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紅砂を駆けるスタンピード ~blood of jane~  作者: 天王寺綾香
序章 アリス・ジェーン・カナリー
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P4

「まぁいいか。

 『ブツ』も得物も確認できたわけだし・・・、

 あとはどういう方式で『決闘』するかだな」


「細けぇルールなんているかよ。

 互いに一斉に撃ち合って生き残った者の勝利。

 それが一番わかりやすいだろ」


バイスが決闘の細かなルールを如何にするかと切り出すが、

デックはそんなもの必要ないという。

確かにどんなルールであれ、

これから行うことは詰まるところ銃による撃ち合い、すなわち殺し合いだから、

必要なものといえばそれに関する覚悟か。


「―-待って」


デック・バイス二人の言葉だけが支配していたこの空間で、

不意にそれは破られた。

初めて三人目が口を開いた――いや声を上げたのである。

二人も少し驚いたような面持ちで三人目に視線を遣る。


「よかったら『決闘』のルール、

 あたしに決めさせてくれないかしら」


初めて口を利いたかと思えば、

言わば最後の締めである決闘のルールを自分に決めさせろという。

今までコミニュ二ケーションを取ってこなかったにもかかわらず、

突然のその申し出はある意味ふてぶてしさすら感じさせる。


しかし他の二人が着目したのはそこではなかった。

二人は今の声を聞いて分かったのだ。

声質からしてやはりマントの中の人物は『女』であると。

確信したように二人は含んだ笑みを浮かべた。


「へへへ・・・ようやく喋ったかと思えば、

 決闘のルールを決めさせろときたぜ」


「くっくっく・・・面白れぇじゃねぇか

 どんなルールなのか、むしろ気になるってもんだ。

 言ってみな、『嬢ちゃん』」


デック・バイスが続けて口にする。

どこか小馬鹿にしたような態度ではあるが、興味に惹かれたのは確かなようである。

その時、マントの奥から小さく笑う声が響いたのだが、

二人には聞き取れただろうか。


とにも三人目の言葉に耳を傾けることとなり、

冷めた女性の声が『決闘』に関する提案を話し始めるのだった。

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