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紅砂を駆けるスタンピード ~blood of jane~  作者: 天王寺綾香
二章 『ベガルタの剣』 ~邂逅の時~
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P186

吹き飛ばされながらも、直ぐに着地し足で制止を掛けるヴァージニス。

だがその間にジャンヌは手負いの身体を動かし、自らが投げたゲイボルグの側に立つ。

地に突き刺さったそれを引き抜くと、それをヴァージニスに向けた。


「ーーアリス・ジェーン・カナリーっ!

さっさと白銀の銃剣を拾えっ!」


「ジャンヌさん・・・っ!」


「今、奴は明らかにそれを狙っていた。

奴にそれを奪われては面倒な事になるっ!」


そう、ヴァージニスは明らかに白銀の銃剣・ティアマトーを狙っていた。

アリスなどには目もくれず、である。

ジャンヌはそれを阻止し、そしてアリスに伝えたのだ。


「ーーティアマトー・・・っ、よこせぇ・・・っ!

それとこの『ファフニール』が揃えばぁ・・・あたしはぁ・・・あたしはぁっ!」


ヴァージニスが『ファフニール』と呼んだ黒い短剣に舌舐め擦りをしながらゆらりと前に出る。

その不気味な笑みには見る者を不安にさせる不気味さがあった。

ーージャンヌが喰らわせた『咆龍衝』。

アリスに大きなダメージを与えた技だが、ヴァージニスにはダメージと呼べるような成果を上げたとは言い難く、ジャンヌは舌打ちする。


「ーー急げっ、アリスっ!

白銀の銃剣・・・今一度、貴様に預けるっ!」


ジャンヌは自分が足止めしている間にアリスにティアマトーを拾わせようとしているのだ。

そのためにはヴァージニスをティアマトーに近づけん、と自ら前に出てヴァージニスに挑む。


託されたアリスはふと傍のクリークを見た。


「ーーまぁ、仕方ありませんね。

奴の力が得体の知れないものである以上、ここは協力、共闘といきましょう。

あ、この人の面倒は僕が見てますので」


ジャンヌやクリークも白銀の銃剣を手に入れようとする者たちである。

だが状況を考え、クリークもまた再びアリスにティアマトーを握らせることを容認した。

更にリリィの面倒を見てくれるという言葉を信じ、アリスは一つ頷いてそれを返事とする。


そしてアリスは真っ直ぐ、ティアマトーの元へと駆け出した。

距離は三、四メートルほどか。

アリスの足ならば数秒で拾うことが出来る。


だがその間にもジャンヌとヴァージニスは激しい攻防を繰り広げていた。

前に出たジャンヌがヴァージニスの身体の中心を狙って、ゲイボルグを突き出す。

だがヴァージニスのその身体はジャンヌの視界から瞬間的に消え去った。

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