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紅砂を駆けるスタンピード ~blood of jane~  作者: 天王寺綾香
二章 『ベガルタの剣』 ~邂逅の時~
123/265

P123

「最初は開拓民あたしたちの先祖がこの世界に暮らしてたんだよね?」


「俺のひいひいひいじいさんくれぇの話だな」


「そこに現れたのが星頂人パイオニア・・・」


「なんでもこの世界に開拓民おれたちの先祖が住むよりも遥か昔に住んでいた先住民の血を引くのが、星頂人パイオニアだって話だがな?」


「ふぅ・・・ん、そんな昔の話なんてちっとも絵になって浮かばないけど」


「でもって開拓民おれたちの先祖ってのは、元々その先住民の奴隷とかでよ?

星頂人パイオニアはその時の関係を今に生きる開拓民おれたちに強要してきたってわけだ」


「・・・よく分かんないな、そういう考え。

星頂人パイオニアだって、開拓民あたしたちの先祖がこの砂漠の世界を少しずつ『開拓』したから、住んでいられるわけでさ」


「ま、星頂人パイオニアにしてみりゃ、それが当然だと思ってんだろ」


「・・・星頂人パイオニアだって手を貸してくれたら、もっとこの世界は住みやすくなると思うんだけど」


開拓民コロニスト星頂人パイオニアの関係の歴史。

所々、あいだは抜けてはいるが、これすら知識として持っている開拓民コロニストは少ない。

今では開拓民コロニスト星頂人パイオニアの関係について不平等である、と感じはすれども、『そういうものなのだ』と思っている者が大半なのだ。

最初は星頂人パイオニアの一方的な圧政に反抗し開拓民コロニスト側も必死に抵抗したが、

今の時代は圧政も大分和らいだため、苦しいながらも人間らしい生き方が出来るなら、と敢えて反抗する者が減っているのだ。


もっともトラブルが絶えないのはアスピーク・タウンを見て分かる通りである。


アリスはどちらかと言えば星頂人パイオニア側にもっと歩み寄ってほしいーーと、願っているようだが、

当然ながらすぐにはそんな事は実現しないだろうというのは、懸命な彼女だからよく理解している。


ならば今の時代、自分たちに何が出来るのかーー。

アリスはボブと語りながらそんな事も考えているようだった。


「ーーそういえば嬢ちゃん。

また新しい目的のために旅を始めた、って話だけどよ。

それがノース・フロンティアにあるのかい?」


「うん・・・まぁ、ね」


辛気臭い雰囲気を嫌ったか、ボブが話を変えるべくそう訊くと、

アリスはどこか答えにくそうに頷いた。

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