねた。


「もらった金は適正な取引で得たものだ。それを奪うのは強盗と同じだぞ」

「いいからいう通りにしな」


 冷静に話し合おうと思ったが、ゴロツキ達は激高して腰に差していた刃物を引き抜いた。ゴロツキ達の様子に反応したブタノ助が俺を庇うように前に出る。そのブタノ助を制して俺は自ら前に出た。


「刃物を抜いたという事は逆に傷つけられる覚悟もできているんだろうな」

「カッコつけてんじゃねえぞ、デブ野郎」

「なるほど、あくまで話し合おうというつもりはないか」


 俺は冷たい目をしたまま、ブラックウインドウを起動した。ゴロツキ達に放たれた黒いウインドウ画面はそのまま彼らの武器をアイテムボックスへと収納していく。それだけでは反省しきらないだろうと思った俺は幻覚の魔法を放った。幻覚の内容はこうだ。体の内側から這い出した無数の手がゴロツキ達の身体と視界を蝕むという悪夢のようなものだ。とはいってもそれは俺が毎回インフィニティのポンコツスキルによって被害を受けている光景に過ぎない。耐性ができている者にはそこまでの効果はないのだが、耐性のないゴロツキ達には効果が抜群だった。


「ぎゃあああ!!なんだこれ、俺の腹から手が、手がああ!!!」

「見えない、視界が肌色で何も見えないよ、おかあちゃああん!!」

「ば、化け物だああ!!」


 ゴロツキ達はパニックになりながら我先に逃げ出していった。そんな彼らの様子を笑いながら見ているとげんなりした顔のブタノ助に諫められた。


「神様、流石に今のはどうかと思います」

「まずかったかな」

「インフィニティ殿にされた件といい、今の件といい、たまに神様が邪神の類ではないのかと疑ってしまいます」

「ご、ごめん、気をつけるわ」


 一番身近に感じていたブタノ助に諫められて俺はしょんぼりした。




               ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇            





 ゴロツキ達を追い払った後に暫く街を散策した後に目的の武器屋にたどり着いた。とはいっても工房が隣についているような本格的な武器屋ではなく、骨董屋のような品を多くそろえている雑貨屋のような店だった。普通のRPGならばこういう店に掘り出し物があるものダ。そう思って立ち寄ったわけだが、がらくたしか置いてなさそうだ。

当てが外れた、そう思って店から出ようとした俺をインフィニティが慌てて呼びかけた。


『マスター!!これは今後の戦いに役に立ちますよ』


一見してそれは普通の武器にしか見えなかった。だが、インフィニティはこの武器に隠された効果を見出したのだろう。言われるままに俺は武器を手に取って購入することにした。


というわけで晴彦が手に取った武器の形状と特殊効果を感想欄にて募集します。ブタノ助に装備させるつもりですのでそれに合った形状の武器を考えてもらえたら採用します。よろしくお願いします。

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