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「まぁいいか。
『物』も得物も確認できたわけだし・・・、
あとはどういう方式で『決闘』するかだな」
「細けぇルールなんているかよ。
互いに一斉に撃ち合って生き残った者の勝利。
それが一番わかりやすいだろ」
バイスが決闘の細かなルールを如何にするかと切り出すが、
デックはそんなもの必要ないという。
確かにどんなルールであれ、
これから行うことは詰まるところ銃による撃ち合い、すなわち殺し合いだから、
必要なものといえばそれに関する覚悟か。
「―-待って」
デック・バイス二人の言葉だけが支配していたこの空間で、
不意にそれは破られた。
初めて三人目が口を開いた――いや声を上げたのである。
二人も少し驚いたような面持ちで三人目に視線を遣る。
「よかったら『決闘』のルール、
あたしに決めさせてくれないかしら」
初めて口を利いたかと思えば、
言わば最後の締めである決闘のルールを自分に決めさせろという。
今までコミニュ二ケーションを取ってこなかったにもかかわらず、
突然のその申し出はある意味ふてぶてしさすら感じさせる。
しかし他の二人が着目したのはそこではなかった。
二人は今の声を聞いて分かったのだ。
声質からしてやはりマントの中の人物は『女』であると。
確信したように二人は含んだ笑みを浮かべた。
「へへへ・・・ようやく喋ったかと思えば、
決闘のルールを決めさせろときたぜ」
「くっくっく・・・面白れぇじゃねぇか
どんなルールなのか、むしろ気になるってもんだ。
言ってみな、『嬢ちゃん』」
デック・バイスが続けて口にする。
どこか小馬鹿にしたような態度ではあるが、興味に惹かれたのは確かなようである。
その時、マントの奥から小さく笑う声が響いたのだが、
二人には聞き取れただろうか。
とにも三人目の言葉に耳を傾けることとなり、
冷めた女性の声が『決闘』に関する提案を話し始めるのだった。




