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紅砂を駆けるスタンピード ~blood of jane~  作者: 天王寺綾香
一章 カラミティ・ジェーン
44/265

P44

「あ、アシュフォード・・・」


「ーービリー町長。

ここは俺に任せてくれないか。

皆も、そして星頂人パイオニアの方々も、

1度手を引いてほしい」


時折咳をしながら、静かな調子の声を響かせると、

それに無意識に従ってしまったかのように星頂人パイオニア含む一同が手を引き、一触即発だったその状態は解除された。

アシュフォードと呼ばれたその男は、町人を後ろに引かせて、代わりに自分が星頂人パイオニアのボスと思しき男と向き合う。


「ーーパリストさんよ。

あまり無茶言ってもらっちゃ困るんだよ。

こっちだって金が無きゃ、生きていけないんだ。

俺らの事情ってもんも少しは考えてもらいたいな」


カウンターに手を置き、身を乗り出すようにして、星頂人パイオニア側のボス・パリストに詰め寄る。

そんなアシュフォードの態度に星頂人パイオニアも怒りを露にするが、パリストが腕を横に伸ばしてそれを制する。


「君たちの事情など考慮しない。

上納金を納めるのは君たち開拓者コロニストの義務だ。

そしてその金額を決めるのは、管理する私の自由だよ」


無表情な顔から発せられる感情のこもっていない、無機質な声。

加えて最初から論ずる気などない、という無言の主張。

そんな人を人と思わないようなパリストの態度に、町人の一人が身を乗り出そうとするが、

今度はアシュフォードがそれを制した。


「そこまで言うなら仕方ないな。

俺たちも無茶な要求には応じられない。

上納金の回収は諦めるんだな」


「ほぅ・・・ならば上納金を払わないと言うのかね?」


「そういう事になる」


「これは強気に出たものだな。

上納金を払わねば君たちはこの町には住めないのだよ?

我々星頂人パイオニアに歯向かえばどうなるか、君も知らないわけではないだろう?」


「いいだろう。

好きにするがいい」


アシュフォードの開きなおったかのような態度に、さすがのパリストも表情が動く。

聞いていたビリー町長も不安そうにアシュフォードに小さく声を漏らしている。

上納金を払わなければ町は潰される。

それは決して単なる口先だけの脅しなどではないのだが。


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