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紅砂を駆けるスタンピード ~blood of jane~  作者: 天王寺綾香
二章 『ベガルタの剣』 ~邂逅の時~
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P176

ただここはアリスも反応が間に合っており、後方に飛び退いてゲイボルグの切っ先から逃れようとする。

標的を失った切っ先はそのまま地へと突き刺さると、そこを中心として円状に地が砕けて抉り取られる。

ーー舞い上がる破片。

その凄まじい破壊力を目の当たりにしつつも、アリスは反撃すべくティアマトーの銃口をジャンヌに向ける。


「ーー無駄だっっ!ジェーンっ!」


ジャンヌが吠える。

突き刺さったゲイボルグの切っ先を地から抉り出すと、地を強く蹴り空中に逃げたアリスを追うように飛び上がる。


「ーー『のぼ飛龍ひりゅう』っ!」


下った龍が再び空へと昇る。

下り飛龍を回避した者を追撃するように繰り出された槍撃は、アリスの身体に突き刺さるーー。


「ーーお姉様ぁあっ!!」


先よりも一際高いリリィの声が響く。

遠眼の彼女にはジャンヌのゲイボルグに串刺しとなったアリスの光景が映ったのだろう。

だが実際は違ったのだ。


ーー合わさる切っ先と切っ先。


ジャンヌの動きから追撃を読んだアリス。

だが空中にいる状態で串刺しにしようとする槍撃を回避するのは難しいと判断し、彼女はある賭けに出た。


銃形態から短剣へと戻したティアマトーの切っ先で、ゲイボルグの切っ先を『受け止めた』のだ。

寸分狂わず合わさった切っ先と切っ先。

それによりアリスの身体は更に上空へと押されただけで、ダメージを受けていない。


咄嗟に行ったこの神業にはさすがのジャンヌも目を見開き、僅かに開いた口から声が漏れた。

対して笑みを浮かべるアリス。

その笑みを見たジャンヌはアリスの真の狙いに気付かされた。


「ーーティアマトーっ!!」


「ーー『ガ・ジャルグ』っ!」


同時に響く両雄の猛り。

ティアマトーは再び短剣形態から銃形態へと瞬時に切り替わる。

ゲイボルグの切っ先と向かい合う銃口をジャンヌへと修正し、アリスは迷わず引き金を引いた。

その間、1秒から2秒。

自らも空中に飛んでいるジャンヌにはかわせないと思われたが、どこからともなく飛来した白銀の盾・『ガ・ジャルグ』。

下り飛龍を放つ際に置き去りにしたはずのそれが、ジャンヌの左手の引き寄せるような動きを見せるや、瞬時に彼女の元へ馳せ参じ、その役割を果す。

ティアマトーから放たれた弾丸は、間一髪のところでガ・ジャルグの強固な装甲に阻まれたのだ。

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