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「しかしさぁ普通とるか?全教科0点なんて」
「別に取りたくてとったんじゃないよぅ」
やべっ。ちょっと泣いてんじゃん。ったくどーしよっかなぁ。教えるとは言ったけど俺の力で何とかなるもんなのか…?
自信を無くしそうな俺に街で完全に浮いてるある声が聞こえてきた。
「いらっしゃーい。お金にお困りの方いませんかー?今このネックレスを付けて家に入るともうそこにはお金がたっくさん。…いかがですかー?」
いや、ちょっと待て。あれはない。あんなのかう奴いる訳が……
「おじさんそれちょーだい!」
うわぁぁ。いたよ。
「おい凛さすがのお前でもあれには引っかからないよな…ってあれ?」
「ヒデくーん!見てみてこのネックレスー!このネックレス付けると金運アップだって!」
お前だったかぁぁぁぁぁ!
「お前それ…いくらしたの?」
「今だけ2つで5000円だったよ?」
「は?2つ?」
何だ?彼氏にでも上げるのか?その彼氏可哀想過ぎるな。ドンマイ彼氏。
「ヒデくんいっこあげる!」
いらねえええええええええええええええええええええ!!!!
いや、ちょっと待って。それだけはほんとに要らない。マジでいらない。勘弁して。
「ヒデくんに勉強教えてもらうからそのお礼!」
うっ…そんな感じで言われたら要らなくても受け取らなきゃいけない感じになるじゃん…。しょうがない。貰っとくか。
「はいはい。ありがとね。」
「うんっ!大事にしてね!」
はぁ…これがほんとだったらいいんだけどな。…まあいい、とりあえず帰って勉強だ。
「ただいまぁぁぁぁああああ!!!???」
なんだこれは!!見渡す限り金、金、金!!!!なんだここ!!家間違えたか!!!
「凄いねヒデくん!アルバイトでこんなに稼いでたんだね!!」
「んなわけあるかぁぁぁぁ!!!」
おっと、いけないいけない。つい気が動転して切れてしまった。
「やっぱそうだよねww」
おい。そうだけど言っちゃダメだろ。
しかしダメだ。もう腰が抜けて動けん。ドア開けたまま叫んじゃったし。後で謝りにいかなきゃな。
「おーいそろそろ中入ってきてよー」
「「!!!!!!!!」」
その声は確実に部屋の中から聞こえてきた。俺のLKのLの方から聞こえてきた。
「ねぇヒデくん。女の子連れ込んでるの?」
確かにその声は女の声だった。いや、違うよ?連れ込んでたとかそんなんじゃないよ?ほんとに分からないから戸惑ってるだけなんだからねっ!
「いや、全然知らん。」
「早くーこっち来てよーいろいろ話したいこともあるしー」
相変わらずマイペースなその声は俺達を部屋のなかへと呼び入れる。
「とりあえず行ってみるか。」
「う、うん…」
俺達は中に入りその声の主と対面した。
「あ、どもこんちわー」
その声の主は思ってた以上に可愛かった。いや、違うか。可愛らしかった。学年でいうと小3.4ってところか。ショートヘアが似合う白人っぽい風貌だ。
「突然驚かしちゃってゴメンねー」
なんだこのガキンチョ。舐めとんのか。俺の心の寛容さに感謝しろ。
「君たちにはこれから僕の住む世界に来て欲しいんだ。」
は?何言ってんの?電波さんなの?
「僕の住む世界に来たらあれぐらいのお金、秒で稼げるよ!」
「行きます!行かせてください!」
なんだこの子天使かよ!そういう事は早く言ってくれよ!どこまででもついて行くよ!
「そっちの凛ちゃんだっけ?君にも行くといい事あるよ!」
「なんで名前知ってるの!?」
「それは向こうの世界で説明するよ!君も向こうに行けばきっと頭が良くなるんじゃないかな。」
「行きます!行かせてください!」
ん?なんか聞いたことあるセリフだな。
「分かった!2人とも行くよ!」
そう言って少女は玄関から出ていくのだった。
俺達も外に出る。そと、に、でる?
「どこだよここ!?」
「え?僕の住む世界だよ?」
「え!?だって私たちドアくぐっただけだよ!?」
そう。俺達はドアをくぐると同時に異世界へと移動しているのだった。