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紅砂を駆けるスタンピード ~blood of jane~  作者: 天王寺綾香
二章・序幕 セット・エトワール
115/265

P115

兄、グラウス・バートエッジと妹、グラッセことグラッセリカ・バートエッジで通称『バートエッジ兄妹きょうだい』。

二人で、一人のセット・エトワールという扱いをされている異例のメンバーである。

その理由として、同じ顔をしていることから分かるように、この兄弟は双子である。

お互いがお互いに深く依存しており、兄妹の禁断愛を噂される、幹部としても異彩放つ存在だ。

もちろんセット・エトワールの一人として数えられる以上は、その実力は折り紙つきであるがーー。


「ーー双子の言う通り、我々が必要以上に恐れを抱くのは部下の士気にも関わる」


「ーーフラムベルグ少将」


「だがあのアークダイン殿が倒されたという事は、やはり『災厄ジェーン・ブラッド』を継ぐ者がただの相手ではないと言う証拠に外ならない。

・・・これ以上、無益な犠牲を出さないためにも、今日こうして集まった我々が手を取り、そして人事を尽くさねばなるまい」


軍服の上からでも鍛え抜かれた身体を十二分に見て取れる、四十代後半から五十代前半といった貫禄のある男。

戦いで負った傷なのだろうか、右目は眼帯を付けており、顔にも夥しい傷跡が残る。

アーサーにフラムベルグと呼ばれたその男がそう語ると、バートエッジ兄妹きょうだいを除く一同が頷くような姿勢を見せた。

アーサーはそんな彼を実に頼もしげに、満足そうな笑みを見せていた。


「だが隊長。

私にも今一つ腑に落ちない点がある」


「言ってくれたまえ、フラムベルグ」


「そこにいるランディが、あのカラミティ・ジェーンことマーサ・ジェーン・カナリーの相棒と言われたゼニスに張り付いていたのは、彼が要監視人物というよりも、

その者がマーサより『白銀の銃剣』を預かっていたということを突き止めたからだろう?

何故すぐに奪い取らなかったのだ?」


「ふむ・・・」


「『白銀の銃剣』及び『漆黒の銃剣』。

マーサが使っていたというこの二つの武器を手に入れることは、最重要課題だったはず。

ランディならばいつでも容易に奪い取れただろうに・・・何故それをさせずに、敢えて『災厄ジェーン・ブラッド』を継ぐ者に渡させたのだ?」


フラムベルグの質問にランディも頷きながらアーサーを見た。

どうやらランディもその件については気にしていたようだ。

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